2013年12月10日火曜日

辞任への道を突き進む猪瀬都知事

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選挙運動費用収支報告書に医療法人徳洲会グループから借りた5,000万円の記載が無かったとしてマスコミや都議会の追及を受けている猪瀬都知事だが、言い訳がだんだんとおかしくなってきた。公職選挙法違反と見なされることを恐れて、倫理的な問題を認めてしまっているように思える。

猪瀬氏は、11月22日の午後1時の時点では「資金提供という形で応援してもらうことになった」と説明していたが、その後は「(都知事選後の)生活に対する不安があった」から借りた*1ので、個人の借金だと主張している(産経ニュース)。選挙資金であると認定されると違法になるのは分かるのだが、倫理的にはより大きな問題を抱える事になっている。

5,000万円が政治資金であれば、無記載は法律の解釈ミスと言い張ることもできるであろう。個人的な目的で借りたと言う事になれば、個人借用としての不自然さもさることながら、当時副知事として公職にある者が特別な便益を受けたと言う事になる。東京都は徳洲会グループの施設に補助金を支出していた(産経ニュース)。

猪瀬氏は非難を逃れるために、別の非難を受けることを主張している。公職選挙法違反にならなくても、50億円ほどかかる都知事選をやり直すまでもないと有権者が考えるかも知れないのでリコールまで行くかは分からないのだが、都議会が怒り出し最終的に辞任に追い込まれても不思議は無い。個人の借金だと強調すればするほどその可能性が増していくのだが、猪瀬都知事はそれに気付いているのであろうか。

*1この説明は説得力があるように思えない。まず、要請されたらすぐに返済しないといけない借入金が生活の支えになるように思えない。次に、猪瀬氏は1年間の給与返上を申し出ているので、都知事の年収は2,600万円にのぼり生活に不安のある人が申し出る金額ではなく、これが生活に不安が無い事を示している(日刊ゲンダイ)。

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