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ウルトラマンアーク 第4話「ただいま怪獣追跡チュウ」感想

壊しちゃいけない日常のため

ネズドロン の ずつき !

ウルトラマンアーク には こうかばつぐんだ!

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  • 守りたい、大好きなホームグラウンド

 今回のアークはユウマの先輩であるリンの、行きつけの商店街で発生した停電騒ぎから物語がスタート。電気の配線を齧る謎の悪戯ネズミを捕まえてほしい、というおよそウルトラマンとは思えない導入がまず印象に残ります。(害獣のように扱われている描写といい、本作の世界では怪獣は日常に根付いているのだとつくづく感じる話ですね)ただ2話の時同様、依頼した商店街の人々を無下にせず真面目に調査するユウマたちに好感が持てました。後方でネズミの正体を探っているショウも「まずは信じること」を胸に行動しているのがSKIPという組織のスタンスを表わしていると言えるシーンになっていてほっこりしますね。

 何より今回はリンが主役とばかりに奮闘しているが最大の見どころ。下水道を利用したネズミの行動範囲を特定し、近くの「カワミ重工」にすぐさま調査に向かうフットワークの軽さが印象深いです。さらにネズドロンによって爆発寸前の発電機を、ユピーと共に止めてみせる活躍には舌を巻きました。ユウマですらたじろぐ崩れる建物にも臆せず向かう姿勇ましさたるや、リンの守るために懸命な志が深く表れていましたね。SKIP屈指の行動派として実に頼もしかったです。(ユピーも火事を消火したりと大活躍していて大変良き)

 そんなリンの頑張りに、商店街やそこに暮らす人々との日常を守りたい動機がしっかり語られたのも素敵なポイント。昔から父の仕事の都合で各地を転々としていた彼女が、今暮らしている星元市のことを気に入っているという言葉が胸に沁みました。商店街の人々に関しても、やかましいながらウルトラマンを応援してくれるのでリンが気に入っている説得力を生んでいました。何でもない日常の大切さを知っているからこそ、怪獣被害からそれらを守りたい姿勢に大いに頷かされます。短いながらもリンの力強さと、彼女が大事にしているアットホームな世界がよく伝わってくる回でした。

 

 

  • 狂暴な電気ネズミにごチュウ意下さい

 商店街で度々電気被害を出していた悪戯ネズミの正体にして、今回の怪獣「電鼠怪獣 ネズドロン」。劇中の説明によるととある大学で研究されていたネズミが未知の新鉱石「ダイモード」の電気を食べたことで巨大化した姿です。元となったネズミは電気を食べるバクテリアを体内に保有しているとのことで、そのネズミ自身も電気をエネルギーとしているため家電周りで大きな被害を出していました。

 ビジュアルはイメージ通りのネズミをそのまま大きくしたようなもの。口から飛び出た前歯はネズミをはじめとしたげっ歯類特有のモノで、多くの人が想像する「害獣としてのネズミ」まんまといったところです。しかし巨大化してからは頭部が白く固まった形状に硬質化しており、こちらは恐竜のパキケファロサウルスを彷彿とさせますね。電気ネズミといえばポケットでモンスターなピッピカ○ュウといった可愛い方を思い浮かべそうですが、このネズドロンは徹底してリアルなネズミ像に忠実と言えるでしょう。

 そんな電気を食べるネズミは当然戦闘でも電気を使用。体全体で放電して敵を寄せ付け失くしたり、電磁バリアを張ってビームを防ぐなど防御方面での活用が見られました。また電気能力以上に硬い頭部を利用した突進攻撃がこのネズドロンの最大の特徴となっていました。その威力たるや、アークギガバリヤー複数枚を次々と割りながらアークに大ダメージを与えるほどです。力任せに暴れているだけの様子が目立ちますが、それ故に突進の強烈な破壊力が目に付きますね。

 といった感じで厄介な怪獣だったのですが、挙動に関しては割と可愛げがあったのも見逃せません。巨大な体に付いたケーブルからダイモード発電機のエネルギーを得て行動しているため、ケーブルに繋がったままだと遠くまで動けない弱点を晒していました。アークに攻撃しようとしたものの、ケーブルが伸び切ってズッコケるシーンなどは思わずクスっときましたね。(その後距離を取ってビームをちょこちょこ撃つようになったアークの様子も、理にかなっていながらヒーローとしては少々ダサいと思ったり……)大小さまざまな被害を出したはた迷惑な存在でしたが、何だかんだユニークな見た目も相まって憎めない部分もあったかと思います。

 

 

  • 燃え上がる情熱を胸に、今こそ陽光の拳を振るう

 人々の声援を受けたユウマが生み出した「ソリスアークキューブ」をアークアライザーに装填、変形させることで発言させた鎧「ソリスアーマー」。アークの鎧による追加形態であり、本作のタイプチェンジ枠です。幼少期のユウマが描いた「たいようのちから」の絵に即したデザインになっており、その名の通り太陽の力を宿したかのようなシルエットが特徴的。太陽の中心部の如き胸部装甲に加え、ところどころ波打った部分はさながら太陽フレアのよう。そして両拳に巨大なガントレットが装着されており、勇ましさと力強さを感じさせてくれます。

 戦闘ではその見た目の通り、パワータイプのポジションとして圧倒的な攻撃力を発揮。パンチ数発でネズドロンをふらふらにしただけでなく、炎を纏った拳はあの硬い頭部にヒビを入れて吹っ飛ばすほどの威力を見せました。加えて防御力にも目を見張るものがあり、通常形態では大ダメージを受けた頭突きを胸で難なく受け止める瞬間には感嘆を覚えます。反面スピードをは落ちて動きも鈍くなっているようですが、接近戦では無類の強さで敵を追い詰める力になってくれることでしょう。(遠くの敵には攻撃出来ないからなのか、最後は鎧を解除してアークファイナライズでトドメを刺していたのが興味深い)

 また今回ソリスアーマーを使用する際、アークのままでアークアライザーとキューブを出現させて変形させる演出が印象に残りました。前作からインナースペースを使用しない作風になった中で、ウルトラマン自身がアイテムを操作するのは結構面白いですね。ややシュールなもののここまで様々な技を披露しているアークなら納得と言える行動とも取れるのがまた絶妙で、個人的にもお気に入りの演出となりました。

 

 

 今回は他にも劇中に登場したカワミ重工についてもちょっと語っておきたいところ。町の中心部で電力を供給している重要な施設があり、さらにダイモードによる新型発電機の情報を聞いた時は色々と怪しいと前半まで思ってしまいました。これらは新エネルギーを扱う企業には裏があるはず!という過去のシリーズから生まれる直感故ですね。(前々作とか新エネルギーの正体がヤバすぎてドン引きしましたし)

 そのためカワミ重工そのものは至って普通に描かれたのが少々意外でした。ダイモードであわや大惨事になりかけたものの、あくまでみんなのための新エネルギーを開発していただけという描写に不思議と安心を覚えます。電気ネズミを研究していた大学も「来たる宇宙時代、食料の代わりに電気を利用する」という目的が語られていましたし、本作は割と健全で優しい人たちが多くてホッとしますね。

 

 

 そして次回はユウマも大好きな人気の恐竜博士が登場。星元市で発見された化石と、とある湖を調査しに来たとのこと。しかもこの博士がSKIPのヒロシ所長の恩師という話も興味深いです。西興一朗さんが演じる人物の恩師が“恐竜”博士……アバアバアバアバ(ryしかし所長はかつての先生に対して複雑な表情を浮かべているようで……?この2人の関係性、非常に気になってきますね。

 

 

 ではまた、次の機会に。

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