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夏の40度越えがあたりまえ、アラスカにヤシの木が。気候に関する最新の研究がもたらした激暑の未来の姿(カナダ研究)

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(著)

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 この度カナダ、ビクトリア大学の研究者が、地球上の化石燃料を一滴残らず燃やし尽くした結果について、最新の包括的モデルを発表した。それによれば、2300年までに気温は6.4~9.5度上昇する(安全とされるのは2度以下だ)。これまで私たちに突きつけられてきた中でも最も暗い予測である。

アラスカにヤシの実が生えワニが生息

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 「地域的な影響はさらに大きいでしょう」と話す主執筆者のカシア・トカルスカ氏によれば、北半球の高緯度地域は最も大きな影響を受けるため、北極圏の気温上昇は14.7~19.5度にも達するという。それは極寒のアラスカにヤシの木が生え、クロコダイルが生息できるような気温である。

 降水量の変化も極めて大きなもので、雨が4倍にも激増する地域がある一方で、3分の1に激減してしまう地域もある。言うまでもなく、こうした影響は人間の健康、農業、経済はおろか、地球で起きているほぼあらゆる事象に甚大な影響を与える。

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 気候変動に関する政府間パネルが実施したそれまでの調査では、2兆炭素トンが大気に排出された場合に起こる気温の上昇がモデル化されていた。そのモデルによる結果ですら、すでに安全と言えるレベルには収まっていなかった。

 しかし今回『ネイチャー・クライメート・チェンジ』誌に掲載された研究はそれを上回る破滅への道、すなわち世界の化石燃料総埋蔵量の控えめな推定に当たる5兆炭素トンを基にしている。

 単純なモデルを採用していた過去の研究の中には、二酸化炭素が大量に蓄積すると温暖化が減速すると予測するものもあった。だがトカルスカ氏の予測ではそのようなことは起きず、二酸化炭素の蓄積量が増加しても温暖化はそのまま続く。これは部分的にはゆっくりと熱を吸収する海洋が原因である。 「温暖化と二酸化炭素総排出量は比例関係にあり、それまで考えらてきたものとは異なることが明らかになりました」とトカルスカ氏。

 今回の研究が前提としているのは”ビジネス・アズ・ユージュアル”、つまり国家が温室効果ガス削減対策を一切行わず、埋蔵されている化石燃料が新たに発見されないというシナリオである。

 非常に悲観的な未来予測であるが、人類が今以上に地球を痛めつける可能性は大いにあるとトカルスカ氏は話す。

 「今回採用したのは5兆炭素トンですが、これは化石燃料資源の推定としては最も控えめな数値です。もっと大きくなる可能性も十分考えられ、そうした状況で化石燃料を燃やし続ければ、結果はさらに悪いものとなるでしょう」

via:vice.など/ written & edited by hiroching

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この記事へのコメント 36件

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    1. ※1 火山活動によるものより、人為的な二酸化炭素の方が1ケタ以上多いです。
      ※2 太陽活動はほぼ一定で、次に極小期が来るとしてもその影響は-0.2℃程度と考えられています。
      ※7 すでに人類は産業革命以来0.5兆トンの炭素を二酸化炭素として放出してきました。
      その結果、二酸化炭素濃度は0.027%→0.040%と、+0.013%の変化です。
      これが10倍になっても0.13%程度の変化であり、対応する酸素濃度も”21%”のままです。
      ※9、※28 新たに農業地帯を移動させるコストが膨大になります。また、気温の変化は3℃程度であれば農業には有利ですが、それ以上はマイナスの影響が強くなります。
      cger.nies.go.jp/ja/library/qa/12/12-2/qa_12-2-j.html
      ※15 NASAは「二酸化炭素の増加が地球温暖化をもたらしている」と明言しています。
      地表からの赤外線放射が大気によってほぼ完全に吸収されることと、「温室効果が飽和する」ことは関係ありません。
      これは温室効果のメカニズムに対する初歩的な勘違いによるデマです。
      ※21
      人類が輩出してる量ごときでは地球は影響されないと昔から言われてる:科学者の見解は「影響される」です。
      そもそも地球上のエネルギーを地球上で使うのに地球が吸収しきれないわけがない:根本的な勘違いです。温室効果のメカニズムは「太陽からの放射と地球からの放射のバランス」です。

  1. ま、温暖化に二酸化炭素は関係ねーな
    太陽の活動が一番の原因だ
    人間がどうこうできるレベルの話ではない

  2. 国土面積も人口も小さな一部の先進国だけで
    頑張ってもあまり意味ないんだろうね。
    結局人口の数がそのまま影響を及ぼすからね。

  3. 極論過ぎて想像が追い付きません。
    化石燃料を全て燃焼させたら温暖化以前に
    真っ先に地球上全ての生命体の生存に必要な
    酸素が枯渇し、更に有害ガスや光化学スモッグにより
    とても生命体が生存出来る様な環境ではなくなるだろうな、
    とは思いますけどね

  4. そりゃ気温が上がれば、
    化学平衡で二酸化炭素濃度も上がるよなぁ
    てか、温暖化によって
    穀物とかの生育北限が上昇するって話もしないとな。

  5. 夏の気温を1℃下げる毎に一万円だしてもいい。
    政府にはいろいろ頑張ってほしいな。
    ・・二万円だとちょっとどうかな。

  6. 「地球上の化石燃料を一滴残らず燃やし尽くした」←温暖化以前に人類終わってるじゃねえか!

