スネップ仙人が毒吐くよ

60代独身じじぃの独白記

小型PC用スピーカーの高音質化改造 Part2

オーディオネタ、前回の続き。

snep1000.hatenablog.com

 

今回が改造の本番。ステレオスピーカーシステム右側のBox内にある、アンプ回路の基板に手を入れる。

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右側のBoxをバラすとこのような状態になる。

スピーカーユニットの左側にある茶色い部品がアンプ回路の基板だ。

下のBox内には100Vの家庭用交流電源を9Vに落とすトランスが付いている。

 

以下、半田付け作業になるが、出来ない人もやり方だけは覚えていて欲しい。半田付けのやり方については別の機会に説明したい。

 

先ず、基板とトランスをつなぐ青色のコードを、基板から外す。

これが、電子回路を動作させる為の電源コードである。

言うまでもないが、コンセントからACプラグを抜いてから作業すること。

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そして、二本のコードを上の写真のように捩って一つにまとめる。

こうする事で、スピーカーから音楽が流れていない時に聞こえる「ブーン」という低周波音を軽減できる。こういった雑音を専門用語では「ハム音」と呼ぶ。

基板にコードを付け直して試聴した結果だが、スピーカーの入力プラグを音源のPCに接続しない場合に聞こえていた「ハム音」は明らかに軽減した。

だが、入力プラグをPCに接続すると、はっきりした「ハム音」が聞こえてしまう。

これはPCとスピーカーの電源に電位差がある為、PC側からノイズが侵入してくるのだ。

入力プラグ側に何らかの対策を施さなければいけないが、今回は割愛、今後の課題となる。

 

次にいよいよ基板上の部品に手を入れる。

700円程度で買える安物の商品なため、使われている電子部品も粗悪なクオリティの中国製が使われているからだ。

これを日本国産の高性能な電子部品に交換すると、著しく音質が向上するのである。

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全ての中国製部品を日本製に交換するのが理想だが、何よりも優先的に交換すべき二つの部品がある。

基板上にC20、C21と表示されたコンデンサーだ。

C20は交流電源を整流器で直流に変えた後、残った脈流を押さえる為の平滑コンデンサーだ。青い円筒状の物がそれである。

C21はC20と並列に繋がっていて、その性能をサポートする為のコンデンサーだ。

C20は電解コンデンサーという種類で、大容量で大電流に対応するが、周波数特性があまりよくなく、特に高域特性が悪い。そこで別の種類のコンデンサーを並列に繋いで性能をサポートさせるのである。

C21はセラミックコンデンサーという種類で、本来はラジオ用で高周波を扱うのに向いている。高域といっても、人間の耳に聞こえる可聴領域の特性に合った物ではないのだ。

ただ、値段がものすごく安く、電解コンデンサーだけの場合よりもマシなので使われているのである。

 

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裏側から見ると赤丸で囲んだ位置である。

基板の一番上の部分にトランスから来た電源コードが繋がりその下の四連に連なっている部分が整流器のダイオード4個、そして外したコンデンサーがここに付く。

全ての電子部品を動作させる為の大本である電源回路の要となるのが、この二つのコンデンサーなのだ。

 半田をコテで溶かしながら、半田吸い取り器で除去した後、部品が軽く動く事を確認してから引き抜く。

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新たに付け直すコンデンサーは

C20がニチコン MUSE KW 2200μF 16V

C21がメタライズドフィルムコンデンサー(パナソニック?)0.1μFである。

容量、耐圧は前についていたものと同じ規格にする。

今回は新品でなく、以前使用した物のリサイクルだが、新品でも合わせて200円250円以下で買えるものだ。

高性能の部品といっても、そんなに高い物ではない。

 

MUSE KWシリーズは、日本の大手コンデンサーメーカー、ニチコンのオーディオ用電解コンデンサーで、比較的ベーシックで素直な音質になる種類である。一つ上のグレードにFG(ファインゴールド)というものがあるが、こちらは低域が豊に膨らみ高域にも独特の艶が乗るが、クセが強すぎて、特徴を理解していないと使いこなせない。

初めて交換するならKWがお勧めである。

 

 

 

メタライズドフィルムコンデンサーは特にメーカーを気にしなくてもいいだろう。

どれを使っても、セラミックコンデンサーとは比較にならないほど良いはずだ。

 

 

電解コンデンサーは+と-の極性があるので、間違えないように取り付ける。基板上に+の表示がある。コンデンサーの金色の帯がある方が-だ。

フィルムコンデンサーには極性の向きはない。

 

さて、お楽しみの試聴だ。

試聴用音源は以前紹介したTWO-MIXのBPM150 MAXだ。

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物理的改造の時と違い、一聴して分かる変化があった。素人でも間違いなく分かる変化である。

「カンカン」と鳴っていたシンバルが「シャンシャン」になる。

「ざ、じ」と聞こえていたボーカルのサ行が「さ、し」になる。

TWO-MIXのBPM150 MAXは、全体的に高域がきつい音質で、長時間の試聴は特に疲れやすいアルバムなのだが、全然聴きやすくなった。

 

 

700円で買ったスピーカーがまるで3000円以上のクラスに変ったみたいだ。低音が出ていないので5000円以上とまではいかないが、大変身だ。

中低音もこころなしか厚くなったようにも感じる。

 

本当はエージングといって、100時間以上通電しないと本来の音が出ない。これはオカルトではなく、コンデンサーメーカーがいっている事である。*1半田付けの熱で電解コンデンサーの電解質に変化が生じてしまうのだが、通電を続ける事で元の状態に回復するという話なのだ。

エージングを行わなくても素晴らしい変化である。本来の状態になったら、一体何処まで良くなるのか、楽しみという他ないだろう。

 

半田付けが出来るなら、絶対にお勧めの改造だ。

 

Part3に続く。 

*1:エビデンスとなる文章が見つからないので取り消します