2013年 08月 07日
原発危機:建屋内地下水流入抑制対策工事の工法に関する私見 改訂版
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昨日書いた内容に従って頭の中で一通りシミュレーションしてみたが,やはりいろいろと問題がある.トレンチはやはり早期に潰すしかない.すでにほとんどの立坑が潰されてしまっているのだから存続させる意味がない.これまでトレンチの汚染水が温存されてきた経緯としては水を収容するプール容量の慢性的不足という問題があったと思う.しかし,この間相当数の大型タンクを準備する手配を積んできているので,その点に関してはもう初期の頃のように頭を悩ませなくてもよいのではないか?トレンチを潰してしまえば大きな問題が一つ解決する.※
トレンチを埋め殺す材料としてはコンクリートということになるが,大成建設が提案したスラリーウォールで使われている粘土系材料はどうだろう?スラリーというくらいだから流動性はかなり高いと考えられる.施工後も上から強い圧力を掛ければ密着性を増すことも考えられるし,クラックが生じてもある程度自己修復性が効きそうだ.水密な土木材料という点に関しては粘土に勝るものはない.建屋地下の埋め立ての材料としてもスラリー充填剤の方が有効であるように思われる.素材の配合・混合率などは実験的に決めるしかないと思われるが,水のように流し込めるというイメージでよいのではないだろうか?もしそれが可能なら建屋地下の埋め立てというこの工事の一番の難所もそれほど困難なものではなくなるのではないだろうか?
しかし,コンクリートでは不可というのでもないと思う.コンクリートと言っても多分骨材は入らないからむしろモルタルと呼ぶべきだろう※.素材の配合・混合率は研究の余地があると思われるが,施工的に欠かせないのはバイブレータだ.これを使えばそこそこの工事はできると思う.コンクリート打設用バイブレータを改造して遠隔制御可能なものを作るのはそれほど難しくないはずだ.前便では地下壁に外部から穴を空けて挿入するという手順を想定してみたが,地下に降りる階段があるはずだからそこから,コンクリート圧送ホースとバイブレータを下ろすことはできるだろう.ホースを下ろすところまでは人間がやらなくてはならないかもしれないが,その後は運搬車が離れたところから長いホースをずるずると巻き取るようなことも可能だ.
通常のコンクリートミキサーで粘土スラリーを練るのは無理だろう.粘土スラリーは瓦製造業や窯業で使っているものと原理的には同じだから技術移転が可能だ.改訂版を書いてみよう.
1.海側の汚染地下水水位が上がっている件に関しては既存の井戸から汲み出してタンクに収容するしかない.しかし汲み上げただけの水がすぐに戻ってくるからこの状態を長く続けることはできない.建屋下手の地下水水位を下げるためには建屋上手でも地下水を汲み上げる方がよい.これは結局「サブドレインで水位管理する」ということになるのかもしれない.上手で汲み上げた地下水は浄水と考えられるから山側にディスチャージすることができる.ディスチャージ井戸の吸い込みが悪いときは敷地高台方面に散布するということも認められるだろう.上手サブドレインの地下水がすでに汚染しているときは,さらに上流に逃げるしかない.
これは見方を変えれば,「地下水バイパス」のディスティネーションを海から山に変えたものとも言える.工作物の代わりに山という自然物を使わせてもらうという発想だ.汚染水を吸引してしまうリスクがあるが,山を汚す訳には行かないから3系統を輪番とし放射線濃度を監視して安全を確保するというのはよいと思う.つまり,地下水バイパスシステムがそのまま使える.
(人工地震を誘発する可能性も考慮しなくてはならないが,山側に1,000メートルくらいの深井戸を掘って余剰水を高圧で押し込むという方法も考えられる.低濃度汚染水の処分に窮したときの一策として研究しておく必要はあるかもしれない.)
