「別タブで開く」リンク(target="_blank")は脆弱性あり?【SEO情報まとめ】
リンクを別タブで開くためにHTML上でリンクにtarget="_blank"
を指定することには「セキュリティとパフォーマンスの点で問題がある」と、グーグルのエンジニアが注意している。
一般的な書き方だと思うのだが、どういうことなのだろうか。何が問題なのか、どうすればいいのかを、わかりやすく解説する。
ほかにも今回は、SEOコンサルタントを採用するときのポイント、グーグル検索に有利なCMS、AMPストーリーのSEOなどなど、幅広い観点からSEOの理解を深められる情報をまとめてお届けする。
- SEOコンサルタント採用時のグーグル流ベストプラクティス
- グーグル検索ではShopifyが優遇されている!? CMSで違いはあるのか?
- AMPストーリーに特化したSEOをグーグルが解説
- グーグル検索でニュース記事を目立たせるコツをグーグルが解説
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グーグルのエンジニアが警告、「別タブで開く」リンクは実はヤバいんだって!?
rel="noopener"が基本 (Addy Osmani on Twitter) 海外情報
HTML上で、外部向けリンクを別ウィンドウで開くために、リンク(a要素)に target="_blank"
属性を指定する ―― これは、太古の昔から行われているやり方だ。
しかし、「リンクにtarget="_blank"
を指定するとセキュリティとパフォーマンスの点で問題があるので、rel="noopener"
属性または rel="noreferrer"
属性と併用したほうがいい」という情報を、グーグルのエンジニアがツイートしている。
SEOに直接関係する話題ではないが、意外と知らない人も多いのではないかと思い、ここで紹介する。
Tip: target="_blank" on links to other sites can expose your site to performance and security issues. To fix, add rel="noopener" or rel="noreferrer" to these links: https://t.co/HdA7ooNzx5 ✅ pic.twitter.com/T7X5r7MKWz
— Addy Osmani (@addyosmani) March 1, 2020
外部サイトへのリンクに rel="noopener"
を追加すべき理由には
- セキュリティ
- パフォーマンス
の2つがあり、グーグルのデベロッパーサイトで詳しく説明している。
セキュリティのほうは、次のとおりだ。
また、
target="_blank"
にはセキュリティ上の脆弱性もあります。リンク先のページではwindow.opener
を使用して親ウィンドウのオブジェクトにアクセスしたり、window.opener.location = newURL
によって親ページの URL を変更したりできます。
target="_blank"
のリンクは別タブ(別ウィンドウ)で開かれる。ということは、必ずリンク元のページとリンク先のページの両方がブラウザ内に存在している。
そして、そのようにして開かれたリンク先のページに悪意をもったJavaScriptが記載されていれば、リンク元であるあなたのページを好きに改ざんされてしまう可能性があるのだ。
もう1つのパフォーマンスに関しては、次のように書かれている。
target="_blank"
を使用して任意のページから別のページにリンクしている場合、リンク元のページとリンク先のページは同じプロセスで動作します。 そのため、リンク先のページで負荷の高い JavaScript が実行されていると、リンク元のページのパフォーマンスが低下するおそれがあります。
そのため、target="_blank"
がついた(信用できるとは限らない外部向け)リンクには、rel="noopener"
を付け加えることを原則としておくのがいいだろう。
さらに、たとえば社内情報共有システムやイントラネットから外部サイトへのリンクでは、rel="noreferrer"
を使うのもいいだろう。その場合、rel="noopener noreferrer"
のように記述すればいい。
こうしておけば、そのリンクをたどってもブラウザはアクセス先のサーバーにリファラーを送信しない。そのため、アクセス解析データやログデータから「なるほど、この会社では内部ネットワーク名がこういう命名パターンなのか」「内部ネットワークにこういうホスト名でWebサーバーが動いているのか」といったことをリンク先サイトの管理者に知られなくて済む。
- すべてのWeb担当者 必見!
