News On Water 2019年4月号 東京の水連絡会
- 2019/04/07
- 18:41

水の月刊ニュース NEWs On Water 4月号は2019年3月1日から31日までに起きた、水に関するニュースをまとめたものです。
築地跡地に「マグロ塚を」 第五福竜丸元乗組員らが訴える

会が結成されたのは1999年。第五福竜丸の元冷凍士、大石又七さん(85)が青島幸男知事(当時)に 「放射能マグロで築地市場は大騒ぎしました。その時の汚染マグロが大都会の真ん中、築地に埋まっています。平和の道しるべとして石を一つ置かせてください」と手紙を送ったことがきっかけでした。
大石さんは募金で集まった300万円で、「マグロ塚」をつくりました。しかし、当時の築地市場は移転か現地整備かで揺れており、暫定措置として第五福竜丸展示館(江東区)の広場に設置。そのまま月日が流れていたものです。 3月2日 朝日新聞
技能実習生が転落死 三河島水再生センター

東京都によると、男性は2次下請けの実習生で、足場の鉄パイプを外す解体作業中に、頭上のクレーンで吊り下げられていた鉄パイプが落下。鉄パイプに
直撃された男性は10数㍍下に転落したそうです。荒川署が事故原因などを調べています。朝日新聞4月5日
高速船の80人重軽傷 佐渡沖クジラと衝突か

(写真は高速船を調べる海上保安庁の職員ら)
海保によると、右舷側の船尾の外板に約15センチの亀裂があり、船体後部の水中翼も損傷していた。
佐渡汽船では1995年、新潟港から佐渡の両津港に向かう高速船が何かにぶつかり13人が負傷しました。同社はクジラと衝突した可能性が高いとみて、その後、航路変更、探知機導入などの対策を取ってはいました。日経新聞3月9日
東電の旧経営陣、津波は想定外と無罪を主張 強制起訴裁判結審

(写真はNHK NEWS WEBから)
起訴されているのは元副社長・武藤栄(68)、元副社長・武黒一郎(72)、元会長・勝俣恒久(78)の3被告。最終弁論はまず3人の弁護人による主張から始まり、弁護人は「3・11以前にマグニチュード9クラスの地震を想定する知見はなかった」と改めて強調。
起訴状によると、3被告は原発の敷地を超える高さの津波(15.7m)が来る可能性を予測できたのに対策を怠り、11年3月の東日本大震災に伴う原発事故で、避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させるなどしたとされています。 朝日新聞夕刊 3月12日
愛媛・鹿野川ダムで新放流設備が完成 西日本豪雨で氾濫の肱川上流

(写真は大量の水を2筋で放流するトンネル洪水吐)
トンネル洪水吐は、ダムの貯水池と下流の河川をトンネルでつないだ放流設備。従来よりも約5メートル低い貯水位から洪水調節が可能になり、洪水調節容量はこれまでの1650万トンから2390万トンと約1.4倍に増えるということです。
しかし、どのようにダムを改造してもダムによる治水には限界があります。ダムを優先した結果、なおざりにされてきた氾濫危険地域の堤防強化、そしてなによりも無堤防地区の河川改修を急ぐ必要があるのではないでしょうか。毎日新聞+東京の水連絡会3月13日
江戸川区スーパー堤防差止等訴訟控訴審結審 判決は7月16日

士が陳述。
宮坂さんは、生まれ育った土地の立退きを何度もしつこく迫られ、強制執行の脅しの攻撃の中で、妻が精神的に追い詰められて体調を崩すに至った経緯などを陳述、公正な裁判を求めました。
また、高橋さんは、国交省も5000㌧/秒の洪水が来ても、越水しない安全度の高い土地と証言しているのに、何らスーパー堤防をやる理由がないことを訴え、本当に危険な河川の堤防強化こそすべき、と陳述しました。
これらに対し、被告国は裁判長に促されながらも一言の反論もなく閉廷。高裁判決予定日は7月16日となりました。 スーパー堤防・街つくりを考える会 3月16日
水道民営化「必要ない」 全国の首長52%

