2013年03月13日

永良部子守唄

永良部子守唄
えらぶくゎむいうた
erabu kwamui 'uta
沖永良部島の子守唄
語句・くゎむい 子守。<くゎ 沖縄語では「っくゎ」(qkwa)+むい 守り。


一、眠ぶりぶりにぶり 誰が泣きでぃ言ちよ わが守らばにぶり ヨーヒヨ童
にぶりぶりにぶり たがなきでぃいちよ わがむらば にぶり よーひよわらび
眠り眠りしながら誰が泣けといったか 私が守るので眠りなさい「ヨーヒヨ」(不詳)子ども
語句・にぶりぶりにぶり 繰り返しによる韻を踏んだ表現だろう。


二、泣くなくな童 誰が泣きでぃ言ちよ 泣かなしゅてぃふでぃり 花ぬ童
なくな くなわらび たがなきでぃいちよ なかなしゅてぃ ふでぃり はなぬわらび
nakuna kuna warabi ta ga naki di ichi yo nakana shuti hudiri hana nu warabi
泣くな泣くな赤ん坊よ 誰が泣けといったか? 泣かないで育ってくれ 花のような子どもよ


三、うらがいちゃ泣ちゃんて うら親ぬ聞ちゅみ わぬどぅ親なとぅてぃ うらむ守ゆる
うらがいちゃなちゃんて うらうやぬ ちちゅみ わぬどぅ うやなとぅてぃ うらむむゆる
ura ga icha nachaNte ura uya nu chichmi wanu du uya natuti ura mu muyuru
お前が如何に泣いても お前の親は聞くまい だから私が親になってお前の守りをする
語句・うら沖永良部方言で「お前」。・いちゃ 如何に。ウチナーグチと同じ。


四、石ぬ上に土置いてぃ 土ぬ上に花植いてぃ うぬ花ぬ咲かば 我子にくりや
いしぬうぃにみちゃういてぃ みちゃぬうぃにはなういてぃ うぬはなぬさかば わくゎにくりや
ishi nu ui ni micha uiti micha nu ui ni hana uiti unu hana nu sakaba wa kwa ni kuriya
石の上に土を置いて 土の上に花を植えて その花が咲けば、私の子にくれよ
語句・みちゃ土。 ウチナーグチでは「んちゃ」。


五、おいしゃ鼠美おいしゃ 石垣ぬ穴から動くなよ 石垣ぬ穴から出行くとぅわ 猫々に喰わゆんど
おいしゃ おいしゃ ちゃおいしゃ いしぬごーから うんくなよ いしぬごーから うんくとぅわ みゃあみゃあに くゎゆんど
oisha oisha cha oisha ishi nu goo kara uNkuna yo ishi nu goo kara uNkutu wa myaamyaa ni kwayuN doo
ネズミ、ネズミ、美しいネズミ 石垣の穴から動くなよ 石垣の穴から動くと猫に食べられるよ
語句・おいしゃ 猫。沖永良部方言。・ ば。仮定法。「〜すれば」。ウチナーグチと同じ。


沖永良部民謡の「永良部子守唄」をとりあげた。
この歌は地元ではもちろん、ネーネーズや地元出身の歌手大山百合香さんなどが歌ったものがある。また内地の唄者にも人気がある。

曲は沖縄音階で作られている。




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Posted by たる一 at 22:29│Comments(1)あ行
この記事へのコメント
 始めまして。沖永良部の言葉もむつかしいですが、味わいのある琉歌ですね。
 具志堅方言をよく知ってますが、土に、みちゃあ、と普通に言ってます。地域で似てる使いかたもあり、うちなーぐち、は奥が深いですね。
Posted by 春緒うるま春緒うるま at 2013年04月09日 18:52
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