2.(地中に直接埋設された)電源管路の点検というのはトレンチの埋め立てと独立に実施されなくてはならない.TSOKDBA氏の緻密な分析から2号機スクリーン前のピットに入っているはずの電源管路の位置が不明という事実が判明している.大震災前に撮影された写真には2号機のスクリーン制御室建屋が映っているが,震災後には跡形もなく消えていて東電提供の地図にも記載されていない.TSOKDBA氏はこれを「福島第一原発2号機の謎」と呼ばれているが,わたしは状況的に「フクシマ・サボタージュ」の一環ではないかという疑念を抱いている.
3.トレンチをすべて埋め殺す.トレンチは暗渠で立坑はすでにほとんど潰されているから構築物そのものは地下に埋設されていて外からは見えない.作業するためにはトレンチの天端をはつって穴を空けるしかない.従って,できることも限られている.トレンチ内には高濃度汚染水が入っているから汲み出してタンクに移送する.外部からまた水が戻ってきてしまう場合,汚染されていない地下水の場合は無視してもよいが,汚染水が浸透しているときにはなんらかの工作を行って(一時的にでも)止める必要があるができない可能性が高い.せめて立坑が残っていればオーバーフローした汚染水の始末を付けることもできたのだが・・・
埋め殺しは粘土系材料をスラリー状にしたものを流し込むだけでよいが,かなり流動性が高くないと完全に充填することは難しい.複数個所でバイブレータを使うことができればかなり改善されるだろう.乾燥収縮ということがあるから再充填ということも考えられる.むしろ二度打ちした方がよいのかもしれない.トレンチは完全に充填できないとみずみち※になってしまう.
4.建屋地下の埋め殺しは配合モルタルかないしスラリー充填剤をコンクリート圧送機で流し込むことで行う.いずれの場合も「長いバイブレータ」を用いて十分な締め固めを行う.圧送ホースとバイブレータは最初に届く限り一番奥まで押し込み,遠方に配置した運搬機で徐々に巻き取りながら順次打ち込みを行う.圧送ホースの口は高い位置にないと充填できないのでバイブレータより先に引き上げて主に階段の上から流し込むようになる.バイブレータは相当時間を掛けて十分締め固めを実施しながら徐々に移動する.
建屋地下に溜まっている高濃度汚染水は事前に可能な限り汲み出してタンクに移送しておく.水が戻ってきてしまうことは避けられないと考えられるのでコンクリート打設面からオーバーフローする水を収容する水路ないし枡を用意しておく必要がある.オーバーフローした汚染水はタンクに移すか,なんらかの液剤で固化して処分する.
5.工期1ヶ月くらいで∩字型の山側簡易遮水壁を完成させる.鋼矢板を並べて富岡層T3部層泥質部まで打ち込むというだけのものだが多分十分実用になると思う.
6.恒久的な海陸遮水壁を構築する.この工事は上記がすべて「うまく」行っていれば不要になる可能性もある.というか,本来ならそうしなくてはならないところだ.5が完了した時点で一度全体の見直しが必要になると思う.
工事の全体的な進捗を見ていると「燃料棒をすべて取り出す」という目標が果たして実現可能なのかどうか?かなり疑問に思われてくる.4号機からの取り出しは始まっているが,1, 2, 3号機ではいつ着手できるかという見通しさえ見えてこない.燃料棒の取り出しというのはもうあきらめた方がよいのではないか?これはわたしの率直な感想だ.
1号機には一応覆いが被っているとは言え,フクシマから時々刻々放散されている放射性物質の累積量はすでに相当なものになっていると容易に推定できる.もし最初からそうしていれば4機の原子炉は今ごろは大きな塚の下に安置され安らかにまどろんでいたのではないだろうか?この当時日本にはギザのピラミッドないし仁徳天皇稜を構築して有り余るほどの「瓦礫」が存在していた・・・管理区域内には500※を超える遺体がいまだに放置されたままになっていると言われるのに,もう原発の再稼動が既定方針化し始めている・・・
※みずみちで検索したら「クロスホール透水試験装置」というのが出てきた.大成建設だ.航空宇宙用に開発された超高精度水圧計を採用して観測孔内の各区間での水圧応答を高精度に観測.得られた水圧応答をもとに,「みずみち」 の分布や透水性を解析するというシステムだ.こんなものがあるというのになぜ使われなかったのだろう?
