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2008年1月

2008年1月31日 (木)

いのうえ ななみくん へ

  
 
おげんきですか?
 
こないだは、にほんかがくみらいかんに きてくれて ありがとう。
おかあさんから、ななみくんが しょうがっこうで、「おはなし したい ひとのじかん」に、ゆうきいーえるのことを はなしたとききました。
 
みんなが、あんまり わかってくれなかったので、じぶんのせつめいのしかたが、わるいんじゃないかとおもってるみたいだけど、
 
それは、ちがいます。
 
ゆうきいーえるのはなしは、ふつうは しょうがっこう3ねんせいなら りかいできるけど、1ねんせいには、ちょっとむずかしいです。
だから、ななみくんは みんなより あたまがいいのですよ。
 
じつは、だいがくにも ゆうきいーえるが わかってない おにいさんがいるので こんど はなしにきてくれたらうれしいです。
 
わたしは、どいつ とか あめりか とか、せかいじゅうではなしをしますが、ななみくんは、ゆうきいーえるがわかる せかいで たったひとりの しょうがく1ねんせいです。
 
すごいですよ。
 
これからも、いろんなことにきょうみをもって、いっぱい あそんで いっぱい べんきょうしてください。
 
それと、すききらいせずに やさいをたくさんたべてくださいね。
 
そして、おおきくなって、だいはつめいをして 「のーべるしょう」をもらったら ぜひ みせてください。
 
きたいしてます。
  
  
 
きどせんせい より
 
 
 
 
(しゃしん)ともだちから かりた ほんものの のーべるしょうのめだる
Photo

 
 
 
 
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2008年1月30日 (水)

おみやげ

 
 
職業柄、おみやげをいただくことが多い。
 
一番多いのは、東京駅でとりあえず購入できるお菓子。
たとえば、「ごまたまご」とか「東京ばな奈」とか。
 
けど、

いただいてうれしいのは、好物(鳩サブレ、赤福餅、551蓬莱の豚まん、三色だんご)とか、ちょっと手に入らない地元の名産品だ。
好奇心旺盛な科学者の端くれの管理人、特に見知らぬ土地の名産品をいただくと、脳の前頭葉かどこかを著しく刺激してくれて自然と顔がほころぶ。
 
そういう意味では、きょうのお客さんは、神戸と東京から刺激を持って来てくれた。
神戸の地元の洋菓子と東京で売り出し中のクッキーだ。
 
 
(写真)左は神戸、右が東京 
Photo
 
(写真)ケーニヒス・クローネ 
Photo_2
 
 
(写真)東京カンパネラ
Photo_3
 
 
さすが神戸で人気のお菓子とあって、香り、食感、絶妙の甘さ加減など、どれをとっても一級品だった。刺激度120点。
 
東京のお菓子は、普通はサンドイッチ構造のクッキーを三層にした、いわゆるクラブハウスサンドイッチにしたような構造をしていて、有機ELで言うと我々のマルチフォトン素子と同じ構造をしている。
間に挟まる空気層もそれだけ多くなって、サクサク感が倍増し、とても軽くて贅沢な食感をしている。作るのにノウハウがあるらしくて、どこでもできると言うものではなくて、このあたりもマルチフォトン素子と同じだ。刺激度100点。
 
どちらも、おみやげとしては、どなたにも喜ばれるんじゃないでしょうか。
 
 
 
夕方は、新しくきた研究員の歓迎会と就職の決まったポスドクのお祝いをかねて、研究員たちと「一心太助」で懇親会を行った。
 
ここは、米沢でも指折りの魚の美味しい店で、大学からも比較的近くでちょくちょくお世話になる。
 
 
Photo_5
 
 
米沢の雪の話に始まり、食べもの、そして最後はお決まりの心霊研究の話になった。
 
好奇心のかたまりで心霊研究家でもある管理人、まず米沢心霊スポットの紹介とこれまで収集した信頼性の高い体験談のいくつかを披露した。
次に、研究員たちからも、企業での体験談を紹介してもらった。
 
この手の話で信頼性の尺度となるのは、
1)複数の人が同じ体験をしている、
2)再現性がある、
ということで、単なる個人の夢や幻では片づけられない、ということが重要だ。
 
たとえば、きょう聞いた話の中では、ある会社の研究所で、
1)鍵をして防犯装置のスイッチをオンにして帰宅しようとすると、内部に誰もいないはずなのに非常ベルが鳴る、
2)実験をしているとどこからともなく鈴が鳴る音が聞こえてくる、
3)研究施設の前の道路で怪しげな人影(?)を見かける、
など、ほとんどの従業員が体験をするそうだ。
 
一人や二人じゃなくて、従業員全員が体験し、かつ再現性があると、物理現象として理論的に説明できない。
 
一度、みんなで探検に行くかと言う話になったけど、Mさんはマジで恐がっていた。 
 
 
科学者は、いくつになっても好奇心が旺盛で、食べものでもお化けでも、見たことない、聞いたないことは自分の目で確かめたくてしょうがない。
 
 
 
 
だから、うちの研究室へのオミヤゲは、この種の話がホントは一番喜ばれるのだ。
 
 
 
 
 
 
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有機デバイスセミナーのお知らせ

 
 
有機デバイスセミナーを下記の要領で開催致します。
今、注目されてます電子ペーパーについて第一人者の小林教授よりご紹介いただきます。
参加費無料ですので、ご興味のある方はご遠慮なくご参加ください。
 
 
第8回 有機デバイスセミナー
 
日時:2008年2月5日(火) 16:00〜17:00
 
場所:9号館2階 会議室 200-1
 
題目:カラー電子ペーパーと有機エレクトロクロミック材料
 
講師:千葉大学 工学部
   情報画像工学科
   電子光情報マテリアル工学教育研究分野
   小林範久 教授
 
概要: 近年,紙と電子媒体の長所を兼ね備えた電子ペーパーに関する研究・開発が急速な勢いで進展している。ここでは電子ペーパー開発の背景と様々な電子ペーパー技術についてまず包括的に紹介する。さらに,演者らが展開してる,カラー電子ペーパーの一候補である電気化学反応(エレクトロクロミズム)を利用したカラー表示技術についても述べる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
もうちょっとでホトトギスです、ちょっと見てみましょうか↓
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2008年1月29日 (火)

不愉快づくし

 
 
小3の娘の英語の学習のために、ベネッセの「ビーゴ」と言う教材を買った。
 
これは、パソコンを使ったインターラクティブな英語学習プログラムで、ヘッドセットを使ってマイクで話しかけたりする。なんだか大学入試センター試験よりレベルが高そうだ。
 
 
Photo
 
 
2週間ほど前に教材が届いたので、早速、愛用のMacBookにCDを差し込んだけど、ウンともスンとも言わない。
なんと、ソフトがWindows専用だったのだ。
それならそうと、箱に書いとけよなって。 
 
ちょっと、不愉快。
 
しかし、最近のマックはIntelの石を積んでて、実は「Parallels for Mac」というソフトを使えば、Windowsソフトも同時に走らせることができるのを知っていたので、それほどあせらなかった。
 
Parallelsを入手してインストールしてから、さて始めるかと思ったら、WindowsのOSもインストールしなければならないことに気がついた。
そんなもん、手元にないヨ。
  
そこで、Windows XPを買ってきて、本日ようやくインストールが終了したのだ。
 
ここまで、結構長い道のりだった。
米沢から郡山まで歩いた気分だ。 
 
 
 
Windowsを生まれて初めて使って、わかったことと言えば、このOSはお金を出して買うものじゃないということ。デザインのダサさは昔から見て知ってたけど、使ってみて初めてわかった使い勝手の悪さ。サイテーやな。キューハチとなんら変わらん。
  
イライラしながら30分ほど格闘して、英会話ソフトをようやく組み込めたので娘にやらせると、ゲーム感覚で面白がってやっている。
その横顔は自分の娘とは言え、かわいくて、いままでの怒りを忘れさせてくれた。
 
中身は予想以上で、勉強感覚ではなく遊びながら英会話を学べるようになってて、結構うまくできてる。
1年も継続したら、そこそこ英語を聞き取れるようになるかも知れないけど、発音は誰も教えてくれないので、そこが問題だな。
 
 
 
買い物シリーズでは、お店でアニメの店員と会話するのだけど、発音した言葉に対して3段階で点数が表示される。上手なら3でヘタなら1ね。
  
娘は、「Cola, Please」なんて言いながら、「2」とか「1」とか表示される点数に一喜一憂している。
私は、そのとなりで「Here」の発音がよくないのだ、とか、イントネーションが悪いんだ、とか、言いながら5年間のアメリカ生活で得た英語力を生かして指導してやった。
こういう時こそ、父親の腕の見せ所なのだ。 
 
最後に、英語の先生としてオール3を獲得してお手本を示してやろうと、軽い気持ちで「I’d like a Hamburger」なんてやってみると、なんと「2」とか「1」とかばっかりで、めったに「3」がでない。
 
隣で家内が「ハハハハ…」なんて遠慮なく笑い、同じく、娘も笑い転げている。
  
 
あのね〜、お前ら。
 
 
やっぱりコンピューターなんてダメだナ、わかっちゃいない、とか、おれの英語はブルックリン訛りなんだから、とか、言ってみたけど、彼女らの耳にはまったく入っていないようだった。
 
 
不愉快な教材やで。
 
 
あとで、娘が席をはずした間に、家内に娘の前で父親をバカにするものではないよ、教育上よくないのだよ、とたしなめると、娘に向かって「パパはね、日本人の中では英語が上手な方なんだよ」なんて言ってる。
 
 
 
 
これは、褒め言葉なのか?
きょう一番の不愉快な出来事だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
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2008年1月28日 (月)

山形のこと

  
 
きょうの来客は、アクセンチュアの森正勝最高顧問。
森さんは、山形県の総合政策審議会の会長でもある。
 
県の産業活性化プロジェクトの中核機関である有機エレクトロニクス研究所をご案内し、山形大学の研究施設も見ていただいた。
夜は、米沢を代表する米沢牛料亭「吉亭」で、雪見障子越しに真っ白な新雪を眺めながら、すき焼きつついた。
 
森さんは、山形県でも「次年子(じねんご)」と呼ばれる秘境のご出身なので、降り積もった米沢の雪にも驚かれることはなくて、子供の頃は雪が降ると二階から出入りされてたと聞いてこちらが驚いた。
 
次年子という地名も、むかしは冬は雪が深くて子供が生まれても出生届けは春の雪解けを待って出した事からそう呼ばれるとかで、今では想像もつかない状況だったのだろうなあと想像した。
 
 
森さんには、単に研究施設の見学だけじゃなく、誰もお耳に入れないような現場の声として、山形県の状況をストレートにお話しした。
 
 
たとえば、
 
最近、斎藤知事が人の話を聞かなくなった、とか、山形県庁の職員は1/3に減らせますよね、とか、山形県人はこのままでは絶滅危惧種ですね、とか、東北電力の融雪電力の料金はとても高くて普及しませんね、とか、行政主導のプロジェクトは無駄のかたまりですね、とか、その他いろいろ。
 
 
結局、地方の活性化は、民間が努力しなければなにも動かないですよね、といういつもの結論に達して一同うなづいた。
   
  
 
 
きょうのすき焼きは格別おいしかった。
 
 
 
 
  
 
 
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2008年1月27日 (日)

異変

  
  
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呪いの土地

 
  
この2〜3日、これでもかこれでもかと雪が降った。
 
この冬は、気温は低いけど雪が少なかったので、雪国米沢の住民達は喜びつつ、いつかとてつもないシッペ返しが来るのではないかと心の中でヒヤヒヤしていたのだ。
 
雪国でもマンション暮らしの人達にとっては、雪はキレイで天からのすてきな贈り物だけど、一戸建ての住人にとっては朝の雪カキがとても煩わしくて天からの災い以外の何ものでもない。
 
というのも、雪が積もるとブルドーザーが路上の雪をかき分けて、自宅前に防波堤のごとく置いていくので、何らかの方法で除雪しないと車が出せない。
2〜3日も家を空けた時に大雪が続いたりしたらちょっとした山脈ができ上がっている。
 
そこで、各家庭では除雪機と言う東京辺りでは決して見かけることのない文明の利器を保有していて、朝早くからお父さん達がエンジンをブルルルとまわして雪をかっ飛ばすのである。
 
 
(除雪前)我が家のカーポート前。 
Photo
 
 
(除雪中)ちなみに、この雪はたったの一日分。前の空き地にかっ飛ばす。
Photo_2
 
 
(除雪後)ここまで約10分ほど。
Photo_3
 
 
しかし、話は単純ではなくて、場所によってはかっ飛ばす雪の捨て場所にとても困るのである。特に、家が立て込んでる住宅地では、自宅の庭にうずたかく山のように溜めるしかなくて、大雪の年には家が雪に埋もれてしまうのだ。
 
 
これ、ウソみたいなホンマの話。
 
 
だから、「なんとかニュータウン」みたいな売り出し中の住宅地では、売れてない空き地があちこちにあるので、周辺の住民はそこを雪捨て場として活用することになる。
  
なので、その土地に家が建つとなると大問題で、周辺住民はどこのアホがその土地を買ったのか詮索し、工事が始まるとカーテンの隙間から恨めしそうにその様子を眺めながら、何か不幸でも起こって工事が中止にならないかとか、心の中でよからぬことを祈るのである。
 
 
 
そんなわけで、空き地はとても重要で、いかにその土地が売れないようにするかと言う話題が酒の肴になることが多い。
 
先日も、覆面座談会の連中とよからぬことを相談していた時に、メンバーの一人が近々家を立てると言うので、そんな話になって、いかに隣の土地が売れないようにするかで、いろんなアイデアが提案された。
 
その1、「建てたらあかん」の立て札を立てる。
その2、鳥居を立てる。
その3、落とし穴を掘る。
その4、いつもウンコする。
 
などなど。
 
けど、一番いいのはその土地を購入することだろうと言うことに落ち着いたんだけど、実際に買うとなると1000万を超える費用がかかるので現実的やないなあということで、その区画の真ん中へんを一坪だけ買って、だれも家を建てられないようにすればいいと言うことになった。
 
問題は、○×土地開発公社がそんなこと許してくれるかだけど、おれだったら許さんな。
 
 
だから、結局は下見に来た人が不幸になるように、その土地を周辺住民みんなで呪い続けるしかないのだ。
 
 
これから家を建てようと土地を探してる人は、決して呪われた土地には近づかないように。
 
 
特に米沢のあの土地にはな…。
 
 
 
  
 
 
 
 
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2008年1月26日 (土)

日本科学未来館にて

  
 
今週は、新幹線通勤のごとく東京に通った気がする。
昨日もきょうも東京で仕事だったのだ。これで、週のうち、4日も東京。
  
 
ふ〜〜〜。
 
 
とは言っても、きょうは観光気分で日本科学未来館に行ってきた。
ここは、以前、会議で来たことはあったけど、中を見たことがなかったので、いいチャンスとばかりに各階の展示を見せていただいた。
 
