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 米の種類といえば何だろう?
 2005年の作付け面積の順に、コシヒカリ、ひとめぼれ、ヒノヒカリ、あきたこまち、キヌヒカリ、きらら397、はえぬき、ほしのゆめ、つがるロマン、ななつぼしなどがある。有名なササニシキは、どうしたのだろうか?

 ササニシキは1963年に誕生した。コシヒカリと比較すると、あまり粘らないあっさりした食感で、冷えても食味が落ちにくいのが特徴。寿司米に適し、寿司店によってはササニシキ使用をセールスポイントにしている。弁当などに使用する米としても最適である。

 かつてはコシヒカリとともに両横綱と呼ばれた人気品種で、1990年には207,438haに作付けされ、ピークに達した。しかし耐倒伏性、いもち病抵抗性に弱く、気象被害も受けやすいという短所があり、1993年の冷害では大きな被害を出した。その後冷害に強いひとめぼれの作付けが広まり、ササニシキは作付けを大幅に減らしつつ現在に至っている。

 このように日本では、品種改良を重ね、冷害や病気に強く、しかも美味しい米を作り出してきた。

 付加価値の高いサプリ米?の開発
 最近は科学技術の発展により、さらに付加価値を加えた米が誕生している。例えば「ワクチン米」。米にコレラ菌の毒素をつくる、遺伝子の一部を組み込んだ。この米を食べると、病気に強くなることが、マウス実験では確認されている。

 例えば「ダイエット米」。消化されにくいでんぷんを多く含む米で、食べても糖質の3割が消化されないため、ダイエット効果が期待されるという。
 
 例えば「鉄分強化米」。鉄分を通常の3倍含み、貧血の改善に効果が期待される米が開発され、マウス実験では効果が確認されている。

 これらの、付加価値の高い米の開発は、積極的に遺伝子を変える「遺伝子組換え技術」を使ってつくられたものが多い。これからは、おいしくて丈夫な米に加えて、様々な健康効果のあるサプリメントのような米、「サプリ米」?が選択できる時代がくるのかもしれない。
 
 「コレラワクチン」米
 東京大学医学研究所の清野宏教授らの研究グループは、コレラ菌の毒素の一部をつくる遺伝子をイネに組み込む事で「ワクチン入りの米」を開発。この米を粉末にして与えたマウスをコレラ菌に感染させても下痢などの症状が出ず、ワクチンとして機能する事を確認した。

 コレラ菌に感染すると2度目以降は発症し難くなる事から、コレラ菌の遺伝子の一部を組み込んだコメを食べる事で予め免疫を獲得する事を目指したもので、米国科学アカデミー紀要で発表される。なお、組み込む遺伝子を変更する事で他の感染症にも対応出来る上にコメは常温での保存が可能な事から、途上国での感染症阻止が期待出来るそうだ。(毎日新聞 2007.6.13)

 「糖質オフ」米
 ダイエット効果が期待される超硬質米 九州大農学部の佐藤光教授(遺伝子資源開発学)の研究グループは、消化されにくいでんぷんを多く含む新品種米「超硬質米」を開発した。

 食べても糖質の3割が消化されないため、ダイエット効果が期待されるという。同大や新潟大など九つの研究機関や企業が「糖質オフ」のうどんやパスタ、パンなどの材料として商品開発を進めている。

 米の品種改良に取り組んでいる佐藤教授が、従来品種の「金南風(きんまぜ)」を改良する過程で生まれた。

 粒の大きさは金南風の8割前後とやや小ぶりで、重さは60〜65%しかない。炊いても粘りが弱く硬いため、おいしく食べることができなかった。新潟大農学部の大坪研一教授(食品製造学)らと米の成分を分析したところ、一般の米には1%程度しか含まれていない消化されにくいでんぷん「レジスタントスターチ」が、30%も含まれているのが原因とわかった。

 一般の米と同じ量を食べても、消化される糖質は7割程度にとどまるため、大坪教授がダイエット効果に着目。米飯が無理でも、米粉にすることで、めんやパンなどの素材に利用できるのではないかと考えた。

 マウスにこの米粉を与えると、血糖値の上昇を抑える働きや、血中脂質を低下させる効果があることも明らかになっているという。こうした効果についても、さらに研究を進めている。

 実用化のためには、安定的に収穫できる栽培方法の確立が課題で、両大や福岡県農業総合試験場(福岡県筑紫野市)などの研究機関が試験栽培を続けている。

 一方、鳥越製粉(福岡市)などの企業は、米の粉砕方法や米粉に適したパンやめんの商品化に取り組んでいる。

 佐藤教授は「消化される糖質が少ないため、これまでと同じ量のめんやパンを食べても太りにくい。肥満や糖尿病が気になる人にお勧めで、ダイエットや健康食品の素材として期待できる」と話している。(2010年1月4日16時49分  読売新聞)

 「鉄分強化」米
 鉄分を通常の3倍含み、貧血の改善に効果が期待されるコメの開発に、東京大学の西沢直子・特任教授ら日韓欧のチームが成功し、発表した。 貧血のマウスにこのコメを与えたところ、症状が改善した。

 西沢教授らは、植物の体内で鉄を運ぶアミノ酸の「ニコチアナミン」に着目。遺伝子組み換え技術を使い、このアミノ酸をたくさん作るコメを開発した。ニコチアナミンは、土壌から鉄を吸収するのに必要な物質にも変換されるため、鉄の吸収力が高まり、運搬能力の向上と合わせて白米の鉄の含有量が3倍に増えた。コメの鉄分は、通常より人間などが吸収しやすい状態になっていた。

 鉄分は生物にとって必須の栄養素で、成長期には特に欠乏症になりやすい。発展途上国を中心に世界の人口の約半数、日本でも女性の約2割が、鉄不足による貧血に悩まされている。

 西沢教授は「途上国向けのコメ開発に取り組む国際稲研究所などと協力して実用化を進めたい。小麦や野菜も、同じ技術で鉄分を高めることができる」と話している。 (2010年1月14日 読売新聞)


参考HP Wikipedia「米」「ササニシキ」「イネ」
 

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