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夏の蔵出しシリーズ?東村山をポタリングの巻 その③圧巻の縄文漆(ウルシ)工房

こう暑い日が続くと、外に出る事も危険になるので?!過去にため込んだ写真を「蔵出し」して当座をしのぎます。(笑) 実は記事にするのを忘れていたものがたくさんあったりして?(^▽^;) 

東京都 東村山市~♪ 
フォールディングバイク(Folding bike)でポタリングの巻
その③ 東村山ふるさと歴史館・八国山たいけんの里

圧巻の縄文漆(ウルシ)工房遺構

撮影:2023年11月3日 Canon PowerShot G3X & G7X & iPhoneSE


東村山市は、東京都の北西部、荒川から多摩川にかけて広がる洪積層、武蔵野台地のほぼ中心部にあります。 北西部分にはこの武蔵野台地にポッカリと島のように浮かんだ狭山丘陵を含んでおり、荒川方向(北東)にゆるやかに下がっています。(東村山市サイトより)


1 東村山市ポタリング(アクセスマップ)

東村山市ポタリングマップ



2 「手打ちうどん・こせがわ」を出て南に行き西武西武園線の線路を渡るとすぐ「東村山ふるさと歴史館」があります。
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※東村山ふるさと歴史館オフィシャルサイトへ

3 入ってすぐ目に留まったのがこちら「下宅部(しもやけべ)遺跡」から出土した「丸木舟未成品」です。原木をくりぬいた丸木舟が未完成のまま出てきたのですから驚きます。
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4 続いてこちらの五重塔ですが、多摩湖町で出土した「瓦塔(がとう)」奈良時代 と呼ばれるものです。大変大きな焼き物です。(国立博物館蔵・展示品はレプリカ)
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5 国の重要文化財「元弘げんこうの板碑」のレプリカ
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6 尾張家の鷹場を示す地図や鑑札類が展示されています 
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※はっちこっく通信より 鷹狩(たかがり)とは,飼育,訓練した鷹を山野に放ち,野鳥や小動物を捕らえる狩猟法のことです。江戸幕府を開いた徳川家康は鷹狩を好みました。家康にとっての鷹狩は単なる遊戯ではなく,軍事訓練や民情視察の目的があったとされています。寛永10 年(1633)には,三代将軍徳川家光によって,江戸五里四方の幕府鷹場の外側が尾張,紀伊,水戸の御三家の鷹場として与えられます。中でも江戸の北西側の,東村山地域を含む 156 か村が尾張家の鷹場に指定されました。
鷹狩で主に獲物となったのは,ツル,ハクチョウ,ガン,カモ,キジ,サギ,ウズラ,ヒバリなどの野鳥,またはウサギ,キツネ,タヌキなどの小動物などです。鷹場に指定された村々は,餌となる鳥類の捕獲禁止,かかしの設置制限など,様々な規制が鷹場法度で取り決められていました。農作物を守るために,脅し鉄砲を使用したり,かかしを設置したりすることは毎年決まった時期に鷹場役所の許可が必要で,農村にとって大きな負担となりました。また,鷹の飼育には大量の生餌(餌取)が必要でした。自然の中にいる生餌を捕らえる餌差もいましたが十分な量を確保できないため,尾張藩では餌取の飼育をするものを募り,御用を請け負ったものに鑑札(餌取札)を与え,ハト,スズメ,キジ,ウズラ,カモなどを飼育させました。東村山地域にもかかしの設置や鉄砲所持の許可願いの書状や,餌取札が各地域に残っており,鷹場支配の様子をうかがうことができます。 (ふるさと歴史館 今村)



7 この後訪問する、国宝「正福寺地蔵堂」(室町時代の応永14年・1407年の建立)の模型もありワクワクします。神奈川の鎌倉の円覚寺舎利殿とともに禅宗様建築の代表的遺構で、国宝建造物として名高いものですから楽しみですね。
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8 「正福寺地蔵堂」=「千体地蔵堂」に奉納されている「千体小地蔵尊像」のレプリカです。千体ってどんだけでしょうね?願掛けに1体持ち帰り、願いがかなったらお礼にもう一体余計に奉納するそうです。
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9  「千体小地蔵尊像」の解説
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10 展示パネルの中に地域の「富士塚」の紹介がありました。「久米川の富士塚」です。ここは、後ほど訪問することにしました!
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11 続いて訪問したのは、こちら「八国山たいけんの里」です。
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※八国山たいけんの里オフィシャルサイトへ
※八国山たいけんの里のパンフレット