 
(写真)有名なでっかいLEDの地球儀
Photo
 
 
仕事に関連の展示と言えば、導電性高分子の白川英樹先生に関するコーナーで、パネルと実物の展示があった。実物と言っても白川先生本人じゃなくて導電性高分子だけどね。
当然だけど。
 
 
(写真)白川先生の紹介
Photo_2 
 
 
到着した時は、ちょうど実演の時間で、ボランティアの野田先生が、導電性高分子をわかりやすく説明し、簡単な実験を行っておられた。
手作りの器具を使っての実演はわかりやすくて参考になった。
 
 
(写真)熱演中の野田先生
Photo_3
  
 
きょうの仕事は、「研究者に会おう」という催しで、私自身が有機ELに関する講演と実演をして参加者と語り合うのだ。
 
 
(写真)ポスター前にて。たまたま通りがかった参加者の親子
Photo_4
 
 
30分ほど有機ELについてわかりやすく説明し、この技術の将来性やすごいところを熱く語った。有機エレクトロニクス研究所から持ち込んだ大型パネルや赤から青まで各色のパネル、そしてソニーの有機ELテレビまで、有機ELの最先端を間近に見ていただいた。
 
質疑応答では、小学生から社会人まで、幅広い層の聴衆から、素朴な質問から専門的な質問までいただいて、みんなマジメに答えた。
 
たとえば、
小学生の男の子から、ソニーの有機テレビに映し出されている青いクラゲについて、「有機ELと何か関係ありますか?」と聞かれたけど、「ゼンゼンありません」と、正直にお答えした。
 
期待を裏切ってゴメンね。
有機ELパネルがクラゲの成分でできてたら面白かったんだけど…。
 
もう一つ、
これはよく聞かれるけど、ブラウン管テレビをお使いのお父さんから、「いつごろ有機EL大型テレビが商品化されますか?」というご質問。
 
これにも、正直に「あと、5〜6年先ですね」と、お答えし、「今は、42インチのフルハイビジョンプラズマが、画質、値段の点でお買い得ですよ」と付け加えた。
お父さんは、「大型有機ELテレビがでるまで待ちます」とのことだった。
 
ソニーさん、お客さん待ってますから。
よろしく。 
 
質疑応答後は、個別の名刺交換や質問にお答えしたんだけど、印象に残ったことと言えば、小学1年生の男の子が、「ブログいつも見てます。がんばってください。」と、声を掛けてくれたことだ。
付添のチャーミングなお母さんは、「父親が見てるのを横で見てるんですよ。」と教えてくれた。
 
たぶん、彼はこのバカブログの読者世界最年少だろう。
 
 
「いつも、よんでくれてありがとネ。おとうさん、おかあさんのゆうことよくきいて、いっぱいべんきょうして、りっぱなかがくしゃになって、のーべるしょうとってください。」
 
 
  
 
 
ところで、
 
忙しいのに、よく講演引き受けるねえ、といつも言われる。
 
実際、一般向けの講演会は時間がとられるし、研究に役立つ情報も得られない。
 
けど、
子供からお年寄りまで、多くの参加者の人達の期待と感動を共有させてもらうと、研究者、科学者としての成長ホルモンがふつふつと分泌するのだ。
  
だから、やめられない。
 
 
 
  
 
また、来よう。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年1月24日 (木)

入学準備

  
 
大学教授そして人気ブロガー(?)という商売柄、いろんな人からメールをいただく。
 
きょうは、大学に推薦入試で合格が決まっている現役高校生からメールが届いたので紹介したい。
 
 
 ・・・・・・・・・
 
差出人:どこかの高校生
 
 
とても、参考になる内容で毎日楽しみにしています。
 
自分はこの春から山大工学部の機能高分子工学科に推薦で入学が決まっている者です。
 
ずうずうしくメールして申し訳ありません。
 
自分は化学が好きでこの学科を志望しました。また、将来は城戸教授の研究室に入り、山形を活性化させたいと思っております。
 
しかし、不安もありまして、大学に入るまで、どのような学習をしたらよいのか、また大学に入学してから、どのような生活をおくればよいのでしょうか?
 
お時間の都合のつく時、返信いただければ嬉しいです。
 
活躍をきたいしています。
 
 
  ・・・・・・・・・
 
 
返事:このブログの管理人
 
メールありがとう。
そして、山形大学工学部への合格おめでとう。
成功への切符を手に入れましたね。
 
ご存知のように本学部の機能高分子工学科は、高分子研究では日本、いや世界でもトップクラスの研究を行ってます。
高分子は、身近なものでは、プラスチックや合成繊維、生体関連では皮膚細胞からDNAまで高分子でできています。
さらに、最近では電気を流す導電性高分子や、光る半導体高分子まで開発され、有機ELなどの電子デバイスとしても実用化されています。
 
このように、高分子の研究は応用研究が多くて研究成果が実用化されるので、やりがいがあり社会的貢献度が大きい分野です。
もちろん、産業界からもおおいに期待されています。 
  
 
さて、
 
入学準備として期待するのは、まず基礎学力の強化です。
 
スポーツ選手を見てください。
試合にでるためには、日頃のトレーニングが欠かせません。特に、子供の頃から身体を鍛え、体力をつけるために腹筋や腕立て、ランニングなど、楽しくもない地道な努力が不可欠です。
科学者でも基礎学力がなければ、その応用である最先端の研究などできないのです。
 
具体的には、国語、算数、理科、社会、すべて必要です。
 
人とのコミュニケーション、論文の執筆など理系であっても国語力は大切です。また、国語の基礎がなければ、英語もマスターできません。英語は国際人として活躍するには不可欠ですからね。
 
特にあなたの場合、メールの文章から国語力が平均以下と判断されますので、きょうから卒業までの約2ヶ月間で本を10冊以上読んでください。
大学在学中は、4年間で自分の背丈の二倍の本は読んでください。
ジャンルは関係ありません。好きな本で結構ですから。
 
算数、数学は物理や化学でも必要とされますし、数学は論理的思考を養うのに適しています。
 
理科も物理、化学、生物、すべて習得しなければ分野が融合している最先端科学の分野では活躍できません。
 
社会、すなわち歴史や政治経済など、理系でなくとも日本国の国民として最低限の常識を身に付けてください。
 
 
特に、苦手な教科は克服しておくように。
 
 
 
入学してからですが、まず、工学部の研究室に遊びに来てください。
「いろり」に焼き肉を食べに行きましょう。
ついでに、最先端の研究室がどんなものか、自分の目で見て大学に入学したことを実感してください。
 
 
大学生活で注意すべきことは、1年の時の基礎的な科目を履修している時です。
これは、腕立て伏せの延長のような勉強をしいられるので、ここで専門への興味を失ってはいけません。
基礎科目であっても、それらを知らなければ、専門科目は理解できないのです。
 
それと、大学生は時間が自由に使えるので、人生経験のためアルバイトとかサークル活動をお勧めします。ただし、バイト先やサークルの活動内容によっては、地獄に落ちることがあるので要注意です。
 
中でも、塾の講師は、試験の採点や個別指導等、しっかり仕事をこなせばこなすほど責任を持たせられるので、講義に出席したり、試験勉強する時間がなくなります。塾のバイトが原因で留年する学生は多いです。
 
ちなみに、現在大学教授の私が学生時代に行ったバイトは、
・家庭教師
・ジョナサン(ファミレスね)鷺宮店のコック
・ヴィクトリアお茶の水店でのスキーの販促
・三ノ宮そごうのカーペット売り場
・狭山人工スキー場のパトロール
・志賀高原のスキーインストラクター
などです。
 
留年しそうになりました。
 
中学の時には、新聞配達と牛乳配達もしましたし、アメリカの大学院時代には日本人高校生向けの塾の講師や家庭教師もやりました。
 
どれも、いい経験させてもらったと思ってます。
社会には、いろんな職場や職業があり、そこには様々なバックグラウンドを持つ人達がいて一生懸命働いています。
その人達のおかげで、安心して生活できるのです。
 
  
サークル活動も、楽しいお遊びサークルよりも、体育会系のスポーツクラブに所属して身体と精神を鍛えるのがお勧めですね。
要注意のサークルとしては、サークル活動を装って宗教活動する団体です。宗教活動自体は悪いことではありませんが、テレビやマスコミ等でしばしば報道されるようなニセ宗教やカルト教団に巻き込まれたりすると人生を棒に振りかねませんから。
 
とにかく、大学では人生で最も自由に時間を使えます。
時間を有効に使い、そこでしか出来ない経験をしてください。
 
 
最後に、
  
私がこれまで出会った成功した科学者、ビジネスマンは、明確な目標を持ちそれに向かって人一倍努力した人達ばかりです。
 
 
みな、「志」が高いのです。
 
 
夢は「かなう」のではなく「かなえる」もの。
 
 
未来は「予知」したり「予言」するものではなく、自分の力で「切り開く」もの。
 
 
あなたなら、きっとできると思います。
 
  
山形そして日本の将来をあなたに託します。
 
 
 
 
  
  
 
 
 
  
 
 
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有機デバイスセミナーのお知らせ

  

第7回の有機デバイスセミナーのお知らせです。
有機ELのような有機半導体デバイスをシミュレーションするソフトウェアのお話です。
まだまだ、完璧に実デバイスをシミュレーション出来るとは思いませんが、興味ある内容ですのでぜひとも関係者の方はご参加ください。
  
もちろん、参加費無料です。
 
 
 
第7回有機デバイスセミナー
  
日時: 1月30日(水) 13:30〜14:30
場所: 山形大学工学部 9号館2階 会議室200−1
題目: ATLASを用いた有機デバイスシミュレーションの紹介
講師: (株)シルバコ・ジャパン 営業部:田口浩一氏、技術部:森川陽二氏
 
概要: 
従来、TCADとして、無機材料の結晶やアモルファスデバイスにおいて、発展・実用化されてきた半導体デバイスシミュレーションを、有機材料のELやTFTデバイスに適用するにあたって、どのような物理モデルを用いて、どこまでの素子特性のシミュレーションが可能であるのか、ATLASデバイスシミュレーターを例に、その現状について紹介したい。
    
 
 
 
  
 
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2008年1月23日 (水)

ポスドク研究員募集!

  
 
ただいま、城戸研究室では有機ELの材料、素子開発に携わる若干名のポスドク研究員を募集しております。
有機合成経験者、半導体デバイスの専門家など、有機EL研究の経験の有無は問いません。
 
随時募集を受け付けておりますので、城戸までメールください。
 
[email protected]
 
有機EL分野では、産業界から人材を要求されており、ポスドクとして経験を積めば、就職にかなり有利です。
 
ブログでは、恐いイメージを与えているかも知れない管理人なのですが、実は、人間コアラと呼ばれているほど心優しい人間です。
 
 
応募お待ちしております。
 
 
米沢牛もあなたを待ってます。
 
 
(吉亭のしゃぶしゃぶ) 
Photo
 
 
 
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2008年1月22日 (火)

テレビの影響

  
 
きょうも「つばさ」の人である。
 
朝8時36分米沢発で上京し、首都圏の某化学メーカーで共同研究打ち合せ。
これには担当の学生N君にも同行させ、成果報告させた。
ちょうど、お昼時に東京駅に着いたので、ちょっと早めの昼食をとりに八重洲北口にあるレストラン街のカレー屋「京橋ドンピエール エクスプレスカレー」にはいった。
 
 
Photo
 
 
ここのキーマカレーが好きなんだけど、学生も一緒なので高価なビーフカレーを食べた。スパイスの利いた深みのあるカレーとスプーンでも切れる柔らかい牛肉、そしてピカピカとツヤのあるご飯は一級品だと思っていると、
 
「なんでこれが1600円なんですかねえ、おいしいですか?」
 
などと、おごられている身でありながら心無いことを言う。
 
彼が普段口にするのはハウスバーモントカレーか、生協食堂のカレーなので、ある程度以上の味に対しては、味覚が飽和してしまって区別ができないのか。
 
これって、液晶ディスプレイの階調表現が暗いところと明るいところで出来ないのとおんなじだな。
お前をこれから「液晶野郎」と呼ぶし、一食1000円を超えるものは食べさせないことにしたヨ。
 
 
 
打ち合わせが終わり、夕方からはもう一件企業での打ち合せがあるので、N君とは別れた。
 
 
 
次の打ち合わせは、東京駅の近くの会社なので、実はきょうのこの日に日程を合わせていただいたのだ。
大学発ベンチャーとか、地域活性化とか、新規産業の創出とか、いろいろディスカッションさせていただいた。というか、私自身の考えを述べさせていただいた。
 
これまで、1000社以上できた大学発ベンチャーと言っても偽物がほとんどだし、地域活性化と言っても行政はまったくあてにならないし、やはり民間が知恵を出さねば、地方も国も良くならないのだ。
 
大学発の本物のベンチャー、新産業の創出、そして地域の活性化をぜひとも山形発で成功させたいと思っている。
 
 
帰りは、東京7時16分発の「つばさ」で、帰宅は昨日と同じ10時前となった。
 
 
美人の娘はもう寝ていた。
 
 
 
 
 
ところで、
 
 
 
 
 
先日の「エセ科学」のエントリーに関して、京都の主婦からメールをいただいた。
無断で引用しながら、返事を紹介したい。
 
 
・・・・・・・・
 
差出人:京都の主婦(38才、3児の母)
 
こんばんは。
 
目がテン!録画ではなく、7時から拝見しました。
有機ELが出てきた以降はそれで話が続くと思いきや、立体映像に話しが移ってしまったではないですか!
 
思わず2度寝しました。
 
 
以前、テレビで、実際にエリンギにバッハを聴かせて栽培している農家を見ました。聴かせるのとそうでないのとでは育ち方が違うとか…
駅弁を作っている業者がわざわざここのエリンギを弁当に入れたいと契約をしているそうです。やはりおいしいらしい。
 
モーツアルトを乳牛に聴かせている酪農家もいました。
乳の出がよくなると言ってました。特に夏は出が悪くなるからと…
 
人間に音楽療法があるのなら、他の動物にも何らかの影響があるのではないかしら?と思ったりします。植物にも効果があるなら、おもしろいね。
 
何事においても、自分で判断できる能力を持つことは大事なこと。
 
でも子供にはなかなか難しいね。大人でも難しいわ!
 
 
 
もしかして、春香ちゃんにはサンタさんが来てない?
サンタさんなんて居ないなんて言ってないよね?!
 
