増えていた銀行貸し出しは企業を通じ、海外や不動産に投じられた。
日本銀行が17年ぶりに利上げを実施。「金利のある世界」が復活した。本特集では、金利上昇がもたらす企業や経済、生活への影響を分析。金利に関する“キホンのキ”も詳細に解説している。
日本が「金利ある世界」に変わる中、黒田東彦・日本銀行前総裁による「異次元緩和」は何だったのか。それを改めて評価することには意義がある。
確かに、異次元緩和の導入によるアナウンスメント効果が市場参加者にサプライズを与え、一時1ドル=80円を割り込んだ円高が是正されたことは評価できる。日本株も好調な米国株につられた面はあるが、全体的に堅調に推移した。
実体経済への影響は総じて小さかった
もっとも、実体経済には総じて、影響が小さかったと言える。黒田前総裁の就任前(2013年1〜3月期)と任期満了直前(2023年1〜3月期)を比べると、実質GDP(国内総生産)は金額で40兆円増、割合で約7%増加している。ただ、年平均だと0.7%程度の成長ペースにすぎず、マイルドな回復で終わった。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら