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夏の蔵出しシリーズ?東村山をポタリングの巻 その①国立ハンセン病資料館

こう暑い日が続くと、外に出る事も危険になるので?!過去にため込んだ写真を「蔵出し」して当座をしのぎます。(笑) 実は記事にするのを忘れていたものがたくさんあったりして?(^▽^;) 

東京都 東村山市~♪ 
フォールディングバイク(Folding bike)でポタリングの巻
その① 「国立ハンセン病資料館」 


撮影:2023年11月3日 Canon PowerShot G3X & G7X & iPhoneSE

東村山市は、東京都の北西部、荒川から多摩川にかけて広がる洪積層、武蔵野台地のほぼ中心部にあります。 北西部分にはこの武蔵野台地にポッカリと島のように浮かんだ狭山丘陵を含んでおり、荒川方向(北東)にゆるやかに下がっています。(東村山市サイトより)

●東村山市ポタリングマップ(Googleマップより作成)
東村山市ポタリングマップ

※今回のポタリングのお目当ては、まず新秋津駅近くの「国立ハンセン病資料館」を訪問すること。ここは、以前近くのキンラン・ギンラン自生地の撮影の帰りに立ち寄ったのですが、閉館時間となってしまい見逃してしまいました。今回はぜひ訪問したいと考えていたポイントです。また、この日に限ってですが、国宝の「正福寺地蔵堂」の公開日(年数回)となっていたので、この二つが目的でした。

1 スタート地点のJR武蔵野線新秋津駅前です。ここで、おなじみのフォールディングバイクを組立てスタートしました。今回はルートがややこしくなりそうでしたので、ダイソーでゲットしたスマホホルダーをバイクに取り付けてナビをしてもらいながらのポタリングとなりましたぁ(^▽^;)
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2 国立ハンセン病資料館です。隣接する国立療養所多磨全生園(たまぜんしょうえん)の一画に建てられています。
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※国立ハンセン病資料館オフィシャルサイト

3 ちょうど 「らい予防法」闘争70年 の企画展も開催されていました。
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4 資料館入口右横に、印象的なブロンズ像が建っていました。この「母娘遍路像」は、松本清張の名作「砂の器」の映画(野村芳太郎監督、橋本忍・山田洋次脚本)でも父と息子に変えて映画全般を支配するテーマとして強烈に描かれていましたね。
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5 母娘遍路像の現地解説板です。作者は古川武治氏(弘前市出身の彫刻家)でした。
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6 館内の展示会場です。解説・資料などの撮影は禁止されていますが、会場の様子は受付で許可を取ったうえで撮影しています。また、展示資料を紹介する素晴らしい目録があって、お願いすると無料でいただけるので受付でご相談下さい。
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7 ハンセン病の歴史についての展示コーナーです。知らないことだらけで大変勉強になりました。
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8 「療養所」での暮らしについての展示コーナー
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9 暮らしの様子がリアルに再現されていました
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10 資料館1階の廊下には、全生園の敷地の外側に設けられたヒイラギの垣根(患者の逃亡を防ぎ、外部から見えないようにするためのもの)が高さ3mであったことが示されていました。(写真上の方にヒイラギが見える!3mの表示)
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11 大島青松園の「警察留置所支所」のレプリカ! 1953年「らい予防法」が公布され懲戒規定から監禁が削除されますが、国は所内の「監禁室」を地方警察の「留置所」として移管させます。さらに同年「特別病室」に代わり罪を犯したとされる患者を収容する菊池医療刑務支所(熊本刑務所所管)を開設しています(なんと1997年にやっと廃止されました)。なぜ療養所の中に「監禁室」や「重監房(じゅうかんぼう)」を作り「お仕置き」をしなければならなかったのか?!
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※草津町にある栗生楽泉園には「重監房」についての展示を行う「重監房資料館」があり見学できます。「特別病室」という名の「重監房」には、9年間で93名収監され23名が亡くなっています。
重監房資料館オフィシャルサイト


12 「らい予防法」闘争など、その後の展示コーナーです。
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13 ちょうど訪問時には、企画展「らい予防法闘争」70年 が展示されていました。
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14 ハンセン病患者を強制的に社会から隔離し、人権を奪う「らい予防法」は、1996年(平成8年)にやっと廃止になるのですが、そこまでの間、患者や関係者を中心に命懸けの闘いを続けてきました。また、1948年(昭和23年)から1996年(平成8年)まで存在した「旧優生保護法」のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが国を訴えた裁判の判決では、7月3日、最高裁判所大法廷が、旧優生保護法は憲法違反だとする初めての判断を示し「国は長期間にわたり障害がある人などを差別し、重大な犠牲を求める施策を実施してきた。責任は極めて重大だ」と指摘し、国に賠償を命じる判決が確定したばかりですね。
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15 「らい予防法」や「優生保護法」などの「悪法」の誕生を許したのは、患者や当事者の人権に無関心であったり、偏見を持ち続けてきた「市民」の存在が背景にあったのだと思います。現在・未来の社会を考えるときに、「ハンセン病資料館」の展示物から私たちが学ばなければいけない歴史や教訓はたくさんあるのでしょうね。
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16 国立療養所長島愛生園入所者の井上光彦さんの写真展が開かれていました
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17 全生園の史跡案内板です
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18 訪問時(2023年11月)は、新型コロナ感染対策として入園の制限が行われていました。ご訪問の際は、事前にご確認いただいた方がよろしいと思います。
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※次回予告
次回 その② は、志村けんも愛した、手打ちうどんの名店「こせがわ」さんをご紹介します!
お楽しみに(*^^*)
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コメント

