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美術品強盗と言えばルパン三世やキャッツアイが思い浮かぶが、リアル世界では大胆な手口で爆破強盗が発生していた。
2025年1月25日深夜、オランダ北東部の都市アッセンにあるドレンツ博物館からルーマニアの秘宝である2500年前の黄金の兜など貴重な品4点が盗まれた。
防犯カメラの映像から、犯人たちは大胆にも博物館のドアを爆破して侵入したことがわかったのだ。
監視カメラには、フードをかぶった3人の窃盗団がダッフルバッグ、バール、懐中電灯を手にして現れる様子が映っていた。
盗まれたのはルーマニアの至宝
盗まれたこれら遺物は、同博物館で2025年1月26日に閉幕予定だった「ダキア:金と銀の帝国」展に出品されていたものだ。
ルーマニアから貸し出されていた考古学的財宝のコレクションの一部で、歴史的に大変重要なものだ。兜のほかにも紀元前50年頃の金の腕輪3点も盗まれた。
犯行現場をとらえた監視カメラ映像
これら4点の遺物は、現在のルーマニアの一部と周辺諸国に住んでいたダキア人の歴史を物語るものだ。
ダキア人は、紀元前数世紀から紀元2世紀にかけて現在のルーマニアやモルドバ、ハンガリーの一部に住んでいた古代民族、トラキア人系の部族で、強力な戦士として知られ、ローマ帝国とも激しく戦った。彼らの王国はローマ帝国が西暦106年頃にこの地域を征服するまで続いた。
「博物館の170年の歴史の中で、これほど衝撃的な事件はありません」ドレンツ博物館のハリー・トゥパン館長はショックを隠せない。
ルーマニア側も、これは単なる盗難ではなく、ルーマニア社会に対する犯罪だと怒りを露わにする。
紀元前450年頃に純金で作られたこのコツォフェネシュティの兜は、ルーマニア人のアイデンティティにとって大変意義深いものだ。ルーマニアの子どもたちは皆、学校でこの兜について学ぶという。
1966年の映画『The Dacians』にも、この兜のレプリカが登場している。
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この兜が見つかったのは今からおよそ100年前の1920年頃のことで、ルーマニア中部プラホヴァ地方の丘陵地帯に大雨が降った後で、子どもたちによって掘り出され、しばらく粗雑に扱われていたらしい。
1929年、プラホヴァの首都プロイェシュティの商人がこの兜を買い取り、のちに国立古代博物館に寄贈し、1970年代にルーマニア国立歴史博物館に寄贈されたという。
3枚の金板を溶接して作られたこの兜にはふたつの金色の目が描かれていて、悪魔を追い払うことができる魔除けの意味があった。
また、ギリシャ神話の影響を受けた装飾が施され、グリフィンやスフィンクスのモチーフに加え、雄羊を生贄に捧げる男性の姿も描かれている。
紀元前50年頃に作られたと思われる金の腕輪は、古代ダキアの首都サルミゼゲトゥーザ・レギアで発見されたもので、らせん状になった金の輪のデザインが特徴だ。
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窃盗団は現在も逃亡中
これらの財宝が溶かされてしまう前に一刻も早く取り返さなくてはならない。
世界的に知られたこのような財宝は売りさばくことはできないため、犯人は溶かして金塊にするために狙ったのではないかと考えられるからだ。
事件発生後、オランダ警察はインターポールと協力し、国際的な捜査を進めている。また、盗難現場から6kmほどの場所で燃やされた車が発見された。
この車は近隣の町で盗まれた盗難車であることがわかった。どうやら犯人は別の車に乗り換えて逃走したと考えられ、その足取りはまだつかめていない.
