ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

2022-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『サラ金の歴史』小島庸平 サラ金業界の勃興から隆盛、壊滅に至るまでを概観する

新書大賞2022大賞受賞作品 2021年刊行。筆者の小島庸平(こじまようへい)は1982年生まれの経済史学者。東京大学経済学研究科の准教授。 本書は2021年の2021年度の第43回サントリー学芸賞を受賞。更に、2020年12月~2021年11月に刊行された新書を対象とした…

『「感動」禁止!―「涙」を消費する人びと』八柏龍紀 「感動をありがとう!」でいいのかな?

「感動」を消費するわたしたち 2006年刊行。筆者の八柏龍紀(やがしわたつのり)は1953年生まれ。慶応卒で、教員、予備校講師などのキャリアを経て、著述、評論等の活動をされている方。その他の著作に2016年の双葉社『日本人が知らない「天皇と生前退位」』…

『無理ゲー社会』橘玲 メリトクラシー(能力主義)がもたらす格差社会

攻略不可能(無理ゲー)な社会に生きていないか? 2021年刊行。筆者の橘玲(たちばなあきら)は1959年生まれ。もともとは宝島社の編集者で、後に作家に転身。2002年の小説『マネーロンダリング』がデビュー作。小説以外の作品も多数執筆しており、再三改版さ…

放送大学の『初歩からの数学』で中学~高校の数学を四か月でおさらいする

私立文系人間が三十年ぶりに数学に再挑戦 2021年の4月から放送大学の選科履修生となり、三十年ぶりに大学生となったわたくし。二学期では、放送大学での数学のエントリー科目『初歩からの数学』を履修してみた。久しぶりの数学挑戦で、実際ものすごく大変だ…

『承久の乱 日本史のターニングポイント』本郷和人 北条時政、義時父子の暗躍ぶりが凄い!

『鎌倉殿の13人』のネタバレが気にならない方向け 今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を毎週楽しく見ている。源平合戦のおおまかな流れは理解しているつもりだったが、「鎌倉殿」のように北条視点になると、途端に周囲の人間関係がよくわからなくなる。 とい…

『古代中国の24時間』柿沼陽平 秦漢時代の「ふつうの人々」の日常

秦漢時代の衣食住から性愛まで 2021年刊行。筆者の柿沼陽平(かきぬまようへい)は1980年生まれの東洋史学者。現在は早稲田大学文学学術院教授。専門は中国古代史・経済史・貨幣史。 以下の著作がある。『劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』』 『中国古代貨幣…

『「かまやつ女」の時代』三浦展 ゼロ年代の女性の生き方を考察した一冊

三浦展によるゼロ年代の社会評論本 2005年刊行。筆者の三浦展(みうらあつし)は1958年生まれのマーケッター、評論家。最初の著作は1992年に出た『「豊かな社会」のゆくえ アメリカ・ウエイ ジャパニーズ・ウエイ』。 名前が売れ始めたのは代表作である、200…