ちょっと気になりました。
 
  
・ ・・・・・・・
 
 
管理人からの返事:
 
目がテンには、ほんまに目が点です。
  
 
植物栽培の件、音楽が効果がないとは言いきれません。確率で言うと0.1%ぐらい。
商売人と言うのは、効果がなくともそれを利用するので言ってることを鵜呑みにできません。
「バッハのエリンギ」と言うだけで、他のエリンギと差別化できますからね。
   
牛の話にしても、人間の脳と牛の脳の機能がまったく同じとして仮定しているところに無理があります。人間のように喜怒哀楽を感じ、表現する動物は、たぶん類人猿の一部だけでしょう。
 
動物にとっては、本来自然の中で耳にはいる小川のせせらぎや草木のざわめきが心地よいのではないでしょうか。自動車のエンジン音に代表される人工的な音は、間違いなく動物にとってはストレスになるはずです。
 
ですから、楽器の演奏のような人工的なものは、人間にとってはストレスが解消されるものであっても、牛にとって心地よいとはとても思えないのです。
  
   
それに、
  
実際に効果があるなら各地域の農業試験所なんかが、すでに実験していて、信頼できる実験データが残っているはずです。そのような信頼できる筋からの報告がないと言うのは、単なる迷信である確率が高いです。
 
商売に利用しているに過ぎないのです。 
そんなのに乗せられてはけません、
 
テレビと言うのは、「あるある」の例でもわかるように、おもしろおかしく制作するので嘘八百がとても多いです。最初に台本ありきで番組を作り、取材相手を選びますから、否定的な意見はぜったいに採用されません。
テレビに20回以上出演し、業界に知り合いが多いので裏事情は知り尽くしてるので信用してください。
 
 
だから、
 
ちゃんと論理的に考えると、エリンギだろうが牛だろうが、ウソかホントかと「0か100」かではなく、ウソである確率90%と言う風に、自分で判断することができるはずです。
 
それができない非論理的、感情的なひとは、つねに0か100と判断し、人に騙されます。
 
 
 
 
 
ところで、
  
うちには、サンタが来ます。毎年来ます。
たまに、一日遅れたりしますが…。
小学校でマセた可愛げのない友達が、あれはお父さんだと娘に吹き込んでるらしいのですが、
「日本担当のサンタは一人しかいないので、全部の子供の家を一晩で回るのは物理的に不可能だからたまに遅れるし、選ばれた良い子のとこだけに来るの。来ないとこには、かわいそうだからと言って、お父さんがプレゼント買ってあげてるんだ。」
と説明してます。
 
一昨年は、サンタの残したサイン入りの手紙をプレゼントにつけておいたら心から感動してました。
今のところ、サンタを100%信じてます。
 
ただし、トナカイのひくソリが空を飛ぶことは信じてないようですが…。 
 
   
ファンタジーとエセ科学を一緒にしてはいけません。
 
 
 
あと、
 
うちでは、神は存在します。
一神教ではなく、古神道的な八百万の神です。
山や木、草や石にも魂は宿るし、神聖なる場所に神は降臨します。自然を愛する「草木塔」の精神を教えてます。
 
もちろん、霊や魂の存在も否定はしておりません。
ただし、おバカさんな友達から聞いた「夜10時に愛宕小学校の二階の窓から女の子が手を振る」と言うような幽霊はいないと否定しています。
  
 
だから、
 
かしこい子供に育てるには、まず、親がかしこくなること、親が論理的に考えること、親が手本を見せること、これが一番重要です。
バカなテレビ番組が多くてその影響を受けやすいきょうこの頃、子供の教育は家庭で親が責任を持って行わなければなりません。
 
 
わかったか、みちこ(←妹です)。
  
 
 
  
 
 
 
   
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有機EL異業種交流会のお知らせ

 
 
有機EL研究会では「異業種交流会」を開催している。
毎年、冬の米沢で関係者が集って、ワイワイガヤガヤとポスター展示の前で飲みながら名刺交換、情報交換するのだ。
毎回、150〜200名程参加していただき盛況なイベントとなっている。
 
ショートプレゼン、ポスター展示、単なる参加、観光、お好きな目的でご参加ください。
研究会会員以外でも参加可能です。
 
以下、公式の招待状。
 
 
 
各 位
               
社団法人高分子学会
有機EL研究会
                  
拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、高分子学会有機EL研究会では下記のとおり第5回異業種交流会を開催いたしますので、ご案内
申し上げます。
本交流会では、関連企業約20社に5分程度のショートプレゼンテーションを、その後、約30社にパネル展示していただき、その場で名刺交換会を兼ねた交流会を行います。懇親会ではさらに交流を深め、最新情報を交換していただくのが目的です。昨年も200名近い参加があり、好評を博しました。
自社製品をアピールしたい方、他社動向を調査したい方、商売相手を探しておられる方等、多くの方々の参加をお待ちしております。
 
詳細およびお申込はホームページをご覧下さい。
                      
敬具
 
            記
 
行事名:有機EL研究会 第5回異業種交流会
日 時:平成20年3月14日(金) 13:00〜19:00
会 場:伝国の杜、上杉城址苑
(米沢市丸の内1-2-1 TEL 0238-26-8000)
 
 
 
 
  
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2008年1月21日 (月)

ライバル会社

  
 
きょうは、月曜なので、朝一番で「有機構造化学」の講義をした。
忙しくて講義などやっていないと思われている管理人であるが、講義をしないと学生との接点がなくなるので、一つだけ教えているのだ。 
 
授業の最初に、再来週、試験をするので板書したこと中心に勉強してね、ということと、試験ではノート・教科書持ち込み禁止、追試験・再試験なし、レポートもなし、単純に試験の点数で成績をつけるからね、と約束事を徹底した。
 
講義を終え、オフィスで学生と実験のディスカッションしたあと米沢駅へ向かい、11:41発の「つばさ」に飛び乗った。
  
車内で、いつものように日経産業新聞に目を通すと、「チッソ」の有機EL材料と「凸版印刷」の有機トランジスタの記事が目に入った。
 
一般の読者のみなさんは知らないと思うけど、チッソは液晶テレビで使われてる液晶材料では大手で、有機EL材料に関しても昔から研究開発している。移動度の高い電子輸送材料などを実用化しているのだ。
今回は、低分子系の青色蛍光材料を開発し、サンプル出荷を始めたとのこと。
すでに、水俣製造所に3〜5億円かけて材料の量産設備を整え、一回の反応で10キログラム生産できるようになった。
 
青色蛍光材料といえば、出光興産が有名だけど、最近では海外の材料メーカーが力をつけてきていて、事業は必ずしも順風満帆じゃないようだ。パネルメーカーとしては、高性能で低価格の材料が実用化されれば、そっちにたなびくからね。
 
今回のチッソの発表は、出光のようなライバル材料メーカーにとってはおおいに気になるところだけど、業界としてはレベルアップにつながるので喜ばしいことだと思う。
 
それに、チッソは研究開発ではまったく関係ない赤の他人で、どちらかと言えばライバルだけど、うちの研究室に在籍した知人がいるので、ぜひとも業界のためにも頑張っていただきたい。
 
 
 
凸版印刷の有機トランジスタは、塗布方式「オフセット印刷」で形成したものだ。低コストプロセスとして、印刷法は究極の低価格を実現できるものとして有機半導体デバイスの製造法として期待されている。
 
トランジスタを印刷で作るんだから、スゴイ時代になったものだ。
 
今回は、電子ペーパー駆動用の有機トランジスタをオフセット印刷にて線幅5ミクロンで高精細に形成したもの。トランジスタ構造のどの部分を印刷で形成したのか、あるいはすべてなのか、詳細には触れられていないが、10.5インチの大きさで640x480画素のトランジスタ基板を開発した。2008年度中のサンプル供給を目指す。
 
このニュースを一番気にしているのは、大日本印刷に違いない。
これも一般の読者の方々はご存知ないかも知れないが、凸版と大日本はライバル関係にある、というか犬猿の仲なのだ。
 
有機トランジスタや有機ELの研究開発を両社とも行っているし、他のディスプレイ関連事業では、液晶のカラーフィルタ事業でシェアを争っているのはよく知られている。
 
実は、うちは両社とも関係があって、どちらかの肩を持つことはできないので、大日本印刷にも有機ELばかりじゃなく、トランジスタでも頑張って欲しいと思うのである。
 
なかなかややこしい。
 
 
  
ところで、
 
きょうの東京での用事だけど、高分子学会の研究会運営委員長会議があったのだ。高分子学会には23の研究会があり、その事業報告。
毎年、この時期に開催される。
 
有機EL研究会も始まって5年経ち、当初から運営委員長を務める管理人であるが、この研究会は事業内容がとてもよろしくて優良研究会と言われている。
 
これは、運営委員長が立派なのではなくて、分野がホットなのと運営委員の方々が毎回考え抜いてすばらしいプログラムを作成してくれているから参加者が多くて盛況なのだ。 
 
みなさん、ありがとう。
 
帰りは、午後7時16分東京発の「つばさ」の人となった。
車内販売で、
「コーヒー、ブラックで」
と注文したら、
売り子さんが温かいコーヒーを準備しながら、
「お砂糖とミルクはお付けしますか?」
と聞いた。
 
不美人の売り子さんだったら、
「ブラックで!」
と、不機嫌に繰り返すところだけれど、
素敵なお嬢さんだったので、
「結構です」
と答えた。
 
 
男性だったら普通の反応だろう。
文句ありますか?
 
 
 
10時前に帰宅したら、美人の娘は寝ていた。
 
 
 
 
 
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2008年1月20日 (日)

トンデモ本

  
 
うちの9歳の娘は、ベネッセの「チャレンジ3年生」を愛読している。
幼稚園の時に「しまじろう」にお世話になって、それがいまだに続いているのだ。
あきらかに「付録」が目当てなんだけど、本を読むという習慣をつけさせるために続けている。
 
 
12月号には特集号として「音の不思議大発見」という冊子がついて来たんだけど、ソファに寝そべってだらしなくテレビを見ている父親の私に向かっていろいろと説明してくれた。
 
 
娘:クラシック音楽を聴かすとトマトが甘くなるんだよ。
 
父:ウソや。
 
娘:牛にクラシック音楽を聴かすと牛乳がおいしくなるんだよ。
 
父:ウソや。
 
娘:クラシック音楽を聴かすとニワトリがうむタマゴの数がふえるんだよ。
 
父:ウソや。
 
娘:ここに書いてあるよ。
 
父:あんな〜、もしホンマやったら、トマト栽培農家はみんな畑にクラシック流してるはずやし、牧場でも、養鶏場でもそうや。
そんなん見たことも聞いたこともないやろ。
 
それに、証拠はあるか?理論的に説明できるか?
でけへんやろ。
 
娘:う〜ん、そうだね。
 
 
  
この冊子には、「野菜もタマゴも音でビックリ大変身」、と題してそんなことが書いてあるのだ。
 
  
トマトも牛乳もニワトリのたまごも
クラシック音楽の持つ
リズムが「ふるえ」となって、心地よいしげきを
あたえるのが大へん身の理由と言われているよ。
 
とまで説明してある。
 
 
ウソやろ。
 
 
 
その横に、読めないくらいちっちゃな文字で、一応、

お家の方へ:クラシック音楽が動植物に及ぼす影響については、諸説あります。
  
なんて、書いてある。
 
 
 
 
 
 
ええ加減にせえ。
 
 
 
 
   
 
こんな「エセ科学」を平気で子供に教える教材って有りえへんやろ。
小さな文字で注意書きしても、正当に判断できない親なら親自体もこの話を信じるに違いない。
 
監修は誰や、と探したら、「都立隅田川高校の吉澤純夫氏」、「日本動植物科学研究所長の今泉忠明氏」、「オルゴールの小さな博物館の名村明日子氏」だ。
 
 
 
顔が見たい。
  
 
 
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エセ科学に関しては、「水にやさしい言葉を語りかけると氷になったときにきれいな結晶になり、罵詈雑言を浴びせると汚い結晶になる」有名な話があって、社会的な問題にまでなっているのに、この出版社はどういうつもりなのか。
  
 
  
購読やめるよ。
 
 
  
とにかく、ウチの娘には、証拠のないもの、証明できないものは鵜呑みにするな、と教えてある。
 
昨夜のテレビ番組「世界不思議発見」でも、ネッシーを取り上げてて、「テレビで放送されることは本当だから、ネッシーはいるんだ。」と、言ってる娘に、
 
「ネッシーは一匹じゃあ、生き延びれないから、親とか子供とか孫とか、複数いるはずで、しかも年とったら死ぬはずや。いままで、死体は見つかったか?いままで、たまごは見つかったか?いるっていう証拠はないやろ。」
 
「けどな、いないっていう証拠もない。そやから、どちらを信じることもない。人の意見に左右されずに自分で判断できる人間になれ。」
  
と言ってやった。
 
子供たちは、純粋で、大人の言うことやテレビで見たこと、本に書いてあることを無邪気に信じる。
 
 
だから、子供向けの教材は、細心の注意を払って監修して欲しい、と思うきょうこの頃なのである。
 
 
 
 
 
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目がテン

  
 
ひと月ほど前に、米沢のケーブルテレビ局と地デジの契約をしたので、最近はアナログ放送を観ずに、デジタル放送を観ている。
単に映像がキレイなだけじゃなく、番組表がテレビ画面で見れたり、ハードディスク内蔵のCATVコントローラーなので、チョー簡単に一発で予約録画ができるので有り難い。
  
だから、今朝の「所さんの目がテン」も昨日予約した。
どこの家でもそうだと思うけど、日曜の朝は遅いので、7時に起きてテレビを観ることはないのだ。
  
今回は、薄型テレビの技術をやさしく解説したものだけど、液晶とプラズマの原理的な違いはよくわかったものの、視聴者はどっちを買ったらいいのか判断がつかなかっただろう。
   
ハッキリ言うと、今の「買い」は、値段と画質の点から「プラズマ」だ。
42インチのフルハイビジョンだろう。
寿命も心配するほど短くないので、家庭で普通に観る分には問題ない。
 
液晶は、どうしてもコントラスト比が低くて「透かし絵」を見ているような映像だし、絵作りがドギツイ感じがして個人的には好きじゃない。
 
 
 
肝心の、楽しみにしていた有機EL部分だけど、午後1時から夜の7時まで、6時間もロケにかかったので、さぞかしたっぷりと有機ELが紹介されるのだろうなあ、と期待していたら、たったの5分ほどだった。
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
目がテンになった…。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この番組のタイトルの意味がよくわかったデ。
まあ、30分の番組だったら通常3日はロケにかかるから、半日だったら5分程度か。
  
  
 
それにしても、ちょっとなあ。
 
 
 
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2008年1月19日 (土)

有機EL照明デザインコンペ

  
 
東京第一ホテル米沢で「2007有機EL照明デザイン公募」の表彰式と受賞者との懇談会があった。
有機EL照明デザイン公募は、有機エレクトロニクス研究所が主催して、昨年から始まって今回が第2回目。全国から424作品の応募をいただいた。
 
 
まず、受賞作品名と受賞者を紹介すると、以下のとおり(敬称略):
 
最優秀賞:
EL-chandelier 園部竜太(東京都練馬区)
 
優秀賞:
BOW LIGHT 鈴木達也(東京都北区)
expand light 柴田勝朗(愛知県清須市)
LOOP 加藤幹夫(横浜市緑区)
 
協賛企業特別賞:
葡萄 山崎勉(川崎市幸区)
CDEL 許田昌路(東京都練馬区)
 
審査員賞:
瞬間ART 志野雄起(東京都小金井市)
 
  
おめでとうございました。
   
 
 
Photo
 
 
  
審査にあたっては、照明分野の第一線でご活躍中の方々にご協力いただいた。
改めて御礼申し上げます。
 
審査員長: 
日本大学教授 大谷義彦

審査員:
M&Oデザイン事務所 落合勉
松下電工 市川邦治
NECライティング 石谷友美
有機エレクトロニクス研究所 小田敦

(敬称略)  
 
