関西将棋会館
関西将棋会館 | |
---|---|
関西将棋会館 | |
情報 | |
用途 | 将棋の対局、将棋界の交流 |
管理運営 | 日本将棋連盟 |
階数 | 地上5階 |
竣工 | 1981年7月 |
所在地 |
〒553-0003 大阪府大阪市福島区福島6-3-11 |
座標 | 北緯34度41分55.9秒 東経135度29分14.5秒 / 北緯34.698861度 東経135.487361度 |
関西将棋会館(かんさいしょうぎかいかん)は、大阪府大阪市福島区にある、日本将棋連盟の施設。日本将棋連盟の関西本部が置かれている。1977年8月に建設計画を公表し[1]、1981年7月に竣工、同7月11日にオープンした[2]。JR西日本福島駅から徒歩3分。東京の将棋会館と同様、対局室が設けられており、関西所属の棋士の対局はここで行われることが多い。
老朽化のため、新会館の建設と移転準備が進められ(後述)[3]で、最後の公式戦対局は2024年11月28日の予定である[4]。新しい関西将棋会館は大阪府高槻市(JR高槻駅前)で2024年11月17日に開館記念式典が開かれた[4]。
施設
[編集]対局室には、水無瀬の間、錦旗の間、芙蓉の間、御下段の間、御上段の間がある。特に5階は、江戸城本丸で御城将棋等の公式行事に使用された御黒書院(おんくろしょいん)を模した作りとなっている[5]。このほか対局には使用しない和室(御入側の間[6])、多目的ルームがある。
東京と同様、将棋道場、将棋教室なども設けられている。4階には将棋博物館が併設されていたが、2006年10月に閉館となった。
フロア
[編集]※2015年1月時点。
5階 | 対局室(芙蓉の間、御下段の間、御上段の間)、和室(御入側の間) |
4階 | 対局室(水無瀬の間、錦旗の間)、多目的ルーム |
3階 | 事務所、棋士室(関係者控室)[7][8]、宿泊室[9] |
2階 | 道場、青少年研修室[9] |
1階 | 販売、カフェ・ダイニング「サーレアンドぺぺ」(2023年11月閉店=移転:レストラン「イレブン」[10]) |
将棋博物館
[編集]関西将棋会館の4階にある博物館で、日本将棋連盟が保有している将棋関連の資料を展示していた。中将棋・大将棋などの日本の古将棋(大局将棋は展示されていない)を復元した盤駒やチャトランガ・シャンチーなど同系統ゲーム、木村義雄十四世名人の家族から寄贈された将棋盤などが展示されていた。1981年には、名人三家のひとつである大橋家に残された古文書が寄贈されている。
2006年10月31日にスペース不足を理由として閉鎖され、所蔵品は大阪商業大学アミューズメント産業研究所に移管された。移管後は所蔵品の一部が同研究所内に常設展示されているほか、将棋に関する特別展示も不定期ながら開催している。
掛け軸
[編集]関西将棋会館の御上段の間には、四幅対の掛け軸がかけられている。これは、名人が実力制となって以降の永世名人四名の書で、『老子』の第二十五章から引用されている。
- 「天法道(天は道に法(のっと)り)」(十四世名人木村義雄書)
- 「地法天(地は天に法り)」(十五世名人大山康晴書)
- 「人法地(人は地に法り)」(十六世名人中原誠書)
- 「道法自然(道は自然に法る)」(十七世名人谷川浩司書)
ただし、永世名人は原則として引退後に襲位する称号であるため、揮毫者の谷川浩司が現役棋士である「道法自然」の掛け軸は、谷川が対局者もしくは立会人のときには外される。
旧施設
[編集]大阪では、天王寺から阿倍野筋をバスで10分ほど下った北畠に「関西本部」があった。元旅館だった建物を買い取ったもので二階建て[11]。1階が事務室・宿直室、2階が和室で、主に2階を対局場として使用した[12]。既に建物は取り壊され、2012年時点は駐車場となっている[12]。
移転計画
[編集]関西将棋会館 | |
---|---|
情報 | |
用途 | 将棋の対局、将棋界の交流 |
施工 | 大成建設 |
管理運営 | 日本将棋連盟 |
階数 | 地上階 |
竣工 | 2024年11月 |
所在地 | 大阪府高槻市芥川町2丁目2 |
東京・大阪ともに建物の建設から35年以上が経ち老朽化が問題になっていることから、2018年6月に開かれた将棋連盟の棋士総会にて、今後の方向性を決めるための委員会として「会館建設準備委員会」を設置することを決議した。委員長には羽生善治が就任したほか、森内俊之、中村太地、久保利明らも委員として名を連ねている[13]。
関西将棋会館については、2021年2月に、2024年秋を目処に高槻市へ移転する方針が打ち出された[14]。高槻市は2018年に連盟と将棋の普及に関する協定を締結しているほか、同地出身・居住の棋士が桐山清澄、福崎文吾、浦野真彦などもとも多く、「将棋のまち」を売り文句の一つとしている[15]ことなどから、今回の話につながったという。予定地はJR高槻駅きた西口そばの高槻市営バスのロータリー交差点がある場所(北緯34度51分2.68秒 東経135度36分52.53秒)で、そのロータリーを移転させた跡地に建物を建設する計画[16]。連盟では現在の土地を売却した上で移転先の土地を購入する資金に充てるとしている。
