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『在宅HACKS!』小山龍介 自分史上最高のアウトプットを可能にする新しい働き方

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今すぐ使えるお役立ちテレワークノウハウ集!

2020年刊行。筆者の小山龍介(こやまりゅうすけ)は1975年生まれの実業家、コンセプトクリエイター。

在宅HACKS!―自分史上最高のアウトプットを可能にする新しい働き方

大手代理店を経てMBA取得、松竹で新規事業の立案に関わり、その後独立。現在はブルームコンセプト代表取締役。名古屋商科大学の准教授を務めるなど、多彩な分野で活躍をされている方である。

内容はこんな感じ

在宅勤務は単なる働く場所の選択ではない。新しいキャリアの選択であり、人生のあり方の選択である。新型コロナウイルスの感染拡大により、企業のテレワーク対応が爆発的に推進された。ポスト・コロナ時代には働き方の大変革が起こる。筆者自身の経験から語られる、在宅勤務の効率を向上させる89のノウハウ集。

テレワークの効率を上げたい!

いきなり個人的な話で恐縮だが、新型コロナウイルス対応で、業務がテレワーク体制に入って、かれこれ8か月になろうとしている。IT系の仕事であるため、業務の移行はスムーズに行えたのだが、当初の緊張感が緩んでいくにつれて、どんどん仕事の効率が落ちてくるのである。気力、集中力が続かないし。オンとオフの切り替えが難しく、だらだら生産性が低いまま長時間労働をしてしまったりもする。外に出ることも少ないので体力も落ちてしまい、肥満化が進み、血圧も上がってきた。

これはヤバい!ということで、探して手に取ってみたのが本書である。本書では、新型コロナウイルスの到来以前に、在宅での業務を行っていた筆者による、89の実践的なノウハウが示されている。

使える使えないは個々人の環境、向き不向きの問題もあると思う。まずはざっと目次を見渡してみて、出来ること、取り入れられそうなことからトライしてみると良いだろう。

では、以下各章ごとに筆者が提案しているTIPSを取り上げつつ、特に気になった部分についてコメントしていきた。

第一章 環境整備ハック

この章では、集中力を高め、やる気スイッチを入れることが目的。紹介されているTipsはこちら。

  1. 脳の認知資源を浪費しない環境を作る
  2. 照明による「舞台効果」で集中力を引き出す
  3. ダイニングテーブルをオフィスデスクに転用する
  4. ゲーミングチェアで腰の疲れを軽減する
  5. 骨盤を立てて座る
  6. 大型ディスプレイで作業効率を高める
  7. 二酸化炭素濃度を1000PPM以下にする
  8. リビングに「ゆらぎ」をあたえる
  9. 自宅の窓をデジタル化する
  10. 在宅勤務のための音楽セレクション
  11. 香りで心をコントロールする
  12. ベランダをオープンカフェにする
  13. 意思と環境

自宅で作業できるメリットの一つとして、環境を自分好みに構築できることが挙げられる。快適に、それでいて集中力を高めるための13のTipsが登場する。

実際に自宅で作業してみてわかったのだが、職場は仕事に専念するための環境が本当揃っていたと思う。わたし的なこだわりとしては、机と椅子は本当に大事。これは多少の初期投資がかかっても、満足のゆくものを揃えた方が良いと思う。

第二章 行動管理ハック

オンとオフを切り替えて、アウトプットを最大化していくためのTips集である。

  1. 着替えはオン・オフを切り替えるトリガー
  2. 仕事を始めるルーチンを持つ
  3. やる気が出ないときはハードルを下げる
  4. ストレッチで頭を再起動する
  5. ポモドーロ・テクニックと座禅
  6. レコーディング仕事術がもたらすフローの効果
  7. 午後三時に締め切りを入れる
  8. 在宅勤務の時間割を作る
  9. 朝はアウトプット、夜はインプット、睡眠中に問題解決
  10. 「時間の天引き」でパーキンソンの法則を避ける
  11. 仕事内容にふさわしい場所へローテーションする
  12. 7割完成でリリースして頻繁にアップデートする
  13. 打ち合わせ中に提案してしまう
  14. インプットの日を作って自分R&Dをまわす

集中力を高め。生産性を上げていくにはどうすればいいのか。自宅だからこそ、頭の切り替えのために「あえて着替える」。時には「仕事をする場所変えてみる」。「ストレッチ」をしてみるなど。自宅ならではのお役立ちネタが紹介されていて面白い。

わたしは、運動不足解消&気分転換のためにカンタンな筋トレを取り入れているのだが、頭もスッキリするし、肥満防止にもなるのでおススメである。

第三章 コミュニケーションハック

続いて、チームで連携してプロジェクトをスムーズに進めていくためのTips集。

  1. 在宅勤務で電話はNG
  2. 在宅勤務は「労働の非同期化」である
  3. 朝メール・夜メールで進捗梟雄
  4. コミュニケーションの型を作って誤解を避ける
  5. 効果的に絵文字を使う
  6. チャットのチャンネル別に長文・短文を使い分ける
  7. こまめな成果報告でチームの好循環を生み出す
  8. タスクを可視化&共有して一体感を生み出す
  9. タスクでなくモデルをマネジメントする
  10. 「脱出チャンネル」でタスク化する
  11. テレビ会議の便利ツール「スピーカフォン」
  12. テレビ会議を生産的に変える「議事録ドリブン会議」
  13. さわいでも大丈夫「子どもハック」
  14. 背景を変えて「なごみ系ビジネス会議」をする
  15. 共有チャンネルを外部パートナーと共創する
  16. 縁側と共創

