ミニ特集:災害・防災研究の本 その1
『水害の世紀 日本列島で何が起こっているのか』
『ジェミニの方舟 東京大洪水』
『災害情報論入門』
『復興コミュニティ論入門』
『災害ボランティア論入門』
『防災の決め手「災害エスノグラフィー」 阪神・淡路大震災秘められた証言』
3.11以前に著された出版物たちです
『水害の世紀 日本列島で何が起こっているのか』
日経コンストラクション
世界の異常気象の中でも、洪水が圧倒的に多く発生している。熱波や寒波は横ばい、干ばつは少し増加傾向にあるが、洪水は80年代後半から急激に増加している。
↑ 読み合わせると吉。 ↓
『ジェミニの方舟 東京大洪水』
高嶋哲夫 集英社
●史上まれな強風を伴う超大型台風が日本を襲った!
大水害に襲われる首都圏シミュレーション災害小説。
東京駅は、建設時より地下水位が上昇したのよ。だから、駅舎が浮き上がるのを防ぐために二百キロのアンカーを百三十本も埋め込んでいるの。
天気関係なく365日ずーっと水が流れ続けている駅がある。JR馬喰町です。
— 冨田明宏 (@tomitaakihiro) 2018年11月14日
東京の地下水問題は深刻で、有名な話、東京駅は放っておくと浮いてきちゃうから固い地盤にアンカーを130本打ち込んだり、立会川に水を流したり、重い鉄板を地下に敷き詰めたりして対応してる。
馬喰町の水はいつなくなるのかな pic.twitter.com/F0wqITqMAS
地下水の力たるや>「両駅では浮力に対抗するため…上野駅ではプラットホーム下に3万トンの鉄の「オモリ」を…東京駅では1本あたり100トンの浮力に耐えられるアンカー(イカリ)を130本、地盤に打ち込む」
— no1hasgone (@no1hasgone) 2013年7月11日
:株式会社日本セメント防水剤製造所 http://t.co/woLShNub8G
行政関係のサイトで確認すると、東京の標高が低い地域は、いったん洪水などで冠水すると、そのまま一ヶ月近くも水が引かないままになって、下手すると孤立死しかねない恐ろしいところだったりしている。
備えてね!
『備えあれ!東京の水害、死亡2000人、孤立100万人!?』
スーパー台風で荒川決壊って、まさに高嶋哲夫さんの『ジェミニの方舟 東京大洪水』の世界だな。 #saytv #fujitv
— 中乃井みあき/東北の科学 (@nakanoi_miaki) 2014, 9月 2
夏休み中に『ジェミニの方舟』(高嶋哲夫著)を読み返したのですが、なんだか洒落になってないように感じる今日この頃。
— shounan op. ueshima (@shounan_op_uesh) 2013, 8月 18
高嶋哲夫「東京大洪水」読了。面白くて一気に読んでしまった。都心にはちょっと住めないなと思ったけど、よく考えたら出張で大変頻繁に行ってるよ。
— Gesomaru (@gesomaru) 2014, 12月 18
著者さん ↓
台風については、『東京大洪水』(集英社文庫)、土砂災害については、『ハリケーン』(幻冬舎)。これから、自然災害はますます増える。アーア。
— 高嶋哲夫 (@takashimatetsuo) 2018年7月3日
『防災の決め手「災害エスノグラフィー」 阪神・淡路大震災秘められた証言』
林春男、田中聡、重川希志依、NHK「阪神淡路大震災秘められた決断」制作班 (著)
日本放送出版協会
●阪神淡路大震災の当時、現場にいた人は何をどのように判断し、どう行動し、そして何を後悔し、何にさいなまれるようになったのか。
消防や行政の人々に聞き書きをおこなった、重く大事な記録がここにまとまった。
もちろん「災害エスノグラフィー」は決して万能ではない。しかし、注意深く使うことで、他には得られない大規模災害を疑似体験できる貴重な方法である。ぜひ、読者の皆さんにも、大いに活用していただきたいと思う。
目次:
これからの防災の決め手「災害エスノグラフィー」
「災害エスノグラフイー」をなぜ始めたか 重川希志依
「災害エスノグラフイー」の衝撃 新井雅樹
取材記・あの判断でよかったのか
証言が明らかにした同時多発火災の現実 反町聡
遺族の心情に配慮したくても 佐野剛士
避難所は「リーダー会」の存在が大きかった 新井雅樹
