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中川虎大

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中川 虎大
横浜DeNAベイスターズ #64
2022年3月5日 横浜スタジアム
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 和歌山県和歌山市
生年月日 (1999-10-02) 1999年10月2日(25歳)
身長
体重
178 cm
85 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2017年 育成選手ドラフト1位
初出場 2019年7月28日
年俸 760万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

中川 虎大(なかがわ こお、1999年10月2日 - )は、和歌山県和歌山市出身のプロ野球選手投手)。右投右打。横浜DeNAベイスターズ所属。

経歴

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プロ入り前

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5歳から「野崎少年野球」で軟式野球を始め[2]、和歌山市立貴志南小学校時代には、捕手として貴志南野球団でプレー。小学6年時には、スポーツ少年団の全国大会で準優勝を経験した[3]

和歌山市立貴志中学校への進学後は和歌山シニアへ入団したが、1年時に右肘を痛めた。手術を経て復帰した後は「4番・三塁手」としてレギュラーに定着していたが、2年時の冬に「遊びたくなった」という理由で退団し、一時は野球と距離を置いていた[2]。しかし、3年時の7月に、全国高等学校野球選手権和歌山大会の決勝(智弁和歌山高校和歌山市立和歌山高等学校)を観戦し、同試合で市立和歌山が延長12回の末にサヨナラ勝利で全国大会出場を決めたシーンに遭遇したことから、野球熱が再燃したという[4]

実母の従兄弟和歌山県立箕島高等学校OBの木村竹志(「石井毅」として在学中の1979年にエースとして甲子園球場の全国大会で春夏連覇を達成)がいる縁で、3年時の秋から木村が理事長を務めるNPO法人の野球教室に参加[2]。中学卒業後は同校へ進学した[3]。入学の直後に自身の希望で投手に転向する[4]と、2年時の秋から主将を務めるとともに、エースの座を確保[3]。さらに、2年時のトレーニングによってストレートの球速が短期間で149km/hにまで達し[4]NPB球団のスカウトから注目されるようになった。しかし、投球の安定感に課題があったことから、3年夏の選手権和歌山大会には背番号10の救援投手として登板[5]。在学中には全国大会と無縁であったが、3年時の秋には、プロ志望届日本学生野球協会に提出した[6]

2017年10月26日に行われたドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズから育成ドラフト1位で指名を受け、支度金300万円、年俸360万円(金額は推定)という条件で、育成選手として入団した[7]。背番号は104

DeNA時代

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2018年は、イースタン・リーグ公式戦17試合に登板。5勝5敗、防御率5.00という成績を残した。

2019年7月15日横浜スタジアムにて

2019年は、イースタン・リーグの開幕から、二軍の先発ローテーションに定着。前半戦は13試合に登板し、リーグトップの8勝(3敗)、防御率2.00という好成績を残した。7月11日のフレッシュオールスターゲーム楽天生命パーク宮城)にも、同リーグ選抜チームの2番手投手として2回表から登板。2イニングを投げて2点を失いながらも、2三振を奪った[8]。7月14日には、支配下選手契約へ移行し、背番号を93に変更することが発表された[9][10]。7月28日の対中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)で、先発投手として一軍公式戦デビューを果たした[11][12]。一軍公式戦全体では3試合の登板(1試合に先発)で0勝1敗だったが、イースタン・リーグ公式戦では規定投球回に到達し、リーグ唯一の2桁勝利(11勝)とリーグトップの防御率(2.25)を記録した。

2020年は、開幕前の練習試合では一軍に帯同したが、巨人戦で2回を2失点、四死球5など制球難から開幕ローテ争いから外れるも[13]、二軍での好投が認められ7月4日のヤクルト戦で初先発を果たしたが、3回4失点で降板した[14]。同16日の中日戦では、わずか1回1失点で降板し、二軍降格となった[15]。降格した二軍戦で負傷交代し戦線を離れるも、9月に復帰し、11月に再び一軍に昇格。同4日の中日戦で二番手として登板し、2回無失点に抑え、さらにプロ初安打を放つなどの活躍を残した。シーズンオフには20万円増の年俸470万円でサインした。

