スポーツ走行を目的とした8速ATの「GR-DAT」を搭載した新型GRヤリス。その魅力をさらに高めるべく、デモカーの開発を進めるブリッツ。その仕上げをチェックする。
速さのなかにある快適さ2024年4月に登場した新型GRヤリスのGR-DAT仕様は、GRヤリスの高い性能はそのままに、より広いユーザーに選ばれるクルマとなっている。そこでブリッツはGR-DAT車に対し、速さだけでなく、多く人に気持ちいいと感じてもらうための「乗り味の補完」と呼べるチューニングを提案してきた。
デモカーに装着されているパーツは3種類。まずはブースト制御とスロットルフィーリングの変更が行えるパワスロだ。
パワーアップの面ではノーマルの最高出力の数値が291馬力だったところ、パワスロ装着後は327馬力と約35馬力も向上することが社内テストにて確認されている。
スロットルコントロールはエコ・スポーツ・オートの20種類もの多彩なモードのほか、ブースト圧を基にエンジンの負荷率を自動演算するスマートモードを搭載。パワスロを装着したGRヤリスは気持ちのいい反応をするクルマに「育てる」楽しさも追加される。
また現在、スポーツマフラーのニュルスペックカスタムエディションの開発も進んでいる。新型GRヤリス用では性能向上に加えて、「こもり音の低減」の対策も取られているのが特徴。街なかや高速道路の巡航での快適度も向上している。
そしてサスペンションキット。装着しているのは車内から減衰力の変更ができるDSCプラスがセットになった車高調整サスキットの「ダンパーZZ-R スペックDSCプラス」である。
キットの核となるダンパーZZ-Rシリーズはローダウンと街乗りでの快適さを両立させる特性で、これはGRヤリス用も同様。今回試乗した印象でも、整備されている道路であれば跳ねたり突き上げたりはほぼない。やや引き締まった乗り味が心地いい。ただ、荒れた道に入るとそのバランスは崩れてきて、ときに不快な上下動を感じることもあった。
そこで効くのがDSCプラス。路面の起伏によりスプリングが余計に振動していると感じ、DSCプラスの操作で減衰力を高めスプリングの押さえ込みを高めてみたところ、不快感を消すことができた。
このように走りのクルマとしての魅力を高めつつ、乗り心地などの質を落とすことない作りになっているのがブリッツのGRヤリスなのだ。
BLITZ[ブリッツ]ダンパー ZZ-R SpecDSC PLUS価格:35万2000円
ローダウンのスタイルを作りつつ、足まわりのしっかり感を確保。そして状況ごとのベストな乗り心地を走りながら探れる機能を持つ。クルマの造り自体が「全部入り」とも言えるGRヤリスに対して、その特徴をさらに充実させてくれる。
●ダンパーZZ-RにDSCプラスを追加すると減衰力調整の幅はなんと96段階で選択できる。可変のレスポンスも速くとても使いやすいものだNUR-SPEC カスタムエディション開発中
従来どおりの性能向上に加えて「こもり音の軽減」という特性も実現。街乗りでの快適さを重視したい人は発売を待ちたい。また、交換可能なテールパイプには「フォージドカーボン仕様」も追加される。
パワスロ価格:5万9400円
ブリッツのGRヤリスでは最高出力が約35馬力、最大トルクが約27kgmアップ。スロットルコントローラーの機能としては20種類ものモードのほか、ブースト圧を基にエンジンの負荷率を自動演算するスマートモードもある。
●GRヤリスのマフラーは「横揺れ」の幅が大きいため、ブリッツではマフラーの横揺れを抑制するブラケットを採用している●ホイールはエンケイのRS05RR。サイズは18×9.0J・インセット40(フロントのみ5mmスペーサー入り)。タイヤはダンロップのディレッツアSPスポーツマックス060+。サイズは255/35R18ブリッツ 企画部
塩谷俊起さん●「新型GRヤリスは6速MT車も同様に開発しています。また、純正のゴム製からアルミパイプ+シリコンホースへ置き換える『サクションキット』も発売しています」
〈文=深田昌之 写真=岡 拓〉
■問い合わせ先
ブリッツ
TEL:0422-60-2277
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