息子虚山に絶つ
親父さん本当に普通の人でした。人並み外れた頭の彼は「普通」の出身。スタートも彼女の親父さんから借りた金600万円(良く貸してくれたものだ)から始めた「マイナス」からの出発。それを僅か10年で時価総額7000億円にまで膨らませた。尋常の業ではないのは明らかだ。息子は並の人物では無った。
志半ばとは言え、有る意味「やるだけやった」のでは無いか。整理・贖罪が済めば又帰って来てやり直せば良いと思う。次回は徹底的に「合法」で「隙間・抜け」を突いて「驚異の成長」をすれば良い。何処かの会社に取り込まれる器では無いだろう。
今後は程なく保釈され、裁判を続けながら(陰から)古巣の立て直しをする事になるだろう。その時に「権力」との戦い「第二幕」となる。
ライブドア代表取締役に熊谷氏が昇格、執行役員社長に平松氏
<ライブドア>関係者から詳細資料 堀江社長追い詰める
<ライブドア>世界一狙い「虚業」 違法も二人三脚
時代の寵児(ちょうじ)が、頂点から転げ落ちた。ライブドア(東京都港区)グループによる証券取引法違反事件で23日、同社社長、堀江貴文容疑者(33)が逮捕された。出頭直前の午後3時、記者が携帯電話にかけると堀江社長は「あの、取材は受けかねます」と丁寧に答えて切った。「人間を動かすのはお金です」。自著でそう言い切った起業家の「株の時価総額世界一」という野望は、道半ばでついえた。
関係者によると、堀江社長の聴取は午後4時前から東京都内のホテルで始まった。6時半ごろ東京・霞が関の東京地検に移送され、その後、右腕の取締役、宮内亮治容疑者(38)ら他の3人とともに逮捕状が執行されたという。
「迷惑をかけるかもしれない」。堀江社長はグループが強制捜査を受けた16日深夜、うわずった声で知人の女性社長に電話をかけ、弱気な一面を見せたという。
しかし、22日のブログでは「疑いをかけられている件につきましては私は身に覚えがない」と容疑をきっぱり否定してみせた。関係者の事情聴取が進む中、連日深夜まで、会社と自宅がある六本木ヒルズで対策会議に追われた。
堀江社長は福岡県八女市出身。市立岡山小学校時代は「5分で100点満点を取る神童」と呼ばれた。進学校として知られる久留米大付設中・高校に進学。ソフトバンクの孫正義社長は高校の先輩にあたる。中学で物理を教えた深山重行さん(82)は「生徒に電動モーターで推進する木製の模型ボートを作らせたら、彼だけはかじを無線制御できるよう改造していた。当時からみんなより頭一つぬきんでていた」と振り返る。
高校の時、下から10番目まで成績が落ちながら「東京に行く」と決めた。1日10時間の勉強を課し、現役で東大文3(文学部)に合格した。だが、高校では目立たなかった。同級生たちは「いたかいないかもよく分からないやつだった」と言う。
在学中の96年、ホームページを制作する有限会社「オン・ザ・エッヂ」を設立した。資本金600万円は当時の恋人の父親から借りた。六本木の7畳しかない雑居ビルの一室に事務所を構え、社員はわずか数人だった。
宮内取締役は高校野球の名門、横浜市立横浜商業高校(Y校)の元野球部選手。外野手だったが、ベンチ入りはできなかった。卒業し、税理士になった。28歳の時、インターネットのサイトが縁で知り合った堀江社長から同社の顧問税理士に迎えられ、二人三脚が始まる。株式分割やM&A(企業の合併・買収)を一手に仕切り、99年7月に取締役に就任した。00年4月に果たしたマザーズへの上場を勧めたのも宮内取締役だ。
「株の時価総額で世界一の企業を目指す」。これが2人の目標だった。交友のあったIT関連会社社長は「M&Aなどは、堀江さんの大まかな指示を受けた宮内さんが具体的に実現させた。多少違法行為があっても、宮内さんが黙って推し進めていく形だった」と明かす。昨年9月時点で、グループ会社は49社に上った。
こうした経営方針が批判される一幕もあった。
昨年12月25日、東京都内のホテルで開かれた株主総会に株主ら約8000人が出席した。一部の株主が、上場以来配当がない同社の経営戦略を巡り、退任を要求した。堀江社長は涙ながらに持論を展開した。「株主への利益還元は会社を成長させ、時価総額を上げること」
その夜、都内であったグループの忘年会で堀江社長は「3年で世界一の栄冠をもぎ取りましょう」とこぶしをつき上げ、社員も「おー」と声を張り上げて応じた。
しかし、ライブドア本体の時価総額は1月23日時点で約2686億円。強制捜査直前の16日終値の約7300億円から3分の1近くまで減った。
宮内取締役は知人に「悪いことをしたつもりはない。だが、責任は取る」と話し、逮捕を覚悟していたという。
23日午後9時29分。堀江社長は東京地検のワゴン車で東京拘置所に入った。集まった報道陣や見物人は異例の200人を超えた。
捜査は、家宅捜索から1週間で頂上に達した。ライブドア(東京都港区)グループの証券取引法違反事件で、東京地検特捜部は23日、同社社長、堀江貴文容疑者(33)を逮捕した。堀江社長をはじめ、企業買収を絡めて巨額の利益を生むシステムを発案した側近で財務担当取締役の宮内亮治容疑者(38)も容疑を否認しているとされるが、法務・検察幹部は「容疑は揺るがない」と自信を見せる。
