抗うつ剤関連の調査で見つけた疫学資料をブックマーク

twitter関係で調査した、抗うつ剤関連の疫学論文を参考資料として貼っておきます。
ひとまず、自己調査で発見できた資料で、エビデンスレベルの高いものが、これ以上発見できなかったので。*1

『http://blog.livedoor.jp/ytsubono/archives/51753543.html』より。

抗うつ薬とプラセボを比べたランダム化比較試験６件の患者718人の個人データをまとめて分析したところ、うつの重症度が高いほどプラセボに対する抗うつ薬の優越性が大きくなったが、優越性が明確なのは症状が「非常に重度」の場合だけで、「重度」「中等度」「軽度」の場合は、優越性がないか無視できるほどに小さかった。論文はJournal of the American Medical Association 2010年１月６日号に掲載された。

http://blog.livedoor.jp/ytsubono/archives/51753543.html

『抗うつ剤SSRIは成人に対しても自殺企図リスクを増加させる | 薬害オンブズパースン会議 Medwatcher Japan』より。*2

プラセボとの比較でSSRIは、自殺企図のリスクを有意に約2.3倍に増加させました(オッズ比2.28、95%信頼区間1.14-4.45、NNH[何例に治療すれば1例の有害副作用を認めるかを示す指標]684、P=0.02)。

　3環系抗うつ剤との比較ではSSRIは、自殺企図のリスクに差は認められませんでした(オッズ比0.88、95%信頼区間0.54-1.42)。

　プラセボおよび3環系抗うつ剤以外の療法との比較でSSRIは、自殺企図のリスクを増加させました(オッズ比1.94、95%信頼区間1.06-3.57、NNH239)。

　サブグループでの解析で、SSRIとプラセボとの比較は、致死性の自殺企図には有意差はなく(オッズ比0.95、95%信頼区間 0.24-3.78)、非致死性の自殺企図に有意差がありました(オッズ比2.70、95%信頼区間1.22-5.97、P=0.01)。SSRIと3環系抗うつ剤との比較は、致死性の自殺企図には差があり(オッズ比7.27、95%信頼区間1.26-42.03)、非致死性の自殺企図には差がありませんでした(オッズ比0.85、95%信頼区間0.51-1.43)。SSRIとプラセボおよび3環系抗うつ剤以外の療法との比較は、致死性の自殺企図には差がなく(オッズ比0.59、95%信頼区間0.16-2.24)、非致死性の自殺企図に差がありました(オッズ比2.25、95%信頼区間 1.16-4.35)。

　著者たちは、今回の自殺企図リスク上昇の程度は高くないが、SSRIは非常に広範に使用されているので見逃せない社会的関心事であると述べています、また、システマティック・レビューを進める過程で、雑誌論文となった試験成績にバイアスがあり、リスクが過小評価されている可能性に遭遇し、 SSRIのより厳密な自殺企図リスクの評価のためには、研究者から完全にそして正確に情報公開されたすべてのイベントを集めることが必要とも述べられています。

http://www.yakugai.gr.jp/attention/attention.php?id=68

関連 twitter

@nypd_y npd
SSRIなど新しいタイプの抗鬱剤は従来よりも副作用が少ないようですが、これがモラルハザードとなって処方の乱発を招いた？ RT @rt_luckdragon @amneris84 @ebisu2chome 該当医療論文が見つかりません > 抗うつ剤増加が患者現状に寄与していない。

http://twitter.com/#!/rt_luckdragon/status/25169066138279936

@rt_luckdragon luckdragon2009(rt用)
@nypd_y @amneris84 @ebisu2chome 私が見かけた論文？も SSRI だったはずですが、疫学系の医療論文を確認できていません。精神科医の書籍としては存在するのですが、エビデンスレベルがより高いものを探しています。

http://twitter.com/#!/rt_luckdragon/status/25169655622533120

@rt_luckdragon luckdragon2009(rt用)
@nypd_y @amneris84 @ebisu2chome ちなみに、疫学研究に、この結果はあります。 > http://bit.ly/72y9po / 重度以外は効果不明確、との事です。

http://twitter.com/#!/rt_luckdragon/status/25171156461944832

@nypd_y npd
製薬会社や米国の族議員を敵に回すような論文は、なかなか採用されないのでしょうね…結果として提灯論文ばかりが残ってしまうのでは？いつだって患者はおきざり。 RT @rt_luckdragon 私が見かけた論文？も SSRI だったはずですが、疫学系の医療論文を確認できていません。

http://twitter.com/#!/rt_luckdragon/status/25185310270816256

@rt_luckdragon luckdragon2009(rt用)
@nypd_y 一応、自殺衝動との疫学研究では、微妙に上昇です。 > SSRI / 記事はここです。ひとまず、これは見つけました。 > http://bit.ly/cjYqtT (BMJ 2005年、英国)

http://twitter.com/#!/rt_luckdragon/status/25186164734427138

@rt_luckdragon luckdragon2009(rt用)
抗うつ剤関連の調査で見つけた疫学資料をブックマーク http://d.hatena.ne.jp/luckdragon2009/20110112/1294840836

http://twitter.com/#!/rt_luckdragon/status/25190409449771008

*1:私が、非医療者という事もありますが、精神医学系の検索は、妙なバイアスが強い資料が多く、エビデンスレベルが高いものが、これ以外に見つけにくかったため。

*2:原論文は『Association between suicide attempts and selective serotonin reuptake inhibitors: systematic review of randomised controlled trials | The BMJ』。