甚平とは (ジンベイとは) [単語記事]

甚平（じんべい）とは、和服の一種である。
人名にも使われており、その場合の読みはほぼ「じんぺい」になる。

概要

木綿や麻で作られた、ゆったりさと風通しの良さに定評のある和服。甚兵衛（じんべえ）と表記する場合もある。
夏の暑い時期、部屋着や寝間着（パジャマ）として愛用している人も少なくないはずである。

上衣とズボンから成る半袖の服で、袖には袂が無い。上衣は袖の紐を表側と裏側でそれぞれ結んで留める事で着る。現在では丈の短いズボンと共に上下揃いとなっているのが一般的であるが、昔はズボンが無く、膝まで達するくらいに丈の長い上衣のみであった。

甚平という名前の由来は、袖無し羽織こと「甚兵衛羽織」から来ており、これは武士が鎧や具足の上に重ねて着る「陣羽織」を真似て作ったとされる、下級武士が着る木綿入りの羽織の事である。それを着物のように仕立て、現在の「甚平（甚兵衛）」が出来たとされる。
（「『甚兵衛』という人が作ったから、或いは着ていたから」という説もあるが、こちらは一般的には俗説とされている）

子供も大人も着られるが、基本的には男性用の和服として定着している。もっとも女性でも普通に着られる服であるし、近年では女性用の甚平も販売されているので興味がある方は探してみてはどうだろう。

その他

甚平と似た和服には作務衣があるが、大まかには袖の長さや風通しの良さ、着る時期によって区別される。
（もっとも店舗などによっては同列に扱われる事もあるようだが。）
時期を問わずに年中利用可能なのが作務衣、夏専用の和服が甚平、といったところか。
甚平の名前を持った動物に「ジンベエザメ」がいるが、これは甚平のような模様が身体にある事に由来している。