97歳。老衰で天寿を全うした人の話。
若い頃は映画会社の制作部で働いていた。昭和の銀幕スタートの交流もあった。
父親が亡くなって子供たちが初めて分かったことがある。
それは父親がコツコツと貯め込んできた遺産だ。
父親は大昔から金(ゴールド)を買い続けていたのだ。そんなことを家族は知る由もなかった。
近年の金の高騰で含み資産は増える一方で、それを去年、すべて換金していた。
その額は預貯金を含めると4億9000万円に達していた。
遺産相続者は子供2人。母親はすでに他界している。
億単位になるとさすがに莫大な相続税を取られる。
6億以下は50%税金を取られるとしても、1人1億2000万円は懐に転がり込んでくる。
これだけあれば、還暦を過ぎた余生を余裕で送ることができる。
資産形成にはゴールドを見事に体現して天国へと旅立った。