    1. ※9
      温暖化で氷河が溶けて海水が上がる危険とかいうけど
      温度が上がる事によっての農作物の収穫量や地域が増える事には触れられない不思議。

  7. 白亜紀も似たような気候だったから、人間はともかく地球の生態系は滅びない。

  8. 経済より地球の環境を優先する事は最後までもう出来無そうな予感

  9. NASAがASTERによる大気の熱吸収分光観測で
    「CO2はすでに吸収できる波長の98%以上を吸収してる、これ以上増えても更なる温暖化促進には貢献しない」
    って言ってるのに、未だに温暖化ガス扱いしてる人はいったい何のデータ見て言ってるんだろ?

  10. そのうちSF映画に出てくるような
    大気浄化システムがでてくるよ

  11. まあ恐竜の居た時代は、現在より平均気温が10度くらいは上だったらしいから、多少の増減は自然現象の内だとは思うけれど、アラスカにヤシの木が生える?うーむそんな事、有りあんすか?

  12. 正直、化石燃料の全てを、対策なしで消費したにしては、大した事ないな。
    もっと破滅的な数値が出るかと思った

  13. 排出量による課金制度を作ってビジネス化しただけで
    人類が輩出してる量ごときでは地球は影響されないと
    昔から言われてる。そもそも地球上のエネルギーを
    地球上で使うのに地球が吸収しきれないわけがない。
    宇宙に打ち出して二度と戻ってこない分の方が実は
    決定的な損失だったりする。

  14. そんなに温暖化したら、
    赤道付近に棲める人間はいなくなるなー
    生息可能息を巡って戦争が起こるだろうし、
    赤道付近なんてどんどん海水が蒸発して、
    大量の雲を作るから猛烈な巨大台風が世界中で暴れ回るだろうなw

  15. 懐疑的、かつて大気中にあったものを再び放出するだけなのにそこまで悪影響及ぼすかねえ

  16. 人類にとって、日本でいう縄文時代のような食料に恵まれた温暖な時代と、江戸時代のような世界各地で深刻な飢饉が発生し続けた寒冷な時代はどっちが幸せなんだろうな。

  17. 北極がそうなるのなら南極もそうなるよね?
    氷や氷河が融けてそれ以前に破局が訪れそうだが。
    電力等を使わずに二酸化炭素を炭素と酸素に分解する触媒かシステムを誰か開発してくれないかな?
    あ、それが植物だった。

  18. 日本てドイツからCO2排出量買ってたよな
    先のディーゼル偽装でドイツに金返してもらったっけ?

  19. 温暖化で作物の収穫量が増えるってよく聞くけど、本当かね。
    標高の低い平地の耕作地は水没するか塩害で荒れ地になりそうだし、内陸は乾燥化が進むんじゃないの?

    1. ※28
      いや、だって良い事は改善する必要性ある?我々にとって都合の悪いことをどうするか人類の課題であってまず論点はそこでしょう。環境への配慮は一般人にもできることはある。

  20. アラスカってやっぱり寒いって印象のアラスカか…この認識も時代遅れなのかな…

  21. 今は暑くても熊谷がネタにされて注意喚起される程度だけど、さすがに都心で42度とか観測されれば夏場のネクタイ着用するビジネスマンもいなくなるかな

  22. 温暖化への対策はよくわかったけど
    寒冷化への対策は準備万端なのかな?
    寒冷化はありえない、っていう意見がほとんど無いのが気になる

  23. 問題は、温暖化による危機を煽る人たちが言う「降水量の予測」が、恣意的にしかみえないことなんだよね。不思議な事に、彼らは常に砂漠化の話しかしない。どんなに温暖化しても、中緯度には今以上の巨大砂漠が居座ると予測する。ならば寒冷化は?というと、こっちのシミュレーションでも世界の大半が砂漠化するだろうと予測する(wikipediaのヴュルム氷期の記事を参照)。温暖化により既存の砂漠で湿潤化する地域が生まれるだろうという、気象学的に当然の予測が封印されているのはなぜ?
    まあ、人類にとってはともかく、二酸化炭素の増加というのは「炭素の解放」なのだから、生態系全体としては、1億年オーダーでkarapaia的に考えれば、明らかにプラスの所為だろう。新生代は植物の活動が暴走しすぎ、炭素固定が止まらず、二酸化炭素の濃度が下がり続け、地球は寒冷化の一途をたどっていたのだから。植物自体がC4光合成なんて編み出すくらいで、今の二酸化炭素濃度は生態系にとって低すぎる。

  24. 広大な耕作不能地帯が、耕作可能になる豊かな未来にロシア人大歓喜。
    不毛なツンドラ地帯もマンモスが生きていた時代に戻るのか。

  25. 2~30年前は気温30度超えただけで大ニュースだった。
    今は40度で大ニュース。今から20年後には気温50度が普通か・・・。
    今年生まれた子供が成人するころには、夏の気温50度、さてどう対策する?

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