12 「下宅部(しもやけべ)遺跡」は平成8年に発見された遺跡で、縄文時代から近代までのさまざまな貴重な出土品が見つかっています。
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13 こちらは大変珍しい、縄文人が使っていた手編みのカゴです。植物の繊維で編まれたものが優れた保存状態で出土するのが、この下宅部遺跡の特徴です。
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14 復元のための設計図も展示されていました。縄文時代の編み方を知る貴重な資料になります
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15 そして、「下宅部(しもやけべ)遺跡」出土品の白眉とも言える?のがこちらの「漆(うるし)」に関係した出土品類です。たいけんの里のスタッフにお話しを聞きながら展示品を観ることができました!(写真は許可を得て撮影しています)
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16 縄文時代の遺跡から「漆(うるし)」を使用した製品が出ることは決して珍しい事ではないのですが、この遺跡では、「漆(うるし)」の栽培から、採取に関係する出土品、漆を入れる容器、漆を塗るためのパレット、漆に色をつけるための顔料の容器、漆を塗った弓、ヘアピン、櫛、糸玉、網布、土器などの製品も多数出土し、国の重要文化財に指定されました。
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17 同上
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18 同上
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19 同上
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20 同上
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21 同上
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22 同上
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23 「縄文時代の漆」についての解説展示
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24 torikera大好きの出土した「土偶(どぐう)」たちです。実に様々な表情があって楽しいですね(*^^*)
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25 同上
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26 こちら縄文時代当時の編み方を再現して、麻を編んだ布です。まァ、顔は現代人でしょうか?(笑) 「むしろ」のようですねっ
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27 編みかけの麻繊維の布です
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28  なぜこの「下宅部遺跡」からは、このような貴重な出土品が見つかるか?というと、実はこの遺跡の場所のせいだという事が分かります。つまり、この遺跡は、狭山丘陵が作った「低湿地」で、湧水を多量に含む土壌により、有機物が分解されずに現代まで残ることができたと考えられています。まさに水のおかげだったのですねぇ~!(^^♪
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29 下宅部遺跡から出土した、奈良時代~平安時代の「墨書土器(ぼくしょどき)」 須恵器(すえき)に墨で文字が書かれたものです。このようなものがあるというは知りませんでしたぁ!
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30 同上
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31 展示解説
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※ハッチコック通信より:墨で文字や人の顔が書かれた土器のことを墨書土器といいます。墨書土器は奈良時代から平安時代にかけて多く作られました。墨書文字は一文字もしくは二文字で書かれたものが多く,複雑な文章が書かれることはまれです。内容としては地名・人名・吉祥文字が多くみられます。古代の文字資料は 都周辺や寺院,地方官衙(役所)で作成されたものがほとんどですが,墨書土器は地方の集落跡からも出土するのが特徴です。墨書土器は出土した地点の当時の信仰や生活の一面をうかがうことができる貴重な文字情報なのです。
東村山市にある下宅部遺跡からも,墨書土器が出土しています。下宅部遺跡は縄文時代だけでなく,奈良時代や平安時代の遺物も出土している遺跡で,墨書土器が 47 点出土しています。墨書された土器はすべて須恵器です。確認された文字としては「家成」「家」「成」「宅」「人」「酒」「長」「矢部」などがあり,記号としては「○」「×」が確認できます。これらの墨書土器は一度に使用・廃棄されたわけではありません。8 世紀中葉頃から 9 世紀後半(奈良時代後期~平安時代前期)にかけて使用・廃棄されていることがわかっています。墨書土器は,古代における東村山地域の貴重な文字資料なのです。これらの墨書土器は八国山たいけんの里で収蔵展示されており,開館時はいつでもご覧いただけます。 (ふるさと歴史館 岡村)



32 たいけんの里の敷地内には、もともと久米川町にあった民家の蔵や棟門を移築したものがあります。土蔵の1階には、茅葺民家の焼失木材が保存されているそうです(゚Д゚;)
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33 同上
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※どちらの施設も、最寄り駅から徒歩10分程度で行くことができます。ぜひお立ち寄りくださいね!
次回は、お待たせしました!どどんと、国宝の「正福寺地蔵堂」をご紹介します。正福寺の地蔵堂は、東京都内唯一の国宝木造建築物で、6月第2日曜日(菖蒲まつり)と、8月8日(一般公開日)、11月3日(地蔵まつり)の、年3回だけ内部を一般公開しています。 ...
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コメント

Re: タイトルなし

大原かずのりさん!こんばんは!

