一昨年8月、福岡市で幼児3人が犠牲になった飲酒運転死亡事故の判決が福岡地裁で下った。
被害者が望む危険運転至死傷罪は認定されず、脇見運転による業務上過失致死傷罪として懲役7年6カ月が言い渡された。
裁判の争点は危険運転にあたるかどうかだった。危険運転なら懲役は25年。将来のある幼子3人の命が奪われて7年6カ月ではあまりにも刑が軽い。
判決では蛇行運転もしていない、ブレーキも踏んでいる、さらに大量の水1リットルを飲んで飲酒運転の偽装工作までやったことが、逆に泥酔状態ではなかった、と見なされた。
飲酒運転を誤魔化そうとしたことが正常な判断力があったとされたわけだから、これでは一種の逃げ得ではないか。
法律とは時として非情な方向へぶれることが、今回の判決で分かった。
大量の水を飲んだ後にアルコールを検知したわけだから、アルコールの濃度も下がっている。その結果は酒気帯運転による脇見運転では遺族の気持ちも浮かばれない。
事故車両を救出する努力を怠ったばかりか、現場から逃走、大量の水を飲み、さらには友人を身代わりに自分は運転していなかったとする悪質な偽装工作に厳罰を加算することもできない。
裁判員制度が始まれば、法律には素人の一般人の心情からは、こんな軽い判決は出ない。
感情だけで判決に差が出る恐ろしい裁判員制度が始まろうとしている。
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