カスミサンショウウオとは?
カスミサンショウウオは、動物界脊索動物門両生綱有尾目サンショウウオ科サンショウウオ属に分類される有尾類。
全長9-13cm(オス9.4cm、メス9.6cm)。体側面に入る皺(肋条)は左右に13本(まれに12本)ずつ。尾は体長(頭胴長)よりも短い。背面の色彩は緑褐色や灰褐色、暗褐色で、褐色の斑点が入る。
食性は動物食で、昆虫類、クモ、甲殻類、ミミズなどを食べる。幼生は昆虫類、甲殻類、環形動物などを食べ、共食いもする。
繁殖形態は卵生。1-5月に池沼や水田、水溜り、湿地、休耕田などの水深が浅く堆積物が蓄積した止水域に25-60個の卵を1対の卵嚢に包んで産む。卵は3-4月以降に孵化する。幼生は6-7月に変態し幼体になる。
激減する両生類
開発による生息地の破壊、水質汚染、減反政策による乾田の増加による繁殖地の減少、人為的に移入されたアメリカザリガニ、魚類などによる捕食などにより生息数は減少している。
最近はカエルツボカビ病などの影響で、両生類全体の減少が続いているのは知られている。麻布大の研究グループはがDNAの分析などから、世界規模で両生類に被害を及ぼしているラナウイルスが、国内に生息しているウシガエルやカスミサンショウウオに感染に広がっていることを発見した。
ラナウイルス感染死
カエルツボカビと並び、世界規模で両生類に被害を及ぼしているラナウイルスに、国内に生息しているサンショウウオが感染して死んだ例が初めて見つかった。昨年秋に大量死したウシガエルでの感染を報告した麻布大の研究グループがDNAの分析などから確認した。
ラナウイルスは国際獣疫事務局が、報告を義務づける野生動物感染症に指定している。人への感染の恐れはないが、魚や爬虫(はちゅう)類への感染は起こると考えられている。
麻布大の宇根有美准教授によると、感染で死んだのはカスミサンショウウオ。西日本のある地域で生息地の環境状況が悪くなったため、地元の団体が捕獲して飼育していた水槽に昨年5月半ば以降、野外から幼体十数匹を追加したところ80匹すべてが6月中に死んだ。皮膚の潰瘍(かいよう)、肝臓や腎臓の壊死(えし)が見られた。
国内で両生類へのラナウイルス感染は、ウシガエルが昨年秋に大量死したのが初の報告だったが、これに先だつ感染例があったことになる。
グループは今年9月以降にもウシガエルがラナウイルス感染で死んだ例を確認している。サンショウウオも含め、これらの感染場所はすべて半径35キロの範囲内にあり、限られた地域で流行が続いている可能性がある。宇根准教授は「ウイルスの拡散を阻止する必要がある。感染死したものは回収して焼却すべきだ」と注意を呼びかけている。(asahi.com 2009年11月24日)
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