◆昨年秋に捜査班…東京地検
「事件で東証(東京証券取引所)までパンクした。これで捜査に失敗すれば、責任問題になる」。逮捕前日の22日、法務・検察幹部は言葉を選びながら語ったが、口調に自信がのぞいていた。
東京地検特捜部は、成田国際空港を巡る官製談合事件の強制捜査に着手した昨年秋ごろ、極秘に捜査を本格化させた。官製談合事件に特捜部外からの応援検事を投入しながら、特捜部内に数人の検事を残す専従班態勢を維持した。
端緒はマスコミなどからの情報提供で、その後、グループ会社の元幹部から重要な証言を引き出した。“動かぬ証拠”である幹部間の電子メール、財務諸表なども入手して、強制捜査の準備を進めた。その保秘は厳重を極めた。ライブドア側がサーバーからメールなどのデータを消去することを恐れたからだ。ライブドアは重要な決定や連絡も文書によらず、メールを活用する。文書は廃棄・処分に時間がかかるが、電子データのメールは一瞬で消え去る。このため、特捜部は上級庁にもほとんど情報を漏らさないほどの保秘を貫いた。
1月16日午後、特捜部は事件を東京高検、最高検に報告し、家宅捜索のゴーサインを得た。家宅捜索が始まったのは、その数時間後の午後6時半。約15人の係官がライブドア本社に乗り込んだ。
半日にわたる捜索では、サーバーのデータをコピーし、堀江社長のノートパソコンなどを押収。捜索で得たメールは計約10万件に達した。
◆消去メール復元へ
「メールがない」。万全の態勢で捜査に着手したはずの特捜部だったが、押収物の解析によって予想外の事態に直面した。サーバーに残っているはずの電子メールの一部が削除されていた。
地検サイドが最初に疑ったのは、午後4時過ぎにNHKが放映した「強制捜査に乗り出しました」という速報ニュースだった。この時にはまだ、捜索には着手していなかったが、NHKを見たライブドア側が、実際に捜索に入るまでの約2時間半の間に、慌ててデータを削除した——というストーリーだった。
だが、後に“真犯人”が判明する。関係者によると、特捜部が昨年参考人聴取したライブドア関係者が、会社側に事情聴取を受けた事実を伝えていた。特捜部が「内部通報者」と信じた関係者が、実はライブドアグループ側の人間だった。特捜部は現在、専門家の協力を得て削除されたデータの復元に努めている。
18日夜に飛び込んだエイチ・エス証券副社長(38)自殺の情報も、特捜部を驚かせた。ライブドアグループの子会社社長を務め、宮内取締役と関係が深い副社長が、那覇市のホテルで失血死していた。19日朝、地検幹部らは普段より早い時間に出勤して対策を協議したが「副社長は事件に深くは関与していなかった」と判断した模様だ。
とはいえ、堀江社長の逮捕にはまだ、時間がかかるはずだった。「もう少し時間をかけたい」というのが現場の本音だ。メールなどのデータ復元や関係者の供述の食い違いの検討などに時間を要するからだ。だが、東証で全銘柄の売買が停止したライブドアショック(18日)を受け「経済の混乱を早期に収拾させたい」との意向が強く働き、当初の設定より10日ほど、逮捕日を前倒しした。
◆二つの容疑
堀江社長らには、大別して二つの容疑がある。ライブドア本体や関連会社「ライブドアマーケティング」(LDM、当時バリュークリックジャパン)が買収済みの企業6社を「これから買収する」と発表して市場をあざむいた証券取引法違反(偽計、風説の流布)と、粉飾決算を行った同法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いだ。
■虚偽公表=逮捕容疑
虚偽公表の疑いがあるのは、03年11月19日〜04年10月25日に発表された6社の買収。まず、グループが出資・支配する投資事業組合が、現金で安価に相手先の全株式を買い取り、買収を完了。この事実を隠したまま数カ月後、グループ側が多数の新株を発行し、この新株と組合が持つ買収先の株式を交換する——と発表していた。
なぜ、これで巨額の利益が転がり込むのか。
情報誌出版会社「マネーライフ社」の買収では「VLMA2号投資事業組合」が買収の際に支払った現金は4200万円。ところが、LDMは発行した新株16万株を、同組合経由で海外のファンドに売り、手数料などを差し引いた約6億6000万円を還流させた。4200万円が15倍超になったわけで、他の5社の還流分と合わせ、計約100億円がライブドア本体に流れ込んだという。
「株券をどんどん印刷して、組合を通じて海外に売り払う。お札を刷っているようなもの」。関係者は「錬金術」をこう解説する。
■粉飾決算=今後捜査
粉飾決算容疑はライブドアの04年9月期と、LDMの04年12月期の決算が対象で、いずれも買収を終えた企業の預金などを自社に付け替え、利益として計上する手法を取った疑いがある。
このうち、ライブドアは消費者金融「ロイヤル信販」(現ライブドアクレジット)と結婚仲介サイト運営「キューズ・ネット」の利益約14億2000万円を3回に分けて自社に付け替え、本来は利益がないのに、約14億2000万円の経常黒字と公表していた。LDMも、キューズ・ネットから1億1000万円余の利益を付け替え、2億2000万円余の経常黒字と公表した。