たれぱんのびぼーろく

わたしの備忘録、生物学とプログラミングが多いかも

「一点透視図法」と「一消点構図」を区別する

web 上の「一点透視」「一点透視図法」に関するほぼ全ての日本語文献を確認した結果、概念の混同が見られた。
この言葉は以下の2つの意味で使われている:

  • モチーフ正面が投影面を向いた状態で透視投影する手法
  • 絵画を構成する多数のモチーフを整列しそれらの消失点が同じ1点になるような構図

この二つは似ているようで異なる。
絵画内のモチーフごとに角度が異なるのは当たり前で、部屋は一点透視・机は二点透視・倒れかけている牛乳パックは三点透視というのは全然普通。
一方、複数モチーフの角度を揃えると消失点へ視線誘導されたり遠近感が強まる効果がありこれが構図として有効なのも半ば当たり前。
どちらも正しい概念であり、名前が混同されているのが悪い。

前者は投影図法の説明であるから「一点透視図法」と呼ぶのが正しい。
後者は絵画全体の消失点数をコントロールする意図なので「一消点構図」と命名したい。