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ペラルゴン酸

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ペラルゴン酸
識別情報
CAS登録番号 112-05-0 チェック
PubChem 8158
ChemSpider 7866 チェック
UNII 97SEH7577T チェック
EC番号 203-931-2
KEGG C01601 チェック
ChEBI
バイルシュタイン 1752351
Gmelin参照 185341
特性
化学式 C9H18O2
モル質量 158.24 g mol−1
外観 透明~黄色がかった油状の液体
密度 0.900 g/cm3
融点

12.5°C

沸点

254°C

への溶解度 0.3 g/L
酸解離定数 pKa
  • 4.96[1]
  • 1.055 at 2.06–2.63 K (−271.09 – −270.52 °C; −455.96 – −454.94 °F)
  • 1.53 at −191 °C (−311.8 °F; 82.1 K)
屈折率 (nD) 1.4322
危険性
GHSピクトグラム 腐食性物質 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード 警告(WARNING)
Hフレーズ H315, H319, H412
Pフレーズ P264, P273, P280, P302+352, P305+351+338, P321, P332+313, P337+313, P362, P501
主な危険性 腐食性
NFPA 704
1
3
0
引火点 114 °C (237 °F; 387 K)
発火点 405 °C (761 °F; 678 K)
関連する物質
関連物質 カプリル酸
カプリン酸
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

ペラルゴン酸(ペラルゴンさん、pelargonic acid)は、9個の炭素鎖の末端にカルボキシル基を持つ飽和脂肪酸である。

「使い古した食用油に似た[2]不快なにおい」を持つ油状の液体で、水にはほとんど溶けないが、クロロホルムエーテルアルコール酢酸エチルにはよく溶ける。消防法に定める第4類危険物 第3石油類に該当する[3]

概要

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天然には、エステルとしてテンジクアオイ属(学名:ペラルゴニウム Pelargonium)、キイチゴ属Ajania属の植物の精油に含まれる。高濃度で皮膚や角膜への刺激性を示す[4]エルカ酸オゾン分解した際にも生成される。

工業用途

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ヒトのにおい

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ヒトの皮膚にも存在し、加齢に伴うにおいの原因物質(2-ノネナールによる「加齢臭」とは別)として、2008年に特定された[2]

皮脂の酸化による「30代男性特有のにおい」であり、ポリフェノールが豊富なメマツヨイグサ抽出液によって、においが緩和(酸化抑制)されるという報告もある[2]

酸化される要因としては、紫外線などの外的なものや、ストレス・生活習慣の乱れなどによる内的なものがある。特に30代男性は皮脂分泌量がピークとなるので、酸化が顕著だと言われている。発生源は皮脂腺の多い胸・背中、首周りなど[5]

脚注

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関連項目

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