明晰夢工房

読んだ本の備忘録や日頃思ったこと、感じたことなどなど

2015-01-01から1年間の記事一覧

「物語を書く」というこの不思議な感覚

小説らしいものを始めて書いたとき、何も考えずに書き始めたが、それでもどうにか最後まで書く事はできた。よくできたという自信は無いものの、その時ある不思議な感覚が残った。それは、物語とは「作る」のではなく「できる」ものなのではないか、というこ…

スカイリムの帝国兵はヴァリャーギ?

スカイリムの世界は北欧のような世界がモデルになっていて、ノルドは荒々しい気質の者が多く、戦いを歌いあげる詩人がいるなど、ヴァイキングをモデルにしていると思われるのは周知の通りです。タロス信仰が禁じられるところなど、キリスト教の普及が進んで…

牧場物語のレビューを見ていて心を折られた話

今から2年くらい前のことなんですが、3DSの「牧場物語 はじまりの大地」を買おうと思ってレビューを検索していまして。確か楽天のレビューだったと思いますが、そこに並んでいる文言に、大袈裟に言えば「膝から崩れ落ちる」ような思いをしたわけです。衝撃…

映画「イエスマン」と自己啓発と渋谷凛

suzukidesu23.hateblo.jp 今日はこちらを読んだ雑感などを。 (映画のネタバレを含むので「続きを読む」記法で行きます)

ノベルゲームに感じる「怖さ」

NHKBSプレミアムの「英雄たちの選択」が好きでよく見ています。 後世の人間が歴史上の人物の心中を想像して「あの時こうしていれば、時代はどう変わっていたのか」を想像するのは楽しいものです。ただそれはあくまで他人事だから楽しい、というのはあるわけ…

小説を書く「才能」とは何か?

普通に考えれば、才能とは少ない努力で結果を出すことのできる能力のことです。ボイストレーニングもレッスンも受けたこともないのに人並み以上に歌が歌えるならそれは才能だし、それは生まれ持った能力以外の何者でもありません。 ですが、小説に関してはま…

「個」を切り捨てる収益特化型ブログ

今日はこのあたりを読んだ雑感などを。 hase0831.hatenablog.jp p-shirokuma.hatenadiary.com ブログの収入報告については私も時折目にするんですが、5ヶ月で5,000円稼げましたとか、いやそれ要らないものをブックオフやヤフオクで売ったほうが早くないです…

ゲームが遊べなくなるのは淋しいけれど

もう1年以上前の話になるんですが、ちょっと県都の方に用事があって帰ってくる途中、電車の向かいの席に3DSに夢中になってる男性がいまして。年の頃は30代前半位と思しき彼に対して、私の心の中から思ってもみなかった言葉が浮かんできたのです。 「あなた…

自己評価が高いことが良いこととは限らないのではないかという話

自己啓発の本などを読んでいると、とにかくセルフイメージ(=自己評価)を高めることが大事だということが強調されていて、そのために高い服を着ましょうだとか、成功者に会いに行きましょうだとか、いろいろなノウハウが紹介されたりする。個人的にあまり…

変わりゆくはてなと「ネット原住民」

今日はこの記事を読んだ雑感などを。 anond.hatelabo.jp 2007年頃は今とは別のアカウントではてなダイアリーを書いていたので、当時の雰囲気はよく覚えている。あの頃よく話題になっていたのが承認欲求だとか、モテ非モテ論争だとか、性犯罪に対する自衛の問…

「作りたい」のか「褒められたい」のか

president.jp この記事の中で為末氏は、アカデミー賞を取りたい動機が「作りたい」か「褒められたい」か、まずはそこを問い治すことだと言っている。 どちらであるかによって取るべき行動は変わってくるのだと。 創作したい欲求の正体が「作りたい」なのか「…

他人に言いたいことは、自分自身に言いたいこと

小説を書くような人間は例外なく本が好きなわけで、良い本を探す指標として書評サイトなどを巡回することになる。こうしたサイトを参考にすることで、今はほとんど本を買って外れを引くことがなくなった。コメントの雰囲気から自分に合っているかどうかも大…

小説を書いていて、一番辛いことは何か

小説を書く者にとって、最も辛いこととは何だろうか。普通に考えれば、「作品をけなされること」がまず思い浮かぶ。精魂を込めて書いた作品を批判されるのは辛い。作品を書く者は、多かれ少なかれ自分で面白いと思うものを書いて公開している。しかしそれは…

逆立ちしてもかなわない才能に接した時、どうするか

honz.jp 読んでいて、よくわかる部分と、よくわからない部分とがあった。 よくわかるのは、どうあがいてもかなわない本物の才能に打ちひしがれる、という部分。昔音楽をやっていたので、努力では超えられない壁を見せ付けられると、どうしようもない徒労感に…

小説を書き始めるために必要な、たった1つのこと

まずお断りしておくと、ここから書くのはあくまで「趣味としての小説」の話であって出版することを前提としたお話ではない。そう前置きした上で、とにかく小説を書いてみたいけれど今ひとつ踏ん切りがつかない、公開する勇気が出ないという人のために、一通…

創作とマッチョな価値観

創作らしきことをしていると、価値観が次第にマッチョ寄り、自己啓発寄りになっていくのがわかる。話を読んでもらえないのも、良い評価がつかないのも全て自分の問題だと考えなければ成長できないし、事実その通りだからだ。他人のせい、社会のせいという考…

プロゲーマー・ウメハラと小池龍之介のたどり着いた境地

どんな勝負事でもプロの世界は非常だ。勝っているうちは絶賛されても、負け始めるとすぐに手のひら返しが始まる。プロゲーマーの世界でも同じことで、ウメハラだって少し調子が悪いだけで、「あいつはもう終わったな」なんて動画のコメントで言われてしまう…

恋愛工学とブログ工学

恋愛工学というメソッドが批判されているのを最近よく見かける。批判されているポイントは色々とあるようだが、突き詰めると「一人の相手に誠実に接することは成功には繋がらない」といった身も蓋もなさが嫌われているようだ。実践内容がロマンチックラブイ…

アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」に見る「Doingタイプ」と「Beingタイプ」

ameblo.jp カウンセラーの杉田隆史さんという方のブログが面白くて、最近よく読んでいる。杉田さんによると、人間のふたつのあり方として「Doing」と「Being」のタイプがあるらしい。Doingは何か目標を達成することに価値を感じるタイプで、Beingは他者と協…

「消費するだけの豚」と「行動しない冷笑系」

最近、なろうで小説を書いている。今まで物語を消費するだけで自分で何も作り出していないことにどこか後ろめたさがあったし、書いたものに反応がもらえるとやはり嬉しいので、楽しみながら続けている。 オタク界隈で「消費するだけの豚」という言い方がある…

ミクロな名人芸

「人間ってね、車に跳ね飛ばされるともうね、ただの肉の塊になっちゃうんだよね」 学生時代に初めて自動車免許の試験に合格し、タクシーを呼んで駅まで向かう途中、運転手は淡々とした口調で話し始めた。50くらいの人の良さそうな運転手は目撃した交通事故の…

新涼の季節にブログを書くということ

久々にブログを書くので、リハビリ用に「ブログを書くということ」について書くというメタなことから始めてみる。ブログを書くとはどういうことか、について考えるたびにいつも思い出す出来事がある。学生時代、帰省するために乗っていた電車の中で、ひたす…