平成28年12月議会(2)

◆5番(小坪慎也君)
 それでは、このまま次の質問に入ります。国民健康保険についてです。先ほどちょっと順番を間違いかけてしまい、すみません、ありがとうございました。
 再入国手続きの悪用による海外医療費の不正還付の今までの経緯について、お伺いします。平成24年1月の外国人の再入国手続きの制度変更に伴い、在留期間の短縮によりまして、再入国手続きを悪用した海外療養費の不正の支給の起こり得る問題点を指摘してきました。その経緯をお答えください。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 小坪議員の質問にお答えします。外国籍の国保加入者の海外療養費の支給問題、これは過去3度、平成24年6月、平成25年3月、平成25年9月に小坪議員のほうから質問をいただいております。そのときの質問の大きな要点は2点でございます。
 まず、国保加入の要件が在留期間が1年から3カ月に短縮されたこと、それともう1点は再入国手続きの申請期間が最長5年までに延長された。給付要件が緩和されたことに国の制度の問題点がある、というような御指摘を受けてまいりました。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 この問題の根幹は極めてシンプルでございます。例えばビザを持った外国の方が居留された際、行橋市においても国保の加入要件を満たす、それが今までは1年でございましたので、極めて難しいビザと言いますか、長期滞在型の審査が極めて厳しいビザであった。これが3カ月になったことで、3カ月以上のビザ、当然対象外のものは医療ビザとかがありますが、行橋市に住民票を持った外国の方が国保に加入できる。
 当然、私はこれが悪いと言っているわけではないんですが、国保には海外療養費というかたちで海外で受けた治療を還付する手続きがあります。この中には高額療養費も入りますので、日本の方が海外でした手術等も国保から支出している。
 しかしながら、海外から、行橋の国保に加入された方が、例えば本国に戻って医療行為を受けても、これも海外療養費になる。その中で私が指摘した問題は、あってはならないことだが、レセプト等、仮にねつ造されて、してもいない手術をしたとして持ち込まれたときに、果たして見破れるのだろうかと。実際に行っていない手術まで申請した場合、どうなるのかという問題でした。
 実際にこれは有名芸能人の父親が当議会で指摘後に逮捕され、その全貌が明らかになりました。その上でお伺いいたします。外国人による海外療養費制度が持つ問題点について、地方公共団体のチェックは可能であったのか。その部分を尋ねたいと思います。
 例えば海外の言語を熟知し、海外各国の行政を含む書式を知らねば、その申請書の真がんは分かりません。この責務を法定受託事務として地方行政が担ってきたこと自体が、実は私は問題ではないかと、そういうことを今まで述べてきました。いかがでしょうか。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 いま議員がもうおっしゃったんですけど、確かにその通りで、提出された療養費支給申請書、その内容をチェックする場合に、診療内容の明細の審議であるとか、言語を正しく翻訳されているか、当時アラビア語とかいう話も出ていましたけど、そういうことを含めて、今の国保の中でそれをチェックするのは難しいということであります。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 今ですね、少し問題点を指摘させていただきましたが、これはかなりの改善がされたというふうに認識しております。
 それはやはり有名芸能人の父親が逮捕されたという部分で報道がなされ、また各議会でも様々な動きがありました。行橋の動きも、やはりその中で少しトピックスになったようなんですが、国からも対応があり、そして通知・改善がなされていると聞き及んでおります。どのように変わったか、教えてください。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 まず平成25年12月6日、厚生労働省の課長通知、この中で、海外療養費の不正請求対策等について、という文書が発出されました。その中で、2点、まず1点目が海外療養費の支給申請に対する審査の強化、2番目として、海外療養費の不正請求事例への対応、の2点が指示されているところでございます。
 審査の強化については、具体的方法、事例への対応については、警察との相談、連携や国への報告を行うこと。国の負担で調査業務を調査団体、この場合は国保連合会とか民間調査機関に委託できることが示されております。また国に報告された不正事案は、国より全国の自治体に情報提供されるようになっております。
 また、さらに平成28年3月31日付の厚生労働省の課長通知として、海外療養費の支給申請及び審査等に係る事務の取り扱い、というものが発出されまして、先の通知を踏まえて、実際の渡航の確認を示す書面や海外医療機関への照会への同意書などを求めることが可能となっております。