2021年は、開幕二軍スタートとなったが、怪我や不調など先発不足なチーム事情のため4月後半に一軍昇格を果たした。6月2日のソフトバンク戦では、自身最長の6回を投げ1失点と好投するも勝ちがつかなかった[16]。最終的には7試合の登板(5試合に先発)で白星を掴むことができず、後半戦は一軍出場がなかった。シーズンオフには190万円増の推定年俸660万円で契約を更改した[17]。また、背番号が64に変更されることが発表された[18]

2022年は、開幕は二軍で迎え、交流戦期間中の6月9日に一軍昇格となり、中継ぎとして待機していたが登板機会がないまま登録抹消となる[19]。8月1日に開催された大学・社会人選抜 対 U-23 NPB選抜にて、U-23 NPB選抜のメンバーに選出[20]、2点リードの9回に登板し、3人で締めセーブを記録する[21]。その後、一軍昇格し8月14日のヤクルト戦がシーズン初登板となり2回を無失点に抑える[22]。その後もビハインドの場面で中継ぎとして好投を続けたが[23]、9月23日、チームが2位に位置した中での首位ヤクルトとの直接対決で、7点リードの9回を任されると、ホセ・オスナから3点本塁打を打たれて1イニング持たずに降板し、登録抹消されシーズンを終えた[24]。イースタン・リーグ公式戦では32試合に登板し、2勝1敗8セーブ、防御率2.86という成績だった。シーズン終了後の10月31日、横浜市内の病院にて右肘クリーニング手術を行ったことを発表した[25]

2023年は、6月5日に一軍へシーズン初登録され、4試合に登板した後6月29日に登録を抹消された[26]。シーズン終盤の9月1日に再び一軍へ登録[27]されて以降は最後までチームに帯同し続け、最終的に9試合の登板で防御率2.53の成績を収めた。シーズン終了後の11月14日、高校1年時から8年間交際を続けていた女性と前年の9月に婚姻届を提出していたことを発表した[28]

2024年は、4月26日に一軍へ同年初登録された[29]。6月1日の日本ハムとの交流戦、同点の8回に4番手で登板して三者凡退に抑えると、次の回でチームが勝ち越したため、プロ初勝利を記録した[30]。一時は勝ちパターンを任されるなど、自己最多の31試合に登板して、10ホールド、防御率3点台の成績を挙げていたが、8月12日の広島東洋カープ戦での登板で1回2失点で降板後に右肘の違和感を訴え、翌13日に登録抹消となった[31]。27日、右肘のクリーニング手術を受けたことが発表された[32]

選手としての特徴

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2019年6月21日横浜スタジアムにて

最速157km/hのストレートフォークが武器[28][33]。その他にスライダーカットボールナックルカーブなどの変化球を投げ分ける[34][35]

人物

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虎大と書いて「こお」と読む名前は、工藤公康のファンであった実母が「公康」の「公(こう)」を名前の読みに入れ、阪神タイガースのファンである実父が、阪神のチーム名をモチーフにした「虎」の字を入れたが、姓名判断で「う」と読ませる(運勢の)良い漢字が見当たらなかったため、読み方は「こお」とした[2]

4歳下の実弟である大雅も母校である箕島高校に進学しており、最速143km/hの左腕投手。3年生のときの2021年には「プロ注目」とも報じられたが、「(プロは)現状では無理なので、大学で力をつけて目指す」と[36]関西国際大学に進学している[37]

詳細情報

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年度別投手成績

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W
H
I
P
2019 DeNA 3 1 0 0 0 0 1 0 0 .000 25 5.0 7 2 3 0 0 3 0 0 3 3 5.40 2.00
2020 3 2 0 0 0 0 1 0 0 .000 27 6.1 6 2 4 0 0 3 0 0 5 5 7.11 1.58
2021 7 5 0 0 0 0 1 0 0 .000 122 26.1 32 3 15 0 0 24 1 0 22 19 6.49 1.78
2022 8 0 0 0 0 0 0 0 0 ---- 46 10.1 8 1 7 0 1 11 0 0 5 5 4.35 1.45
2023 9 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 41 10.2 9 2 3 0 0 10 0 0 3 3 2.53 1.13
2024 31 0 0 0 0 1 3 0 10 .250 134 31.0 29 2 10 2 1 30 2 0 11 11 3.19 1.26
通算:6年 61 8 0 0 0 1 7 0 0 .125 395 89.2 91 12 42 2 2 81 3 0 49 46 4.62 1.48
  • 2024年度シーズン終了時