阪神・淡路大震災の「エスノグラフィー」
取材から「災害エスノグラフィー」へ 林春男
消防署 林春男
伊関薫(長田消防署)
田中進(長田消防署)
鍵本敦(長田消防署)
遺体安置所 重川希志依
谷家誠司(灘福祉事務所在宅支援課)・宮本包厚(神戸市衛生局)
避難所・罹災調査 田中聡
清水誠一(長田区役所課税課)
須浦勉(被災者・リーダー会)
御宿孝(神戸市固定資産税課)
第3章「災害エスノグラフィー」から教訓を学ぶ
学ぶべきエッセンスリスト 田中聡
「これは行けるだろうというのは、その場のカンと経験でしかない」(伊関氏・田中氏・鍵本氏)
「これは忘れてはいけない光景だ」(谷家氏・宮本氏)
「行政が全部やってしまおうと思うときに、この問題が出てくる」(清水氏)
「抜けるに抜けられず、いつのまにかリーダーになって」(須浦氏)
「約40万棟を7日間で。もう時間との勝負という感じでしたね」(御宿氏)
「エスノグラフィー」のワークショップ 田中聡
あなたも「エスノグラフィー」が作れます
身近な人の証言から「エスノグラフィー」を作ってみよう 林春男
災害から身を守るには
疑似体験を通して防災を学ぶ 林春男
そのとき自分は 反町聡
●元になった番組は 『NHKスペシャル 阪神・淡路大震災秘められた決断』
●「語りの記録の作り方」が載っているのがスゴイです。
読み中:防災の決め手「災害エスノグラフィー」―阪神・淡路大震災秘められた証言 "まず驚いたのが、証言を記録する手法だった。「聞き取りを行う際、質問は極力しない」という。"
— さもありなん (@ikotto) 2011, 4月 16
ダメだ、泣きそう。今 防災の決め手「災害エスノグラフィー」阪神・淡路大震災秘められた証言 を読んでます。マニュアルが通用しない大災害でどのような対応をしていったのか・・・特に行政の皆さんにお勧めします。
— 夢プレゼンター☆ (@amikainushi) 2010, 6月 11
シリーズ災害と社会 『災害情報論入門』
田中淳, 吉井博明 編集 弘文堂
中森広道 ”「パニック神話」の話が強調されると、災害の専門家の間でも「災害時や災害情報発表時にパニックが起きない」と誤って認識されることがある。「パニック神話」とは「パニックの発生が少ない」という意味であって「絶対に発生しない」という意味ではない。”
横田崇 ”日本で最初の津波警報組織は、三陸沿岸を対象としたものだった。1933年昭和三陸地震津波による甚大な被害を契機とし、1941年9月11日、当時の仙台地方気象台を中心とした8気象官署で発足した。”
中村功 ”避難を習慣化している人たちは、避難先が親戚知人宅などいつもの場所が決まっており、避難持ち出し品をあらかじめ準備したりもしている。いざというときに迅速な避難が可能なのである。”
『復興コミュニティ論入門』 シリーズ災害と社会 第2巻
吉井忠寛, 大矢根淳, 浦野正樹 編 弘文堂
大矢根淳 ”龍ヶ岳町では、1人の犠牲者も出さなかった。役場の職員が一晩中、風向計を睨み続け、「東の風が南に変わったら(高潮が集落を襲うので避難せよ)」との地元独自の災害文化に則り、未明に避難指示を発令して、昨晩から各地に待機させていた消防団員が各戸のお年寄りや幼子をおぶるなどして、全町民を高台に避難させて事なきを得ている。”
シリーズ災害と社会 『災害ボランティア論入門』
菅磨志保・山下祐介・渥美公秀 編 弘文堂
菅磨志保 ”「善意≠善行」: 良かれと思って行った支援が、マイナスの結果をもたらすこともある。
例えば、被災地の至る所で行われていたボランティアの炊き出しは、復興を目指して再開し始めた商店の営業妨害になることも。”
渥美公秀 ”善意を装って制度という圧倒的な力を持ち込む密やかな〈暴力〉。善意に包まれた制度が圧倒的な力となって、被災者を根本的に圧迫する。
「誰が誰の生をコントロールするのか」という問いを失わないことが課題である。”
『ミニ特集:災害・防災研究の本 その6』
『ミニ特集:災害・防災研究の本 その5』
『ミニ特集:災害・防災研究の本 その4』
『ミニ特集:災害・防災研究の本 その3』
『ミニ特集:災害・防災研究の本 その2』
『ミニ特集:震災と建設』
『備えあれ!東京の水害、死亡2000人、孤立100万人!?』