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News On Water 2019年4月号  東京の水連絡会


4月号表紙:城山ダムから相模川への吐き出し口

水の月刊ニュース NEWs On Water 4月号は2019年3月1日から31日までに起きた、水に関するニュースをまとめたものです。

築地跡地に「マグロ塚を」 第五福竜丸元乗組員らが訴える
マグロ塚1954年3月1日、米国はビキニ環礁で水素爆弾を実験。多量の放射能を浴びてマグロ漁船「第五福竜丸」の乗組員が被爆しました。被爆した元乗組員らでつくる「築地にマグロ塚を作る会」が1日、 「マグロ塚」と刻んだ石碑を築地市場跡地に設置するよう求める署名6243筆を、小池百合子知事宛てに提出。「放射能の恐ろしさや乗組員の苦しみ、平和の尊さを後世に伝えたい」と訴えています。
会が結成されたのは1999年。第五福竜丸の元冷凍士、大石又七さん(85)が青島幸男知事(当時)に 「放射能マグロで築地市場は大騒ぎしました。その時の汚染マグロが大都会の真ん中、築地に埋まっています。平和の道しるべとして石を一つ置かせてください」と手紙を送ったことがきっかけでした。
大石さんは募金で集まった300万円で、「マグロ塚」をつくりました。しかし、当時の築地市場は移転か現地整備かで揺れており、暫定措置として第五福竜丸展示館(江東区)の広場に設置。そのまま月日が流れていたものです。 3月2日 朝日新聞

技能実習生が転落死 三河島水再生センター
水再生センター三河島荒川区の三河島水再生センターで2月28日午後2時頃、マンホール内での工事中にベトナム国籍の技能実習生の男性(22)が足場から転落する事故がありました。男性は3月4日に死亡。
東京都によると、男性は2次下請けの実習生で、足場の鉄パイプを外す解体作業中に、頭上のクレーンで吊り下げられていた鉄パイプが落下。鉄パイプに
直撃された男性は10数㍍下に転落したそうです。荒川署が事故原因などを調べています。朝日新聞4月5日    

高速船の80人重軽傷 佐渡沖クジラと衝突か
銀河佐渡船9日午後0時15分ごろ、新潟県・佐渡島沖の日本海で、佐渡汽船の高速船「ぎんが」が航行中に何らかの物体と衝突しました。新潟海上保安部によると、乗客121人と乗員4人が乗っており、計80人がけが。うち13人は重傷。クジラなどの海洋生物とみられ、海保が詳しく調べることに。当時、波は約1メートルで視界は良かった。
(写真は高速船を調べる海上保安庁の職員ら)
海保によると、右舷側の船尾の外板に約15センチの亀裂があり、船体後部の水中翼も損傷していた。
佐渡汽船では1995年、新潟港から佐渡の両津港に向かう高速船が何かにぶつかり13人が負傷しました。同社はクジラと衝突した可能性が高いとみて、その後、航路変更、探知機導入などの対策を取ってはいました。日経新聞3月9日

東電の旧経営陣、津波は想定外と無罪を主張 強制起訴裁判結審
東電裁判東京電力福島第一原発事故をめぐり、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の第37回公判が12日午前、東京地裁で始まり1年8カ月余り続いた公判が結審します。
(写真はNHK NEWS WEBから) 
起訴されているのは元副社長・武藤栄(68)、元副社長・武黒一郎(72)、元会長・勝俣恒久(78)の3被告。最終弁論はまず3人の弁護人による主張から始まり、弁護人は「3・11以前にマグニチュード9クラスの地震を想定する知見はなかった」と改めて強調。
起訴状によると、3被告は原発の敷地を超える高さの津波(15.7m)が来る可能性を予測できたのに対策を怠り、11年3月の東日本大震災に伴う原発事故で、避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の入院患者ら44人を死亡させるなどしたとされています。 朝日新聞夕刊 3月12日