※訂正(2013-08-08)5000を超える遺体→500を超えるに修正した.立ち入り禁止区域内に野ざらしになっているご遺体に関しては共同通信が2011年3月31日に発信した『20キロ圏に数百~千の遺体か 「死亡後に被ばくの疑い」』という記事があるだけで,その後は完全に情報が途絶えている.この数字は福島県警からリークされたものと思われるが,5000という数字は「数百~千」を「数百~数千」と読み違えたものと思われる.平成23年の警察白書には,平成23年4月7日から10-20キロ圏を捜索,4月14日から10キロ圏を捜索し,6月20日現在で355遺体を収容したとの記事がある.平成24年度版白書では1名増えて356体となっている.
なお,2012年2月5日のDAILY YOMIURI ONLINEには,「原発関連」として死者573人,保留29人という数字が挙げられている.これは賠償金の支払い対象として災害関連死が認定された死者の数字である.計748人の認定申請があり,申請が受理されて審査を受けた634人のうち,不認定28人,書類不備4人,保留29人となっている.まだこのほかにも東電社員を含めかなりの数の作業員が亡くなっていると考えられるので,WIKIなどで「原発関連の死亡者はいない」などとしているのはまったくの誤りである.(この記事の日本語版には同じ数字が取り上げられているが,原発関連災害という事実は隠蔽されている.)
※追記(2013-08-11)均一で緻密なコンクリート塊を作るために骨材を入れないという工法を考えてみたが強度的な問題がある.モルタルだけでは地震などで大きなクラックが生じることを避けられない.かなり大きい空間を充填する必要があるので骨材を混入することは必須と考えられるが,この意味ではむしろ粘土系材料をスラリー化したものの方が優れていると思う.
※追記(2013-08-11)2年前の記事を読み直してみたが,トレンチを潰すのはやはり最終工程とすべきだ.流入のないトレンチはいつでも潰すことができるが,流入水がある場合は漏水箇所を完全に止水するか,ないしそれがトレンチに入らないようにバイパスする水路ないし枡を作らなくてはならない.少なくともトレンチの滞留水を3回汲み替える必要があるというのが本ブログの当初からの提案であり,かつ最終結論である.⇒参照:原発危機:建屋内地下水流入抑制対策工事の工法に関する私見 《トレンチの汲み上げを急げ》
トレンチを埋め殺す材料としてはコンクリートということになるが,大成建設が提案したスラリーウォールで使われている粘土系材料はどうだろう?スラリーというくらいだから流動性はかなり高いと考えられる.施工後も上から強い圧力を掛ければ密着性を増すことも考えられるし,クラックが生じてもある程度自己修復性が効きそうだ.水密な土木材料という点に関しては粘土に勝るものはない.建屋地下の埋め立ての材料としてもスラリー充填剤の方が有効であるように思われる.素材の配合・混合率などは実験的に決めるしかないと思われるが,水のように流し込めるというイメージでよいのではないだろうか?もしそれが可能なら建屋地下の埋め立てというこの工事の一番の難所もそれほど困難なものではなくなるのではないだろうか?
しかし,コンクリートでは不可というのでもないと思う.コンクリートと言っても多分骨材は入らないからむしろモルタルと呼ぶべきだろう※.素材の配合・混合率は研究の余地があると思われるが,施工的に欠かせないのはバイブレータだ.これを使えばそこそこの工事はできると思う.コンクリート打設用バイブレータを改造して遠隔制御可能なものを作るのはそれほど難しくないはずだ.前便では地下壁に外部から穴を空けて挿入するという手順を想定してみたが,地下に降りる階段があるはずだからそこから,コンクリート圧送ホースとバイブレータを下ろすことはできるだろう.ホースを下ろすところまでは人間がやらなくてはならないかもしれないが,その後は運搬車が離れたところから長いホースをずるずると巻き取るようなことも可能だ.
通常のコンクリートミキサーで粘土スラリーを練るのは無理だろう.粘土スラリーは瓦製造業や窯業で使っているものと原理的には同じだから技術移転が可能だ.改訂版を書いてみよう.