 
 
今回は前回以上の数の作品が寄せられ、受賞された方々も、デザイン事務所や建築事務所にお勤めか、ご経営のプロばかりで、非常にレベルの高いコンペだった。
 
山形県内から受賞者がでなかったのが、チョッピリ寂しいけど。
 
知財の関係で、作品はまだ公表できないけど、有機ELという面状の新しい光源は、照明デザインにおいても多くの可能性を秘めていることを実感できた。 
 
 
 
有機ELディスプレイは、昨年、携帯のメイン画面に採用されたり、ソニーの11インチのテレビの発売など、認知度も上がりブレークしたが、有機EL照明はこれからだ。
デザインコンペだけじゃなく、あらゆる媒体を通じて、この新しい光の情報を山形から世界に向けて発信していきたいと思う。
 
 
  
今年は是非とも有機EL照明をブレークさせたい。
 
 
 
  
 
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2008年1月18日 (金)

松下電工

 
 
松下電工の井出さんは、以前、NEDOプロジェクトを大学で推進していた時、会社から派遣されてきた研究員だ。
いまも、後継プロジェクトで中心的な役割を果たされており、きょうもプロジェクトの打ち合せにこられた。
 
ややこしい話だけど、今年度からNEDOでは、2件の有機EL照明プロジェクトがスタートしており、管理人はその両方にかかわっているのだ。
 
一つは、昨日のエントリーで紹介した省エネ技術開発部が支援する「有機のあかりプロジェクトII」であり、もう一つが電子・情報技術開発部の支援する「電工プロジェクト」である。(名称はどちらも、管理人が勝手に付けた呼び名)
 
省エネ部のプロジェクトは「シテ方」として参画しており、素子の高効率化や長寿命化のテーマで研究を推進している。
電子部のプロジェクトでは「ワキ」で、電極界面での劣化機構の解明や電荷の注入特性などの基礎的な部分を担当する。
 
だから、井出さんとは、電工プロジェクトでの研究テーマや今後の進め方について打ち合せを行ったのだ。
 
 
 
前回のプロジェクトでは、井出さんに指導してもらった学生がいるので、久しぶりの再会祝い、そして本プロジェクトでの打ち合せを兼ねて、「いろり」で会食した。
 
「いろり」は、このバカブログで再三でてくるように、城戸研にとっては第二の会議室と呼ばれるほど重要な戦略拠点なのである。
 
  
本物の牛タン(米沢のある店ではダチョウのタンを出すようだ)
Photo
 
 
世界一のハラミ
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白いご飯とベストマッチの特選カルビ
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楽しそうな井出さん
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ビールを飲みながら盛り上がってきたら卒業生で昨年の4月から電工にお世話になっている小原の話題がでてきた。
 
小原は千葉のド田舎出身で、大阪のノリについて行けるのか心配だったけど、なんとか生活や仕事にも慣れ、どうやらガールフレンドもできたらしい。
そこで、携帯に電話すると、飲み会の最中らしくて女性の笑い声まで聞こえていて、彼の声も弾んでる。
 
 
ちょっとなあ…。
 
 
 
 
松下電工と言えば、
 
近々「パナソニック電工」に社名が変るそうだけど、これってかなり長ったらしくて、発音しにくくないかということで意見が一致し、たぶん名刺交換の際に、舌を噛む人が続出するだろうというなあとみんなで笑っていた。
 
いずれ、パナソニック本社の一事業部、あるいは分社になって「パナソニック株式会社、電工社」のほうがスッキリするんじゃないのかなあ、と勝手なこと言いながらますます酔っぱらっていった。
 
 
  
 
  
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ソニー有機ELテレビの楽しみ方

  
 
生協から注文していたソニーのXEL-1が届いたので、アイ・サプライの増田さんからお借りしていたものをお返しした。
 
増田さん、有り難うございました。
 
 
結局は、ストリンガー会長からも中鉢社長からも黒瀧からも吉崎からもXEL-1は届かなかった。
 
 
当然だけど…。
 
 
 
これを機会に、まず音響部分を増強すべく、パソコン用で14700円と安いBoseのCompanion 2IIというスピーカーを昨日、川崎のビックカメラで買ってきた。
 
黒と黒が似合ってて、なかなかカッコいいのだ。
 

Xel1bose


映像はハイビジョンで楽しみたいので、プレイステーション3を3万9千円で近くのヤマダ電気で買ってきてあった。これは、八王子の寿司職人坂本さんが教えてくれたんだけど、プレステは安いBlu-Ray再生機でもあるのだ。
 
やっぱ、HD DVDよりBlu-Rayでしょう。
 
ソフトは、プレステに「スパイダーマン3」がタダでついて来たんだけれども、それとも知らずに、「Behind Enemy Lines」を買ってしまった。実は、この映画は「坂本映画館」で見せてもらった時に、中途半端に見せられたので続きが見たかったのだ。
ストーリーはくだらないけど、戦闘機が飛び回るシーンはド迫力。
 
それにしても、あの映画館は、いつも上映が中途半端で困る。
 
今度観る時は、きちんと最初から最後まで、そしてコーヒーとケーキ付きで見せて欲しいものだ。
ビールとおつまみ付きで、かつ沢尻エリカのような美人コンパニオンが、一杯いかが、なんて言ってくれたらなおいい。
 
でしょ、後藤さん。
  
 
 
 
話はそれたけど、
有機ELテレビとBoseとBlu-Ray
 

 
美しくて臨場感のある映像と、迫力のある音響が相まって、11インチという大きさを忘れさせる。
 
どちらも安い投資で、大きな効果が得られるので、ぜひともお勧めしたい。
  
 
 
 
 
 
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これだけ、ソニーの宣伝してんのになあ…。
 
 
 
 
 

2008年1月17日 (木)

NEDO技術委員会

 
 
東京に向かう7時3分米沢発の「つばさ」の中で日経産業新聞に目を通すと、2007年度技術トレンド調査の「実用性+市場性」のベストテンに有機ELが2件食い込んでいるのが目に入った。
 
3位のセイコーエプソン「厚さ2.8ミリの有機EL、開発レース、世代交代加速」と9位の大日本印刷「有機EL、寿命10倍」だ。
 
セイコーエプソンは、これまでポリマー有機ELをインクジェット方式で成膜する方法を開発されてきたが、この発表では、一転、低分子材料を真空蒸着で、しかも白色を成膜してカラーフィルターで色分けする方式を採用したことを明らかにした。
 
展示された有機ELディスプレイの画質は極めて高いうえ、RGB塗り分けよりも寿命が長いとあって、まさしく「世代交代」を印象づけた。
 
 
 
大日本印刷の発表は、正確には「山形県の有機エレクトロニクス研究所で大日本印刷からの共同研究員が行った研究の成果」であって、大胆な言い方をすると、「有機エレクトロニクス研究所の成果」である。
 
寿命が短い、と誤ったイメージを持たれている有機ELであるが、研究室レベルでは半永久的に長持ちする素子もすでに開発されているのだぞ、ということを世間にアピールした。
  
 
ということで、昨年は有機ELの当たり年だったのだ。
 
 
 
有機ELといえば、
  
本日の、東京というより川崎での仕事は、NEDOの技術委員会。
省エネ技術開発部からご支援いただいてる「有機のあかりプロジェクトII」の初年度の成果報告だ。
 
始まって数ヶ月しか経ってないのに報告会とは、NEDOさんも無茶をおっしゃるんだけど、我々の日々の鋭意努力の結果には審査委員の方々も満足いただけたと思う。
 
有機エレクトロニクス研究所の所長および山形大学教授の二つの立場で出席した管理人だけど、今回の成果発表は企業の方におまかせしたので、とても楽させてもらった40分だった。
 
これなら、毎月報告会でもいいなよあ、なんて、他人事みたい。
  
 
お昼は、ラゾーナという巨大モールの中の「かつくら」という豚カツ屋にみんなで入った。京都のお店らしいけど、分林家の人達はご存知だろうか。
山形が米沢牛とともに誇る平田牧場の三元豚を扱っていて、臭みもなく、ジューシーな170gの特選ロースカツをいただいた。
 
ごちそうさまでした。
 
 
 
夕方、米沢に戻ると雪だった。
 
 
Photo
 
 
  
 
 
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2008年1月16日 (水)

野球と大学教育

  
 
当学部のキャリアサービスセンターの副センター長の志村勉教授は、活動の一環として講演会を開催されるが、意外な人物を講師に呼んで来られるのでおもしろい。
 
きょうは、元日本ハムファイターズのヘッドコーチ、白井一幸氏。
「やる気にさせるメンタルトレーニング」という演題で講演いただいた。
 
プロ野球業界における、これまでの「叱ってやらせる指導方法」と氏の実践される「褒めてやる気を出させる指導方法」、日ハムが優勝できた秘訣など、おもしろおかしく話された。
 
かなり講演慣れされてて、安心して聞いていられる。
欲を言えば、もうすこしスリリングな方が玄人好みだ。
   
 
内容は、正直言って管理人のような経験豊富な大学教授にとっては、目新しい内容ではなく、むしろ若手の助教に聞かせたい内容。
 
また、プロ野球コーチの仕事は、プロ野球選手というある意味人生の目標が定まってて、身体能力も精神力も優れた運動選手たちの指導だから、やる気を出させるだけで伸びるのは当然。大学では、能力やベクトルの方向がまちまちの学生を教育して一流の研究者に育てるのだから話が違う。

 
話を聞いて、プロ野球コーチは、大学教授よりよっぽど「楽」だなあ、と思った。
 
 
質疑応答の時間に、学生君が聞いた「アメリカ留学で指導法を学んだのか?」という質問が、個人的にももっとも聞きたかったところで、白井氏本人がどのような体験をされて、現在提唱される指導法にたどり着かれたのか、氏個人の体験談の方が教育者としては興味があった。
  
もう一つ、質問したかったのは「白井氏が現役の時に、白井氏のようなコーチに巡り合ってれば、もっといい成績を残せたと思うかどうか。」
 
  
 
時間もなかったし、ちょっと失礼かと思って手を上げなかった。
  
  
 
志村教授の企画される講演会は今回に限らずおもしろいので、これからも期待したい。
 
 
 
 
 
 
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MacBook Air誕生

  
 
マックと出会って20年。
こういうのを待ってました。
  
 
MacBook Air
  
 
13.3インチのモニターを搭載し、薄さ1.94cm、重さ1.3kg。
現在使用中の15インチモニターのMacBookProが約2.5kgだから、約半分の重さ。
 
カバンの中にいつも重いマックを入れてる管理人は、右腕がそのせいでちょっと左より長い(たぶん)。だから、今回の製品のような薄くて軽いのをクビを長くして待ってたのだ。
 
 
Photo
 
 
マックはご存知のように、ソフト的にもハード的にもデザイン的にも世界一のコンピューターで、ウィンドウズなんてマックと比較すれば98(キューハチ)みたいなもんだから、学生時代からず〜っとマックを愛用する管理人。
 
平成元年に山形大学に助手として奉職した際も、アメリカから持ち帰った「マッキントッシュSE」を武器に、次々と論文を執筆しながら、学内にマックを広めた。
 
マックの伝道師なのだ。
 
だから、うちの研究室では、マックがofficial computerに指定されていて、マックを使わない学生は、「センスがない」とバカにされ、コケにされ、オチョクラレルのである。
科学者は「センス」が重要なので、使っているコンピューターでだいたいの実力が知れるので、日頃からセンスを磨かなければならない。
 
 
学会発表なんかでも、スバラシイ研究発表をしている超一流の研究者は、マックを使っていて、しかもパワーポイントなど使わずに、「keynote」を使う。
 
 
わかったか、学生諸君。
 
 
  
 
もちろん、今朝、生協に1台注文した。
 
 
 
 
 
 
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2008年1月15日 (火)

家相

 
 
有機エレクトロニクス研究所の季報報告会のあと、小林顧問、横山技術顧問、そして中山健一准教授と「玉寿司」で、有機ELの現状、研究開発における方向性に関する打ち合せ、そして、女性は子供を産むと強くなる話をした。
 
というのも、中山准教授の奥様は、2月2日の出産に備えて実家に戻られていて、経験者として管理人をふくむ三名の男性は人生の先輩としてアドバイスを行ったのだ。
 
女性も男性も結婚して同じ屋根の下で生活し始めると、育った環境、文化の違いによる摩擦が生まれるという話に始まり、特に、女性が結婚して母親になると、子供を人質にとり想定外に強くなって、男性はストレスで寿命が短くなるのだという持論を管理人は展開した。
 
出産を控えている女性読者には是非ともそこのところを自覚していただき、意識して旦那にはやさしく接していただきたい、のと、男性には覚悟していただきたい。
 
 
(写真)築地玉寿司の暖簾分け。米沢ではお寿司はここ。
Photo
 
 
(写真)日本酒、焼酎のコレクションは一級。
Photo_2
 
 
 
中山准教授というと、昨日のエントリーでN准教授の忍者屋敷の話をしたけど、中山准教授と混同されてる人が少なからずいるようなので、ぶっちゃけると、N准教授というのは西岡昭博准教授なのだ。
 
西岡准教授は、見た目はタカ&トシのタカをちょっとボンボン風にした感じだけど、科学者としては一流で、山形では米パン博士として有名で、米粉100%でパンを作る技術を世界で初めて開発した売り出し中の若手なのだ。
 
しかも、奥様の美香夫人は、学内で流体力学の生き神様と呼ばれていて最近ラジコン飛行機に凝っているK准教授の研究室で秘書をされているバリバリのキャリアウーマンなのだ。K准教授というのは、鹿野一郎准教授のことだけど。
 
三歩下がって夫の影を踏まないことを信条にしているいわゆる大和撫子のような女性である、とご本人はおっしゃる。のだけれども、後ろからケツを蹴り上げているように感じるのは管理人だけだろうか。
  
 
オモロイ夫婦なのですよ。
 
 
 
 
それで、きょうの本題だけど、ご夫妻の新居を「忍者屋敷」と描写したところ、夫人から即効で感謝(?)のメールが来た。
 
 
以下、無断引用:
 
        ・・・・・
 
ブログ、拝見いたしました。
・・・ぎゃははははははははははははは、となったのは言うまでもありません。
どうやら私は『忍者屋敷』とよばれる家に住むことになっているらしいです。
というのも、実家も同級生からは忍者屋敷とよばれていたので。
私の実家には古い門があり、それがどうも怪しさを醸し出していたらしいのです。
なので、「川島(旧姓)んちは、門をくぐると矢が飛んでくる」とか
「踏むところをまちがえると、奈落に落ちる」とか
「毎朝ドラの音で起きる」とか。
んなわけあるかい!というのもバカバカしいので、
「そーそー」と聞き流していた毎日でした。
この歳になって、また忍者屋敷に住むことになろうとは。
こうなったからには趣向を凝らすことに全力を注ぐことに致します。
 
        ・・・・・
 
 
言葉が出ない。
 
 
実は、管理人、小さい頃から国語が嫌いで、日記や作文はマジメに書いたことないのだけど、いったん、キーボードを前にすると、太宰治や司馬遼太郎や椎名誠が指先に乗り移り、勝手にバカ文章を書き始める特異体質で、きのうもパカパカやっていると自然と「忍者屋敷」という言葉が思いついたのだ。
 
