ゲーム紹介:チグリス・ユーフラテス / Euphrat & Tigris
文明の陣を広げる王国の領土争い
チグリス・ユーフラテス / Euphrat & Tigris
メーカー: Pegasus Spiele (ペガサス, ドイツ), 発売年: 2007年(原版1997年)
作者: Reiner Knizia (ライナー・クニツィア, 代表作:『ケルト』『インジーニアス』など多数)
12才~大人, 2~4人用, 所要60~120分, ルール難度:★★☆(2.5)
ドイツ 1998年
ゲーム大賞(Spiel des Jahres)
候補(Auswahlliste)
ドイツ 1998年
ファン投票(Deutscher Spiele Preis)
第1位
『チグリス・ユーフラテス』は、紀元前3000年のメソポタミアを舞台に、マス目の盤上でのタイルつながりの拡大や紛争によって起こる文明王朝たちの栄枯盛衰の中、政治/商業/農業/宗教の4要素がまんべんなく評価されるように得点を競うゲームです。
広いマス目の盤上に、集落/市場/農地/神殿といったタイルが置かれてつながることで、さまざまな特性を持つ地域があちこちに生まれます。
各自、自分の王家を担い、政治/商業/農業/宗教の4つの分野に応じた指導者コマをさまざまな地域に送り込み、その分野のタイルをつなげて増やすことで、その地域は王国として発展をとげ、その分野の評価ポイントを得ることができます。
ゲームの目的は、分野ごとの評価ポイントをまんべんなく集めることです。ゲーム終了時に、分野ごとの評価ポイントのうち、もっとも低いものが得点として扱われてしまうため、さまざまな分野で評価が得られるように立ち回らなければなりません。
地道な努力の結果、モニュメントと呼ばれる巨大建造物を建てることができれば、毎回安定した評価ポイントを得ることもできます。
しかし、そのような好条件の王国をライバルたちが見過ごすはずもありません。
各地で王国の拡大が進むと、王国間でタイルがつながったり、新たな指導者コマが登場したりすることで、1つの地域に同じ分野の指導者が複数存在してしまい、紛争が起こります。該当する指導者の担当者同士が、王国のタイル資源や配置・手札のタイルを利用し、力比べをします。もし負ければ撤退しなければならず、評価ポイントの糧を奪われてしまいますし、この紛争に勝利することでも評価ポイントが得られるため、是が非でも勝利したいはずです。
こうして、さまざまな王国に各人の指導者たちが混在しながら発展・紛争・衰退を繰り返していき、ゲーム終了時に評価ポイントを清算して、もっとも得点が多い人が勝利します。
ここがオススメ: 古代文明の栄枯盛衰の歴史を大きな時間軸の視点で眺めながら、緻密な戦略や紛争で勝ち取っていくやりくりが楽しい、“大河ドラマ”ならぬ“大河ゲーム”といった風情の、大人がじっくり腰を据えて遊ぶのにお薦めのゲームです。
ルール量が少し多いのと直感的ではない部分があるため、初めて遊ぶときには勘違いが起きがちですが、それでも、もう一度、もう一度とやってみたくなる、毎回異なるゲーム展開が魅力です。
上級用追加ルール: 2007年発行のペガサス社版には、ボードの両面で難易度が異なる地形が楽しめることと、文明建築物(宮殿/交易所/穀倉/書庫)と呼ばれるコマを置くことで、さらに評価ポイントが得られる、上級者用の追加ルールがあります。
ジッグラト: 2008年発行のメイフェア社版には、両面ボードや文明建築物の他に、特別なモニュメント『ジッグラト』が建設できるようになっています。建設にはタイル5枚を要し、毎回国王(政治面の指導者)のみに1点が入るというものです。
店内でサンプルをご覧いただけます。
世界最大のボードゲームファンサイト「Boardgame Geek(ボードゲームギーク)」にて、10点満点の高評価コメント(英語, 日本語機械翻訳版)がたくさん寄せられています。
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