IT担当者がいない中小企業のデジタル活用をサポートするアスクルの「ビズらく」とは?
アスクルは、ソフトバンクと協業し、中小企業が抱える業務に関する悩みをデジタルの力で解決する新ソリューション事業「ビズらく」を10月31日から開始した。
アスクルの新事業「ビズらく」とは?
「ビズらく」は働き方改革、労働人口減少による人手不足、法改正などを背景とする、主に中小企業が抱える業務に関する悩み・課題をデジタルの力で解決するソリューション事業。Webサイトを通じて、専門スタッフによる相談サービスとSaaS・通信商品およびサービスの販売を組み合わせて提供する。
「ビズらく」の主なサービス内容、特徴
1.デジタル化の無料悩み相談サービス「ビズらく相談室」
電話もしくはオンラインで、業務に関するデジタル化、IT活用の困りごとを相談できる無料サービス。「ビズらく」のWebサイトで提供する「予約フォーム」から日時を指定して専門スタッフに相談できる。
相談後は、ヒアリング内容を元に企業のデジタル化の課題を解説した「デジタル化診断レポート」を提供する。相談サービスを通じて、企業は自社のデジタル化における課題を明確化することができるという。また、「ビズらく」は診断結果を元に各企業に合うSaaS・通信商品を提案する。
2.情報システム部の代行サービス「みんなのITサポート」
タブレットを活用した情報システム部門の代行サービスで、「社内にIT担当者がいない」などITに関するサポート体制が不足しているという悩みに対応。1社あたり月額2万2000円~2万7500円(税込)で提供する。
「みんなのITサポート」に契約すると専用タブレットが届く。タブレットにはサービス利用に必要なアプリが事前にインストールされており、受け取ったらすぐにサービスを使い始めることができる。
「ビズらく」からの購入商品だけでなく、スマートフォン、タブレット、パソコン、インターネットなどの困りごとやインターネットのトラブル相談も可能だという。
3.32種類のSaaS・通信商品をラインナップ
「ビズらく」開始時には、14カテゴリ32種類の商品をラインナップ。なかには手頃な価格のオリジナル商品も含んでいる。
商品は「ビズらく」上の「お困りごとから探す」「商品カテゴリから探す」の2種類のメニューから選ぶことができ、自社の状況に合わせた検索ができるという。取扱商品は利用企業のニーズを踏まえ、順次拡大予定。
従業員100人未満の企業の58%が「IT担当者不在」
コロナ禍の影響もあり、多様な働き方が加速するなか、大企業ではテレワーク実現に向けてインターネット環境の整備、チャットツールなどの導入が進んだ。一方、中小企業ではテレワークの実施率は3割程度にとどまっている。
また、中小企業は人手不足への対策、インボイス制度など法改正に対応するための業務改善などの課題に直面しており、デジタル化のニーズが高まっている。
こうした状況のなか、中小企業の多くが直面するのが「社内にIT担当者がいない」という問題だ。「ASKUL」利用企業向けに行ったアンケート調査では、従業員100人未満の企業の58%が「ITの担当者が不在」だと回答した。
また、ITツールの購入先を選定する際に重視する点は、「導入サポートサービスやアフターサービスがあること」「相談や質問がしやすい」などが上位項目となっている。
このような状況から、企業から困りごとの相談を受けてニーズにあった課題解決商品を提案し、実際にSaaS・通信商品を触って試せるプロセスを経て、導入後には運用支援まで含めたワンストップサービスを提供することで独自の価値を提供できると考え、伴走型のサービスである「ビズらく」を開始した。
サービス提供に際し、アスクルの吉岡晃氏(代表取締役社長 CEO)とソフトバンクの今井康之氏(代表取締役 副社長執行役員 兼 COO)は次のようにコメントした。
アスクルが持つお客さまの基盤とCRMのノウハウ、ソフトバンク社およびグループ各社が持つデジタル通信商品の圧倒的な調達力、BtoBのマーケティング力、システム開発力をかけあわせたシナジーで、構想から約9か月でサービスを立ち上げられた。日本の中小企業のデジタル化を支援する為に皆さまからの応援を賜りたい。(吉岡氏)
我々は中小企業との接点があまり多くない。一方アスクルは500万か所の事業者と接点を持っている。中小企業とアスクルとソフトバンクでさまざまな声を反映してサービスを作り上げていくのが「ビズらく」の本質だと考えている。(今井氏)