あるお寺の住職から、家相には先祖の思いが反映されるということを聞いたことがある。
どうも、ご夫人の御先祖様が乗り移られたらしい。
 
 
だから、このバカブログも、そこらの単なるバカブログと違って、たまに含蓄に飛んだ発言をしている時は、歴史上の政治家とか科学者とか縄文人とか弥生人とかが乗り移っている可能性があるので、心して聞いた方がいい。と、思う。
 
 
 
他にも、不思議体験いろいろあるので、いつの日かご披露したい。
 
 
 
 
 
  
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2008年1月14日 (月)

バベルの忍者屋敷

  
 
きょうは祝日でしかも予定はない。
 
そこで、朝はゆっくり起きて、「ちりとてちん」を見て、軽い朝食後、学生を自宅に呼んでディスカッション。
昼食は「茶蔵(さくら)」に行った。
 
ここは、お茶の桑名園と言う会社がプロデュースする甘党向けのお店で、軽い昼食メニューもある。
 
だから、客のほとんどは女性で、店内も食事もセンスよく飾られていて、ボリューム的にはmodestである。
育ち盛りの学生君にはちょっともの足らないかもしれない。
 
タマゴ好きの管理人はオムハヤシ、妻と娘は和風オムライスを注文。
上品なタマゴハヤシライスはあっという間に胃の中に消えたので、食後のデザートとしてゼンザイをいただいた。
  
 
(写真)オムハヤシ。
Photo
 

(写真)久しぶりのゼンザイ。 
Photo_2
 
  
ここは、軽食もデザートもおすすめだし、スタッフがキビキビ動いていて、とても気持ちがいいんだけど、男性一人で入るには少々勇気がいる。
 
 
 
買い物したあと、帰り道、たまたま売り出し中の分譲地に出くわしたので、新築の家を見に行った。ミサワホームのノボリがそこらじゅうに立ってる。
 
建築中のミサワの家が2軒あって、そのうちの一軒は、バベルの塔のように背が高いので、車を降りてしげしげ眺めていたら、ミサワホームの営業がやってきて中を見せてくれた。
 
家のデザインというのは、夫婦間の力関係が現れるもので、外観や内装などが女性好みの場合は、妻の方が主導権を握っているのだ。
最近新築された「シェルターホーム」の某T教授の家がそうである。
 
ここは、一見、夫婦間のバランスがとれているように見える。 
 
この「バベルの塔」は、「蔵」と呼ばれる収納スペースと居住空間が三次元的に複雑に入り組んでおり、伊賀の忍者屋敷のようで、「バベルの忍者屋敷」と名付けた。
 
 
(写真)蔵のある家です。 
Photo_3
  
 
(写真)忍者屋敷には、隠し階段とか、抜け穴とか。 
Photo_4
  
 
営業君が名前を聞くので、身分を明かすと、同僚の某N准教授の家だと教えてくれた。
ということは、これは「米パン御殿」か。
それに、「夫婦間の力関係のバランスがとれている」と言うのは間違いだ。 
 
 
 
 
とりあえず、落ちていたクギで基礎に「城戸参上」と掘り込んでその場を離れた。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年1月13日 (日)

お台場

  
 
昨夜は、お台場のホテル「グランパシフィックメリディアン」に泊まり、きょうは家族でお台場観光だった。
  
このホテルには、出張で来た時に何度か泊まったことがあって、都心からは離れていて不便だけど、部屋が広くて家族連れにはうってつけである。
特に、米沢からだとJRのチケットとセットで予約すると格安料金で泊まれるから有り難い。
 
 
昨日は、スタジオ収録のあと、チェックインが夕方になったので、夕食はホテル内の広東レストラン「楼蘭」で食べた。広東料理は上海料理と並んで日本人の口に合う料理で管理人も大好きだ。
  
記憶に残ったのは、イベリコ豚の炒め物で、厚めに大きく切ったお肉は適度に弾力があって、噛むと甘味がでて、塩コショウ加減が絶妙なのでお肉そのものの味を楽しめた。前菜に注文した大好物のピータンは、ちょっと小さめで、香りがマイルドすぎて物足りなかった。もうちっと、きつめの方が好きかな。
娘の好物の春巻きは、皮がサクッと揚がっていて、とてもおいしかった。
 
このレストラン、味は一級品だけど全体的に一皿の量が少なくて、しかも値段が高くて、もちろんインテリアからテーブルクロス等のセッティングはパーフェクトで雰囲気もよろしいが、少々お財布には響く。
 
 
系列のホテルである品川のパシフィック東京の姉妹店にも時々でかけるが、たいていは打ち合せ等での会食だからね。
 
 
プチ情報として、品川パシフィックの中華と言えば、2階の中華バイキングのチャーハンがとてもおいしくて、これだけを食べに行ってもいいくらいなのだ。
 
チャーハン好きは、ぜひ、お試しを…。
 
 
 
朝食は、30階のレストランのバイキングでいただいた。
 
ここは、品数等は十分だけど、お一人様2千円以上する料金の割には、タマゴを料理するコーナーがなくて、タマゴを一回に10個以上食べられるほど、タマゴだけで一ヶ月はたぶん生活できるほど、タマゴから生まれたんじゃないかと思うほど、タマゴ好きの管理人には残念だ。
  
 
中がトロッとしたプレインオムレツは、ホテルの朝食の楽しみなんだから。 
 
 
ホテル30階から
Photo
 
 
お台場観光は、船の科学館に始まり、フジテレビ、アクアシティと女・子供向け観光スポットをうろついた。
 
船の科学館は、競艇の収益で建てたのか、笹川良一氏の胸像やら、なんやらが随所に見られた。船舶の模型が数多く展示してあり、船マニア(いるのか?)には、たまらないだろう。
 
戦艦ヤマトがでっかい。
 
 
Photo_2
 
 
  
フジテレビは、家族連れがうるさいほど多くて、ゆっくり楽しめる雰囲気はまるでない。スタジオ内部も収録中の現場は生で見れないし、展示物も番組の宣伝パネルやら関連のセットのミニチュア版子供だましで、子供は喜んでも大人は楽しめないオッパッピーレジャーランドだ。
 
 
フジの番組を象徴してるデ。
 
 
IQサプリクイズラリーなるものをやっていて、館内5ヶ所のクイズに正解すると抽選で景品がもらえるのだけど、うちは3人で挑戦したら全部正解して、消しゴムとか変な形のボールをもらった。
 
 
単純な娘は喜んだ。
  
 
なぜ自由の女神がここに必要なのか?
Photo_3
 
 
フジテレビの球体からの景色
Photo_4
 
 
内部の様子
Photo_5
 
 
   
それにしても、アクアシティの人ごみは何なんだろうか。
まるで、東京駅の構内のように混雑している。
 
似顔絵師(?)が、机を並べていたので、1500円で娘を描いてもらったら、かわいく描けているんだけど、友達の「みなみちゃん」に似ていると言ったら、娘も同意した。
 
うまいのか、ヘタなのか。微妙や。
 
 
Photo_7
 
  
昼は、ラーメン国技館という大それた名前を付けたラーメン屋の屋台村みたいなところで食べた。
どこもスゴイ行列で、食堂で並んで食べるということのできない大阪人の管理人は、ラーメンを食べるのに列に並ぶという理解不可能かつ不愉快な行動を取らざるを得ない状況にガッカリしながらも博多の豚骨ラーメンを食べた。
  
店内の豚骨特有の匂いに娘は顔をしかめていたけど、味は可もなく不可もなかった。
 
 
Photo_6
 
 
結局は、アクアシティというところ、いわゆる小売店が軒を並べるモールだけど、特徴があるかといえば何もない。
 
東京の人達がこんなところにわざわざ来るとは思えないので、結局はフジテレビを含めて、お台場というところはお上りさんのメッカということなのか。
  
 
 
 
 
 
ニッポンを代表する東京の観光地で日本の貧しさを垣間見た一日であった。
  
 
 
 
 
 
 
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2008年1月12日 (土)

「ニッポンの頭脳」に出演

 
 
有機ELが注目されてて、きょうも東京浜町のスタジオでテレビ番組の収録。
日本BS放送の新番組「ニッポンの頭脳」だ。
 
 
この管理人が、ニッポンの頭脳やで。
 
 
MCは、梶原しげるさんと勝恵子さん。
梶原さんとは初めての仕事だけど、ちゃんと前もって管理人のホームページで下調べをしておられ、トークもリラックスした雰囲気でNGなしでスムーズに進行した。
 
 
  
(写真)城戸淳二様の控室、芸能人みたい。
Photo
 
 
(写真)昔ながらの控室、6畳一間のアパートみたい。
Photo_2
 
 
(写真)スタジオってこんな感じ。照明がガンガンに照ってて、メチャ明るくて暑い。
Photo_3
 
 
(写真)管理人の発明した白色有機ELは、照明だけじゃなくテレビにも使えるのです。
Cf
 
 
 
 
やはり、梶原さんのようなプロは聞き上手で、会話の「間」の取り方も絶妙で、シロウトのゲストにうまく話をさせる。
 
 
たまに、あまり上手じゃないインタビュアーと仕事をすると、「間」の取り方がヘタで、会話がギクシャクすることもあるのだ。
 
 
しゃべりまくって、あっと言う間の収録だった。
 
 
 
 
正直、もっと、しゃべりたかった。
 
 
 
 
実は、今回は大学から准教授2名をカバン持ちとして同行させる予定だったんだけど、うちのオッパッピー娘が風邪をひいて、東京にいっしょに行くかどうか、当日までもめてて結局誘えなかった。
 
  

スマン、スマン。
 
 
 
次は、所さんでも、鶴瓶でも、タモリでも、スタジオで紹介しますからね。
 
  
  
ちなみに、オンエアは、2月16日(土曜日)の午前11:00〜11:25。
 
 
 
見てね。
 
 
 
しつこいようだけど、城戸研究室の現役学生、卒業生、柏木さん、坂本さん、後藤さん、出井さん、片山さん、西田さん、御手洗さん、いつものように前もって水風呂に入って身体を清め、サラの下着を身に着けて、正座して見るように。
 
DVDに録画して、家宝とすればなおよろし。
 
  
   
 
 
 
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2008年1月11日 (金)

日本科学未来館に城戸参上!

 
 
1月26日のイベントで、管理人が日本科学未来館で講演します。
子供でもわかるように、有機ELを説明し、ちょっとしたデモンストレーションもしまので、おヒマな方、有機ELに興味のある方、恐いもん見たい方、高校生、中学生、若奥様、どなたでもいらっしゃい。
 
 
            ・・・
 
「展示の前で研究者に会おう! 有機EL照明 実用化に向けて」
 
有機ELとは? 有機EL照明が未来の照明といわれる理由は? 実用化に向けた取り組みを有機ELパネル、有機EL照明を実際に見ながら解説します。(講師:城戸淳二[山形大学])
 
開催日時 2008年1月26日(土) 15:00~16:00
開催場所 3階 ロボットステージ
詳細はホームページまで。
 
            ・・・ 
 
 
 
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あかりプロジェクト

 
 
きょうは、NEDOプロジェクトのキックオフミーティングだ。
有機EL照明を実現するための国家プロジェクトで、この国のトップ企業が集った。
 
有機エレクトロニクス研究所と山形大学では、高効率材料と素子、そして低コストで作るための製造プロセスを開発する。
これが完成すれば、世界中の照明器具が有機ELに替わる程のインパクトなのだ。
 
このブログの読者には、管理人が単なる口の悪いアホ教授だと思っておられる方々が多いのではないかと思うのだけど、ホントはこの国を支える技術を国から任されるほどの大教授だということをこの際しっかり覚えておいていただきたい。
 
 
 
昼間のミーティングのあと、夕方から「志ん柳」で懇親会。
ここは和風の割烹料理店でヘルシーなんだけど、いつも事務の担当がココを使うので、そろそろ飽きてきた。
たまには、「ローズガーデン」あたりで、しゃれた立食パーティでも開いていただきたいものだ。
 
 
ビールやらお酒などをいただきながら、プロジェクトに参加されてる企業の方々と情報交換というよりバカ話をしてたんだけど、ある化学メーカーの方の奥様がこのバカブログの読者らしい。
 
 
NZ社のKさんの美人奥様もそうだけど、結構、こういう話は聞く。
実は、このサイトの読者は、6〜7割が勤め人で、約3割が奥様方。しかも、これまで鋭意努力して調査した結果、奥様方は統計的に「知的レベルの高い美人」が多いようだ。
 
 
 
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冗談はさておき、
 
プロジェクトの話に戻るけど、本来、19年度のプロジェクトだから、もっと早くスタートすべきなんだけど、通常、国のプロジェクトの初年度は、決定が遅いし、契約に時間がかかるし、早くて秋、おそいと冬にはいってスタートなのだ。
 
だから、3年間のプロジェクトでも、最後の年は年度末ギリギリまで研究開発できないので、結局、実質的に2年とチョットしかないのだ。
 
これって、問題じゃないですかねえ。
 
 
 
プロジェクトに参加している研究員には、うちの卒業生もいる。
その一人は、隣町に住んでいるのだけど、彼の上司と管理人が和気あいあいと夢を語っているところにワインとグラスと持って割り込んできた。
 
鮒鮨の話とか、セコムの話とか、お好み焼きの話とか、バカ話をした最後に、上司に向かって「きょうはタクシーで帰ってもいいですかねえ」なんて、ずうずうしく聞いている。
 
 
お前は、そのためにワインを注ぎに来たのか!
お父さんは、そんなバカ息子に育てた覚えはな〜い!
 