愛媛・鹿野川ダムで新放流設備が完成 西日本豪雨で氾濫の肱川上流
鹿野ダム洪水吐き新設昨年7月の西日本豪雨で氾濫した肱川(ひじかわ)上流にある鹿野川ダム(愛媛県大洲市肱川町山)で、新しい放流設備「トンネル洪水吐(ばき)」がほぼ完成し、12日に試験放流がありました。豪雨では大規模放流後に氾濫が起きましたが、従来より低い貯水位から放流することで約1.4倍の洪水調節容量を確保でき、治水能力向上が期待されます。
(写真は大量の水を2筋で放流するトンネル洪水吐)
トンネル洪水吐は、ダムの貯水池と下流の河川をトンネルでつないだ放流設備。従来よりも約5メートル低い貯水位から洪水調節が可能になり、洪水調節容量はこれまでの1650万トンから2390万トンと約1.4倍に増えるということです。
しかし、どのようにダムを改造してもダムによる治水には限界があります。ダムを優先した結果、なおざりにされてきた氾濫危険地域の堤防強化、そしてなによりも無堤防地区の河川改修を急ぐ必要があるのではないでしょうか。毎日新聞+東京の水連絡会3月13日

江戸川区スーパー堤防差止等訴訟控訴審結審 判決は7月16日
裁判所3月15曰(金)午後2時から霞ヶ関の東京高裁101号大法廷で「江戸川区スーパー堤防差止等訴訟」の第了回控訴審が都築政則裁判長の下、開かれました。当曰は、前回公判の証人尋問に引続き、原告の宮坂健司さんと高橋新一さんの意見陳述が行なわれ、また原告代理人として3人の弁護
士が陳述。
宮坂さんは、生まれ育った土地の立退きを何度もしつこく迫られ、強制執行の脅しの攻撃の中で、妻が精神的に追い詰められて体調を崩すに至った経緯などを陳述、公正な裁判を求めました。
また、高橋さんは、国交省も5000㌧/秒の洪水が来ても、越水しない安全度の高い土地と証言しているのに、何らスーパー堤防をやる理由がないことを訴え、本当に危険な河川の堤防強化こそすべき、と陳述しました。
これらに対し、被告国は裁判長に促されながらも一言の反論もなく閉廷。高裁判決予定日は7月16日となりました。  スーパー堤防・街つくりを考える会 3月16日

水道民営化「必要ない」 全国の首長52%
蛇口 95kb昨年12月に成立した改正水道法で、経営が悪化している水道事業の運営権売却が可能になるものの、自治体首長の過半数が「導入する必要はない」と判断していることが、読売新聞社が実施した「全国自治体首長アンケート」でわかりました。
調査は今春の統一地方選を前に、47都道府県と全1741市区町村を対象に1月、インターネット
による回答方式で実施。1532自治体(85%)が回答。
この新制度について現時点でどう考えているか尋ねたところ、52%が「導入する必要はない」との回答でした。その理由(複数回答)として、「安全面でなじまない」(51%)が最も多く、「民間撤退後の管理体制の構築が不安」(39%)、「料金が値上がりする可能性がある」(38%)が続いています。
一方、「導入を検討している」はわずか1%でした。
水道を民営化するか否かは優れて自治の問題です。私たちの自治体の動きをしっかり監視していきましょう。   読売新聞+東京の水連絡会 3月17日
  
処分策決まらぬ処理水 数年で満杯 東日本大震災から8年
汚染水東京電力福島第1原発で、溶け落ちた核燃料の冷却などで生じる放射能汚染水。浄化装置である程度濃度は下げられますが、除去できないトリチウムを含む処理水がたまり続けています。政府の小委員会が処分策を検討するも、結論をまとめるめどは立っていません。
トリチウムを含んだ水は普通の水と化学的性質が似ているため、他の放射性物質と違い分離できず、現在は原発構内のタンクで保管中。
東電は2020年までに137万トン分のタンクを作る計画ですが、たまった処理水などは19年2月時点ですでに約112万トン。東電は見通しを明言しませんが、国際原子力機関(IAEA)は3~4年程度で満杯になると指摘。
政府の専門家会合は16年、薄めて海に放出するなど5つの処分策について検討結果を公表。その後、小委員会を設置して風評被害なども考慮した方策を議論しています。
時事ドットコム 3月19日

