研究メモ ver.2

安藤道人(立教大学経済学部准教授)のブログ。旧はてなダイアリーより移行しました。たまに更新予定。

書評

atプラス 02

読んでみたい。atプラス 02作者: 見田宗介,大澤真幸,柄谷行人,岡崎乾二郎,立岩真也,大塚英志,鶴見太郎,アマルティア・セン,田中秀臣,吉原直穀,山折哲雄,辻村英之出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2009/11/05メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 8人 クリ…

『脱貧困の経済学』+『税を直す』:所得税入門書としても読める。(追記1〜7あり)

頼んでいた荷物を送ってもらったついでに、気になっていた2冊も送ってもらい、さっそく斜め読み。脱貧困の経済学-日本はまだ変えられる作者: 飯田泰之,雨宮処凛出版社/メーカー: 自由国民社発売日: 2009/08/21メディア: 単行本購入: 36人 クリック: 532回こ…

メモ:障害者福祉関連の重要エントリ二つ

「翻弄」 http://d.hatena.ne.jp/lessor/20090831 lessorさんの地域生活支援事業についてのエントリ。介護保険ができるときに、「介護保険は地方分権の試金石」などと言われながらも、結果的に中央集権的要素の強い制度となり、地方分権推進派からは批判の声…

「教育財政の社会学」あるいは「教育の財政社会学」ついでに「教育財政の経済学」

教育と平等 大衆教育社会はいかに生成したか (中公新書) [ 苅谷剛彦 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 新書 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 907円1.「教育財政の社会学」あるいは「教育の財政社会学」 二年前に、それこそ生煮えの内容…

「経済成功って何で必要なんだろう?」&「差別と日本人」

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)作者: 芹沢一也,荻上チキ,飯田泰之,岡田靖,赤木智弘,湯浅誠出版社/メーカー: 光文社発売日: 2009/06/25メディア: 新書購入: 41人 クリック: 414回この商品を含むブログ (77件) を見る「人文社会系の経済…

メモ:京極高宣「障害者自立支援法の利用者負担について」その1

京極高宣 (国立社会保障・人口問題研究所) 「障害者自立支援法の利用者負担について」 http://www.ipss.go.jp/publication/j/DP/dp2008_j02.pdfコメント: 高橋紘士(立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科) http://www.ipss.go.jp/publication/j/DP/dp20…

『日本の難点』:「大きい社会」を支える政府のあり方についてメモ

日本の難点 (幻冬舎新書)作者: 宮台真司出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2009/04/01メディア: 新書購入: 28人 クリック: 233回この商品を含むブログ (227件) を見る本書のまえがきはこちらで読める↓ http://www.miyadai.com/index.php?itemid=724宮台真司の…

スラムドッグ$ミリオネアを見る前に/見た後に読むべき2冊(ネタバレなし)

かつて(というほど昔ではないが)私は、ムンバイに合計半年ほど滞在し、スラムに関わるNGOでインターンとして働いて様々なスラムに出入りし(もちろんソーシャルワーカーみたいなことはできないので、ただの見学)、家の目の前のスラムから来るメイドと…

この世でいちばん大事な「カネ」の話

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)作者: 西原理恵子出版社/メーカー: 理論社発売日: 2008/12/11メディア: 単行本購入: 71人 クリック: 566回この商品を含むブログ (377件) を見るなかなか面白かった。これを、そうなんだ、凄い、と思う…

現代思想2月号:特集ケアの未来メモ

現代思想2009年2月号 特集=ケアの未来 介護・労働・市場出版社/メーカー: 青土社発売日: 2009/01/26メディア: ムック購入: 3人 クリック: 19回この商品を含むブログ (13件) を見るとりあえず上野・立岩対談と市野川・杉田・堀田対談を飛ばし読み。前者につい…

経済学と社会学の幸福な協働

偉大か偉大でないかにかかわらず、社会科学者というのは、若いころに細かい技術的な仕事をこつこつして、年をとるとやれ資本主義だやれ国家だやれ文明だと、大きいなことを言い始める人が多い。しかしこの人は逆だったのだ。アンデルセン、福祉を語る―女性・…

イギリス社会学の伝統を踏まえた実証的貧困研究と日本の「主流派」社会学におけるイギリス社会学の不在

阿部彩『子どもの貧困ー日本の不公平を考える』子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)作者: 阿部彩出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/11/20メディア: 新書購入: 16人 クリック: 218回この商品を含むブログ (110件) を見る著者の阿部氏は、第51…

数冊

たまには。書評ですらないが。経済学 (〈一冊でわかる〉シリーズ)作者: パーサ・ダスグプタ,植田和弘,山口臨太郎,中村裕子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/07/25メディア: 単行本購入: 4人 クリック: 35回この商品を含むブログ (14件) を見る 一方で…

子どもの最貧国・インド

石井光太氏の「地を這う裸虫 切断されたインドの浮浪児たち」が月刊PLAYBOYで連載中。第二話 闇に消えた子どもたち。PLAYBOY (プレイボーイ) 日本版 2008年 11月号 [雑誌]出版社/メーカー: 集英社発売日: 2008/09/25メディア: 雑誌 クリック: 4回この商品を…