 
 
 
 
 
 
「学生は教授の鏡」って、ウソだからね。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年1月10日 (木)

賀詞交歓会

   
 
午前中は、「有機構造化学」の講義をして、昼からは秘密のベンチャーの打ち合せ。
そして、夕方から米沢電機工業会の賀詞交歓会に行ってきた。
  
 
Photo
 
 
米沢というと米沢牛だけど、産業の中心は何と言っても電気・電子関連で、製造品出荷額では東北でもトップクラスなのだ。
だから、集った人達は米沢を支える会社のキーパーソンばかりだ。
 
 
工業会の副会長の青木さんの挨拶に始まり、米沢市の安部三十郎市長、大場工学部長と続いた。
いつものことながら、安部市長のご挨拶は管理人の悪い頭ではおっしゃりたいことがイマイチ理解できなかった。
それに対して、うちの大場工学部長は、元気のある挨拶でストレートをどまん中に投げた。
 
 
ビールをいただきながら、ワハハワハハとご機嫌になっていたら、地元のケーブルテレビにインタビューされてバカみたいな赤ら顔を米沢市民にさらしてしまった。
 
 
ちょっと、恥ずかしい。
 
 
 
 
正月気分もこれでおしまい。 
 
 
 
 
 
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2008年1月 9日 (水)

学生は教授の鏡

  

出張の際に読んだ1月7日付けの日経で、内閣府総合科学技術会議の有識者議員である相澤益男教授が大学院の改革「量より質を」を提言されている。
 
要点は以下のとおり、
・ 日本は優秀な頭脳の国際循環の蚊帳の外。優秀な研究者と学生を世界中から惹きつけ、日本の研究者も世界で活躍すべき。
・ 大学院での教育機能と研究機能の仕分けが不明確。学生が単なる研究補助者となりがちで、研究はポスドク中心で行うべき。
・ ポスドク1万人計画で数は増えたが、切り替えが進んでおらず、量的拡大は達成されたが、質的拡大は達成されていない。
・ 質的充実を図るために、教育機能を明確化するとともに、国際水準のコースワークを進めるべき。
・ 博士のキャリアパスの多様化を進め、博士やポスドクの社会的循環を拡大すべき。
 
 
相澤先生は管理人と同じく高分子化学のご専門で、個人的にも存じ上げており、尊敬する人物である。
   
  
そこで、現役の教員、研究者として日本の大学院の問題点を少しばかり付け加えたい。 
 
 
まず、日本が優秀な頭脳の国際循環から外れているのは事実である。
だとすると、なぜ、そうなったのか考えなければ解決策は見いだせない。
 
たとえば、アジア人学生にとって、もっとも行きたい外国はアメリカであり、次がヨーロッパ、そして日本である。
以前、山形大に来ていたある留学生は、ハッキリこう言った。
 
「高い奨学金がなければ日本には来ませんよ。」
 
もちろん、皆が皆、こう考えている訳ではないだろう。
しかし、日本という国は、学問的にも、観光的にも、すべての面で魅力のない国であることは確かなのである。
 


留学生の気持ちになれば、この訳はよくわかる。
  
ご存知の方も多いと思うが、わたしは、自慢じゃないけどアメリカの大学院を卒業した。修士、博士の5年間をニューヨークで過ごしたのだ。
だから、私の英語はブルックリン訛りである。(ウソです)
  
実は、その間、学費は一銭も、というか1セントも払っていない。どころか、生活費を月に数万円もらっていた。
博士号を取得するのに、結局、日本で進学するより、安くついたのである。
  
今でも、アメリカの化学系の大学院生は、ほぼ100%授業料は免除で、リサーチアシスタント(RA)かティーチングアシスタント(TA)で給料をもらう。
だから、私のアジアからの友人の多くは、数人で共同生活し、生活費を切り詰めて貯金すらしていたのである。
 
 
 
それに対して、いまだに日本では博士課程の学生に対する支援体制は整っておらず、多少のバイト料は出せても、研究費から授業料を出してやることなどままならないのである。
  
日本人ですら、保護者に金銭的な余裕がなければ博士課程に進学できないのである。
これまで、優秀な学生を博士課程に進学させたくても、できないことがよくあった。 
 
 
  
さらに、劣悪な研究環境が留学生を拒み続ける。
 
教員一人当りの研究室の面積をアメリカと比べるとよくわかる。
ウサギ小屋のように狭くて薄汚れた研究室に、ハッキリ言って魅力はまったくない。
これは、文部科学省そして財務省が過去数十年にわたり施設や設備に予算を付けなかったからである。
 
独立行政法人化された今となっては、ますます厳しいだろう。
   
日本を代表する東京大学ですら貧乏である。本郷や駒場キャンパスでは、幽霊屋敷のような校舎がいまだに使用されているのを見たことがある人は多いだろう。
 
もし、わたしがアジア人学生なら、日本なんかには絶対に来ないネ。
設備が整っている山形大の城戸研究室は別にして…。
   
 
 
ついでに、 
 
大学院での教育機能と研究機能の「仕分け」には異を唱えたい。
  
コースワーク、授業が厳しいアメリカの大学院だからだろうか、実験のヘタな頭デッカチ君に出くわすことが多い。
要するに、知識が豊富だけど、実験できない輩である。
 
青色発光ダイオードの開発で有名なカリフォルニア大学の中村修二教授も、かつて企業からフロリダ大に留学された時に、実験技術レベルの低いポスドクや博士課程の学生に、ミスターだからとバカにされたことに憤慨されておられる。(詳細は、日本実業出版社「突然変異を生み出せ」中村修二、城戸淳二共著)
  
実は、城戸研究室には現在も過去もドクター君が研究員として在籍しているが、たまに頭デッカチ君に出くわすことがある。たとえば、理論や有機化学反応はたくさん覚えているけど、実際に実験したことがなく、しかもセンスもなく、「質の低くて」戦力にならないのだ。
 
だから、日本の大学院教育において、実験を少なくして授業を中心に据えると、弊害がとても大きいことは明白である。アメリカの欠点を日本に輸入することはないし、日本人の良さは手先の器用さと勤勉さなので、これをトコトン伸ばす「教育」をしないと欧米には勝てないと思う。
 
もちろんここで言う「教育」とは、コースワークではなく、研究しながら実地訓練で教えることである。
 
中村修二や城戸淳二のような科学者は決して「コースワーク」からは生まれない。
 
 
 
それと、
 
ドクターの質的な拡大を求めるなら、教員の質的拡大をまず求めるべきであろう。
 
とにかく、ポスドク1万人計画とかで大学院の定員枠を増やし、ドクターをむやみやたら増やしたので、質が低下した。これは、教員が一定レベルに達していない学生に博士号を与え過ぎたためである。
 
要するに、手抜き教員のせいである。
 
博士号を取得するのに、城戸研究室では、研究を「ドクターとして」推進できるようになり、実験も自分で考案して実施し、論文をまとめられなければならない。
 
ドクターはマスターの延長ではないのだ。
 
そこまで育つまで時間をかける。
  
これが、責任ある「教育」と言うもんじゃないだろうか。 
 
 
 
実は、過日、研究員のポジションに応募してきた新卒のドクター君を面接した。
  
専門は、有機合成と言うが簡単な化学構造式も満足に書けない。
もちろん、有機化学反応など知るはずもない。
聞くと、教授から言われた実験をして論文をまとめたとのこと。
私にとって、彼は「ミスター」であって「ドクター」じゃない。
 
もちろん、面接結果は不採用である。 
 
要するに、ドクターの質が低いのは、コースワークうんぬん以前に、日本の大学の博士課程の「教員の質」がバカバカシイほど低いのである。
 
たとえ「研究者」としては、そこそこでも、研究者を育てると言う意味での「教育者」としては三流なのだ。
 
三流教育者に一流の研究者が育てられる訳がないのだから、まず、教員の質を高めること。これが学生の質の向上につながるのである。
  
 
 
では、どうすれば、教員の質が高まるのか。
 
 
 
まず、助教(昔の助手ね)採用の際、アメリカのように任期をつける。5年ぐらいが適当だろう。
そして、任期終了時に審査をして、そのパフォーマンスによりパーマネントなポジションにそのまま着けるか、契約終了し辞めていただくか、判断するのである。
 
パフォーマンスも、論文数、外部資金取得額、講義、学内外での活動など、トータルで判断する。 
アメリカでは常識だけど、このような「テニュア制」を採用している日本の大学は少ない。
 
 
 
また、教員のモチベーションを高めるために、インセンティブを与えることも重要だと思う。
 
アメリカでは、外部資金を調達すると自分の給料が増える。
すなわち、プロジェクトが多い教員ほど年収が高いのである。
だから、同期の教授と言えども、収入に大きな差が開くこともある。
 
いまの日本の制度じゃあ、研究して論文書こうが書こまいが、収入に差がない。
研究が二流の教授に一流のドクターは育てられない。
 
いますぐ、始められる対策としては、大学側が教員の研究費からピンハネする「管理費」を直接教員に還元するのである。
たとえば、年間で管理費として300万円ピンハネしているとすれば、そのうちの30%程度、90万程度を教員に返すのである。
 
教員が生活費、遊興費として使いたければそれでもよし、研究費として使いたければそれでもよし、自由に選ばせればいいのである。
 
以前、首都圏のどこかの私学で学生のバイト料をピンハネしたり、カラ出張して裏金作ったりしていた教授がいたようだけど、すべて情報公開してインセンティブとして与えれば、こんな問題起こらないのである。
 
 
  
  
だから、大学院改革は、「コースワーク」や「ドクターの質」を議論する前に、「教員の質」をどうやって上げるかを議論しなければならないのである。
  
 
 
   
「子は親の鏡」と言うように、「学生は教授の鏡」なのである。 
 
 
 
 
 
 
 
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松下の150型プラズマテレビ

 
 
asahi.comより引用:
 
米国で開催中の世界最大の家電展示会「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、松下電器産業は「ハイビジョン(HD)に囲まれた生活」の魅力を消費者に訴える戦略を発表した。テレビ、デジタルカメラ、ビデオカメラなどのHD機器をひとまとめにして売り込む。さらに次世代テレビの一つとして世界最大の150型プラズマテレビも公開した。
 
坂本俊宏専務が会場で基調講演し、薄型テレビの先端技術を紹介。150型のほかには、厚さ2・47センチメートルのプラズマテレビを披露した。150型プラズマテレビの商品化は「尼崎第3工場(兵庫県尼崎市)が稼働する09年を目指す」(坂本専務)という。
 
 
     - - -
 
 
価格は1400万円らしい。
 
 
 
ハッキリ言って、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
欲しい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
無償貸与いただけましたら、家を改造します。
 
 
 
 
 
 
  
 
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2008年1月 8日 (火)

所さんの目がテン!

 
 
昨日の仕事始めが京都への出張だった管理人、今年も忙しいのだ。
 
一泊して、きょう、午後1時に米沢に戻り、大学に行ったらすぐにロケ隊がきた。
所さんの目がテン」の収録だ。
有機ELテレビや有機EL照明の最新技術を紹介したいとのこと。
 
まず、大学で材料の話をしたり、有機ELの基礎的な説明をしたり。
光発光(Photo Luminescence)、化学発光(Chemi Luminescence)、電界発光(Electro Luminescence) をデモした。
 
 
(写真)まずは、化学発光の実験です。有機色素は化学反応でも光るのです。
Photo_2
 
 
(写真)大学研究室で作製する有機ELのテストピースなどを撮影。
Photo_5
 
 
 
移動して、有機エレクトロニクス研究所では、有機EL照明器具や大型パネルを撮影した。
 
 
(写真)きれいな有機ELパネルを撮影中。
Photo
  
 
(写真)カメラを向けるとヒョウキン者に変身のレポーター、矢野明仁さん。
普段着なので、最初はADさんかと思ったんだけど、インタビューはお上手。
プロやで。
Photo_4
 
 
(写真)世界最大、最高輝度の大型白色有機ELパネル。
Photo_3
  
  
結局、午後1時から7時過ぎまで撮影。
結構かかったなあ。
  
  
放送は1月20日の朝7:00から、日本テレビ系列で。
  
 
見てね。
 
 
 
 
 
わかっているとは思うけど、城戸研究室の現役学生、卒業生は、いつものように前もって水風呂に入って身体を清め、サラの下着を身に着けて、正座して見るように。
 
特に、ユポ・コーポレーションの溝口慎一。
 
 
  
   
 
  
 
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2008年1月 7日 (月)

あけまして おめでとうございます

 
 
きょうが仕事始めの方、多いと思う。
 
このバカブログは、会社からアクセスされる方が7割以上おられるので、みなさんが正月気分で酔っぱらっておられる間に、ブログランキングのランクがとんでもないところまで下がったのだ。
 
まずは、ご自分の目で確かていただきたい。
 
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ほら、大変なことになっているでしょう。
 
 
 
だいたい、このサイトのお客さんは、いいのか悪いのか、他のサイトと違って知的レベルが高く(たまに例外がおられるようだけど)、土日や夜中のアクセスが少ない。
 
正月のように休みがつづくと、アクセス激減なのだ。
 
だから、みなさんには、少し反省していただき、これから毎日、ポチッをお願いしたい。
 
 
 
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誰も語らない産官学連携の問題点

   
  
これで「正月スペシャル」も最終回となりました。
フジサンケイビジネスアイ、i's eye(アイズアイ)というコラムに掲載された管理人城戸の拙文。
 
最後まで、ぶっちゃけとります。
 
 
 
  
2005年7月14日掲載 
 
 
「誰も語らない産官学連携の問題点」
 
 
6月25、26日に京都で開催された第4回産学官連携推進会議に聴衆の一人として参加した。まず、参加者が3000人もあるこのような会議が開かれていることを今回初めて知り驚いた。しかも主催は内閣府、総務省、文部科学省や経済産業省など、国を挙げてのイベントであり、国を挙げての産官学連携の大合唱である。
 
大学の研究シーズを産業化につなげようというのが、産官学連携の目的である。本会議では、大学側と企業側の研究シーズとニーズのミスマッチや、学生の教育に関する問題点、すなわち博士課程の学生が専門性が高すぎて企業では使えない、などが指摘されていた。これは、産学連携後進国日本では致し方ないことで、時間が解決するだろう。
 
むしろ、産学連携の本質的な問題点は、少なくとも6割の大学教員は企業との共同研究に興味はなく、自分の好きな研究を行っているということである。もちろん、企業のニーズに応えない長期的な基礎研究は重要であるが、重箱の隅をつつくような単なる暇つぶしにも見える研究が少なくない。
 
実際、産学連携に熱心で、しかも研究能力に抜きんでた教員は全体の数パーセントいればいい方であろう。したがって、産官学連携のための理想的な制度を構築しても、現場の教員が期待されるような働きをしなければ、「仏作って魂入れず」となるのである。
 
では、どうすれば大学教員を活性化し、眠りから覚めさせることができるのであろうか。一つの方法は、教員にインセンティブを与えることである。すなわち、文部科学省からの科学研究費補助金や企業からの共同研究費の一定の割合を教員の収入とするのである。そうすれば、外部資金を調達すればするほど、教員個人の収入が増え、やる気が出るというものである。現状では、教員である我々が研究活動を行ったり、国家プロジェクトのリーダーを引き受けても、すべてボランティア活動であって一銭の収入にもならない。
 
また、講義の単位を売り買いできるようにし、外部資金が豊富な教員が、研究よりむしろ講義でその能力を発揮する教員に対して、研究費から講義負担料を支払い、換わりに講義を担当してもらうのである。だから、講義を持てば持つほど高収入となる。したがって、研究能力や講義能力のある教員は今より高い収入が得られ、なんの能力も持たないダメ教員と差がつくのである。
 
未来の優秀な教員、すなわち優秀な学生を博士課程に進学させるのにも工夫がいる。今のような経済状況では授業料や生活費を博士課程の3年間も負担できる親は多くない。実際に、博士課程に進学したくとも両親の援助が得られずあきらめるケースは多い。
 
したがって、アメリカのように指導教員が研究費から学生の授業料や生活費の一部を負担できるようになれば、博士課程へ進学する学生の数は一気に増えると考えられる。そのためには、科学研究費補助金や共同研究費からそのような項目へ支出することが許される必要がある。
 
ダメ教員の割合を減らし、研究能力のある教員の元で優秀な学生が研究に打ち込める環境さえ整えば、いまさら産官学連携を声高に推進しなくとも、大学の研究シーズは確実に産業につながる。
 
どうも教員の質の問題を議論するのはタブーのようである。
 
 
 
