懐中電灯とは、電池を使用する携帯照明器具である。アメリカ英語ではFlashlight (フラッシュライト)
中国語では手电筒または手電筒 (ショウディエントン)
1898年にアメリカのアメリカン・エレクトリカル・ノベルティ・アンド・マニファクチャリング・カンパニー
(現在のエナジャイザー社)が販売した。
この記事は第142回今週のオススメ記事に選ばれました! よりニコニコできるような記事に編集していきましょう。 |
大きさや形状、光源や使用電池の種類及び本数、本体の材質、集光方法、ON-OFFの方式などで
用途別に様々な商品がある。
安い物なら100円ショップでも買え、高い物なら50万円以上する物も存在する。
大きさ的に懐(ふところ)に入らない物でもそう呼ばれる。
・使用電池の略称
アメリカでの通称は単1電池がD、単2電池がC、単3電池がAA、単4電池がAAA、単5電池がN、単6電池がAAAA。
これの頭に電池本数分の数字をつけて単1電池3本なら3D、単3電池2本なら2AAのように呼ばれる。
一次電池(充電不可) 円筒型 Non-Rechargeable battery
マンガン電池 R Zinc–carbon battery |
公称電圧1.5V。初期電圧1.6V。アルカリより液漏れしにくい。値段安い。大出力製品には向かない。低温での性能低下が著しい。 電流を止めると一時的に起電力が回復する為、時々使用する物に向く。 使用推奨期限は単1・単2が3年。単3・単4が2年。 |
アルカリ電池 LR Alkaline battery |
公称電圧1.5V。初期電圧1.6V。液漏れしやすい為長期間入れっぱなしに向かない。 マンガン電池より大出力製品に向く。 使用推奨期限は単1~単4が5年(Panasonic EVOLTA、FUJITSU PremiumGは10年)。単5が2年。 |
オキシ水酸化 ニッケル電池 ZR Nickel-oxyhydroxide battery (NiOOH) |
公称電圧1.5V。初期電圧1.7V。値段高め。初期電圧がマンガン・アルカリより0.1V高く、 豆電球ライトでは短時間でフィラメントが焼き切れてしまい、LEDライトでも機器によっては回路を損傷させる恐れがある。 オキシライド電池(Panasonic)、GigaEnergy(東芝)、ニッケルマンガン電池(ソニー)などが過去に販売されていた。 |
硫化鉄リチウム電池 FR Lithium–iron disulfide battery (Li–FeS2) |
公称電圧1.5V。初期電圧1.8V。値段高め。軽い(アルカリの2/3)。自然放電が少なく15年間保存が可能。低温での性能が高い。寿命末期まで電圧を保つ。単3と単4がある。 デジカメなどの大電流機器ではアルカリの8倍長持ちする。 ニッケル電池以上に初期電圧が高い為使用出来る機器か確認する必要がある。 エナジャイザー、Panasonic、ネクセルなどが販売している。 |
二酸化マンガン リチウム電池 CR Lithium–manganese dioxide battery (Li-MnO2) |
公称電圧3V。初期電圧3.2V。値段高い。自然放電が少なく10年間保存が可能。小型軽量。低温での性能が高い。寿命末期まで電圧を保つ。軍用の物は大体カメラ用のCR123Aが使われる。 デジカメ用のCR-V3には単3形が2本並列に入っており、分解すれば2本入手可能。 |
水電池 | 本体内に水を入れて使う電池。水を入れなければ20年間保存が可能。 無負荷電圧は2.0Vあるが電流が非常に弱い(アルカリの1/6程度)為、 LEDライトなら使用可能だが豆電球ライトでは使用不可。 電池自体の性能は高くなく、あくまでも災害時の備蓄用。 単3形のみ販売されている。 |
アルカリボタン電池 LR |
公称電圧1.5V。使用推奨期限は2年。主にキーホルダーライトに使用される。 一部を除き微量の水銀を使用している為、寿命時にはボタン電池回収BOXに入れるのが望ましい。 社団法人電池工業会 - ボタン電池回収サイト |
リチウムコイン電池 CR・BR |