 一層の不正請求に対する審査の強化が図られてきたところでございます。以上です。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 摘発事例の結果について、お伺いします。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 これまで国から具体的に公表された事例としては、東京都、群馬県、富山県で計12件。申請者の国籍としては、3カ国、平成21年度分まで遡っての不正支給総額は、678万298円となっています。これは平成28年11月末現在の推移でございます。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 行橋市の事例はございますでしょうか。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 これに該当する行橋市の事例はございません。ただですね、平成23年から27年までの5年間で、海外療養費というものが9名で30件ありますが、全て行橋市在住の日本人の申請ということになっております。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 恒久的な対策について、国の通知を受けて、実際の業務対応は、今後どのように行われていきますか、具体的にお答えください。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 お答えします。海外療養費の支給については、窓口申請の案件として比較的に数が少ない上に難易度の高い事務である。疑義がある場合は、事務マニュアルの刊行物も常に参照すること、でございます。
 例えば全国的に事務教本として普及している国保担当者ハンドブックなどで、海外療養費の不正請求について、これが2014年度版以降に新規項目として掲載されているところでございます。窓口でこういうケースが起こった場合に、このマニュアルを利用して対応するということになっております。
 全国的な動向としてみれば、事務的対応も以前と比べてかなり簡単になってきたというふうに考えております。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 これは社会保険出版が出版している国保担当者のマニュアルだったかと思います。私も読ませていただきました。ずっと指摘してきた問題が10ページ近くにわたって項目が新設されて、非常に厳しいことが書いてありました。かなり素晴らしい内容じゃないかと思っております。
 私の認識では、ここにマニュアルとして対応が記載されたことは、全国一律の対応であり、具体的にはすべての自治体の運用規則が同時に切り替わったようなものだと認識しております。
 海外療養費制度の不正請求についての自治体の取り組みは、マニュアル的に全国に一律のものになったと理解してよろしいでしょうか。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 いま議員御指摘のとおり、マニュアルに基づいて同一になってきていると御理解いただけたらと思います。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 ここの部分でこの質問を本来終わりだったんですが、また新たな展開が一つ出てきました。来日外国人による経営・管理ビザ・就労ビザを用いた医療ツアーについてでございます。
 これは一部にマスコミにおいて報道されているんですが、日本ではC型肝炎の特効薬と言われるハーボニーとか、また新薬が多々出てくる中で、非常にコストの掛かるビザですね、例えば法人を設立して日本に来るとか、ただし実際医療行為しかやっていないと、こういうものが有償の医療ツアーとして実は提供されているんじゃないかと。そういう広告があるよという報道がされました。どのような状況にあるか、高額薬剤を日本で安価に得るために在留期間の短縮などを悪用して、国保の資格を取得する事例が報道されておりますが、どのような状況なのか、教えてください。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 ハーボニーという薬剤がございます。これはC型肝炎に顕著な効果が認められるということで、医療保険が適用できるということで、これが昨年9月以降から公的医療機関の保険の適用ということで、これ1錠当たり5万4796円掛かります。一旦服用を始めれば、数百万円単位の費用が発生するということで、その大部分が公的医療保険で賄われる。
 いま御指摘のハーボニーツアーというようなことについては、こういう保険治療を目的として先ほどのような海外の方が資格を持って治療を受けるというケース。ただ、市町村の事務で取り扱われない在留ビザの発給で仮に国保の加入要件を満たしておれば、被保険者証が発行されている以上、給付が可能、行橋としても出さざるを得ないというのが現状でございます。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 私は、これは違法というふうに言うつもりは全くありませんで、単純に行橋市は国保のお金がないと、自治体はどこもそういう状況にある中で、このような高額のものが合法的に外に出ていく、それがちょっとどうなのかなと。本人としては、保険税としては5千円程度しか払わずに、法人設立等で費用は掛かったにせよ、非常に高額の医療が行橋の税金から、行橋であるかどうか分かりませんが、やってしまう。
