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科学な本のご紹介: ミニ特集:災害・防災研究の本 その1

科学に佇む書斎

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『水害の世紀 日本列島で何が起こっているのか』
『ジェミニの方舟 東京大洪水』
『災害情報論入門』
『復興コミュニティ論入門』
『災害ボランティア論入門』
『防災の決め手「災害エスノグラフィー」 阪神・淡路大震災秘められた証言』

3.11以前に著された出版物たちです


水害の世紀


『水害の世紀 日本列島で何が起こっているのか』
 日経コンストラクション

科学の本世界の異常気象の中でも、洪水が圧倒的に多く発生している。熱波や寒波は横ばい、干ばつは少し増加傾向にあるが、洪水は80年代後半から急激に増加している。


↑ 読み合わせると吉。 ↓

ジェミニの方舟―東京大洪水


『ジェミニの方舟 東京大洪水』
 高嶋哲夫 集英社

●史上まれな強風を伴う超大型台風が日本を襲った!
 大水害に襲われる首都圏シミュレーション災害小説。

科学の本東京駅は、建設時より地下水位が上昇したのよ。だから、駅舎が浮き上がるのを防ぐために二百キロのアンカーを百三十本も埋め込んでいるの。




上掲『ジェミニの方舟 東京大洪水』は、文庫版では改題されてシンプルに『東京大洪水』というタイトルになっています。

東京大洪水 (集英社文庫)



行政関係のサイトで確認すると、東京の標高が低い地域は、いったん洪水などで冠水すると、そのまま一ヶ月近くも水が引かないままになって、下手すると孤立死しかねない恐ろしいところだったりしている。
備えてね!
→『備えあれ!東京の水害、死亡2000人、孤立100万人!?』


著者さん ↓





『防災の決め手「災害エスノグラフィー」 阪神・淡路大震災秘められた証言』
 林春男、田中聡、重川希志依、NHK「阪神淡路大震災秘められた決断」制作班 (著)
 日本放送出版協会

●阪神淡路大震災の当時、現場にいた人は何をどのように判断し、どう行動し、そして何を後悔し、何にさいなまれるようになったのか。
 消防や行政の人々に聞き書きをおこなった、重く大事な記録がここにまとまった。

科学の本 もちろん「災害エスノグラフィー」は決して万能ではない。しかし、注意深く使うことで、他には得られない大規模災害を疑似体験できる貴重な方法である。ぜひ、読者の皆さんにも、大いに活用していただきたいと思う。



目次:
これからの防災の決め手「災害エスノグラフィー」
 「災害エスノグラフイー」をなぜ始めたか 重川希志依
 「災害エスノグラフイー」の衝撃 新井雅樹

取材記・あの判断でよかったのか
 証言が明らかにした同時多発火災の現実 反町聡
 遺族の心情に配慮したくても 佐野剛士
 避難所は「リーダー会」の存在が大きかった 新井雅樹

阪神・淡路大震災の「エスノグラフィー」
 取材から「災害エスノグラフィー」へ 林春男
消防署 林春男
 伊関薫(長田消防署)
 田中進(長田消防署)
 鍵本敦(長田消防署)
遺体安置所 重川希志依
 谷家誠司(灘福祉事務所在宅支援課)・宮本包厚(神戸市衛生局)
避難所・罹災調査 田中聡
 清水誠一(長田区役所課税課)
 須浦勉(被災者・リーダー会)
 御宿孝(神戸市固定資産税課)

第3章「災害エスノグラフィー」から教訓を学ぶ
 学ぶべきエッセンスリスト 田中聡
 「これは行けるだろうというのは、その場のカンと経験でしかない」(伊関氏・田中氏・鍵本氏)
 「これは忘れてはいけない光景だ」(谷家氏・宮本氏)
 「行政が全部やってしまおうと思うときに、この問題が出てくる」(清水氏)
 「抜けるに抜けられず、いつのまにかリーダーになって」(須浦氏)
 「約40万棟を7日間で。もう時間との勝負という感じでしたね」(御宿氏)
 「エスノグラフィー」のワークショップ 田中聡

あなたも「エスノグラフィー」が作れます
 身近な人の証言から「エスノグラフィー」を作ってみよう 林春男

災害から身を守るには
 疑似体験を通して防災を学ぶ 林春男
 そのとき自分は 反町聡


●元になった番組は 『NHKスペシャル 阪神・淡路大震災秘められた決断』

●「語りの記録の作り方」が載っているのがスゴイです。goo





災害情報論入門 (シリーズ災害と社会7)


シリーズ災害と社会 『災害情報論入門』
 田中淳, 吉井博明 編集 弘文堂

科学の本中森広道 ”「パニック神話」の話が強調されると、災害の専門家の間でも「災害時や災害情報発表時にパニックが起きない」と誤って認識されることがある。「パニック神話」とは「パニックの発生が少ない」という意味であって「絶対に発生しない」という意味ではない。”

科学の本横田崇 ”日本で最初の津波警報組織は、三陸沿岸を対象としたものだった。1933年昭和三陸地震津波による甚大な被害を契機とし、1941年9月11日、当時の仙台地方気象台を中心とした8気象官署で発足した。”

科学の本中村功 ”避難を習慣化している人たちは、避難先が親戚知人宅などいつもの場所が決まっており、避難持ち出し品をあらかじめ準備したりもしている。いざというときに迅速な避難が可能なのである。”



復興コミュニティ論入門 [シリーズ災害と社会 第2巻]


『復興コミュニティ論入門』 シリーズ災害と社会 第2巻
 吉井忠寛, 大矢根淳, 浦野正樹 編 弘文堂

科学の本大矢根淳 ”龍ヶ岳町では、1人の犠牲者も出さなかった。役場の職員が一晩中、風向計を睨み続け、「東の風が南に変わったら(高潮が集落を襲うので避難せよ)」との地元独自の災害文化に則り、未明に避難指示を発令して、昨晩から各地に待機させていた消防団員が各戸のお年寄りや幼子をおぶるなどして、全町民を高台に避難させて事なきを得ている。”



災害ボランティア論入門 (シリーズ災害と社会5)


シリーズ災害と社会 『災害ボランティア論入門』
 菅磨志保・山下祐介・渥美公秀 編 弘文堂

科学の本菅磨志保 ”「善意≠善行」: 良かれと思って行った支援が、マイナスの結果をもたらすこともある。
 例えば、被災地の至る所で行われていたボランティアの炊き出しは、復興を目指して再開し始めた商店の営業妨害になることも。”

科学の本渥美公秀 ”善意を装って制度という圧倒的な力を持ち込む密やかな〈暴力〉。善意に包まれた制度が圧倒的な力となって、被災者を根本的に圧迫する。
 「誰が誰の生をコントロールするのか」という問いを失わないことが課題である。”



→『ミニ特集:災害・防災研究の本 その6』
→『ミニ特集:災害・防災研究の本 その5』
→『ミニ特集:災害・防災研究の本 その4』
→『ミニ特集:災害・防災研究の本 その3』
→『ミニ特集:災害・防災研究の本 その2』

→『ミニ特集:震災と建設』

→『備えあれ!東京の水害、死亡2000人、孤立100万人!?』
 



このページ ミニ特集:災害・防災研究の本 その1 は以上です。

 No.2013,0721
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