年度別守備成績

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投手












2019 DeNA 3 1 2 0 0 1.000
2020 3 0 1 0 0 1.000
2021 7 1 1 0 0 1.000
2022 8 1 2 0 0 1.000
2023 9 1 1 0 0 1.000
2024 31 3 6 0 0 1.000
通算 61 7 13 0 0 1.000
  • 2024年度シーズン終了時

記録

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初記録
投手記録
打撃記録

背番号

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  • 104(2018年 - 2019年7月15日[38]
  • 93(2019年7月16日[38] - 2021年)
  • 64(2022年 - )

登場曲

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脚注

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  1. ^ DeNA - 契約更改 - プロ野球」日刊スポーツ。2023年11月6日閲覧
  2. ^ a b c d 箕島の相手は和歌山高専 4年ぶり甲子園出場へ147キロ右腕・中川意気込む」スポーツニッポン、2017年6月25日。2019年7月19日閲覧
  3. ^ a b c 中川虎大」週刊ベースボール。2021年6月22日閲覧
  4. ^ a b c 中川 虎大(箕島)「投手歴はわずか2年半!伸び代十分な最速149キロ右腕」(1)」高校野球ドットコム、2017年10月25日。2019年7月19日閲覧
  5. ^ 箕島プライド!尾藤監督快勝も「全て勝つ」/和歌山」日刊スポーツ、2017年7月13日。2019年7月19日閲覧
  6. ^ “滝二のイチロー”滝川二・高松らプロ志望届提出」日刊スポーツ、2017年9月11日。2019年7月19日閲覧
  7. ^ DeNA育成1位中川が仮契約「後々は日の丸を」」日刊スポーツ、2017年11月16日。2019年7月14日閲覧
  8. ^ DeNA中川虎大「次は1軍」直球勝負2失点も収穫」日刊スポーツ、2019年7月11日。2019年7月14日閲覧
  9. ^ 中川虎大選手 支配下選手として契約」横浜DeNAベイスターズ、2019年7月14日。2019年7月14日閲覧
  10. ^ DeNA・中川虎が支配下昇格、2軍でトップ8勝」サンケイスポーツ、2019年7月14日。2019年7月14日閲覧
  11. ^ DeNA中川虎大、ほろ苦2回KO「悔しかった」」日刊スポーツ、2019年7月28日。2019年7月28日閲覧
  12. ^ DeNA連勝ストップ プロ初登板初先発の中川虎2回1失点で初黒星、雪辱誓う」スポーツニッポン、2019年7月28日。2019年7月29日閲覧
  13. ^ 【DeNA】開幕ローテ入りを目指す中川虎大は2回2失点で降板」『スポーツ報知』2020年6月10日。2021年12月20日閲覧
  14. ^ DeNA・中川 プロ2度目の先発は3回4失点、2ラン2発浴び降板「制球を見直したい」」『スポニチ Sponichi Annex』2020年7月4日。2021年12月20日閲覧
  15. ^ DeNAブルペンデー敢行か、中川1回1失点で降板」『日刊スポーツ』2020年7月16日。2021年12月20日閲覧
  16. ^ DeNA中川虎大好投もプロ初勝利はお預け ソフトバンクと引き分け」『日刊スポーツ』2021年6月2日。2021年12月20日閲覧
  17. ^ DeNA中川虎大「悔しいシーズンでした」190万増の660万円でサイン」日刊スポーツ、2021年11月15日。2021年12月21日閲覧
