Windowsのコマンドプロンプトはどうも苦手です。
と言うのも実行したコマンド履歴が保存されないからです。
1度、その場限りの実行であれば履歴機能は利用できるのですが、1度ウィンドウを閉じてしまうと履歴は完全にリセットされてしまいます。
これが、僕のようなコマンドを覚えるのが苦手な者にとって使いづらいところです。「えーと、この前使ったコマンドなんだっけ?そうだ、履歴から遡って呼び出そう!」なんてことができないです。
そんな、履歴を保存できないコマンドプロンプトに代わって、今回は、Windowsで履歴機能のあるコンソール環境を作る方法を紹介します。
加えて、何個もコンソール画面を開きたい時は、複数ウィンドウにするよりも、タブ機能があった方が何かと便利なので「コマンド履歴保存ができるタブコンソール環境を作る方法」を紹介したいと思います。
目次
用意するもの
履歴とタブの使えるコンソールを作るにあたって、以下の2つの無料ソフトを組み合わせて利用します。
Console2
Console2
コマンドプロンプトのタブ切り替えを可能にする無料ソフト。
これだけをインストールすれば、コマンドプロンプトのタブ化ができます。
nyaos
NYAOS 3000
Windowsとの互換性を保ちつつ、UNIX/Linuxライクにコマンド操作することのできる無料ソフト。様々な拡張機能が利用できます。
これまで、いろいろな組み合わせを試してみたところ、この2つの組み合わせが、設定も簡単で使いやすいかと思います。
主な手順
履歴が保存できるターミナルを作るために、今回は、Console2と、nyaosというソフトを利用します。
以下で詳しい方法を説明します。
Console2をインストール
Console2からファイルをダウンロードします。
ダウンロードした「Console-2.00b148-Beta_32bit.zip」といったファイルを解凍しフォルダを任意の場所に置きます。
以下の例では、「C:\Console2」にフォルダを設置したとして説明します。
nyaosをインストール
nyaosも同様にファイルをダウンロードします。
ダウンロードした「nyaos-3.3.9_0-win.zip」といったファイルを解凍してできたフォルダを任意の場所に置きます。
今回は例として「C:\nyaos」にフォルダを設置したとして説明します。
今回、解凍してできたフォルダ名を「nyaos」にリネームしました。
Console2の設定
Console2インストールフォルダ内の「Console.exe」を起動します。
メニューの「Edit」→「Settings」を選択してConsole2の設定画面を開きます。
すると、設定画面が表示されるので「Tabs」をクリックし、「Add」ボタンを押してください。
すると、新しいタブの設定項目が表示されるので、以下のように入力してください。
- Title:nyaos
- Shell:C:\nyaos\nyaos.exe (インストール場所によって変更してください。)
Startup dir(スタートアップディレクトリ)は、必要な場合は入力してください。
あとは、「Tab name」から上で作成した「nyaos」を選択して「Move up」ボタンを押します。
以下のように「Tab name」でnyaosがトップに来るようにすればOKです。
こうすることで、「nyaos」が最も優先して呼び出されます。
あとは、「OK」ボタンを押して設定を完了します。
Console2で「タブの追加ボタン」などを押せば、タブが開かれそれぞれ別のコマンドを入力したりできるようになります。
文字が小さかったり、フォントが気に入らない場合は、設定画面の「Appearance」から変更することができます。設定方法は後述します。
nyaosの設定
あとは、nyaos側で履歴保存用の設定を行います。
まずは、nyaosインストールフォルダを開いて、「history.txt」ファイルを作成します。
ちょうどこんな感じになります。
次に「_nya」というnyaos設定ファイルをエディターで開きます。
開いた「_nya」ファイル中の以下の部分を
option +history
以下のように書き換えます。
option +history option savehist "C:\nyaos\history.txt"
これにより「history.txt」ファイルにコマンドの履歴が保存されていきます。
これで、nyaosに「ウィンドウを閉じても消えない履歴機能」が付加されました。
ファイルパスを取得するには、Shiftキーを押しながらファイルやフォルダ上で右クリックをすると「パスのコピー」メニューが出て手軽にフルパスをコピーできます。
nyaosを利用すると、履歴機能以外にも、エイリアスの設定、キーバインドの設定等、様々な拡張機能を利用することができます。
動作確認
これで、今回作成したコンソールで↑カーソルキーを押すと、履歴を遡って好きなだけ表示させることができます。
加えて、「history」コマンドを使えば、履歴の一覧も見ることができます。
「history 30」のように「history 数字」と入力すれば、数字で指定した数だけ履歴を見ることができます。あまりにも履歴が貯まったときは、こういった呼び出し方をした方がコマンドを見つけやすいかもしれません。
Console2を使いやすく設定する
ここからは、タイトルと少し内容はそれますが、デフォルトのConsole2の設定を少し変えて、より使いやすいものにしたいと思います。
フォントと操作方法を変更して、コンソールをより快適に利用できるようにしたいと思います。と言うか、僕がいつも利用している設定方法です。
まずは、「Edit」→「Settings」で設定画面を開きます。
フォントの設定
僕の場合、ちょっとデフォルトだと文字が小さすぎるので、「Appearance」の設定項目から、文字を大きくしています。フォントは、「Consolas」を利用しています。
字が小さすぎると見にくいので。
マウス操作の設定
あと、マウス操作も、Windowsのコマンドプロンプトとはちょっと違うので、似たようなものに修正します。
まずは設定画面の「Mouse」設定画面を開きます。
あとはデフォルトの以下のようなマウス設定を
以下のように変更します。
これで手軽に、コンソールの文字などをコピペしたりできるようになるかと思います。(動作は好みなので自由に設定してください)
まとめ
こんな感じで、Windows環境でも、コマンド履歴を保存しておけるターミナルをつくれます。
履歴が保存できることで、脳の揮発性の高い僕でも、コマンドを遡ったり、検索したり、一覧を見たりして、必要なコマンドを思い出すことができます。
加えて、今回Console2を利用してタブのターミナル環境を作ったことにより、Railsなどを使う場合でも、「1つのタブでサーバーを動かしながら、もう1つのタブで作成コマンドを実行する」なんて使い方もできるようになります。
ということで「従来のWindowsコマンドプロンプトはちょっと使いづらい」とか「すぐ使ったコマンドを忘れてGoogleで検索してしまう」なんて方は、設定しておくといろいろと捗るのではないかと思います。