勅使河原直哉とは (テシガワラナオヤとは) [単語記事]

勅使河原直哉（てしがわらなおや）とは、小説・アニメ版『Another』の登場人物である。

概要

クラスのムードメーカーで陽気なお調子者。学校では常にジャージを着用し、夏は上着を腰巻きにしている。一方、本編で学ランを着用した場面は無い（BD-BOXではキャラ原案のいとうのいぢの作画で学ラン姿の勅使河原が拝めるが）。愛称は「てっしー」。小椋由美からは“帰宅部のエース”という微妙な称号も与えられている。クラスメイトの風見智彦とは小学三年生の頃からの幼馴染。真面目でしっかり者の優等生の風見と比べ、勅使河原は茶髪で性格も軽い為、赤沢泉美からはいつも叱られてばかりいるが、対照的だからこそこの二人は馬が合うのかもしれない。漫画版では二人の姉がいる。

榊原恒一が転校した時も、真っ先に声を掛けて最初の友達となる（恒一の事は「サカキ」と呼んでいる）。後に恒一が<いないもの>にされた時も心苦しく思っており、彼が<いないもの>から解除されると直ぐに交流を再開。以降も、望月優矢と共に原作・漫画版・アニメ版・実写映画版の全作品を通して、恒一とは良き友人関係を貫き通し、常に彼の味方であり続けた。

物語の後半には、恒一や望月と一緒に現象を終わらせる手段を模索し（漫画版では風見・アニメ版では見崎鳴も協力）、三年三組のOBである松永克巳が残したカセットテープを発見する。然し、<死者>を殺す事で<災厄>を止める方法を知って疑心暗鬼に陥り、合宿で風見が<死者>と勘違いして二階から突き落としてしまう。原作・漫画版では風見は軽い怪我で済み無事に和解したが、アニメ版では再会する前に風見が発狂した上に死亡するという、勅使河原にとって最悪の結末となってしまった。

又、アニメ版の終盤では、松永に倣って今度はMDに肉声の記録を残したが、水島努監督は「続編を作るとしたら、これが更なる悲劇を起こす」と不吉な発言をし、キャラクターデザイン担当の石井百合子が「めちゃくちゃ後ろ向きじゃないですか！」と言ってしまう程の物議を醸した（酒の上の話だが）。

尚、原作・漫画版では“勅使河原”と呼ばれるだけで、名前は明らかにされておらず、“直哉”という名はアニメ版オリジナルである。

実写映画版では、名前が“勅使河原隼人”となっており、宇治清高が演じた。クラスのムードメーカー設定はどこへ行ったのやら、やけに暗い雰囲気のキャラクターになっている。合宿では風見ではなく望月を疑い、殴って気絶させてしまう。その後、合宿所から逃亡する時にコードが絡まって感電死、まさかの犠牲者になってしまった。事実上苗字が同じなだけの別人である。

安定と万能のてっしー

主人公の良き友人にして、コミカルな三枚目キャラというポジションにある為、二次創作やファンアートでも、本編と余り扱いが変わらない。イロモノキャラはどちらかと言えば中尾順太に回される事が多いので、キャラ崩壊も殆ど無く、基本はボケて時々突っ込むパターンが多い。

漫画版では赤沢さんに片想いしている設定が付け加えられた。基本的に相手にされず、寧ろ馬鹿にされているが、単に惚れている訳ではなく、赤沢さんが鳴に謝罪を要求した時は、真っ先に赤沢さんの発言に異論を唱えた。漫画版では終盤で生き延びた赤沢さんと良い雰囲気になる事から、二次創作やファンアート等で恒一が鳴を選んで赤沢さんが失恋した場合、勅使河原とくっつくパターンが時々見られる（但し、漫画版の赤沢さんは恒一に好意を抱いていない）。アニメ版でも漫画版程は強調はされていないが、海水浴等で彼女を意識しているシーンが幾つか見受けられる。

勅使河原を語る上で欠かせないのは、ファッションセンスの無さである。ジャージは野暮ったい印象こそ受けるものの素朴な感じがしているので悪くないが、喫茶店・イノヤにやって来た時は、何故かアロハシャツを着用して登場。赤沢さんに露骨に避けられていた。又、水着もよく見るとダサい（上記の殆ど似ていない実写映画版も服装がダサいという点だけは共通している）。この時は昆布やなまこと妙なものばかり釣って、赤沢さんにボコられていた。こうして見ると、赤沢さんとは中々の夫婦漫才だったりする。