1.海側の汚染地下水水位が上がっている件に関しては既存の井戸から汲み出してタンクに収容するしかない.しかし汲み上げただけの水がすぐに戻ってくるからこの状態を長く続けることはできない.建屋下手の地下水水位を下げるためには建屋上手でも地下水を汲み上げる方がよい.これは結局「サブドレインで水位管理する」ということになるのかもしれない.上手で汲み上げた地下水は浄水と考えられるから山側にディスチャージすることができる.ディスチャージ井戸の吸い込みが悪いときは敷地高台方面に散布するということも認められるだろう.上手サブドレインの地下水がすでに汚染しているときは,さらに上流に逃げるしかない.
これは見方を変えれば,「地下水バイパス」のディスティネーションを海から山に変えたものとも言える.工作物の代わりに山という自然物を使わせてもらうという発想だ.汚染水を吸引してしまうリスクがあるが,山を汚す訳には行かないから3系統を輪番とし放射線濃度を監視して安全を確保するというのはよいと思う.つまり,地下水バイパスシステムがそのまま使える.
(人工地震を誘発する可能性も考慮しなくてはならないが,山側に1,000メートルくらいの深井戸を掘って余剰水を高圧で押し込むという方法も考えられる.低濃度汚染水の処分に窮したときの一策として研究しておく必要はあるかもしれない.)
2.(地中に直接埋設された)電源管路の点検というのはトレンチの埋め立てと独立に実施されなくてはならない.TSOKDBA氏の緻密な分析から2号機スクリーン前のピットに入っているはずの電源管路の位置が不明という事実が判明している.大震災前に撮影された写真には2号機のスクリーン制御室建屋が映っているが,震災後には跡形もなく消えていて東電提供の地図にも記載されていない.TSOKDBA氏はこれを「福島第一原発2号機の謎」と呼ばれているが,わたしは状況的に「フクシマ・サボタージュ」の一環ではないかという疑念を抱いている.
3.トレンチをすべて埋め殺す.トレンチは暗渠で立坑はすでにほとんど潰されているから構築物そのものは地下に埋設されていて外からは見えない.作業するためにはトレンチの天端をはつって穴を空けるしかない.従って,できることも限られている.トレンチ内には高濃度汚染水が入っているから汲み出してタンクに移送する.外部からまた水が戻ってきてしまう場合,汚染されていない地下水の場合は無視してもよいが,汚染水が浸透しているときにはなんらかの工作を行って(一時的にでも)止める必要があるができない可能性が高い.せめて立坑が残っていればオーバーフローした汚染水の始末を付けることもできたのだが・・・
埋め殺しは粘土系材料をスラリー状にしたものを流し込むだけでよいが,かなり流動性が高くないと完全に充填することは難しい.複数個所でバイブレータを使うことができればかなり改善されるだろう.乾燥収縮ということがあるから再充填ということも考えられる.むしろ二度打ちした方がよいのかもしれない.トレンチは完全に充填できないとみずみち※になってしまう.
4.建屋地下の埋め殺しは配合モルタルかないしスラリー充填剤をコンクリート圧送機で流し込むことで行う.いずれの場合も「長いバイブレータ」を用いて十分な締め固めを行う.圧送ホースとバイブレータは最初に届く限り一番奥まで押し込み,遠方に配置した運搬機で徐々に巻き取りながら順次打ち込みを行う.圧送ホースの口は高い位置にないと充填できないのでバイブレータより先に引き上げて主に階段の上から流し込むようになる.バイブレータは相当時間を掛けて十分締め固めを実施しながら徐々に移動する.
建屋地下に溜まっている高濃度汚染水は事前に可能な限り汲み出してタンクに移送しておく.水が戻ってきてしまうことは避けられないと考えられるのでコンクリート打設面からオーバーフローする水を収容する水路ないし枡を用意しておく必要がある.オーバーフローした汚染水はタンクに移すか,なんらかの液剤で固化して処分する.
