V12とは (ブイジュウニとは) [単語記事]

V12とは、V型12気筒の略。12個のシリンダーがＶの字に配列された多気筒エンジンのこと。昨今の市販車では４リッターを越える大排気量車に搭載されている。

かつてはF1にも搭載され、低回転域での猛々しい低音から超高回転域での官能的な高音までスムーズにつながる様は音楽に例えられたほどであった。

概要

自動車用レシプロエンジンにおいて、一次振動がなく回転がスムーズな高性能エンジンとしてI6(直列6気筒)エンジンが挙げられるが、そのI6を(分かりやすく言えば)二つ並べたV12もまた回転バランスに優れたものとされる。ただしエンジン自体は長く重くなり、製造・整備に高い技術が必要となることから一般的な乗用車に搭載されることはまずない。

V12が搭載された車両はとても高価であることが多い。これはコストはもちろんのこと、自動車メーカーにとってはブランド(自社の資金力、技術力、信頼性といった)を表す象徴としての意味合いを持ち、オーナーにとっては自分の力を誇示できるステータスシンボルともなるからである。中には公道も走行できるが、売り物ですらないものもある。

一方では、この巨大なV12をコンパクトなスポーツカーに無理やりぶち込んで変態マシンを作る物好きもいる。