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有機フッ素化合物について 東京都への質問

有機フッ素化合物について 東京都へ質問を送付しました

東京都多摩地域の一部の水道水源井戸から有害物質「有機フッ素化合物」が高濃度で検出されたため、東京都は水源の井戸からの汲み上げを中止しています。
このことを知ったのは、2020年1月8日の新聞記事(以下)からでした。

東京・多摩の水道で高濃度有害物質 井戸のくみ上げ停止
東京・多摩地区にある一部の浄水所で、水道水から有機フッ素化合物が高濃度で検出されたとして、東京都が2019年6月、水源の井戸からのくみ上げを止めたことがわかった。水源を川の水などに切り替えて濃度を下げたという。
専門家は「(検出された値は)すぐ健康に影響が出るものではないが、体内に長く残る」として実態把握の必要性を指摘している。
検出されたのはペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とペルフルオロオクタン酸(PFOA)(朝日新聞2020年1月8日)

【ここで一言解説】 PFOS・PFOAとはなんでしょう? 
 ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とペルフルオロオクタン酸(PFOA)とは?
あまり聞き慣れない言葉ですね。Fとはフッ素のことなんです。フッ素を含んだ化合物、と理解してください。
さびない、焦げ目が付かないフライパン、レインコートなどに吹き付けて水のしみこみを防ぐ撥水剤など、便利な生活用品として私達はよく使っていました。あるいは、ガソリンなどによる火災を消す泡消火剤等々としても大量に使われていました。
とても便利な化学物質なのですが、人体に蓄積すると、発がん性があること、様々な障害を引き起すことが分かったので、PFOSは平成22年に国内での使用・製造が禁止されており、PFOAについても、現在、国内での使用・製造を禁止する動きがあります。
しかし、この物質は自然界での分解性が悪いため、それが使われたり、廃棄されたところに残っていて、土壌汚染、地下水汚染を引き起しています。
特に沖縄では基地内での泡消火剤使用や廃棄により、水道水源としている川がこれらのフッ素有機化合物で汚染され、水道水から高濃度のフッ素有機化合物が検出されています。とりわけ幼い子供たちへの影響が心配されています。
東京都水道局の多摩地区の水道水からもこれらの物質が検出されていたことが分りました。
2019年11月に東京都水道局は「アメリカの健康勧告値※2 70 ng/L※3(PFOSとPFOAの合算値)を参考に水質を管理し、井戸を水源とする多摩地区の浄水所のうち、有機フッ素化合物が検出された一部の井戸(府中市内にある武蔵台浄水場と国分寺市内にある恋ヶ窪浄水場が利用していたそれぞれの井戸すべてもしくは一部:筆者補足)を、一時停止する等の暫定的な対応を行っています」と発表しています。(一言解説終わり)


しかし、汚染井戸からの取水を停止したままでは、地下水汚染は地下の水みちをたどって拡散するばかりです。
私達、東京の水連絡会は汚染井戸からの取水を停止するだけではなく、この汚染実態を解明すること、汚染前の水質に回復すること、取水停止した井戸の復活を図ることを目指します。
優れた水道水源である地下水への汚染を看過できない問題と考え、12月8日、東京都への質問状を送付しました。
以下はその質問です。

都庁ビル 

東京都知事 小池百合子様     2020年12月8日 東京の水連絡会

水道水・地下水等の有機フッ素化合物について(質問)

全国知事会は、政府と共に、あらゆる手段を尽くし、コロナ禍を乗り切っていくとの声明を2020年11月27日に出されました。東京都においては、小池知事のリーダーシップのもと、対策を一段と強化されていることと思います。
都民の健康を守るうえでは、毎日飲む水の安全についても対策強化を行う必要があります。私たち「東京の水連絡会」は、これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
身近な水源を大切にする、都民のための水行政を東京都に求めてきました。
 近年、自然界にはほとんど存在しない有機フッ素化合物による地下水汚染が日本でも明らかになっております。都内の有機フッ素化合物による汚染実態について、下記の質問にご回答くださいますようお願い申し上げます。
なお、当会については右ブログ「東京の水連絡会」を参照して頂けると幸いです。