 その部分で一つ確認したいんですが、これは行橋市としては、ビザ等、外の機関で行われてしまった場合、受けざるを得ないというのが実情だと思います。どうしようもないというのが実情かと思いますが、市ではどうしようもないというのが実態で間違いないでしょうか。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 お答えします。確かにビザの件に関しては、どうしようもないというのは、もうそのとおりなんですが、現在、福岡県の国保連合会のほうからシステム改良を行って、高額薬剤の使用情報というのを見ることができるようになりました。その関係で調べてみますと、今の時点ではこういう事案は該当したものはない、という状態でございます。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 国保全体の話になるんですが、新薬の話がありましたので、続けて質問します。市の国保は繰上充用額が10億円を超えておりまして、正確には12億2千万円ですね。今回、少しは赤字が減るんじゃないかなと期待しておりましたが、中々そのようにはなっておりません。
 原因を探っていきましたところ、昨年は全国的に薬価が変わり大きなニュースになっております。一部自治体では、わざわざ補正予算を組む必要まで出てきた。そこで行橋市における調剤費の状況をお伺いしたいです。また併せて全国の状況について、どのように認識しているでしょうか。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 御指摘のように、27年度末で12億2900万円の赤字、そして27年度については、単年度収支が1億6700万円の赤字ということで間違いございません。
 平成27年度収支、いま御指摘いただきました薬価、新薬の保険適用の影響が大きく響いております。国保会計、医療費全体の伸びが1億4千万円、対前年比で言うと2.4%増えているんですが、その内、調剤費のみで1億5600万円、12.3%が増加しています。新薬の内、昨年9月以降に発売されたハーボニーなどのC型肝炎、抗がん剤のオプジーボというのがございます。これによる影響は全国の健康保険に及んでおり、国保中央会における保険料換算の試算では、3千円程度押し上げる影響があった、というふうに言われております。ですからそれが先ほど全国の市町村で、ということになると思います。
 このため、28年度、もう現実にいま薬価の引き下げというのが行われておりまして、C型肝炎の、先ほどの治療薬等については3割くらい、がんの治療薬については5割がもう減額されてきております。
 特に抗がん治療におけるオプジーボについてなんですが、点滴薬で1瓶72万9849円という金額が出て、これを1年間肺がん患者に使うと3500万円掛かるというような報告もされているところでございます。これが先ほど言った薬価体制において半額になってきているというのが現状でございます。以上です。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 最後に、C型肝炎の新薬、2銘柄、ハーボニー及びソバルディですね、抗がん剤のオプジーポについては、いま教えていただきましたので、他の新薬について、値段、薬価等ありましたら、教えてください。

○議長(諫山直君)
 市民部長。

◎市民部長(白川達也君)
 まずハーボニーなんですが、平成27年度の1錠当たりが8万171円でした。これが、現在、先ほど3割と言ったんですけど、5万4796円となっております。
 次に、ソバルディについては、平成27年度の単価が6万1799円、そして今の単価が4万2240円ということになっております。
 ちなみにハーボニーについては、平成28年4月から11月の実績として、8234万円の内、7992万円が執行されている。ソバルディについては、2286万円の内、2225万円、ですから1億円の内、個人負担を除いてほぼ国保のほうから出ているという状態です。

○議長(諫山直君)
 小坪議員。

◆5番(小坪慎也君)
 薬はですね、高いです。病は避けがたい、誰しも健康で生きたい。私はそれを政治は支援するべきだと思います。限られた国保財政の中で、誰をどうやって助けていくか、当然行橋市民を守っていただきたい。しかしながらこんなに高い薬がどんどん入ってくるというのは、正直、私もびっくりしましたし、執行部もこれは同じではないかと思います。その中で、やはり大きな金額が動くときは、いろいろなことがありますので、今後もより注視をお願いしたいと思います。

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