子どもの最貧国・日本

子どもの最貧国・日本 (光文社新書)作者: 山野良一出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/09/17メディア: 新書購入: 9人 クリック: 60回この商品を含むブログ (56件) を見る本のタイトルは扇情的だが、中身は、児童福祉司のソーシャルワーカーとしての著者の…

ランダムに紹介

今の生活スタイルだと、どうにもブログ更新できないので、時間かけないで更新できるスタイルに変えたいのだが、やはり無理そう。息抜きがてら、最近話題の下記の本を買ってみた。私よりも数年年上くらいなので、いろいろ世代的にもわかるところがあるかと期…

『ケアを支えるしくみ』

ケアその思想と実践 〈5〉 ケアを支えるしくみ作者: 上野千鶴子,大熊由紀子,大沢真理,神野直彦,副田義也出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2008/06/27メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 14回この商品を含むブログ (7件) を見るhttp://www.iwanami.co.jp/.…

『ケアという思想』

気がつけば前回エントリからちょうど3ヶ月もたっていた。岩波から上野千鶴子、大熊由紀子、大沢真理、神野直彦、福田義也という編集委員のメンツで「ケア その思想と実践」というシリーズが刊行されはじめた。その第一巻は『ケアという思想』である。ケアそ…

NPOと公共サービスの関係についてメモ(追記1,2,3あり)

『なぜ全国の小児科医は目の前のこどもと共に働く家庭を救わないのか?〜病児保育の新たなモデルによる「社会起業」と「ソーシャルイノベーション」〜』 http://komazaki.seesaa.net/article/83238569.html#moreあいかわらず文章が上手い。内容も説得力があ…

『母よ!殺すな』再刊

二ヶ月ほど前ですが、日本の障害者運動史、障害者思想史の古典中の古典と言われる著書が待望の復刊。しばらくは積読かもしれませんが、読みます。母よ!殺すな作者: 横塚晃一,立岩真也出版社/メーカー: 生活書院発売日: 2007/09/01メディア: 単行本購入: 5人 …

『神の棄てた裸体 イスラームの夜を歩く』

ぱらぱら眺めただけだが、今回もスゴい。神の棄てた裸体―イスラームの夜を歩く作者: 石井光太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/09メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 38回この商品を含むブログ (25件) を見る関連エントリ 石井光太著『物乞う仏陀』 ht…

思想と質的研究関連の本と雑誌。

もっときちんとした計量分析の訓練を続けたいのだが、そうもいかない今日このごろ。一方で、エクセルの意外な奥深さも実感する今日このごろ。そして今日、新宿のジュンク堂で買ったのは、なぜか以下の三冊。現代思想2006年12月 特集=自立を強いられる社会出…

続・リバタリアン宣言

前回のエントリ リバタリアン宣言 http://d.hatena.ne.jp/dojin/20070213 に対して、著者の蔵研也氏からメールを頂いた。ありがとうございます。主内容は以下のとおり。 一言、身障者の「自由」について。 この点についてはアイザイア・バーリンの『二つの自…

リバタリアン宣言:追記あり

リバタリアン宣言 (朝日新書)作者: 蔵研也出版社/メーカー: 朝日新聞社発売日: 2007/02メディア: 新書購入: 3人 クリック: 43回この商品を含むブログ (31件) を見る最近は、ロールズ正義論の原書をすこーしずつ読んでいる以外は、思想系はこういう飛ばし読み…

『福祉社会の価値意識 社会政策と社会意識の計量分析』

福祉社会の価値意識―社会政策と社会意識の計量分析作者: 武川正吾出版社/メーカー: 東京大学出版会発売日: 2006/02メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (6件) を見るエスピンーアンデルセン以後の福祉国家論をベースに、福祉国家政策や社会…

格差社会論に便乗していいかげんなことを言っている件について。

今日はちょっと息抜きに、本屋でいろいろ立ち読み飛ばし読み。下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち作者: 内田樹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/01/31メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 96回この商品を含むブログ (666件) を見る商売上…

上野千鶴子の『ケアの社会学』(一部書き加えあり。追記あり。追記に書き加えあり。)

上記の本と一緒にアマゾンから送られてきた『季刊at』6号季刊at(あっと)6号作者: 柄谷行人,上野千鶴子,オルター・トレードジャパン『at』編集室出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2006/12/19メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 6回この商品を含むブ…

『「改革」のための医療経済学』

>>「改革」のための医療経済学作者: 兪炳匡出版社/メーカー: メディカ出版発売日: 2006/07/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 67回この商品を含むブログ (28件) を見る著者は、北海道大学の医学部を卒業して臨床研修を行ったあと、ハーバード大学で医療…

『障害者の経済学』が日経・経済図書文化賞に選ばれた件について

障害者の経済学作者: 中島隆信出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2006/02/10メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 120回この商品を含むブログ (23件) を見る本書は、脳性マヒの子どもを持つ経済学者が書いた障害者論である。その内容はバランスが取れ…

日本の左翼は何を学べばよいのか。

『日本とフランス 二つの民主主義 不平等か、不自由か』を飛ばし読みした。日本とフランス 二つの民主主義 (光文社新書)作者: 薬師院仁志出版社/メーカー: 光文社発売日: 2006/08/12メディア: 新書購入: 4人 クリック: 40回この商品を含むブログ (73件) を見…