 
 
 
 
シリーズ完読有り難うございました。
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2008年1月 6日 (日)

花蓮市

  
 
帰国した。
 
台北から仙台までひとっ飛びで、見ていたジョディ・フォスターの映画が最後の一番いいところで終わりそうでちょっとあせった。
 
機内食も含めて、この一週間中華ぜめ、しかも常に130%の満腹状態だったので、なんだベルトがきつくなったような気がする。
 
気のせいだったらいいんだけど…。
 
 
  
ところで、
  
今回の旅行での、MMM(Most Memorable Meal)は、花蓮市で食べた地鶏に決定した。
(別に、決定しても何の意味もないけど)
 
 
ここは、花蓮市の郊外の道路脇にある小さな店で、整備工場のような外観をしている。
 
 
(なんだか胡散臭い店)
Photo_14
 
 
鉄製の壺の中で、炭を使って鶏を丸ごと蒸焼きにしただけの料理だ。
 
 
(原始的な調理法です)
Photo_15
 
 
けど、お肉の弾力といい、ジューシーさといい、香ばしい皮のトロトロ具合といい、「絶品」とはまさしくこのことだろう。
   
特に、蒸してる時に、タラ〜リ、タラ〜リ、と垂れる油を集めた「ソース」は、melted butterに少々塩味をつけたようなマッタリ感があって、ディップして食べたらお肉と見事に調和した。
   
声が出ない…。
 
 
(激ウマ)
Photo_16
 
       
この料理は調理に50分かかるので要予約である。
実は、ここは宿泊先の民宿のオバサンに教えてもらった。
 
  
ちょうど、大晦日に泊まったので、その夜は願いを込めた紙製の気球を上げた。
  
みんな思い思いの願いを気球に書くのだけど、日本から来た大学教授としては品格のないことは書けないので、「世界平和」と書いたらみんなケラケラ笑っていた。
  
なにが、おかしい。
 
 
石頭的家という民宿。日本語の意味は「石の家」なのだ。花蓮は大理石の産地として有名。)
Photo_17
 
 
(願いを込めた気球が飛んで行く。世界が平和になりますように。)
Photo_18
 
 
花蓮市では、義兄を訪ねた。
義兄は漢方医で、診療所があって地区の理事長も務めている。
漢方を使った不妊治療には、絶大な自信を持っていて、実際に子供ができたのでお礼に来るひとが絶えないぐらいだ。
 
 
恐るべし、漢方。
 
  
 
(診療所です)
Photo_20
 
 
  
充実しまくりの一週間であった。
 
 
 
(海岸線が綺麗な花蓮)
Photo_21
 
 
 
 
 
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選択と集中で技術発信型バレーを

   
  
今回は「正月スペシャル」第六段。
フジサンケイビジネスアイ、i's eye(アイズアイ)というコラムに掲載された管理人城戸の拙文。
  
今回も、言いたい放題です。
 
 
  
2005年6月14日掲載 
 
 
「選択と集中で技術発信型バレーを」
 
 
地方の講演会などで、「これからは地方の時代」などというタイトルを見かけるが、これはウソである。実際に地方に住むと、商店街はシャッター通りとなり、工場が抜け殻になり、町に活気がなくなりゴーストタウン化していくのが実感できる。
 
この原因のひとつは地方から都市部への人材の流出であることは疑いない。特に首都圏への産業の集中は異常であり、地価は高騰し、サラリーマンは一生働いても家は買えず、交通機関はすでに輸送能力の限界を超えている。
 
では、どうすれば低予算で効果的に人材を地方に分散して活性化できるであろうか。
 
それには、まず地方に産業の元となる研究開発の拠点をつくることである。スタンフォード大を中心にしてIT(情報技術)産業が集積したアメリカのシリコンバレーがお手本である。地方自治体はこれまでのように単に工場を誘致するだけではなく、研究所も誘致あるいは自前で設立するのである。
 
たとえば、2年前から山形県でスタートした「有機エレクトロニクスバレー構想」がある。これは山形県が43億円の予算を投入した地域活性化プロジェクトであり、その中核機関として有機エレクトロニクス研究所を自前で設立した。
 
ここで研究している有機半導体技術は次世代の半導体技術として期待されており、地元にはディスプレイメーカーや装置メーカー、二次加工メーカーなど、次世代半導体技術を待望する企業が多い。しかも、山形大学工学部では有機半導体を用いた発光素子である有機エレクトロルミネッセンスの先端的な研究を行っているという好条件が整っている。
 
このプロジェクトを加速させるためには、県ばかりでなく国もこのバレー構想に大型予算を優先的に配分すべきと思う。国が有機エレクトロニクス研究所および山形大学工学部を有機半導体研究の中心的研究機関と位置づけて大型予算を投入すれば、有機半導体の研究に興味を持つ優秀な研究者は国内外から山形に集まるだろう。すでに、山形大学工学部には全国から有機エレクトロルミネッセンスを目指して学生が集まっているのである。
 
元来、研究活動は生活が不規則になるので、通勤に多くの時間を割いてストレスをためるようでは創造的な仕事はできない。ブレークスルーなど生みだせっこない。地方のゆとりある生活環境でこそ研究者の能力が最大限に発揮できるのである。
 
研究拠点が地方にできれば、その結果として優秀な人材が全国から集まり、国際化も進むだろう。研究開発の成果が利用されて地元企業は活性化する。基礎技術、部材、量産・組立工場まで一ヶ所に集まると、それを目指してさらに人と金と企業が集まる。まさしく、ものづくりバレーの誕生である。
 
しかも、このような技術発信型バレーを地方に構築するには、国は科学技術開発予算を増やす必要はない。単に、ばらまきをやめて、選択と集中を徹底するだけでいいのである。
  
もちろん、地方自治体も単に研究だけではなく、企業誘致のために補助金を出したり、法人事業税の減免措置を講じることが不可欠である。その際、国は法人事業税の減免措置を講じる地方自治体に対して地方交付税をその分減らすなどというセコイことをすべきではない。
  
すなわち、国がまず地方活性化を推進する態度をあらゆる側面から示すことである。
 
地方が活性化しなければ、国は活性化しないのである。
 
 
 
 
 
 
 
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2008年1月 5日 (土)

台北の市場

 
  
きょうは最終日なので、ちょっと買い物をした。
 
台湾と言えば、お茶。
とてもおいしいお茶が手に入る。
 
  
今回は、香りがすばらしいキンモクセイのプーアル茶と、なんとものど越しのいい東方美人と言うウーロン茶を買った。
試し飲みができるので、お好みのお茶を選べるのがいい。
Photo
 
 
Photo_2
 
 
Photo_13
 
 
  
午後は、ホテル近くの市場を散歩。
台北は高層ビルも多いけど、むかしながらの町並みもたくさん残っている。
 
 
Photo_3
 
 
  
烏骨鶏を発見!
カゴの中でも、まだトウモロコシを与えられていて、元気満々だ。
Photo_4
 
 
 
 
 
 
 
しかし、
 
 
 
 
 
 
 
次の瞬間、こんな姿に…。
Photo_5
 
 
 
 
 
嗚呼、無情。
 
食物連鎖や。
 
 
 
 
 
近くには、料理されたトリも並ぶ…。
Photo_6
 
 
 
魚屋には、おいしそうな太刀魚が。
日本では夏の魚だけど、台南に行けば、いまでも夏なのだ。
Photo_7
 
 
 
果物も日本では見かけない「リャンウー」が。
これは、梨のような味がしておいしい。
Photo_8
 
 
 
タマも発見。
 
ここでは、時間がゆっくり流れているのだ。
Photo_9
 
 
  
ところで、今回の台北での投宿先は、「The Landis」。
ここは、高級ホテルで、団体客などいなくて雰囲気が落ち着いてる。
部屋も広い。


実は、妻がネットで特別割引価格を見つけたのだ。
3人で一晩2万円だから安い。通常なら4万はするらしい。
 
贅沢の極みや。
 
 
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Photo_12
 
 
 
 
 
ぜひ、皆さんも台湾へおいでくださいまし。
 
 
 
 


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研究者が報われる社会に

  
 
今回は「正月スペシャル」第五段。
フジサンケイビジネスアイ、i's eye(アイズアイ)というコラムに掲載された管理人城戸の拙文。
 
今回もエエこと言うとります。
 
 
  
2005年5月23日掲載
 
 
「研究者が報われる社会に」
 
 
百年後、真に豊かな日本経済を構築するために、われわれが今なすべきことは何か。ということで、先日テレビの取材を受けた時、少し考えてみた。
 
教員そして研究者という立場から、いま何をすべきかを考えると、それは「人材育成」に尽きる。
 
小学校の時に日本は原料を輸入し、それを加工、輸出して成り立っていると習った。これは今でも変わらないし、将来でも変わらないであろう。技術立国日本は、戦後の貧しい時代に松下幸之助や井深大のような技術者がハングリー精神をバネに築き上げたと思う。
 
しかし、今ではフリーターやニートと呼ばれる無気力な夢も希望も持たない若者が増え、「ハングリー精神」と言う言葉さえ死語になりつつある。このような豊かな時代に、大志を抱く人材をどうやって生み出すのか。
 
それには、まず研究者や技術者が報われる社会を作ることではないだろうか。
 
二十年ほど前にアメリカに留学していたとき、大学教員や国立研究所の研究者がベンチャー企業を立ち上げるのを見てきた。アメリカにはベンチャーを育てるためのSBIR(Small Business Innovation Research=中小企業技術革新制度)のような支援プログラムが完備しており、研究者であってもベンチャーを成功させて億万長者になった研究者は数多い。
 
一方、日本にはアメリカのようなベンチャーを支援する本格的なプログラムもなく、ベンチャーキャピタルの規模も小さい。最近ではベンチャーブームで、数多くのベンチャー企業が生まれたものの、年金生活しながらの趣味の域を脱してない趣味的起業や大学教授の副業的な起業があまりにも多く、アメリカの本気のベンチャー企業と大きなギャップがある。
 
さらに、国内企業は製造業であっても文系の経営トップが多く、技術および技術者を理解していない場合が多い。ひどい場合には、ひな壇のお飾りのような経営の「ケ」の字もわからない単なる有名人を経営トップに据える大企業すらある。
 
このような文系経営者は、「企業の研究者はリスクなしで、好きな研究やってるんだから発明に対する報酬は少なくていい」などと、バカなことを平気で言う。だから、いまだに多くの企業では発明に対する報償金の額は、たばこ銭程度の微々たるものである。
 
あの青色発光ダイオード中村裁判のおかげで、少しは状況はよくなったようであるが、まだまだ文系経営者の認識は低い。週末に海外に小遣い稼ぎに行く技術者が非難されているが、彼らの置かれている奴隷のような立場を考えれば、はたして非難できるであろうか。それなりの収入を得ていれば、出稼ぎなど必要ないのである。このままでは優秀な研究者、技術者が会社を捨て、国に愛想を尽かして海外に流出し続けるだろう。
 
はたして、「野球選手は好きな野球やってるんだから、年棒は低くてもいい」なんて言うバカな球団オーナーがいるだろうか。もしいれば、優秀な選手はすべてメジャーリーグに行くだろうし、この国には野球選手になろうとする若者も現れなくなるだろう。
 
だから、将来の技術立国をしょって立つ研究者や技術者を生み出すには、まず研究者や技術者が報われるような社会に変えることだと思う。でなければ、近い将来この国には優秀な研究者や技術者はいなくなるろう。今すぐにでも絶滅危惧種に指定して保護すべきである。
 
 
 
 
 
 
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2008年1月 4日 (金)

新竹市

 
 
台湾旅行中である。
きょうは、新竹市に行った。
 
国立研究所である工業技術研究院に義弟を訪ねたのだ。
研究院には、6つのコア研究所と5つの研究開発センターがある。
義弟のラン教授は、太陽光電科技中心(太陽電池技術センター)のセンター長なのだ。
国立台湾大学の教授と掛け持ちで、台北市と新竹市を行ったり来たりしている。
 
 
執務中のセンター長(の姪)。
Photo
 
 
右がラン教授、左は観光客。
Photo_2
 
 
研究センターを見学後、研究院のVIP用のレストランで、他の研究センターのセンター長らを交えて昼食。
豪華中華料理が並んだ。
  
昼間ッからbig dinnerやで。
 
 
Itri
 
 
研究院のメンバーは皆若くて、センター長と言っても40代だ。
大学教授が掛け持ちしているケースがほとんどで、研究者としても現役のバリバリだ。
だから、モチベーションが高い。
 
どこかの国の研究所長が、現役を退いたお年寄りの名誉職として存在するのとは大違いだ。
 
 
 
昼食後は、有機ELと関連のある電子興光電研究所(エレクトロニクス&オプトエレクトロニクス研究所)のフレキシブルエレクトロニクス部門の部門長であるHou教授に研究施設を案内いただいた。
 
有機トランジスタや有機ELをロールtoロールで製造するためのパイロットプラントが設置してあり、台湾の有機デバイスへの大きな期待が感じられる。
 
残念ながら、日本にはないね。
  
有機ELに関しては、有機EL照明を樹脂基板を巻き取りながら製造する技術を開発中とのことだ。

 
  
心の中で、Good Luck、とつぶやいた。
 
 
 
夕方、台北のホテルに戻り、近くの足裏マッサージに。
ここはオープンしたてで、施設が最新で気持ちいい。
椅子など、飛行機のファーストクラスのようにゆったりしていて、液晶テレビまで備え付けてある。
70分で足裏と肩と背中をやってもらって1200元(日本円なら4000円ちょっと)だから、安い。
 
背中と肩のコリをほぐしてもらい、なんだか背筋が伸びたような気がする。
それに、頭のツボを押してもらって、目がよく見えるようになった。
 
満足度120%。
 
 
Photo_3
 
 
夕食は、義弟家族と飲茶(やむちゃ)を食べに行った。
ホテルの11階にあるお店で、台北でも5本指にはいるかも知れない。
エビ餃子のプリプリ感なんて、横浜の中華街なんかでは絶対に味わえませんな。
  
 
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Photo_5
 
 
 
腹ごしらえが終わって、夜店に出動。
きょうは、観光客としていそがしいのだ。
 
 
夜店とそのにぎわい、
そこには、50年前の日本があったな。
 
 
子供パチンコ。
Photo_8
 
 
パチンコの景品です。
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スマートボール、みたいなもの。
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かき氷のトッピング、らしい。
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おでん、のような食べもの。
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パンケーキみたいな食べもの。それなりの味。
タマゴ付きの方がおいしいと思う。
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オモシロイねえ、台湾は。
 
 
 
  
  
 
 
 
いつの間にか、順位が下がっております。
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有機のあかりが世界を照らす

 
 
今回は「正月スペシャル」第四段。
フジサンケイビジネスアイ、i's eye(アイズアイ)というコラムに掲載された管理人城戸の拙文。
 
今回も好き放題言ってます。
 
 
  
2005年4月22日掲載
 
 
「有機のあかりが世界を照らす」
 
 
有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子は、発光性を有する有機物質を電気的に光らせる、いわば電気で光らせる人口蛍みたいなものである。この革新的な発光素子を照明器具に用いる研究が世界的に注目されている。
 
