第1回障害者に「我慢せえ」差別発言に響いた拍手 揺れる名古屋城復元計画
金色のシャチホコをいただく天守の門は、5年間も閉じられたままだ。
「尾張名古屋は城でもつ」とうたわれた天下の名城・名古屋城(名古屋市)。御三家筆頭・尾張徳川家の居城として名高い。
「天守閣の中には入場できません」
こう書かれた案内板が天守の前に立つ。入り口にはプラスチック製のチェーンが張られている。
残暑が厳しい9月のある日。名古屋城跡は平日にもかかわらず、多くの観光客でにぎわっていた。外国人客も目立つ。
天守近くにある本丸御殿は長蛇の列ができていた。
一方、天守前では、入場不可を示す案内板を見た人たちがきびすを返していく。
鉄筋コンクリート造りの天守は戦後の再建から半世紀がすぎた。耐震性の問題が浮上し、2018年5月から閉館している。
市は木造での建て替えをめざす。当初は22年末の完成を予定していた。
だがバリアフリー対策などクリアするべき問題が山積みで、着工は先延ばしに。いまだに具体的なめどは示されていない。
着工の見通しがたたないなか、さらに影がさす出来事がこの初夏に起きた。
バリアフリーを求めた車いすの男性 投げつけられた差別発言
6月3日、天守の木造化をテーマにした市民討論会が市主催で開かれた。
参加者は、市側が住民基本台帳から無作為に選んだ18歳以上の市民だ。
バリアフリーの充実を求めた車いすの男性(70)に対し、ほかの参加者が差別発言を浴びせた。
強い口調で差別発言が繰り返された市民討論会。当日の様子を撮影した動画は記事後半にあります。
「平等とわがままを一緒にす…
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