やはり、「瓦塔(がとう)」も「軒下・屋根」に眼が行きましたねぇ!焼き物ですが、組物などもきちんと造形しているのが素敵です。

とにかくこちらの遺跡は低湿地だったために腐らずに残ったのが幸いだったようですね。縄文ウルシ文化についてさらに興味を持つようになりました。

次回、国宝正福寺地蔵堂をお楽しみに!!どの写真を使おうか?とても悩みながら今選んでおります(*^^*)

Re: コメントありがとうございます

ぶらつと遡上探索 さん!こんばんは!

記事と写真だけならいくらでも舐めていただいて大丈夫です。写真は、連載に合わせてかなりいつもより少なめにしておりますが(^▽^;)

砂川堀は、中下流域でも川底からの湧水があるようで、水質が良好でしたが、大井の辺りでは家庭からの排水が流れ込んでいるようで、汚れが気になりました。上流も結構距離があるのですが、水質はどうでしょうかね。

生そばの自販機というのは、なかなか見ないもので出会えてよかったですね。10割となると、やはりつなぎが難しいのかな?香り立つ蕎麦というのは、いいなぁ(*^^*)

Re: 西武線も任せた!!

BUSYBEE-GAEI さん!こんばんは!

縄文のうるしは、数年前に知ってから、大変興味を持っています。そもそも、1万年前からウルシを栽培して、それを利用して来たという文化がスゴイじゃぁありませんか?

西武線沿線(特に所沢周辺は?)は、何だかどことどこが繋がってどこに行っちゃうのか?分からないので怖いのです。実は、東村山駅から所沢経由で、武蔵野線に出ようと思ったのですが、乗った電車は新宿駅に向かって行ったので焦って次の駅でおりましたぁ(笑)

土偶の顔や体は、実に面白いモノが多いですので、これからは自分に似たものを探してみようと思います。美川憲一に一票入れます!(^▽^;) 麻の繊維ですから風通しも良く涼しいだろうと思いますねぇ~(*^^*)

Re: No title

たいやきさん!こんばんは!

各地の博物館や歴史記念館など、覗いてみるとなかなか面白いモノを見つける事ができますね。

東村山の場合でも、H8年に発見された、下宅部遺跡の存在も大きいかと思いますし、国宝の正福寺地蔵堂も大きな存在ですね。

今回の訪問は、最初に書いたように国立ハンセン病資料館と正福寺地蔵堂の年3回しかない公開日を重ねて企画したプランでした。

途中をどうつなぐか、どこで飯を食うか(笑)足はどうするか?などなど、計画も楽しませていただきました。日帰りではありますが、何でも楽しめちゃうこの頃なので、一日回ると本当に充実した散策になる自信があります(^▽^;)

いや〜これは凄い品の数々で。
レプリカとはいえ五重塔は屋根が水平的でしっかり奈良時代の形をしてますね😀
縄文の編物や漆は大変勉強になります!
特に漆はレベル高かったんですねぇ。
そして次回は正福寺地蔵堂!まだ未訪問なので楽しみです♪

コメントありがとうございます

こんばんはトリケラさん、拍手コメントありがとうございます。
八国山たいけんの里、此処は北川遡上時に裏口と知らず、開いていないと決め込んでスルーしてしまいました。ん~、色々と見応えがある展示内容なのですね、残念でしたが、此のブログを舐める様に見て我慢です(笑)。

砂川堀探索ではトリケラさんが紹介して頂いた、関連スポット情報が大変参考になり、ありがとうございました。特に東原親水公園は見落とすところでしたヨ(笑)。
川沿いの自販機、四角い物が並んでいてアイスかな、と思ったら生蕎麦でした。最初、普通に茹でましたが麺がブツ切れました。多めのお湯をグラグラにして、温度が下がらないようにして茹でると切れないそうです。香りが最高でした。

西武線も任せた!!

漆には興味ありますが、西武線はtori様に任せた!!写真を楽しませていただきました✨
24番、左から2つ目ね平な顔に親近感(笑)。26番は美川憲一にしか見えない。ゴザのドレスは涼しいでしょうね。

No title

東村山にこんなに立派な博物館があるとは知りませんでした。
国の重要文化財の巨大な板碑もあるのですね。
案外県をまたがると知らないものだなあと思いました。
東京に住んでいたころも、埼玉にいてもちょうど行かないところというのがあります。
それが、田無とか東村山とかなんですよね。
西武線のごちゃごちゃっとしたあたりは行く難易度が高いです。
縄文時代のヘアピンは興味深いですね。

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季節の野草や身近な自然の写真のご紹介、トレイルランやポタリング、マウンテンバイクの記事、掘り出しモンCDアルバムなど音楽の話題、美味しい日本酒や蕎麦について、最近は庚申塔・石仏・富士塚・力石など石や塚などにも興味津々!とりとめのない記事ばかりですがよろしくお願いします。

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