5.工期1ヶ月くらいで∩字型の山側簡易遮水壁を完成させる.鋼矢板を並べて富岡層T3部層泥質部まで打ち込むというだけのものだが多分十分実用になると思う.
6.恒久的な海陸遮水壁を構築する.この工事は上記がすべて「うまく」行っていれば不要になる可能性もある.というか,本来ならそうしなくてはならないところだ.5が完了した時点で一度全体の見直しが必要になると思う.
工事の全体的な進捗を見ていると「燃料棒をすべて取り出す」という目標が果たして実現可能なのかどうか?かなり疑問に思われてくる.4号機からの取り出しは始まっているが,1, 2, 3号機ではいつ着手できるかという見通しさえ見えてこない.燃料棒の取り出しというのはもうあきらめた方がよいのではないか?これはわたしの率直な感想だ.
1号機には一応覆いが被っているとは言え,フクシマから時々刻々放散されている放射性物質の累積量はすでに相当なものになっていると容易に推定できる.もし最初からそうしていれば4機の原子炉は今ごろは大きな塚の下に安置され安らかにまどろんでいたのではないだろうか?この当時日本にはギザのピラミッドないし仁徳天皇稜を構築して有り余るほどの「瓦礫」が存在していた・・・管理区域内には500※を超える遺体がいまだに放置されたままになっていると言われるのに,もう原発の再稼動が既定方針化し始めている・・・
※みずみちで検索したら「クロスホール透水試験装置」というのが出てきた.大成建設だ.航空宇宙用に開発された超高精度水圧計を採用して観測孔内の各区間での水圧応答を高精度に観測.得られた水圧応答をもとに,「みずみち」 の分布や透水性を解析するというシステムだ.こんなものがあるというのになぜ使われなかったのだろう?
※訂正(2013-08-08)5000を超える遺体→500を超えるに修正した.立ち入り禁止区域内に野ざらしになっているご遺体に関しては共同通信が2011年3月31日に発信した『20キロ圏に数百~千の遺体か 「死亡後に被ばくの疑い」』という記事があるだけで,その後は完全に情報が途絶えている.この数字は福島県警からリークされたものと思われるが,5000という数字は「数百~千」を「数百~数千」と読み違えたものと思われる.平成23年の警察白書には,平成23年4月7日から10-20キロ圏を捜索,4月14日から10キロ圏を捜索し,6月20日現在で355遺体を収容したとの記事がある.平成24年度版白書では1名増えて356体となっている.
なお,2012年2月5日のDAILY YOMIURI ONLINEには,「原発関連」として死者573人,保留29人という数字が挙げられている.これは賠償金の支払い対象として災害関連死が認定された死者の数字である.計748人の認定申請があり,申請が受理されて審査を受けた634人のうち,不認定28人,書類不備4人,保留29人となっている.まだこのほかにも東電社員を含めかなりの数の作業員が亡くなっていると考えられるので,WIKIなどで「原発関連の死亡者はいない」などとしているのはまったくの誤りである.(この記事の日本語版には同じ数字が取り上げられているが,原発関連災害という事実は隠蔽されている.)
※追記(2013-08-11)均一で緻密なコンクリート塊を作るために骨材を入れないという工法を考えてみたが強度的な問題がある.モルタルだけでは地震などで大きなクラックが生じることを避けられない.かなり大きい空間を充填する必要があるので骨材を混入することは必須と考えられるが,この意味ではむしろ粘土系材料をスラリー化したものの方が優れていると思う.
※追記(2013-08-11)2年前の記事を読み直してみたが,トレンチを潰すのはやはり最終工程とすべきだ.流入のないトレンチはいつでも潰すことができるが,流入水がある場合は漏水箇所を完全に止水するか,ないしそれがトレンチに入らないようにバイパスする水路ないし枡を作らなくてはならない.少なくともトレンチの滞留水を3回汲み替える必要があるというのが本ブログの当初からの提案であり,かつ最終結論である.⇒参照:原発危機:建屋内地下水流入抑制対策工事の工法に関する私見 《トレンチの汲み上げを急げ》
by exod-US
| 2013-08-07 03:18
| フクシマ・サボタージュ