うちに「かあさんうさぎと金のくつ」という絵本がある。
実家にあった他の絵本とともにまとめて送ってもらったものなので、私が小さい頃読んでいたはずなんだが記憶にない。
内容は、「イースターうさぎ」といううさぎ界のスター職に憧れる女の子が、長じて21匹の子うさぎの母になって夢を諦めるものの、チャンスをつかんでイースターうさぎになるというもの。
イースターうさぎになれるのは毛の色が白くて大きいオスばかり。チビで茶色くてメスだった女の子にはもともと閉ざされた道のようだったが、子供をたくさんもったのでいよいよ「もうただのお母さんになってしまったんだわ」と嘆く。「もうイースターうさぎのことなんか考えないようにして、せっせと子供たちのお世話をしました。」という文章がリアルである。
女の子改めかあさんは子供たちを立派に育てあげ、二匹一組にして家中の仕事をできるようにする。最後の一匹は、座るときにかあさんの椅子を引く係。つまり、かあさんは子供の世話を全くしなくてよくなったのだ。それを見た長老は、かあさんうさぎが優しくて賢いことを知り、イースターうさぎに抜擢する。前半はここまでで、後半は実際にイースターうさぎになったかあさんの奮闘が描かれる。二歳児には長すぎるのか、娘はいつもイースターうさぎになれるかなれないかくらいのところで寝てしまう。
今日は「なんでなんでモード」だったらしく、「なんでかあさんはイースターうさぎになれないの?」と何度も聞かれてしまった。
「ねーなんで?」
「子供が21匹いるからよ。」
「こどもがいたらなれないの?」
「子供たちのお世話で忙しいからよ。」
「なんでおせわするの?」
「お世話しないと生きていけないからよ。」
「なんでいきていけないとおせわするの?」
「それは…自分の子供でかわいいからよ。」
「なんでかわいいとおせわするの?」
「だってママが娘ちゃんのお世話しなかったら嫌でしょ?」
「えー?じゃあイースターうさぎならないの?」
うーむ( ̄O ̄;)
そうこう言っているうちに眠くなったらしく、娘は今日もうさぎのかあさんがイースターうさぎになるのを見届ける前に寝てしまった。
本人にその気は無かっただろうけど、なかなか鋭いことを聞く。
娘ちゃんが可愛いから、ママはそれを言い訳にイースターうさぎになるのを諦めようとしてます。でも、かあさんうさぎのように子供たちが育ってしまえば、問答無用で自分の人生に向き合うことになる。娘ちゃんはうさぎみたいにすぐ大きくならないから、目を背ける時間も長いけどね。
子供は私の人生に降ってきて、楽しい時間を過ごさせてくれるけど、子供の人生は私の人生とは違う。そのことを忘れないようにして、自分の内面もしっかり育てておかないとなあ。
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