石木ダム強制収用を許さない! 東京行動
- 2020/02/15
- 21:16

長崎県の石木ダム建設のために、川原(こうばる)地区 13 世帯の人たちが住まいや田畑を強制収用され、ふるさとが奪われようとしています。
必要性のないダムのために、「強制収用」という人権侵害が行われようとしています。

青空が降ってきます。2月とは思えない暖かい陽射しが最高裁判所の脇に小さくたたまれた三宅坂小公園に降り注いでいます。2020年2月13日。
午後1時。
「それでは、はじめましょう!」
石木ダム強制収用を許さない! 東京行動の実行委員・遠藤保男さんの開会宣言が皇居の濠を越えて響き渡りました。
石木ダムを止めよう! こうばるの13所帯の暮らしを奪うな!
秋田から駆け付けた方がいます。
長崎佐世保から多くの方が馳せ参じています。
小さな公園に集まった人垣から熱気が立ち上り、東京のど真ん中に小さな旋風を起こしました。
さて、この日のアクションをなぜ最高裁脇の公園からスタートしたのか、これには訳があります。石木ダム建設のために土地を強引に取り上げる強制収用を阻止するために、こうばるの住民とその支援者が訴訟。しかし昨年11月の福岡高等裁判所は行政の言い分だけを認める不当な判決を下しました。
こんなでたらめな判決を許さないと、12月10日最高裁判所に上告!
「最高裁は司法の役割をキチンと守れ」と、この日の集会場所を選びました。

「あきらめないことがすべてです」と語った弁護団長の高橋さんは、この日、先輩弁護士の葬儀にも関わらず九州から駆け付けるという並々ならぬ決意です。

こうばるの原告・岩下和雄さんが「なにがあっても住み続け、故郷はけっして捨てません」の力強い宣言。
公園に鳴り響く拍手を、台座の上の“平和の群像”の裸婦たちが耳をすませていました。
午後3時。会場を衆議院第一議員会館の大会議室に移しました。
公共事業チェック議員の会のヒアリングで、ダム工事と強制収用の中止を促すために中央官僚への働きかけます。
応えるのは国交省の土地収用管理室と治水課の職員。そして厚労省の水道課の職員たちです。
不必要なダム建設への議員たちの的を得た質問に対して、職員は言葉を慎重に選び、慣用句で応えます。
岩下さんが「事業の再評価の間にも、工事を着々と進めている。まずは工事を止めるよう指導するべきだ」と語気を強め、「万が一ダムが出来ても立ち退かない、自分が死んでも子供たちが住み続ける」との憤りに、お役人たちはひたすら沈黙。沈黙とは国土劣悪化に組することの証のようです。

(写真右が職員、左のマイクが岩下さん。この写真の撮影はこうばるほずみさん)
午後5時。いよいよ東京集会。大会議室に続々と首都圏からの参加者が詰めかけます。
国家議員、地方議員、支援者、参加者のダム建設への疑問、怒り、義憤、糾弾!
また、こうばるの13所帯の人々への連帯の挨拶で涙に声を詰まらせる人、激を飛ばす人など、熱い想いで会場は沸騰!
そんななか、弁護士・高橋さんの「今回の最高裁の裁判官の陣容は、昨年秋の諫早干拓裁判で高裁判決をひっくり返した裁判官たちです」という紹介に、会場に「ほう~っ」と、おだやかな期待感が広がりました。

(石木ダム強制収用を許さない議員連盟:107名のうち5名:のみなさん)
午後7時半。「石木ダム強制収用を許さない! 東京行動」の宣言文を読み上げて解散しました。

石木川ダム計画の全容は、以下の「石木川まもり隊サイト」を参照してください。
ishikigawa.jp/what/
2020・2・14記 東京の水連絡会 文:山本