公称電圧3V。使用推奨期限は5年。主に軽さを生かしてヘッドランプやキーホルダーライトに使用される。 フッ化黒鉛リチウム(BR)は二酸化マンガン(CR)より高温に強く、自己放電が小さく、軽いが値段が高い。 |
ピン形リチウム電池 BR | 公称電圧3V。主に電気ウキ用。ペンライトに使用する物が有る。 |
他に空気亜鉛電池(PR)や酸化銀電池(SR)などがあるが懐中電灯には使われない。
二次電池(充電OK) Rechargeable battery
鉛蓄電池 Lead-acid battery (Pb) |
電圧2V。値段安い。大きく重い。充電時間が長い。過放電厳禁(充電出来なくなる)。 自然放電が多い。メモリー効果無し。 有害な鉛や硫酸を含んでいる為、廃棄時は適切にリサイクルされる必要がある。 バイクや自動車に使用されているバッテリーはこれを直列接続し6Vや12Vにした物。 懐中電灯用には液漏れの無いシールドタイプ(密閉型)が用いられる。 |
ニッケルカドミウム電池 Nickel-Cadmium battery (Ni-Cd) |
電圧1.2V。過充電・過放電に強い。内部抵抗が小さい。容量少ない。メモリー効果が顕著。 自然放電が多い。有害なカドミウムを含んでいる為、廃棄時は適切にリサイクルされる必要がある。 |
ニッケル水素電池 Nickel-metal hydride battery (Ni-MH) |
電圧1.2V。容量多い。ニッケルカドミウム電池よりメモリー効果少ない。自然放電が多い。 電池が過放電になった際、水素を含んだガスが排出される可能性がある為 水中ライトなど気密性の高いライトでは使用を禁止している場合が多い。 (破裂・発火のおそれがある為) |
低自己放電ニッケル水素電池 Low self-discharge NiMH battery (LSD Ni-MH) |
電圧1.2V。ニッケル水素電池を自己放電が少なくなるよう改良したもの。 三洋電機のeneloopが有名。 買ってすぐ使えるよう、充電済みの製品が多い。 |
コバルト酸リチウムイオン電池 Lithium-ion battery (Li-ion) Lithium cobalt oxide battery (LCO) |
平均電圧3.7V。正極材料LiCoO2。希少元素のコバルトにより値段高い。軽い。 過充電厳禁(爆発する)。過放電厳禁(充電出来なくなる)。満充電状態で保管すると劣化する。メモリー効果無し。 懐中電灯用にはノートPCのバッテリーパック部品の18650型が良く用いられる。 保護回路有りの物と無しの物があり、有りの物は直径・全長共にやや大きい。 携帯電話やデジカメ等に使われているリチウムイオンポリマー電池はこれの一種。 |
マンガン酸リチウムイオン電池 Lithium manganese oxide battery (LMO) |
平均電圧4.0V。正極材料LiMn2O4。コバルト酸リチウムイオン電池よりも安全性が高く原材料費も安いが容量は若干少ない。メモリー効果無し。 AW社のIMR18650が有名。 |
リン酸鉄リチウムイオン電池 Lithium iron phosphate battery (LFP) |
平均電圧3.2V。正極材料LiFePO4。軽い。超急速充電が可能。安全性が非常に高く、原材料費も安い。満充電状態での保管が可能。メモリー効果無し。 リチウムフェライトバッテリーとも呼ばれる。 |
・メモリー効果
ニッケルカドミウム電池・ニッケル水素電池にある
電池容量を使いきらずに継ぎ足し充電を繰り返すと電圧が低下する現象。
eneloopや充電式EVOLTAなどはこれを抑える改良がしてある。
蓄電池にはニッケル、カドミウム、コバルトなど希少な金属が使われており、また鉛やカドミウムは有害なので
寿命時にはゴミとして廃棄せず家電量販店などに持って行きリサイクルしましょう。
・ダミー電池
電池と同じ大きさ・形をしており、使用した本数に応じて電圧を下げる事が出来る。
例を上げるとCR123Aを3本使用するライトにCR123Aを2本、ダミーを1本入れれば