調査は今春の統一地方選を前に、47都道府県と全1741市区町村を対象に1月、インターネット
による回答方式で実施。1532自治体(85%)が回答。
この新制度について現時点でどう考えているか尋ねたところ、52%が「導入する必要はない」との回答でした。その理由(複数回答)として、「安全面でなじまない」(51%)が最も多く、「民間撤退後の管理体制の構築が不安」(39%)、「料金が値上がりする可能性がある」(38%)が続いています。
一方、「導入を検討している」はわずか1%でした。
水道を民営化するか否かは優れて自治の問題です。私たちの自治体の動きをしっかり監視していきましょう。 読売新聞+東京の水連絡会 3月17日
処分策決まらぬ処理水 数年で満杯 東日本大震災から8年

トリチウムを含んだ水は普通の水と化学的性質が似ているため、他の放射性物質と違い分離できず、現在は原発構内のタンクで保管中。
東電は2020年までに137万トン分のタンクを作る計画ですが、たまった処理水などは19年2月時点ですでに約112万トン。東電は見通しを明言しませんが、国際原子力機関(IAEA)は3~4年程度で満杯になると指摘。
政府の専門家会合は16年、薄めて海に放出するなど5つの処分策について検討結果を公表。その後、小委員会を設置して風評被害なども考慮した方策を議論しています。
時事ドットコム 3月19日
絶滅危惧のジュゴンか 1頭死んだ状態で見つかる

ジュゴンは暖かい海に生息し海草や藻などを餌としていて、環境省は、近い将来に絶滅する危険性が極めて高いほ乳類に指定しています。
沖縄防衛局の調査によりますと、沖縄本島周辺では数頭しか確認されていません。
(写真は鳥羽水族館のジュゴン)
今帰仁村漁業協同組合の與那嶺好和代表理事組合長は、「今帰仁村の周辺でたびたび泳いでいる情報を聞いたことはあるが、見るのは初めてだ」と話しています。
NHKウエブ3月19日
津波で途切れた三陸鉄道リアス線 開通

(大漁旗を振って祝う、釜石市の鵜住居(うのすまい)駅)
東日本大震災で壊滅的被害があった三陸の浜に、復興の汽笛が響きました。
23日、三陸鉄道リアス線開業。潮風を浴びて三鉄の車両が駆け抜ける姿に、人々が歓喜。
東日本大震災で被災し運休が続いていたJR山田線の宮古-釜石間(8.5キロ)が23日、第三セクターの三陸鉄道(本社岩手県宮古市)に移管され、8年ぶりに運行を再開。移管区間の南北を走る2路線と合わせ、新たに「リアス線」として開業。岩手県沿岸部が再び163キロの鉄路で一本につながった。
両駅間で記念列車4本を走らせ、公募で選ばれた280人が乗り込む。午前11時40分ごろ列車が釜石駅を出発すると、ホームや沿線で多くの住民らが大漁旗を振るなどして開通を祝った。 時事通信3月23日
皇太子さまが著書出版へ 長年研究の「水」関連

宮内庁は2月15日、皇太子さまが長年研究する「水」に関する講演や講義をまとめた著書「水運史から世界の水へ」を、4月4日に出版されると発表した。同庁によると、皇太子さまの単独著書が市販されるのは初めて。
著書は、日本学術会議主催の「水資源に関するシンポジウム」やブラジルなどで開かれた「世界水フォーラム」、米ニューヨークの国連本部などでの講演7つと、学習院女子大での講義2つを収録。皇太子さまがタイトルや構成を考え、「はじめに」の文章を書き下ろした。版元はNHK出版で約260ページ、1600円(税抜き)。 京都新聞
ウナギ稚魚「香港産」8割 漁実態なく 不法ルートで日本へ?

出所の不透明さが指摘される香港産のニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」を日本が昨年12月と今年1月に計約6トン輸入し、同じ期間に日本の養殖池に入れられた稚魚の約8割を占めることが日本の貿易統計や関係者の話から25日、明らかになった。
香港にはシラスウナギ漁の実態がほとんどなく、輸出を禁じる台湾などから不法に持ち出された可能性が高いと指摘される。5月下旬からスリランカで開かれるワシントン条約の締約国会議でニホンウナギの国際取引の透明化が議題に上る予定で、日本の輸入に厳しい目が向けられそうだ。東京新聞夕刊3月25日
(*カバー写真は城山ダムから発電所を経由して相模川に吐き出される水)