その後連盟は公募型プロポーザル方式により建設を担当する事業者を募集し、2022年7月に大成建設に優先交渉権を与えることを明らかにした[17]。大成建設の案によれば、新会館は現行と同じ5階建てで、5階の特別対局室は従来同様に江戸城の「御黒書院」を模した作りとするほか、セキュリティにも配慮し1・2階を一般向けの道場やホール、3階より上を連盟職員及び棋士のエリアとする。また会館に隣接して「関西将棋の森」と題した公園を設け、会館1階の道場と公園が一体となった運用も想定した作りとする[18]。一方で、飲食店等テナントの入居は想定していない。2023年9月13日に地鎮祭を行い着工し、完成は2024年10月を予定している[19]。
新・関西将棋会館[20]
- 移転先:大阪府高槻市芥川町2丁目2(市営バスJR高槻西滞留所 地上5階建)
- 完成予定日:2024年秋
2024年9月8日、新たな関西将棋会館のグランドオープンが同2024年12月3日に決定したことを発表[21]。関西将棋会館のオフィシャルショップ関西店と道場も同日移転オープンとなり、公式棋戦の対局についても同12月中に新会館で開始される予定。また、12月のグランドオープンに先立ち、お披露目会が同2024年11月17日の「将棋の日」に行なわれ[22]、記念対局として谷川浩司十七世名人対羽生善治でこけら落とし。この新会館に関して、日本将棋連盟が所有する事業用固定資産に対して固定資産税および都市計画税を課さないことを含む、全国初の条例「将棋のまち推進条例」を、新会館の所在地となる高槻市が「将棋の日」2024年11月17日に施行する[23][24]。
脚注
[編集]- ^ 『近代将棋』1977年10月号 p.111(国立国会図書館デジタルコレクション収蔵)
- ^ 『近代将棋』1981年9月号 p.11、193(国立国会図書館デジタルコレクション収蔵)
- ^ “高槻市移転の関西将棋会館 藤井2冠のホームグラウンドが駅徒歩1分に”. スポニチアネックス. (2021年2月22日) 2021年2月23日閲覧。
- ^ a b 「関西将棋会館が移転、開館記念式典…かつて腕を磨いた藤井聡太竜王や羽生善治会長らが門出祝う」読売新聞オンライン(2024年11月17日)2024年11月27日閲覧
- ^ コラム1 旧将棋博物館 - 大阪市
- ^ 本日の関西将棋会館 - マイナビ女子オープン中継ブログ・2011年10月14日
- ^ 4年ぶりに行った大阪・福島の「関西将棋会館」 - 田丸昇のと金横歩き・2012年4月23日
- ^ 棋士室への差し入れ - マイナビ女子オープン中継ブログ・2015年10月22日
- ^ a b 関西の「将棋世界」に行きたくなる?関西将棋会館に山口女流1級が潜入し、将棋道場や対局室などを隅々までご案内します! - 日本将棋連盟・2018年6月20日
- ^ 『関西将棋会館の名物洋食店、42年間の営業を終えて移転』Lmaga.jp、2023年11月29日 。
- ^ 将棋会館今昔 - 将棋ペンクラブログ・2015年4月11日
- ^ a b 大阪・北畠の旧関西本部の思い出と今は駐車場になっている跡地 - 田丸昇のと金横歩き・2012年4月30日
- ^ 「将棋会館建設準備委が発足」共同通信(2018年6月8日)
- ^ 【独自】藤井人気・老朽化で対局室拡充求める声、「西の聖地」関西将棋会館が移転へ 読売新聞オンライン(2021年2月21日)
- ^ 将棋のまち 高槻 高槻市市役所
- ^ 高槻市移転の関西将棋会館 藤井2冠のホームグラウンドが駅徒歩1分に - スポーツニッポン・2021年2月22日
- ^ 新関西将棋会館整備 優先交渉権者決定のお知らせ - 日本将棋連盟・2022年7月8日
- ^ 提案書
- ^ 地鎮祭実施のお知らせ - 関西将棋会館・2023年9月14日
- ^ #次の一手もみんなで【新 将棋会館建設プロジェクト|第五期】(公益社団法人 日本将棋連盟 2023/10/01 公開) - クラウドファンディング READYFOR
- ^ 「【12月3日(火)】新関西将棋会館グランドオープンについて」『関西将棋会館/日本将棋連盟』2024年9月8日。
- ^ 「新たな関西将棋会館、11月17日オープン決定 大阪・高槻へ移転」『毎日新聞』2024年8月27日。2024年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「全国初 高槻市が「将棋のまち推進条例」を制定」『PR TIMES』高槻市、2024年9月21日。2024年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。
- ^ 「大阪:高槻市「将棋のまち」へ着々:地域ニュース」『読売新聞』読売新聞、2024年9月21日。2024年9月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。
外部リンク
[編集]- 関西将棋会館 - 日本将棋連盟関西本部のサイト
- 関西将棋会館 - 日本将棋連盟公式サイト内の案内ページ
- 関西将棋会館【公式】 (@shogi_osaka) - X(旧Twitter)
- 関西将棋会館公式 (shogi_osaka) - note
- 関西将棋会館道場ブログ