泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2024-01-01から1年間の記事一覧

2024年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・ソング10選

1位「Eternity」/FELLOWSHIP『三國無双』でステージ・インしたところに流れてきそうなワクワクするイントロから、一撃で印象に残る流麗なギター・フレーズ、そして切なすぎる歌メロの連鎖と、かつての昭和歌謡やアニメソングでもここまでは泣かせないだろう…

2024年ハード・ロック/ヘヴィ・メタル年間ベスト・アルバム10選

1位『BLOOD AND ANGELS' TEARS』/VISION DIVINE ブラッド・アンド・エンジェルズ・ティアーズアーティスト:ヴィジョン・ディヴァインキングレコードAmazon欧州様式美HMの結晶。VISION DIVINEといえば、ミケーレ・ルッピ(Vo.)在籍時の3rd『STREAM OF CONCIOUS…

書評『もうひとつの街』/ミハル・アイヴァス

チェコ出身の作家と言えばやはりカフカだが、まさにカフカに近い作風を期待して読んだ一冊。結論から先に言えば、多くのカフカ・フォロワーの作品がそうであるように、その欲求は半分ほど満たされ、半分ほどは満たされず。しかしカフカについて改めて考える…

短篇小説「み覚」

「わかりみが深いわね」 辛子が頷きながらそう言うと、甘彦は小さく首をひねりながら、 「でもおかしみはないよね」と言った。 それはけっして楽しい話題ではなかったが、そんな中にも常におかしみを求めるのが甘彦だった。昼飯時のファミレスは混雑していて…

「新語・流行語全部入り小説2024」

令和の米騒動の影響により給食にアサイーボウルばかり出てくるようになったアザラシ幼稚園に、裏金問題により江戸幕府界隈を追われた侍タイムスリッパーが保父として採用された。時に人殺しさえ厭わない幕府の過酷な労働に比べれば、それが明らかなホワイト…

短篇小説「モチベーター」

ある日、男がコンビニで万引きの容疑をかけられた。昭和の工場長のような店長にバックヤードへ連れ込まれた男は、席に着くなり持っていたトートバックを丸ごとひっくり返される。十数個の菓子パンが、テーブルの上へ脱獄囚のように飛び出した。それを見た店…

「レインボーブリッジ、封鎖できません!」みたいなフレーズ選手権

ちょっと前から新作映画公開に合わせて、『踊る大捜査線』シリーズの再放送をやっていたのだが、中でも有名なのが『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』に出てくる表題の台詞。とはいえ、実はこれまで僕がその台詞をさんざん耳にして…

短篇小説「河童の一日~其ノ十九~」

テレビドラマ『ビーチボーイズ』の再放送を録りためていたやつを一気に観た。河童だってドラマは観るし、反町にも竹野内にも憧れるよねこんな世の中じゃPOISON。いや竹野内のほうは非POISON。 だけど耐水性を考えれば、むしろ水辺に生息する僕こそが「ビーチ…

書評『現代生活独習ノート』/津村記久子

津村記久子の小説には気づきが多い。つまりそれは読むことによって、これまで自分が気づかなかったことにふと気づかされるということだ。それは自分の人生がより豊かになるということかもしれない。あるいは、気づかなくて良かったことにまで気づかされてし…

ChatGPT短篇小説「集まれ、ジェネリッ君」

【※以下の小説は、私がふと思いついた題名で小説を書くようChatGPTに依頼し、さらにはいくつかのリクエストを繰り返しながら複数のバージョンを出してもらい、それらを当方で比較検討しつつそれらを編集、融合、加筆訂正した結果、最終的にもっともらしい一…

短篇小説「オーバーツーリスト」

初めて日本の空港に降り立ったボブは、ロビーですれ違ったマダムが携えていたなんでもない花柄のエコバッグにすっかり目を奪われると、青い瞳を溺れるほど潤ませて歓喜の声を上げた。「なんて美しい花! なんという大自然! 僕はもう感動でどうにも涙が止ま…

短篇小説「シゴデキな男」

迅内はとにかくシゴデキな男だった。彼はいつもナルハヤであらゆるムリナンをゼンクリしてゆく。その鮮やかなシゴプリはまるでヨクデキのスパコンのようであると、社内ではウワモチである。 だがシゴデキな人間によくありがちなことだが、彼はオモガケな凡ミ…

近ごろの良曲

身も蓋もないエントリだが、たまにはシンプルに最近よく聴いている音楽を素直に紹介してみようかと思い。というのも、時々はこうやって書き留めておかないと、いざ年末になって「今年って何聴いてたっけ?」となってしまい、年間ベスト作選びをまた一からや…

EURO2024日記~22日目~(了)

1ヶ月に渡る欧州の熱戦は、スペインの優勝で幕を閉じた。前半は中盤でのボールの奪いあいが続き、互いになかなかシュートまでたどり着けないという、いかにも強豪同士の決勝戦らしい展開。しかし局面ごとの強度が高いため、退屈さは感じない。緊迫した前半…