  18. ^ DeNA、中川虎大の背番号変更を発表 「93」から「64」、来季プロ初勝利に期待」『Full-Count』2021年12月13日。2021年12月20日閲覧
  19. ^ 【DeNA】中川虎大が1軍に今季初合流 2軍戦で23試合に登板、防御率3・28」日刊スポーツ、2022年6月9日。2022年10月13日閲覧
  20. ^ ニッカン式スコア U23NPB選抜対大学・社会人選抜」『日刊スポーツ』2022年8月1日。2022年10月18日閲覧
  21. ^ 【DeNA】中川虎大が1軍登録、三浦銀二と坂本裕哉は抹消」『日刊スポーツ』2022年9月8日。2022年8月18日閲覧
  22. ^ 【DeNA】今季初登板の中川虎大が渾身投球で終盤2イニングピシャリ「非常に良かった」三浦監督絶賛」『スポーツ報知』2022年8月14日。2022年10月13日閲覧
  23. ^ 【DeNA】中川虎大が1軍登録、三浦銀二と坂本裕哉は抹消」『日刊スポーツ』2022年9月8日。2022年8月18日閲覧
  24. ^ 【DeNA】三浦銀二が1軍合流、今季登板4試合防御率11.37 中川虎大が降格」『日刊スポーツ』2022年9月24日。2022年10月13日閲覧
  25. ^ 中川虎大選手の手術について」『横浜DeNAベイスターズ』2022年10月31日。2022年11月6日閲覧
  26. ^ 【DeNA】中川虎大が登録抹消、今季4試合登板 ガゼルマンが登録」『日刊スポーツ』2023年6月29日。2024年2月3日閲覧
  27. ^ 【セパ公示】(1日)巨人がビーディ、岡本和真を登録し、中田翔を抹消 DeNAが宮崎敏郎を登録」『スポーツ報知』2023年9月1日。2024年2月3日閲覧
  28. ^ a b 【DeNA】最速157キロ剛腕、未完の大器・中川虎が「8年愛」実らせ結婚!高校1年時から交際」スポーツニッポン、2023年11月7日。2023年11月12日閲覧
  29. ^ 【DeNA】中川虎大と蝦名達夫が今季初1軍昇格 前日には浜口遥大と梶原昂希が抹消」『日テレNEWS NNN』2024年4月26日。2024年6月1日閲覧
  30. ^ 【DeNA】高卒7年目の中川虎大が8回の1イニングを3者凡退でプロ初勝利「すごく長かった」」『スポーツ報知』2024年6月1日。2024年6月1日閲覧
  31. ^ 【DeNA】伊勢大夢と楠本泰史が1軍合流「状態上がってきた」三浦監督 森唯斗と中川虎大が抹消」『日刊スポーツ』2024年8月13日。2024年8月13日閲覧
  32. ^ 【DeNA】中川虎大が右肘のクリーニング手術「自分の体力・実力不足を改めて痛感」」『日刊スポーツ』2024年8月28日。2024年8月28日閲覧
  33. ^ DeNA、最速157キロ右腕の中川が巨人戦から1軍合流へ」スポーツニッポン、2023年9月1日。2023年11月12日閲覧
  34. ^ DeNA・中川「下半身強化で強い球を」 育成上がりのプロスペクト右腕、ステップアップで狙う一軍初勝利」リアルライブ、2020年4月30日。2021年6月2日閲覧
  35. ^ DeNAプロ4年目右腕中川は救世主になるか? 153キロに多彩な変化球は“大化け”の予感」Full-Count、2021年6月3日。2021年6月3日閲覧
  36. ^ 【和歌山】プロ注目左腕の箕島・中川大雅は敗退し「大学で力をつける」 兄はDeNA・虎大」『スポーツ報知』2021年7月14日。2021年12月20日閲覧
  37. ^ 関西国際大の新入生は近江の正捕手など西日本の逸材が多く入部!」『高校野球ドットコム』2022年5月14日。2024年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月1日閲覧
  38. ^ a b 新規支配下選手登録 | 2019年度公示」日本野球機構。2019年7月16日閲覧

関連項目

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外部リンク

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