1.東京都水道局のホームページでは、「水道水における有機フッ素化合物(PFOS、PFOA)については、東京都水道局では万全の対応をとっております。水道水の水質については、暫定目標値を下回っており、問題ありませんので、ご安心ください。」と書かれています。そして、都内給水栓(蛇口)及び浄水場(所)の水質検査結果(令和2年度実施)が掲載されていますhttps://www.waterworks.metro.tokyo.jp/files/items/29464/File/reiwaninenn_kennsakekka.pdf。
この水質検査結果のデータでは暫定目標値の50ng/Lを超える値はありませんが、定量下限値である5ng/L未満ではない給水栓(蛇口)はあります。例えば10ng/L以上は、立川市、府中市、小平市、日野市、国分寺市、国立市、福生市、西東京市の給水栓(蛇口)です。定量下限値5ng/L未満ではない給水栓(蛇口)が多摩地区に集中している原因としては、何が考えられますか。

2.水質検査結果に掲載された浄水所については、停止中の表示が多くあります。「暫定目標値を超過した浄水所については、井戸水源の一部又は全部を停止する対策を実施しました。」と水道局のホームページに記載があります。暫定目標値を超過したときの値を教えてください。

3.浄水所のうち、府中武蔵台浄水所は原水320・浄水39(単位ng/L、以下同)、小平浄水所は原水100・浄水19、国分寺北町第二浄水所は原水150・浄水22、国立中浄水所は原水83・浄水26、と表示されています。原水は50を超えていますが、浄水を暫定目標値の50以下にするためにどのような処理を行ったのでしょうか。
あわせて、PFOS・PFOA汚染で止めている井戸があれば浄水所名と井戸名、汚染物質濃度を教えてください。

4.  昭島市、羽村市、武蔵野市、檜原村、島嶼部などの東京都水道局が所管していない未統合水道にもPFOS・PFOA汚染が見られるのでしょうか? 状況を把握できていれば、教えてください。

5.環境省は、令和2年6月11日に「令和元年度 PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査の結果」https://www.env.go.jp/press/files/jp/114040.pdf を発表しました。この調査では、各都道府県のPFOS又はPFOAの排出源となり得る施設周辺等の計171地点において調査を実施した結果の一覧が掲載されています。東京都の地下水10地点では67.7~556.0で、全国各地の地下水地点と比較すると最高値では大阪府に次いで高いです。東京都の地下水の有機フッ素化合物の濃度が他県に比べて高い理由をどのように推測されていますか。
因みに青森県は0.3、宮城県は3.5、秋田県は0.3、山形県は35.7、福島県は11.9、茨城県は<0.3、群馬県は2.0、新潟県は3.5、富山県は1.2、石川県は1.2、山梨県は0.7、岐阜県は1.2、静岡県は8.1、愛知県は9.3、滋賀県は<0.3と0.4、京都府は85.3、大阪府は1855.6、兵庫県は73.1、奈良県は23.3、和歌山県は31.3、岡山県は16.1、広島県は<0.3と0.3、山口県は3.0、徳島県は0.3、香川県は1.3、愛媛県は0.8、高知県は7.2、福岡県は5.4と4.1、佐賀県は< 0.3 、大分県は48.8、宮崎県0.4、鹿児島県<0.3

6.上記の全国存在状況把握調査の結果では、地下水については地点名が都道府県のすべてで記載されていません。この調査の備考※1では、「地下水及び一部の湧水は私有地において測定している場合があるため、市区町村名までの記載とする。」としています。東京都の地下水調査地点については、私有地であっても町丁目までを明らかにしてください。できない場合はその理由を教えてください。
 今後、私有地以外の地下水地点を調査対象とする計画はありますか。

7.沖縄県では湧水地点でPFOS及びPFOAを調査しています。東京都では湧水地点の調査を行う計画はあるのでしょうか。

8.東京都における水道水源と浄水、地下水、河川水等の有機フッ素化合物調査計画はどのようなものでしょうか。東京都各部局(水道局等外局を含める)において今年度と来年度の予算を計上したものがあれば、それらの調査内容をお示しください。 ~以上~

2021年1月20日までに、ご回答を送付していただくよう、お願いいたします。

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Tokyo no Mizu

Author:Tokyo no Mizu
プロフィル

東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                   
      

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