絶滅危惧のジュゴンか 1頭死んだ状態で見つかる
鳥羽水族館18日、国の天然記念物で絶滅する危険性が極めて高い、体長は3メートルほどのジュゴン1頭が、沖縄本島北部の今帰仁村の沖合で死んでいる状態で見つかり、専門家が詳しく調査することにしています。
ジュゴンは暖かい海に生息し海草や藻などを餌としていて、環境省は、近い将来に絶滅する危険性が極めて高いほ乳類に指定しています。

沖縄防衛局の調査によりますと、沖縄本島周辺では数頭しか確認されていません。
(写真は鳥羽水族館のジュゴン)
 今帰仁村漁業協同組合の與那嶺好和代表理事組合長は、「今帰仁村の周辺でたびたび泳いでいる情報を聞いたことはあるが、見るのは初めてだ」と話しています。
 NHKウエブ3月19日

津波で途切れた三陸鉄道リアス線 開通
リアス線開通
大漁旗を振って祝う、釜石市の鵜住居(うのすまい)駅)
東日本大震災で壊滅的被害があった三陸の浜に、復興の汽笛が響きました。
23日、三陸鉄道リアス線開業。潮風を浴びて三鉄の車両が駆け抜ける姿に、人々が歓喜。
東日本大震災で被災し運休が続いていたJR山田線の宮古-釜石間(8.5キロ)が23日、第三セクターの三陸鉄道(本社岩手県宮古市)に移管され、8年ぶりに運行を再開。移管区間の南北を走る2路線と合わせ、新たに「リアス線」として開業。岩手県沿岸部が再び163キロの鉄路で一本につながった。
両駅間で記念列車4本を走らせ、公募で選ばれた280人が乗り込む。午前11時40分ごろ列車が釜石駅を出発すると、ホームや沿線で多くの住民らが大漁旗を振るなどして開通を祝った。 時事通信3月23日

皇太子さまが著書出版へ 長年研究の「水」関連
皇太子の著書
宮内庁は2月15日、皇太子さまが長年研究する「水」に関する講演や講義をまとめた著書「水運史から世界の水へ」を、4月4日に出版されると発表した。同庁によると、皇太子さまの単独著書が市販されるのは初めて。
著書は、日本学術会議主催の「水資源に関するシンポジウム」やブラジルなどで開かれた「世界水フォーラム」、米ニューヨークの国連本部などでの講演7つと、学習院女子大での講義2つを収録。皇太子さまがタイトルや構成を考え、「はじめに」の文章を書き下ろした。版元はNHK出版で約260ページ、1600円(税抜き)。 京都新聞

ウナギ稚魚「香港産」8割 漁実態なく 不法ルートで日本へ?
④シラスウナギ (写真はウナギの稚魚のシラスウナギ
出所の不透明さが指摘される香港産のニホンウナギの稚魚「シラスウナギ」を日本が昨年12月と今年1月に計約6トン輸入し、同じ期間に日本の養殖池に入れられた稚魚の約8割を占めることが日本の貿易統計や関係者の話から25日、明らかになった。

香港にはシラスウナギ漁の実態がほとんどなく、輸出を禁じる台湾などから不法に持ち出された可能性が高いと指摘される。5月下旬からスリランカで開かれるワシントン条約の締約国会議でニホンウナギの国際取引の透明化が議題に上る予定で、日本の輸入に厳しい目が向けられそうだ。東京新聞夕刊3月25日
  
 (*カバー写真は城山ダムから発電所を経由して相模川に吐き出される水)

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Tokyo no Mizu

Author:Tokyo no Mizu
プロフィル

東京都は水道水のほぼ60%を利根川水系・荒川水系に依存しています。
つまり、自給率はほぼ40%。こんな自給率で異常気象や大地震が引き起こす
災害に備えることが出来るのでしょか。
私たちは大変に危うい水行政の元で暮らしています。
これまで東京の河川・地下水の保全と有効利用をめざしてきた市民グループ、
首都圏のダム問題に取り組んできた市民グループらが結束して、
「東京の水連絡会」を設立しました。
私たちは身近な水源を大切にし、都民のための水行政を東京都に求めると同時に、
私たちの力でより良い改革を実践していきます。
東京の水環境を良くしようと考えている皆さま、私たちと共に歩み始めましょう。
2016年9月24日。        
                   
      

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