在宅勤務とはいえ、一人で完結できる仕事は少ない。どうしても他者とのコミュニケーションが必要になってくる。

わたしが、在宅勤務中に一番失敗したのはこのコミュニケーションの部分だ。同僚にはずいぶん迷惑をかけてしまった。とにかく意図を伝えるのが難しいのだ。

職場であれば、リアルに声をかければすぐに済む話が、在宅となると、途端にハードルが上がってくる。チャットで声をかけてもすぐに返事は来ないし、こちらの意図が誤解されることも多い。相手の意図が良くわからない場合もあるし、誤解のないように厳密に詰めていくと相手の心象を悪くしてしまうこともある。

本書で良いなと感じたのは「コミュニケーションの型」を作るとした点。言い回しや、考え方には個人差があるので認識がズレやすい。フォーマット化できるところは規則を決めてしまい、誤解の余地を少しでも無くそうとする考え方は、使えそうなテクニックである。

第四章 情報整理ハック

この章では、大量にある情報をいかに整理して、最新の情報を手に入れていくか?そのためのTipsが紹介されている。

  1. 紙の書類が抱える3つの問題
  2. 紙を瞬時にデータ化する神アプリ
  3. 大量の書類はスキャンしてフォルダに取り込む
  4. データ保存の「ポケットひとつ原則」を守る
  5. 名刺のデータを自動アップデートする
  6. 経費精算もアプリで完結させる
  7. 共創を促進するフォルダ命名ルール
  8. 本棚を確保してインプットの幅を広げる
  9. 教養を身に付ける散歩術
  10. 現場で目に見えない情報を収集する
  11. SNSで時間を浪費しないテクニック
  12. 仕事をしながら音声コンテンツでインプット
  13. 自宅だからこそ気兼ねなくできる映像インプット
  14. 在宅で英語をブラッシュアップする
  15. 夢の大量アウトプットを実現する音声入力
  16. 音声入力する前に書きたいことのイメージを広げる
  17. ストックと流動

ドキュメントスキャナの活用や、名刺管理ソフト「EIGHT」や経費精算アプリ「freee」など、具体的なアプリが登場し、その便利さが紹介される。個々のアプリについては、個人の好みもあると思うので、好きなものを使えばよいと思うが、面倒な作業をツールの導入で簡単にするという考え方は重要。

わたしとしては、在宅ならではの可能性として「音声入力」に魅力を感じている。テキスト入力は劇的に早くなる(まだ誤認識も多いが)ので、これは騙されたと思って試してみて頂きたい。キーボードと併用することでかなりの効率アップが期待できる。

第五章 メンタル&ヘルスハック

身心共にコンディションを維持し、パフォーマンスを最大化するためのTips集。

  1. リングフィットで運動不足を解消する
  2. 在宅勤務に瞑想ワークスタイルを取り入れる
  3. 在宅勤務の食事問題を解決するヒント
  4. 「血糖値スパイク」を回避する
  5. 最強のおやつは海苔
  6. 睡眠は量でなく質を把握する
  7. 20分の昼寝で集中力を回復する
  8. 首の疲れを甘く見ない
  9. 10分休息をこまめに取る
  10. 自分だけの回復魔法を持つ
  11. 複数の仕事を回してスランプを回避する
  12. 旅をしながら働くワーケーション
  13. 孤独を乗り越えるコツ
  14. 親睦を深めるZoom飲み会
  15. 身体と思考

自宅で仕事をする際に気を付けたいのは、運動不足による肥満と、メンタルのケアではないかと考えている。あと、良好な睡眠の確保と、一定の生活のリズムを維持することだろうか。

特に長期の在宅勤務はメンタルにもたらす影響も大きい。コロナ禍では、外出もままならないだろうが、オンライン会議による仲間との交流や、人と会わない前提での外歩きなどは積極的に取り入れていきたいものである。

第六章 副業ハック

最後に登場するのは副業ネタ。自分の可能性を広げて、現職とは別の収入源を確保せよ!という提案である。

  1. 情報発信で自分ブランドを作る
  2. 5G時代を見据えYouTubeデビューする
  3. 自宅のYouTubeスタジオ化に必要な機材
  4. noteでコンテンツをストックする
  5. 個人のラジオ番組を配信する
  6. 在宅でできる人脈づくり
  7. コミュニティを主宰して人脈の輪を広げる
  8. 仲間と立ち上げるなら合同会社がおすすめ
  9. 公共性のある事業なら一般社団法人も
  10. まずは自宅を拠点に無料でスタートする
  11. Giveし続けて最後にTakeする
  12. 与贈環境と居場所

副業は会社の就業規定をよく読んでからスタートするべきかと思うが、積極的に稼がないまでも、ブログや、動画、音声配信に挑戦して自分のコンテンツを作る。ネット上での発信拠点を作っていく姿勢はアリだと考える。そこから広がっていく世界は確かにあるので、せっかくのこの機会、是非挑戦してみたいものである。

まとめ:環境で意思は左右される

以上、『在宅HACKS!』の概要をザックリとご紹介してみた。

筆者の考えでナルホド!と感じたのは「環境で意思は左右される」とした箇所である。整備されていない環境では、どんなに強い意志でも貫徹することは難しい。環境を変えることで、自分を変える。環境を改善することで、自分も改善できるのである。

職場では自分の環境を変えることは難しいが、自宅でならそれは可能である。せっかくなので、どんどん自分にとって快適で、仕事がしやすい作業環境を作っていければと考えている。これって、けっこう楽しい作業なのだ。

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