本来9V用のライトで6V用の豆電球やLEDモジュールが使用出来る。
柄が長いライトを警棒として使う場合に重心位置の調整に使う場合もある。
要は電池と同じ形状・サイズで両端が電気的に直結されていて側面が絶縁されていればいいので、自作も可能。
・サイズ変換スペーサー
単3電池→単1電池など、小さいサイズの電池を大きいサイズの電池にする物。
電池容量が下がる為、基本的に点灯時間は短くなる。
また機器によっては電池の端子がバネに接触せず使用出来ない場合がある。
副次的な利点として機器を軽量化出来る。
家電量販店やホームセンター以外に100円ショップやコンビニでも販売している。
電池容量の向上の為2本以上を並列に入れる物もある。
円筒型リチウムイオン充電地などはサイズ別で 直径を前半2文字、長さを後半3文字の数字で呼ぶ。
(18650なら直径約18mm、長さ約65.0mm)
10440 単4と同サイズ
14500 単3と同サイズ
15270 カメラ用リチウム電池 CR2 と同サイズ
16340 カメラ用リチウム電池 CR123A とほぼ同サイズ。
17670 カメラ用リチウム電池 CR123A 2本分のサイズ。
18650 カメラ用リチウム電池 CR123A 2本分のサイズ。直径が少し太い。
26500 単2と同サイズ
32600 単1と同サイズ
これ以外にも様々な大きさの物が存在する。
これ以外にもシュアファイア社の『マイクロテクスチャードリフレクター』やツヴァイブルダー・オプトエレクトロニクス社の『フロッグアイレンズ』などメーカーにより様々な呼び名の物がある。
また、非常に明るいライトの場合集光ではなく散光を目的とした拡散レンズカバーがオプションで付属する物もある。
以前のLEDライトは「従来のLEDの○○倍の明るさ」「1W白色LED搭載」といった表示が多かったが
チップタイプLEDの目覚ましい性能向上や砲弾型LED自体も明るい物が登場した事により
最近では殆どルーメン(光束値)で表記される。また使用しているLEDのメーカー名や製品名を表示するケースが多い。
これまでは明るさを測定する統一規格が無かった為、反射鏡やレンズを取付けない状態での
LEDの定格値そのままを製品のルーメン値として表示した製品も多かった。
その為、ANSI(American National Standards Institute:米国規格協会)及び
NEMA(National Electrical Manufacturers Association:米国電気工業会)及び
懐中電灯製造メーカー14社が2009年に共同で性能比較用の規格として「ANSI/NEMA FL-1」を制定した。
ルーメン(lumen、lm)
光源から一定時間単位に発生している光の量(光束)を表す単位。数値が大きいほど発する光が多い。
但し拡散光だったりすると遠距離までは届かない為、ルーメンが大きいライト=遠くまで照らせるライト では無い。
一般的な自動車のヘッドライト(ハロゲン)は片方1400lm、左右で2800lm程度。
トーチルーメン:反射鏡やレンズを取り付け、完成した懐中電灯を使って実測した時の光束
バルブルーメン:光源の設計上の光束
カンデラパワー(CDP)
光軸の中心の明るさ(光度)を表す単位。スポット配光のライトほど大きくなる。
この数値が大きいライトは遠距離まで照らすのに向いている。
ルックス、ルクス(lux、lx)
照らされた面の明るさ(照度)を表す単位。光源からの距離によって変わり、光源から離れるほど小さくなる。
この単位で明るさを表記する場合、必ずライトからの距離を併記する必要がある。
(1m前方の位置で1000ルクス など)
明るいオフィスの机の上が700ルクス程度。ギリギリ新聞を読める明るさは0.25ルクス。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2025/01/11(土) 06:00
最終更新:2025/01/11(土) 06:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。