照明には白色光を利用するが白色発光する有機EL素子は、実は今から10年ほど前に日本で、ここ山形大で初めて生まれた日本発の技術である。現在、効率は白熱電球と蛍光灯の中間程度であるが、2〜3年後には蛍光灯に追いつき追い越し、10年後には、消費電力で蛍光灯の半分以下になるだろうと予想されている。最終的には、照明で消費する国内の電力の約4割を削減できるところまで高効率化が進むと考えられている。
 
したがって、有機EL照明は非常に大きな省エネ効果や二酸化炭素の排出量の削減効果も期待できる技術として、国家戦略の中に位置づけて開発を推進すべき技術であるが、現実には国としての取り組みが、はなはだ積極性に欠けるのである。具体的には、有機ELの技術開発に経済産業省が費やす研究開発予算といえば、たかだか年間数億円程度である。
 
一民間企業の研究開発予算よりも少ないのである。特に、有機EL照明の開発としては、現在我々が経産省から外郭団体の新エネルギー・産業技術総合技術開発機構(NEDO)を通じて委託されている3年間で3億6千万の研究費のみといっていいだろう。
 
これに対して、欧米では単に省エネ光源としてだけではなく、水銀フリーの環境適合型照明としても積極的に開発を進めている。特にEU(欧州連合)では、水銀を使う従来の蛍光灯の使用が規制されるのを受け、今年から100億円を超える予算を投入して、有機EL照明のプロジェクトを立ち上げ、遅れている有機EL照明技術で日本に追いつき、一気に追い越す方針を立てた。
 
世界的な照明市場では、欧米メーカーのフィリップス、オスラム、ゼネラル・エレクトリックが、世界三大照明メーカーとして君臨している。有機EL照明で一気に国内照明メーカーが世界に打って出るチャンスがあるのに、このままでは世界地図を変えられそうにない。
 
3月下旬に小泉純一郎総理や中川昭一経産大臣に、関係省庁を通じて我々が試作した世界初である有機EL照明器具を見ていただいた。総理や大臣にはずいぶん気に入っていただいたようであるが、現場や産業界が直面している問題点を、果たしてお役人は説明したのであろうか。一昨年は、与党の政調会長の視察団が山形大の当研究室を訪問され、昨年は私が所長を務める山形県の有機エレクトロニクス研究所を民主党の岡田代表が訪問された。そのつど、夢のある有機EL技術を説明させていただき、経済効果のみならず地域の活性化やものづくり国家日本の復活、現場の直面している危機を直言させていただいた。しかし、いまだに役所が動く気配はない。
 
フリーターやニートと呼ばれる若者が増え、技術力の低下だけではなく、技術者さえも自前で調達できなくなりそうな日本。閉塞感の漂うこの国を変えるのには、私自身が政治家になって国を動かすしかないのであろうか。
 
有機の光が世界を明るく照らすとしても、日本だけは真っ暗ということにならないことを祈る。
 
  
 
 
 
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2008年1月 3日 (木)

台湾料理

 
 
30日に台湾にきてダイエットそっちのけで中華料理を食べ続けている管理人。
これまで印象に残った料理をご紹介。
  
  
まずは、花蓮市で行った創作中華料理のお店。
ここは、花蓮一の料理人のお店とかで、トロフィーとか有名人との写真とかが飾ってある。
ふつう、この手の店は、見せかけだけで味は期待できないんだけどね。
  
 
お決まりのトロフィー。
Photo_4
 
 
以下、コース料理の中でmemorableな三品です。
 
エビのすり身を使った揚げ出し豆腐だけど、中は大阪のたこ焼きの中身ようにマッタリしていて、外が軽〜くサクッとしていて、
…未知との遭遇や。
Photo
 
 
このノド黒ちゃんは、口の中でトロけました。
…絶品です。
Photo_2
 
 
〆のエビチャーハン。
おいしゅうございました。
Photo_3
 

恐るべし、花蓮一の料理人。
  
 
 
 
きょうの夕食は台北で客家(ハッカ)料理。
台湾には先住民族以外に、大陸から渡ってきた人達がいて、その中に客家人がいて、客家料理というのがあるのだ。
パオパオじょうじさんのブログで紹介されてたので行ってみた。
 
 
入り口です。
ここは、三店ある中で小さいお店です。
Photo_9
 
 
約8品を注文。
どれもこれも、おいしくって唸った。
台湾料理よりもマイルドで、デリケートで、日本人の口に合う。
紹興酒と絶妙のマッチングで、120%の満足度。
Photo_6
 
 
〆のタマゴチャーハンも客家風。
Photo_7
 

ここは、価格も手ごろです。 
お泊まりのホテルから近いお店へどうぞ。予約した方が無難。
Photo_8
  
  
台北には、もちろん広東や上海、飲茶に小籠包、いろいろおいしいものはあるけど、客家料理は他では食べられないので、ぜひ一度はお試しください。
 
 
グルメ研究家城戸と、パオパオじょうじさんがお勧めいたします。
 
 
  
 
 
 
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自由に企業と研究してこそ産学連携

 
 
今回は「正月スペシャル」第三段。
フジサンケイビジネスアイ、i's eye(アイズアイ)というコラムに掲載された管理人城戸の拙文。
 
今回も言いたい放題です。
 
 
  
2005年2月7日掲載
 
 
「自由に企業と研究してこそ産学連携」
 
  
産学連携がブームである。ブームということは、いずれブームが去ってすたれるということである。なぜか。
 
たとえば、大企業と大学との包括提携である。はたして、研究現場においてこれを歓迎する人はいるのだろうか。学長は喜ぶ。特に旧帝国大では、メンツがあるので、学長や産学連携担当理事が旧知の社長や役員に料亭で話をつける。企業トップとしては、たかだか年間1億円程度の研究費だから広告料と思えば高くない。ヘタなテレビコマーシャルを打つより効果的である。ひょっとしたら成果がでるかもしれないし。
 
しかし、泣いているのは現場である。教員によってはすでに他の企業と共同研究している場合もあるだろうし、国のプロジェクトに関わっているかも知れない。そこに、なんの関係もなかった企業と大学が包括提携したところで、そんなものに本気で時間は費やさない。それに学内の大勢の教員に研究費を平等に分配すると、結局一人当たりは微々たるものになり、やる気も出なけりゃ責任感も感じない。
 
企業サイドでも研究費は結局のところ、研究部門の負担となり、研究開発予算が削減されることになって現場の研究者は泣いている。実際に包括提携したものの、思ったように成果が出ず(当然だけど)、派遣されてる研究者もアホらしくて会社に戻りたがってるプロジェクトは多い。
 
これに加えて大学の技術移転機関(TLO)が産学連携をダメにしている。国立大学が独立行政法人化され、各大学ではいろんな手段を使って収入を増やそうとしている。その中で、特許ライセンスで一獲千金を得ようと、文部科学省の後押しもあり、TLOを設置した大学は多い。知的財産も機関帰属にした。
 
ここでまず問題になるのは、大学の役員やTLOの担当者が、特許の本質を理解していないところにある。特許というものは、本来、製造業において発明者の権利を守るためにあるもので、モノを作ってナンボのものである。
 
何も製造しない大学が権利を持つと、共同研究企業に対して不実施補償を要求する。その額も一律何%と決めて交渉の余地のないところも多い。共同研究契約の交渉が暗礁に乗り上げているケースが全国に無数に存在するのである。
 
また、TLOにしても人件費や特許出願料、維持費等が十分に確保できていないし、あったとしても微々たる特許収入しかなくて大赤字である。大学にとっては不採算部門である。あと5年もたてば、ほとんどのTLOが姿を消すだろう。
  
では、どうするのか。
 
簡単である。
 
ここ山形大学のように、TLOをもたず知的財産も個人帰属にし、教員がこれまでどおり自由に企業と研究活動できる環境を整えることである。大学の知的財産本部がすべきことは、ウブな教員が企業にだまされないように、教育してあげることであろう。教員が外部資金を獲得すればするほど、大学の取り分である管理費も自動的に増える。
 
本気で産学連携で成果を出したい企業、自由に研究活動したい教員にとって、山形大学は理想郷ともいえる環境を備えているのである。
  
山形大学では産学連携はブームでは終わらない。
 
 
 
 
 
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2008年1月 2日 (水)

国家プロジェクトはなぜ失敗するのか

 
 
今回は「正月スペシャル」第二段。
フジサンケイビジネスアイ、i's eye(アイズアイ)というコラムに掲載された管理人城戸の拙文。
 
今回もちょっぴし過激です。
 
 
 
  
2005年1月12日掲載
 
 
「国家プロジェクトはなぜ失敗するのか」
  
 
科学技術分野における国家プロジェクトと聞くと、国が将来を託す科学技術を開発すべく、数百億という大金を投じて推進するもの、と誰もが思っている。また、プロジェクトリーダーがリーダーシップを発揮しながら企業のエリート研究者とともに、知恵を出し合い最先端技術を開発している、と思っているに違いない。その結果、企業は製品を高性能化したり、新製品を実用化したりして、利益をあげて国の経済発展に貢献している、とも思っているだろう。これらは、すべて間違いである。実は、国家プロジェクトのほとんどは失敗に終わり、実質経済効果はゼロである。
 
まず、国家プロジェクトといっても、予算はまちまちで一般的には十分な額が確保されていない。これは、多くの分野にばらまき、中途半端な予算のプロジェクトが乱立しているからである。民間では「選択と集中」が推進されているのに、役人の世界ではいまだに、公平に、まんべんなく、である。したがって、崇高な目標を掲げたプロジェクトであっても予算不足で目標に達しないまま終わる。
 
また、最近のプロジェクトでは、プロジェクトリーダーを置くようになったが、これまではリーダー不在のまま、「分散研」方式で研究テーマを各企業が持ち帰って実施していた。これでは単なる研究費のばらまき。もらった方は好き勝手に本来の目的以外にも平気で使う。リーダー不在イコール責任者不在であり、プロジェクトが目標に達せず、失敗に終わっても責任を取る人間はいないから、みな好き放題である。だから、現在進行中のプロジェクトでもリーダーの顔が見えないものは失敗に終わると見ていい。
 
たとえ研究者が一ヶ所に集まる「集中研」方式で実施したとしても、企業がエリート研究者を派遣するとは限らない。私は国家プロジェクトを姨捨山と思っている企業をいくつか知っている。すなわち、能力はないけどリストラできない研究者を集中研に送り込むのである。
 
リーダー間で話をすると必ずこの問題が話題になる。捨てられた三流研究者は、プロジェクトにとっては百害あって一利無し。研究開発が遅れるだけでなく、人間関係で問題を起こすことも多く、実質マイナス貢献である。企業のプロジェクト担当者にはぜひ考え直していただきたい。
 
他にも問題点としてピンハネがある。各省庁から実施者に直接研究費は配分されず、天下り先のいる外郭団体を経由することにより、いわゆる管理費という名でピンハネされる。さらに、このような管理団体が事務処理だけでなく、プロジェクトの内容にまで口出しして、リーダーをひな壇のお飾り状態にする場合は最悪である。管理団体が、自らの都合、利益だけを考えて口出して、研究テーマや参加企業を変更するようになると末期症状である。
 
さらに、担当省庁では、プロジェクトの立ち上げ、中間評価、最終評価の担当が異なり、担当が変わるたびにプロジェクトの方針が変更される。なぜなら、プロジェクトが変更なく成功すれば、それは立ち上げた人間の手柄になり、途中で関わった人間にはなんのメリットもないからである。
 
ビジョンなき役人の責任は大きい。
 
このような状況を我が国の各省庁の大臣はご存知なのだろうか。
 
 
 
 
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2008年1月 1日 (火)

デキル社長とデキナイ社長の見分け方

 
 
明けましておめでとうございます。
今年もこのバカブログよろしくお願いします。
 
 
 
 
今回から「正月スペシャル」として、以前、「フジサンケイビジネスアイ」に掲載された管理人城戸の拙文を紹介したいと思います。「i's eye(アイズアイ)」というコラムから。
 
 
 
 
2004年11月24日掲載
 
 
「デキル社長とデキナイ社長の見分け方」
 
 
先日、韓国に行ってきた。サムスン電子の前社長である李潤雨副会長と会うためである。彼はDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)事業と液晶事業をたちあげて、サムスン電子を数千億の利益をあげる大企業に育て、日本の電機メーカーをコテンパンにたたきのめした張本人である。私はこれまで次世代薄型テレビの本命とされる有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイの研究を通して、多くの国内メーカーとつきあってきた。技術力で圧倒的に勝る国内メーカーが、なぜ技術を持たないサムスンにここまで無残にやられたのか。以前から李氏にはとても興味があった。
 
彼の印象は一言で言うと、土建屋のオッサンという感じである。これはバイタリティーに富み、行動力があって、決断が早い、と言ういい意味である。DRAM事業や液晶事業は、信念を持って自分のクビを賭けて大型投資を続け、日本に勝つことを目標に突っ走ったと言う感じである。
 
対照的に日本の大企業のトップといえば、町内会長タイプである。会社の規模が大きくなればなるほど、ニコニコ顔の人のいいオジイちゃんばっかり。リーダーシップを発揮するというより、人畜無害な社内の調整役。重要案件はすべて会議で決定するから、無茶はしないし、できない。いつも他社の動向を見ながら投資すればいい。いわゆるサラリーマンの成れの果てであって、経営者とは呼べない。
 
けれど、国内企業の技術力はいまだに世界一である。これは、韓国や台湾で使われている製造装置や材料、部品が日本製であり、製造現場で日本人技術者が指導している、ということが証明している。Made in Koreaの製品は、Made by Japaneseなのである。
 
だから、国内製造業において「デキル社長とデキナイ社長」を見分けるのはたやすい。業績のいい会社にはデキル社長がいて、悪い会社にはデキナイ社長がいる。ただ、それだけである。
 
高い技術力を有しても利益を出す会社と出さない会社が存在するのは、投資の規模とタイミングの違いだけである。これだけ商品サイクルが短くなり、リードタイムの短縮が要求される状況ではグズグズしていられない。何事も即断即決である。特に液晶などの薄型テレビでの投資の額は莫大である。投資の額も1000億円を越えると、デキナイ社長はビビって決断ができない。
 
李副会長はこう言った。「日本は国が豊かだし、利益率は3%でいいじゃないですか。それでみんなハッピーじゃないですか。韓国は貧しいですよ。」確かにそうかもしれない。
 
けれど、今や大手電機メーカーの利益率は1〜2%である。終身雇用も無くなり、リストラもする。かつての技術大国日本の大企業の姿からはほど遠いのである。
 
利益率20%をたたき出すサムスン電子に秘密はない。単に、適切な額の投資を適切なタイミングで躊躇なくしてきただけである。
 
はっきり言って、今の国内企業に必要なのは、このようなリーダーシップが発揮できる経営者であろう。日産自動車がゴーン氏を迎えて立ち直ったように、電機メーカーも社外からプロの経営者を迎えるべきである。たとえば、サムスンの副社長を引き抜いて社長に迎えるとかね。
 
 
 
 
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