ECの初期費用・月額利用料が無料のフリープランを「カラーミーショップ」が始めた理由【GMOペパボのEC事業部長に聞く】
GMOペパボが運営するネットショップ作成サービス「カラーミーショップ」は、5月13日(木)から「カラーミーショップ」の初期費用・月額利用料が無料の「フリープラン」の提供を開始した。ECビジネス参入のハードルを下げ、事業者のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を支援することが背景にある。
初期費用・月額利用料が無料の「フリープラン」とは
「フリープラン」は初期費用や月額利用料が0円で、決済金額の6.6%(税別)の手数料と1決済ごとに決済処理料30円(税別)が発生する。既存プランは初期費用3300円(税込)と月額利用料が発生するが、決済手数料は契約する決済サービスによって異なる。
「フリープラン」の利用には決済サービス「カラーミーペイメント」の同時申し込みが必須となる。「カラーミー ペイメント」はグループのGMOイプシロンが提供するECビジネスに特化した決済パッケージプラン。クレジットカード、コンビニ決済、銀行振込、GMO後払いが利用でき、法人のみ「Amazon Pay」も利用できる。
HTML・CSS編集やメールマガジン発行など「カラーミーショップ」の主な機能、「カラーミーショップアプリストア」は利用できるが、代引きやクーポン発行、名入れ機能などの一部機能は利用できない。
今までECサイトを構築したことがない事業者でもスムーズに手続きが行えるよう、特定商取引法に関する情報登録、商品情報登録、決済の申し込みの3ステップでECサイトを開設できるという。
「フリープラン」から既存の月額制プランへの変更については、2021年秋ごろから変更受付を開始予定。
「フリープラン」提供開始に伴い、2021年5月13日(木)~2021年9月30日(木)まで、決済手数料を割引する「『フリープラン』提供開始キャンペーン」を実施する。
開設から成長まで同一プラットフォームで行える環境を構築
日本国内のEC市場規模は成長し続けており、2019年のBtoC-EC市場規模は19兆3609億円に拡大。また、2020年はコロナ禍によるEC需要の急速な高まりを受け、「カラーミーショップ」の2020年流通額は前年比135%の1935億円に増加した。
コロナ禍の動向を受け、寺井秀明氏(GMOペパボ EC事業部 部長)は「『ECサイトを開設したいが、固定費がネックになっている』という事業者の意見があった」と説明。ショッピングモールや無料カートを利用していた事業者が本格的に自社ECサイトを開設するにあたり、「カラーミーショップ」に移行するケースがコロナ以前から増えていたという。
こうした状況を受け、「カラーミーショップ」は「フリープラン」の提供をスタート。寺井氏は「ECサイト開設から店舗の成長まで、同じプラットフォーム内で行える環境を提供していきたい」と語る。
「フリープラン」でECサイト参入のハードルを下げたいと考えています。ECサイト開設後は、売り上げや事業規模、成長に合わせてプランを移行していただきたい。既存プランは月額固定費が発生しますが、決済手数料が抑えられ、利用できる機能も増えます。
まだ地方ではDXが進んでいない状況です。「フリープラン」を多くの方に使っていただき、日本全国の事業者のDXを推進していきたいと思っています。(寺井氏)
YouTubeや公式Webメディアで店舗運営を支援
「カラーミーショップ」は、YouTubeチャンネル「カラーミーショップ.ch」や公式Webメディア「よむよむカラーミー」を運営。ECサイト開設手順や商品ページ制作、SNS運用などについての解説や、「カラーミーショップ」利用者の事例紹介を掲載しており、ECサイトの運営・成長支援を行っている。特に事例紹介については「自身の事業と同じ店舗の話はとても参考になる」という意見が寄せられているという。
「フリープラン」を利用して新規開設した事業者に対しても、上記を通じて情報を提供、運営支援を行っていく。
また、ECサイトを開設していない事業者に対しては、全国商工会連合会との包括連携協定締結や岩手銀行との業務提携などを通じ、全国的にアプローチしていくという。