その手口は大胆ながら手慣れており、素人の仕事ではなさそうだ。展示会が終わる前日を狙ったのも、意図があるのだろう。
窃盗団はまだ逃走を続けており、捜索は継続中で、ドレンツ博物館は現在閉鎖されている。
ダキアの黄金の至宝は今どこにあるのか、美術品犯罪史に残るこの大事件の行方に、世界が注目している。
References: Art Thieves Blew Up a Dutch Museum's Door to Steal an Ancient Golden Helmet From Romania | Smithsonian / Art Thieves Blew Up a Dutch Museum's Door to Steal an Ancient Golden Helmet From Romania | Smithsonian
本記事は、海外の情報を基に、日本の読者向けにわかりやすく編集しています。
ダキア人の金の腕輪
現代の店頭で売っててもおかしくない逸品だな
金欲しいだけの人間に「歴史的価値を考えろ」とか言ってもムダなんだろうけど、こういうの見ると虚しくなるね
せめて溶かさず売ってくれることを願うしかない…
ほんと。
これ見たとき、溶かして加工しやすそうって思っちゃった…
単純に溶かしても、本気の科学捜査なら精錬技術の差とかで組成から足がつきそう
誤魔化すなら違う金属を混ぜるか、現代の金で薄めるか、精錬し直すかだけども、どの手にしてもアガリはガッツリ目減りするだろうな
盗む知恵はある様だけどさぁ…
被ると頭の中に「フハハハハ」とか声が響いて体を乗っ取られる奴だろコレ。
母 「あんた鏡見て笑ってんじゃないよ、仕事行きなさい。」
魔物 「こんなブラックな仕事してられるか。兜に帰らせてもらう!」
犯行のために費やした資金を考えたら鋳つぶして売ってもたいした儲けにならないのではないかな。非常に高価なのは古代の芸術品だからであって金そのものの価値はそこまでではない。
アイデンティティに関わる遺物というのはよくわからんし多分違うだろうけどなぜか踊るはにわが頭から離れない
盗みもひどいが爆発物使うなんて収蔵品への敬意のかけらも無さそうなのが腹立つわ
よそ様から借りてた展示なのも今後の世界的な展示物の貸し借りにも影響しそうで嫌だな
明智小五郎の出番
ララ・クロフト 「ちょっと興味があるわね」
こういうの誰が買うんだ?自慢もできんぞ。
鋳潰してただの金塊として売ると書いてある
インゴットとしても刻印無しになるから端金にしかならんが、盗むような奴には関係ないわな
そう、刻印もない上にこんな兜みたいなたかが知れた量の金なんか溶かして売るにしても誰が買うんだと思って。
>誰が買うか
こういう、普通の方法では絶対に手に入らないものを所有しているという事実そのものが
自分は特権階級であるというアイデンティティを補強するんだよ。
そのために金で買えないものを欲しがる輩が一定数いる、というのが一つ。
もう一つは単純に投機目的で、行方不明になって人目に触れないとそれだけで希少価値が高まるので
そうやって誰にも見せないで持っておいて、価値が上がったタイミングで放出することで儲けるってパターン。
行方不明になっていた美術品がひょっこり市場に出てくる時の何割かはこれ。
どちらにせよ、人類の宝を私物化する唾棄すべき行為であることに変わりはないが。
足つかないもんかなあ
不二子ちゃんの懐の中
このアイテムを盗賊から取り戻して王様のところに
返しにいくと「王様にならないか?」と言われて
その城でセーブできなくなっちゃうんだよな。
ルパン三世もキャッツアイも、「強盗」では無いような?
無事人見つかりますように
金の重量としては大したことなさそうだよなあ
そういやキッドはちょい知ってるけどルパンは全然知らないな
ルパンって隠語なら知ってるけど(ちな20代
〇コムしてなかったんだろうか。駆けつけた時にはドロン、かな。
よく考えたらルパン三世も怪盗なのは流石に知ってるが
何の理由があって盗んでるのか、盗んだものをどうしてるのか、詳しく知らないな
テレビシリーズ見ればわかるのかもしれないけど
シェンゲン協定なんてあるから、犯人はEU内なら逃走に事欠きそうにはない