必殺仕事人Vとは、朝日放送(現・ABC)の制作で1985年1月11日~7月26日までテレビ朝日系列で放送された時代劇『必殺シリーズ』第23弾である。全26話。
オープニングナレーション
お医者様でも草津の湯でも、恋の病は治らねえ
恋の闇よりなお暗い
恨みの夜の稲妻に、姿が浮かぶ仕事人
顔は見ねえでおくんなせえ、心の闇を晴らして見せやす
ナレーター:中村梅之助
概要
前々作『必殺仕事人IV』最終回で飾り職人の秀が仕置の際に顔を見られ手配所が回ったことで江戸を去り、前作『必殺仕切人』最終回で三味線屋の勇次たち仕切人が偽仕切人を倒して江戸を離れた後の物語。
前週に放送されたスペシャル番組『必殺仕事人意外伝 主水、第七騎兵隊と闘う 大利根ウエスタン月夜』にて、花屋の政と組紐屋の竜という2人の新メンバーを加えて仕事人を再結成しているため、本作の第1話の時点では既に6人は顔見知りという状態から始まっている。
なお、竜役の京本政樹が映画『必殺!ブラウン館の怪物たち』の撮影中に足を骨折したため、第21話では「仕事」中に足を負傷したという設定に。加代役の鮎川いずみも事故でむち打ち症になったため、加代も首にギプスを巻いていた。
ちなみに第9話では、漫画『キン肉マン』の作者・ゆでたまごの二人が仕事人に憧れる行商人役(いわゆる被害者役)でゲスト出演。同漫画の人気キャラ・バッファローマンも、仕置技を説明する紙芝居の中にふんどし姿で登場している。
登場人物(仕事人)
紹介はEDのキャスト順。
- 中村主水演:藤田まこと
- 南町奉行所同心。本作では奉行所に新たにごますりの溝呂木頼母が登場したため、田中様にますますないがしろにされ、家でもせんりつコンビに相変わらずいびられるという毎日を過ごすことになる。
ちなみに裏の仕事の時は、刀の柄に仕込んだ刃で標的を突くという新技を見せている。
- 何でも屋の加代演:鮎川いずみ
- 『必殺仕事人』時代から続く情報担当。
家の一階部分を政に間貸ししており、政と同居状態だが、政に気があるのかどうかはよく分からない。情報収集の他は、他の殺しのメンバーをサポートするの順之助のサポートをする。
- 組紐屋の竜演:京本政樹
- 日本橋のたもとで組紐屋を営んでいる、二枚目だが無口で寡黙な青年。組紐の出来がいいので信頼も高く、また、顔もいいので娘達からの人気も高い。
鈴が付いた組紐を投げて標的の首に巻き付けて一気に持ち上げるという仕置技は、時には二人同時に持ち上げるという竜の見た目と違った怪力技である。
政とは主水達と組む以前からの付き合いであり、政とのコンビはそれなりに知られているようである。
実は元は伊賀忍者であったが、人間らしい生活に憧れていたため抜け忍となる。しかし、抜け忍となって選んだ道は、人間らしいとは言えない仕事人というこれまた闇の稼業であった。
- 西順之助演:ひかる一平
- 『必殺仕事人IV』より他のメンバーのサポート役に回ることになった受験生。
本作では、オカマの玉助の他に「許嫁」のお新にまでつきまとわれており、普段はより一層慌ただしくなっている。
裏の仕事では『仕事人IV』より使用している投石機で主水・政・竜のサポートをしているが、本作ではその投石機に新たに飛距離を調節できる機能が備え付けられた他、標的の刀を奪う電磁石もある。
最終回ではこれまで同様に仲間を見送ることになるが、のちに自身も長崎へ留学。「とあるもの」の勉強をすることになる。
- 花屋の政演:村上弘明
- 大黒長屋の加代の家の一階を間借りし、そこで花屋を営んでいる背は高くて寡黙な青年(加代も、当初は自分の家を間借りしている人間が仕事人だったとは知らなかった)。
仕置技は花の枝で標的の首を刺すというもので、出陣の時に何かしらの木から枝を折るシーンがある。その技は、自分を育てた養母が教えてくれたもので、子供の頃に父(仕事人)が得物を発見されて捕まり処刑されたことから、その養母が得物が見つからないようにという理由で教えてくれたものだが、その父の死は実は…。
最終回で顔を見られたことでお庭番に追い詰められ、崖から落ちるも生き残り、江戸から去った。
- おりく演:山田五十鈴
- 三味線の師匠で、ベテランの女仕事人。三味線の撥で敵ののど元を切り裂くというおなじみの仕置技を使う。
しかし第11話をもって退場、以降の行方は誰にも分からない。
ちなみにEDでは例の如く起こしのテロップである。
主題歌・挿入歌
- さよならさざんか
- 作詞:宇山清太郎 作曲:平尾昌晃 編曲:竜崎孝路 歌唱:藤田絵美子(現・EMIKO)
主題歌。本作の殺しのテーマはこの曲のアレンジであり、次回作『必殺橋掛人』でも本作の主題歌およびアレンジテーマが使用されている(柳次は除く)。ちなみに歌唱の藤田絵美子は、藤田まことの娘である。
- 哀しみ色の・・・
- 作詞・作曲・歌唱:京本政樹 編曲:大谷和男
挿入歌。
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