EURO2024日記~21日目~

準決勝2試合目はイングランド対オランダ。どちらも監督の采配に方針があるのかないのか良くわからないまま、しかしなんだか結果的に勝ち上がってきた両チーム。もちろん個のクオリティの高さが前提ではあるわけだが。イングランドはてっきりルーク・ショー先…

EURO2024日記~20日目~

待ちに待った準決勝1試合目は、スペイン対フランス。フランスのスタメンにグリーズマンがいない時点で、頭に大きめの「?」が浮かぶ。出場停止ではないようだし、後半から出てきたことを考えると怪我でもなさそうだ。コンディションの問題はいくらかあったの…

短篇小説「あの店は子沢山」

うちの店には優秀な「子」がたくさんいる。子沢山という意味ではない。なぜならば主語は親ではなく店であるからだ。もちろん子供が働いているという意味でもない。そんなことをして労働基準法を堂々と犯すわけにもいかないし、その必要もない。みな立派に成…

EURO2024日記~19日目~

イングランドは案の定、スイスの組織的な守備に苦戦。特にトリッピアーが左で孤立していた前半は、攻撃が右サイド偏重、左サイドは完全に死んだ状態で、スイスも守りやすかったに違いない。何事につけ選択肢が一つしかない場合、常にそれは相手にとって御し…

EURO2024日記~18日目~

いよいよ準々決勝の戦い。しかも最初の一戦が、事実上の決勝戦との呼び声も高いドイツ対スペイン。互いにボールを持ちたがるチームという印象があるが、いざ直接当たってみるとやはりスペインのほうが明らかにボールを持てる。数字上のポゼッション率以上に…

EURO2024日記~17日目~

まずはルーマニア対オランダ。オランダはクーマンの采配こそイマイチ信用できないながらも、この試合に関しては終始ゲームを支配できていた。それにしてもガクポの決定力は素晴らしい。左サイドでの彼は翼を広げて生き生きとプレーしているように見える。オ…

EURO2024日記~16日目~

ベルギーは最後まで噛みあわないまま終わった。トロサールは先発をはずされたうえに途中からすら使われず、同じくシュートに定評のあるティーレマンスも投入なし。サリバに完璧に封じられていたルカクを下げて、ほかのエリアに決定力を求めるしかない状況の…

EURO2024日記~15日目~

それにしてもイングランドはいったいなんなのか。これまでよりも少しだけ良くなったのは中盤のメイヌーのところくらいで、彼と周囲との連携は、少なくともアーノルドの中盤起用に比べればだいぶマシになったようには感じる。だがそれ以外は相変わらず連動性…

EURO2024日記~14日目~

さて、大会もいよいよ決勝トーナメントに突入。初戦はスイス対イタリア。とにかくイタリアはまったくいいところがなかった。今回は、評判うなぎのぼり中のカラフィオーリを出場停止で欠いたことも多少の影響はあったと思うが、守備的なわりに守備も緩いとい…

EURO2024日記~13日目~

ウクライナ対ベルギーは、とにかく何もかもがしょっぱい試合だった。まずはウクライナのスタメンにジンチェンコとムドリクがいないことに驚いた。ムドリクは怪我らしいので仕方ないにしても、ジンチェンコはこのチームの核ではなかったのか。もちろんこの大…

EURO2024日記~12日目~

オランダ対オーストリアは意外な展開に。オーストリアのサボらない、サボれないプレッシングは、さながらラングニック将軍率いる軍隊の如く。オランダはガクポがさすがの決定力を見せたが、右サイドで起用されたマレンがどうにも空まわり気味。ここは前戦で…

EURO2024日記~11日目~

グループBの2試合。アルバニア対スペインか、クロアチア対イタリアか。どちらを観るべきか迷ったが、スペインがスタメンをなんと10人も入れ替える(なぜ1人残した?)という思いきりを見せてきたため、イタリアのほうを選択。イタリアは引き分けでも突破でき…

EURO2024日記~10日目~

気づけばもう大会も10日目。試合数も少し落ち着いてきて、観るこちらとしてもだいぶ気が緩んできているという自覚がある。そしてこの先には遠からず大会の終了が見えてきているような気もしはじめて、すでに寂しさすらもうっすらと。いや本番は決勝トーナメ…

EURO2024日記~9日目~

ポルトガルが良いフットボールをしている。この日のトルコ戦を観て、もうポルトガルが優勝でいいんじゃないかと思った。しかしこれはもちろん気が早い。相手との相性というのもあるだろう。良いフットボールと強いフットボールも同じとは限らない。最後に英…

EURO2024日記~8日目~

フランス対オランダは、思ったよりも互角の試合に。いまの支配的なフランスを相手にオランダがあのメンバーであれだけボールを持てるとは、正直予想していなかった。そこはやはり、オランダ代表という歴史の積み重ねがあるということか。フランスは相変わら…

EURO2024日記~7日目~

初戦はスムーズではないながらも勝ちきったイングランドが、デンマークと引き分け。内容的にはデンマークの試合だった。グループリーグ突破のための結果としては悪くがないが、これは悩ましい。この日は明らかに、初戦の得点者であるベリンガムがブレーキに…

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