ザトウクジラの作る道具
　人間と動物の違いは何かというと、道具を使うところにあるというが、実はかなり多くの動物が様々な道具を使っている。

　例えばカラスは賢い動物として知られているが、クルミなどの木の実を食べる際に、上手に中身を取り出すために車を利用する。車が通りそうな道路にクルミを置き、タイヤで踏み潰したあと、中の実を美味しくいただく。

　ザトウクジラが餌を取るときに気泡の円を作って獲物を囲い込む行動は、かなり以前から観察されてきた。ザトウクジラ気泡の円を作って獲物を捕らえる。



　今回、ザトウクジラが道具を使うだけでなく、周囲の環境から道具を作り出していことがわかった。気泡を放出する速度と間隔をザトウクジラが調整し、より効率的に獲物を捕らえようとしていることが明らかになった。気泡の円を調整すると、クジラが一口で捕らえられる獲物は、平均で7倍に増えるという。

　道具を使う動物たち
　チンパンジーは棒を使ってシロアリを釣り、ラッコは石で貝を割り、イルカはカイメンで口先を保護しながら海底で餌を探す。
　シャチはあの海の魔王、ホホジロザメさえ獲物にする事で知られている海の皇帝ともいえる海の食物連鎖の頂点に君臨する動物だ。非常に知能が高いことでも知られており、仲間とコミュニケーションをとりながら、連携して狩りを行う。
彼らは狩りをする時。獲物を自分の行動範囲内に引き寄せる際に「波」を使用する。この方法を取るのは、北のほうに生息するシャチ。
　アザラシなど氷上にいる獲物を海に引き込む時に波を利用する。 まずアザラシが避難している氷を巨大な体を活かして体当たりし、小さくしていく。そして仲間と協力し、自身の巨体を生かして大波を作り出す。その波の力を利用して氷上にいるアザラシを、海中の中へと押し流す。