東武20000系 単語

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東武20000系とは、東武鉄道が保有する通勤電車である。
本稿では生形式である20050系・20070系および改造形式である20400系についても記述する。

概要

東武初のカルダン駆動2000系の後継として開発された車両1988年登場。
8両編成13本が南車両管区春日部支所に在籍する。

東武2000系は当時こそ「東武初のカルダン駆動」「乗客をふっ飛ばしてしまう程の高加速性」という車両であったが、電気バカ食いでトンネル内に遠慮く排熱を撒き散らす抵抗制御の上に、何と言っても「非冷房」であり、環境サービスの面でさすがに時代遅れってレベルじゃなくなってしまった。
この2000系の後継として開発された車両が東武20000系である。

体は先に登場した東武10000系10030系)と同じくステンレス製。
但し日比谷線の規格に合わせ、体長は18mとなっている。
なお、日比谷線が18m規格になったのはトンネルの 反対側の会社のせい、とよく言われるが、実際は営団も18mであり、単純に多数決でもそうなった事でだと言える。実際には東京オリンピックに間に合わせる、というのが最大の理由であった。別に東急ごり押しした訳でも東武の発言力が弱かった訳でもない(現状、東武東急は互いに役員を派遣し合うなど関係は良好である)。
側面のJR九州キハ200系気動車や、関東鉄道キハ2100形と似ており、ドア間に2分割の下降を2セット配置している。
インテリアデザイン10030系ベースとしているものの、ラインリアが追加されている。(尚、10050系から10000系列の車両にもラインリアが搭載された)
・・・実は「ラインリア」というのは三菱電機商標であるため、三菱製のものを使用していない(いは採用例の少ない?)東武車両調装置に対して使っていいのかどうかも実は怪しい。でも、ゲーム機を「ファミコン」と総称するような感覚で、「横に長い電車用の扇風機ラインリア」くらいでいいのかも。
そんな扇風機周りのことはどうでもいい、とにかくこの20000系でようやく冷房がついたのだ。
ねんがんの れいぼうを てにいれたぞ!

制御装置は東上線用の9000系に引き続き、排熱の少ない電機子チョッパ制御を採用している。
・・・実は東武20000系の電機子チョッパ制御装置は一般的なものとは多少異なり、複巻電動機を相手にするために「AFEチョッパ制御装置」という多少特殊なものを使用している。
このAFEチョッパ装置、界磁と電機子の電流を独立してチョッパ制御しているというややこしい構造になっている。
乱暴に言えば「界磁チョッパ制御で電機子の電流を制御するための抵抗器をチョッパ装置に置き換えた」ようなものであるとか。

東武の一般車両MTが1:1となるのが基本であるが、高加速のめられる地下鉄乗り入れ運用を行う東武20000系は6M2Tと高いMTになっている。
足回りは10000系列を元にしており、電動機は140kWの複巻電動機となっている。編成出力は140×4×6=3360kWと何気に高出力。
この高いM車率により、10000系列譲りの重厚な複巻電動機の音からは想像もつかないような高加速を繰り出す様は、一度体験してみる価値がある(と思う)。
変態大出力にモノを言わせた東武100系や、高速ギア東武200系急行線を疾走していく姿と、高加減速性を活かして各駅停車キビキビと走る東武20000系の対は複々線のの一つであろう。

マイナーチェンジ版である20050系・20070系は、次の項で。

20050系

東武20000系のマイナーチェンジ版。1992年登場。
8両編成8本が南車両管区春日部支所に在籍する。
日比谷線の極悪なラッシュ対策として両端の各2両(つまり合計4両)が東京メトロ03系の中期と同じく5ドア化されている。
制御方式はGTOサイリスタ素子によるVVVFインバータ制御に移行し、さらに電動機の出力も150kWと10kWアップ
VVVFインバータ装置のメーカー東洋電機となっている。

…最近、通勤電車ドアの上に液晶モニタによる情報装置を付けるのが流行っているが、何を隠そうこの東武20050系、1992年ロールアウト時にいきなりそれをやってしまったのだ(ちなみに液晶モニタシャープ製だとか)。92年なんて言ったらサービス定評のある関西私鉄すら、ドア上の情報装置といったら3色のLEDだった時代である(んでもってそんなので『未来的』と言われた時代)。どれだけ時代を先取りしていたんだお前は。
しかし保守上の理由などで1999年に撤去された。人類、いや鉄道車両にはすぎた。

ちなみに、2010年ごろから地味50000系列と同の3色LED1段式内案内表示機が千鳥配置で設置された。

20070系

20000系列の最終増備グループ1996年登場
8両編成3本が南車両管区春日部支所に在籍している。
外見としてはクーラー連続カバー止され屋根上がすっきりしている。
シングルアームパンタを採用した事がこれに拍をかけている。
ドア数は20000系と同じく3ドアに戻っている。
制御装置は20050系と同じく東洋電機製のGTO-VVVFであるが、補助電であるSIVスイッチング素子はこっそりとIGBTに変更。
また、各ドア上には東武30000系とほぼ同一のLED式の情報装置が装備されており、1000020000)系列と30000系の過渡期の車両と見ることもできる。

2018年3月、最後まで残っていた21873Fが回送され形式消滅した。

新型車両への置き換え

さて、そんな東武20000系列も日比谷線へのホームドア対応のため、2016年度から2019年度にかけて東武70000系に置き換えられることになっている。20000系列は18m8両編成で一部3と5が混在しているが、70000系は20m7両編成の4となる予定である。

余剰となる20000系は4両編成に短縮、ワンマン運転改造される計画であることが有価証券報告書に明記されている。ワンマン化後は新栃木館林に残る8000系や、6050系の一部を本系列で置き換えるものと予想されている。

20400系

70000系に置き換えられた20000系列は東武宇都宮線日光線8000系置き換え用に、2018年から東武鉄道車両改造工事を多く手掛ける車両によって20400系改造された。20000系列は較的経年が浅く、VVVF制御も多く存在することから活用20000系列の車両をくまなく使用し、変態複雑な編成が組まれることになった

改造内容

まず、東武宇都宮線ワンマン運転を実施しているためワンマン運転用の機器を設置。さらにドア横には半自動スイッチが設置された。前面はホーム検知器の設置、行先表示器のフルカラーLED化とライトケースの交換及び具類のLED化がなされたため、オリジナル20000系列とは少し印が変化している。帯色はSL大樹イメージした紺色と、警色として黄色の帯が組み合わされる。中間パンタグラフシングルアームのものに交換され、2基に増設。内装は70000系ベース仕様に変更された。また、ドア上の井部分にはパッとビジョンが設置されている。元20050系車両はこれらの改造に加え、5だったものを2分のドア口部を塞ぎ3化したうえ塞がれた部分に座席が設置された。なお、制御装置はGTO-VVVFのままである。

編成

当形式は古いものを末永く大切に使う東武鉄道らしく、経年の浅い20000系列に極力駄が出ないよう先頭と中間の元の形式に関係なく編成が組まれたものも存在する。組成によって形式名が異なっている。

このように経年の浅い20000系列の体とVVVF制御である20050・20070系の中間を最大限に活用した編成が組まれている。転用されず解体された車両は下記の通り。

今後の予定

2019年5月現在東武宇都宮線車両20400系への置き換えが了している。今後は南以北で使用されている6050系の置き換えが本形式で行われると思われる。

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