- 技術がわかる人に伝えましょう
グーグル検索SEO情報
SEOコンサルタント採用時のグーグル流ベストプラクティス
SEOビギナー動画シリーズが続いてます (Search for Beginners on YouTube) 海外情報
SEOビギナーのための動画シリーズをグーグルの検索チームが2019年に始めた。このコラムですでに第7話まで紹介してきたが、第8話と第9話も公開された。
第8話は「SEOとは何か?」がテーマの超入門編だ。
興味深いのは第9話で、テーマは「SEO 専門家を採用するためのヒント」。このコラムの読者のメイン層であるウェブ担当者にとって興味深い内容に違いない。
次のような紹介文になっている。
SEO コンサルタント採用の際に、候補者の評価基準となる最小限の資質を取り上げます。求められる資質から推薦者の確認や専門的な面接まで、最適な SEO コンサルタントをお探しの際に従うべきベスト プラクティスを学びましょう。
SEOコンサルタントに依頼する可能性があるなら視聴しておくといい。英語で話しているが、日本語字幕を出せる。動画下の歯車アイコンから設定メニューを表示して[字幕]を選び、下にスクロールして日本語を選択すると日本語字幕にできる。
- SEOコンサルタントを採用するかもしれないすべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索ではShopifyが優遇されている!? CMSで違いはあるのか?
どんなCMSであっても特別扱いしない (John Mueller on Twitter) 海外情報
Shopify(ショッピファイ)という、英語圏で人気があるEコマースのプラットフォームがある。このShopifyに関して次のようなことが言われている。
ここ2~3年、Shopifyで構築したサイトがGoogle検索で優遇されているようだ。
この意見に対して、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のようにコメントした。
特定のCMS(やシステム)に手を貸すような検索アルゴリズムを私たちは通常は使っていない。
技術的に正しいことをサイトがやっているなら、特別なことをする必要はそれほどない。改善の余地は常に残されているが、よくできていて安定した基盤は長続きするものだ。
We generally don't have special search algorithms to help any particular CMS. When sites do things technically correct, there's not much need to do anything special :). There's always room for improvement, but a good & stable foundation goes a long way.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) March 1, 2020
Shopifyとは違うが「WordPressはグーグル検索に強い」ということもしばしば話題に出るが、これも正確ではない。ShopifyにせよWordPressにせよ、特定のCMSを使っていることが理由で評価が上がるわけではない。
CMS本体の仕様や使っているテーマやプラグインによって、サイトを検索エンジンと相性がいい構成にしやすいことが理由として考えられる。たとえば、次のようなことだ(こうした技術的なことだけが理由ではないが):
- クロールしやすいサイト構造
- 重要なHTMLタグが適切に設定されている
- 重複コンテンツができない構成になっている
グーグルが特別扱いするCMSは存在しない、これが結論だ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
AMPストーリーに特化したSEOをグーグルが解説
通常のSEOと大きくは違わない (Google Developers Japan) 海外情報
AMPストーリー向けSEOの記事がAMP公式ブログで公開されている(記事タイトルが「AMP ストーリーの SEO」と、施策を解説するグーグル公式のドキュメントで「SEO」という単語が使われているのが興味深い)。
その日本語訳を開発者向けブログが投稿した。AMPストーリーで特に考慮すべきSEOとして次の項目を取り上げている。
- メタデータ
- ストーリーへのリンク
- URL のフォーマット
- ページ アタッチメント
- イメージの説明
- 動画の字幕
- 動画のみのストーリー
- PC
- AMP の canonical ペアリングは未サポート
- SEO の秘密
AMPストーリーを公開しているサイトのWeb担当者は参考にするといい。
もっとも「ストーリー固有の SEO 戦略」と題しているが、通常のSEOと大きく異なる施策はない。AMPストーリーもウェブページであることに変わりはない。良いコンテンツをユーザーに提供し、そのコンテンツをグーグルに確実にクロール、インデックスさせることが基盤になる。
- AMPストーリーを公開しているすべてのWeb担当者 必見!
- ホントにAMPを極めたい人だけ
グーグル検索でニュース記事を目立たせるコツをグーグルが解説
3つの機能を利用する (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ) 海外情報
ニュース記事コンテンツに対するグーグル検索のベストプラクティスをウェブマスター向け公式ブログが解説した。利用を推奨する機能として次の3つを挙げている。
- Article 構造化データを AMP ページに追加する
- ライブ ストリーミング動画コンテンツをマークアップする
- AMP ページ向け: キャッシュの更新と AMP コンポーネントの活用
一般のサイトやブログ向けというよりも、専門的にニュースサイトやメディアサイト向けの情報だが、そうしたサイトを運用しているウェブ担当者は参考にするといい。
- ニュースサイトを運用するすべてのWeb担当者 必見!
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