まだまだ暑いですね。
私はテラス席大好き・半屋外空間大好きなんですが、昨今の暑さはさすがにキビしく、クーラーの効いた室内に引っ込む毎日です。日本ではカフェのテラス席が非常に少ないのですが、それは四季の気候差が激しいというのが理由の一つでしょう。湿度も高いしね。いい季節は本当に短い…。
とはいえ、同じ住宅ならうまいこと外部空間を取り入れたいという夢を捨てきれないのも事実です。
以前も「屋外のうまい取り入れ方」みたいなテーマで3軒選んでいましたが、
今回も家の半分くらいを外部に開いてしまっている住宅をまとめてみました。日本と同じように湿度が高く暑い国も、大胆に露出しています。暑いのは承知で開いてしまっているんでしょうなあ。しっかり日陰をつくっておけば、あとは送風機だけでなんとかやり過ごすべきなのかもしれません。むしろクーラーに慣れてしまっているほうが問題なのかも。
あやめ池の家
立地:奈良 面積:不詳 設計:KOMATSU ARCHITECTS
まずは日本です。見るからにスケスケで面白い家でした。
傾斜地かつ角地に立っているので、壁がしっかりある家をギリギリまで建てるとかなりの圧迫感になっていたところですが、既存の基壇部分(コーナーの立ち上がりのところ)からセットバックしたこととフロアが必ず一方向視線が抜けるようになっているので周辺ときれいに馴染んでいます。
「丸見えやないかい」という声が聞こえてきそうですが、見えるところと隠されている所があるので案外快適なのでは。以前、同じくかなりスケスケな「森山邸」にお邪魔した時は、スケスケなのにちょっと身を隠せるところがたくさんあるので、森の中でかくれんぼしているような不思議な心地よさがありました。
こんな家
最近の建築家で調べた中では、西沢立衛が好き。有名な作品は、十和田市現代美術館、豊島美術館。東京では森山邸という集合住宅が有名で、ここに行くタイミングを狙っている。http://t.co/4h829w2srZ pic.twitter.com/jd6C1UpmEy
— OmataYusuke (@OmataYusuke) 2013, 10月 13
ガッツリ身を隠したいときは、地下の趣味のお部屋にこもれるようになっていました。
(集合住宅って書いてあるけど、当時間借りしている方もいたけど集合住宅とは言えないかも…?基本的には森山さんちという感じでした。今はどうなっているんだろう。)
あとはカーテンで隠しちゃうかですね。今私が住んでいる家も窓だらけなのですが、普段は薄手のカーテンでぐるっと隠しています。
SawMill House
立地:オーストラリア、ヴィクトリア 面積:不詳 設計:Archier Studio
パッシブハウスだそうです。暑い季節は谷を吹き上がってくる風を通すことで過ごしますが、寒い季節は14メートルある石の天井を開け放って日光を取り入れるそう。
もう一つの大きな特徴は廃コンクリートの使用です。壁と塀は廃コンクリートをブロックにして使用しています。基本は鉄骨造のようです。
かなりシンプルなデザインで、床と天井を同じ向きの板張りとすることでタテ・ヨコの指向性を高めています。個人的にはちょう好き^@^このような大自然の中にあることや、開放的であることもこのタテ・ヨコの見せ方とあってますね。
デザインはかなりオーセンティックですが、環境負荷軽減などの考え方は今時な住宅でした。
VIA Saigon House / a21studio | ArchDaily
Saigon House
立地:ベトナム、ホーチミン(サイゴン) 建築面積:45平米 設計:a21studio
これはいったい…とかなり気になっていた物件ですが、何しろ詳細が分かりません。公式にも詳しい説明がなく、"undermined by human stupidity"というめちゃ気になる一文が…。なんなんだよう
間口わずか3メートル、奥行き15メートルの「集合?」住宅です。もともとサイゴンはフランス領の時代があり、その影響で古典的西洋風の建物が多いのです。この建物も特徴的なレンガ遣いと窓の外蓋が見られますが、それよりも小さな一軒家が密集して一つの集合住宅をつくっているような構成が気になりますね。部屋のサイズまで分解された「一軒家」の間は、外部として存在しコミュニティースペースのような趣です。アジア的で実に面白いですね。
ちょっと関係ないかもしれませんが、「梅林の家」も初見で「なんだかアジア的だな…」と思ったことを思い出しました。
狭い部屋の集まりと外部内部の曖昧な関係性は、アジア的人間模様のようで面白いです。
VIA Saigon House / a21studio | ArchDaily
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