Re: No title

大原かずのり さん!こんにちは!

ぜひ蔵出しをお願い致します(笑)

ハンセン病の歴史を見るとやはり、都合の悪い事には蓋をしてしまう近代日本?の体質を感じてしまいます。

あったことも無かった事にしてしまう。記録を改ざんしてしまうというのは、未来への冒涜ではないでしょうか。

「国立」の施設ですから未来へ真実を伝えることに大変価値があると思います。多くの皆さんが関心をもってもらえたらいいな!デス(*^^*)

No title

ハンセン病については何も知りませんでした。
やはり無知や無関心はいけませんね。
長年の闘争には頭が下がります。

しかし暑い日々が続いてますね。
蔵出し、私もそろそろ蔵出ししなければ・・・・・・
(^▽^;)

Re: 砂の器

BUSYBEE-GAEI さん!こんにちは!

私も加藤剛の映画しか知りません!が、今でも海岸を歩く巡礼の親子の姿は目に焼き付いていますね~(^▽^;)

なかなか、資料館まで足を運べない方も多いかと思います。ホームページからも基本的な事を知ることができますが、サイトの情報量は決して多くはありませんね。(もう少しサイトでも情報提供すると良いと思うのですが)(*^^*)

東村山シリーズ、この後もお楽しみに(^_^;)

Re: こんばんは

ぶらつと遡上探索 さん!こんにちは!

本当に毎日憂鬱でしょうがありません。とにかくじっとしているのが苦手な性格ですが、暑さ寒さにめっぽう弱いという難弱人間ですので、この暑さは堪えます(^_^;)

博物館や資料館は、ご案内の通り、撮影OK(牧場!)のところもありますが、こちらは原則禁止でした。受付でたずねると届を出して、名札をぶら下げて、展示室の様子は撮影OKというパターンでした。来場者が多いと写り込んでしまったりするのですが、残念ながらそんなに多くの方は来場していないので、うまいこと撮影できました。(*^^*)

Re: No title

たいやきさん!こんにちは!

私も最近まで、こんな近くにあるという認識が無く、キンランを観に行ったときに初めて「ここにあったんだぁ!」と気づいた次第でした。

大変充実した資料館なので、もっと多くの人に見てもらえたら良いのになぁと思います。
今回の東村山の散策では、貴重なものにいくつも出会う事ができました。(国宝の寺院や、駅前の志村けんの銅像も(笑))

ぜひ一度ご訪問下さいね(*^^*)

砂の器

「砂の器」は何回もいろいろな役者さんによって演じられてきたと思いますが、私が初めて見たのは、主役が加藤剛でした。封切りではなく、ずっと後になってから、テレビで観ました。ハンセン病といえば「砂の器」だと思うくらい、強く印象に残りました。資料館はなかなか足を運べないところです。ご紹介くださいましてありがとうございます。次の「うどん」も楽しみにしています(^_-)-☆

こんばんは

こんばんはトリケラさん、今年は暑いです、8月はどんなになるのか考えただけで、憂鬱になりますね。
おお、蔵出し記事、大正解です。こんな暑さの中に出掛けるのは命知らずか、ボケ老人だけです。自分は後者なので、9月まで自宅待機なのだ(笑)。
ハンセン病資料館、撮影禁止な状態ですが、上手い具合に纏め、編集していますね、拍手です。次回は、食べログですね。

No title

東京のどこかにあったという認識しかありませんでした。
新秋津のそばだったのですね。
何度も仕事で秋津と新秋津の乗り換えをしたことがあります。
にも拘わらず村債に気づかなかったというのはいろいろな意味を感じます。
自分自身がハンセン病の問題に疎かったというのが一つ、
もう一つは目立たないようになってしまっているのでしょう。
自然を訪れるという楽しみと、日本の課題を確認するという文脈を合わせて訪問してみたいですね。

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Author:torikera
季節の野草や身近な自然の写真のご紹介、トレイルランやポタリング、マウンテンバイクの記事、掘り出しモンCDアルバムなど音楽の話題、美味しい日本酒や蕎麦について、最近は庚申塔・石仏・富士塚・力石など石や塚などにも興味津々!とりとめのない記事ばかりですがよろしくお願いします。

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