トマト 単語

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トマト

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トマト(蕃茄、tomato)とは、果物野菜界を植物である。付ける実は食材にも使用され、一般的にトマトと言えばその実だけをすことも多い。別名トメイトウ赤茄子(あかなす)とも。

トマトを名前に含む人物については「トマトに関連する人物」の節を参照。

概要

ニコニコ大百科植物
トマト

分類 ナスナスナス
学名 Solanum lycopersicum

Solanum→語不詳のラテン語古名
lycopersicum→オオカミの+
ナスSolanaceae

ナス - ししとう - ジャガイモ - タバコ - トウガラシ - トマト - ハバネロ - ミニトマト

このテンプレートについて

長らくトマト属(Lycopersicon)に分類されてきたが、ナス属に統合された。種小名の「オオカミ」は、より下等で味が悪いと見なされたことからつけられた。あるいは同じナス科でよく似た姿のベラドンナが狼男を召喚する為に用いられるとする伝説から来たという説も有力である。

原産地は南米アンデス高原地帯。栽培の始まった時期はよく判っていないが、紀元前5世紀ごろにメキシコに持ち込まれた黄色味の強いチェリートマトのような品種が、突然変異によってより大きくデコボコしたい実をつけるようになったのが現用種の直接の祖先であると考えられている。

トマトの名はアステカ語のシートマトル(xitomatlヘソの付いた腫れている物)を取り込んだナワトル語のトマトル(tomatl)に由来する。そこから15世紀末ヨーロッパ人の新大陸進出によってヨーロッパに持ち込まれ、16世紀中頃にはスペインイタリアの僧院などで栽培が始まり、食用品種としての改良が勧められた。

しかしイギリスアメリカでは、15世紀末イギリスで初めてトマトを栽培した理外科医ジョンジェラードJohn Gerard)が唱えたトマトに性があるという説が広く流布し、長らく観賞用や食卓り用の扱いであった。この説は先程のベラドンナの伝説に加え、当時のトマトがイギリスの気下での栽培に不向きであったのと、栽培が盛んなスペインイタリアが貿易競争の相手であったことも関係しているかも知れない。しかし18世紀半ばにはイギリスの一般庭でもごくありふれた野菜の一つとして普及し、アメリカでも一部の保守的な地域を除いては輸入関税が問題になるくらい(後述「豆知識」参照)普通に食されていた。

果実

果実は大きく系とピンク系に分けられる。日本では「桃太郎」や「ファースト」などピンク系が普通だが、世界的には系が一般的。内部には分が豊富で、ゼリー状の柔らかい組織が種を包んでいる。

赤色リコピンを始めとするカロテン類に由来する。特にトマトの栄養素の代表であるリコペンリコピン)には、天然物質としては最高クラスβ-カロテンの2倍以上)の化作用があり、特に系のトマトがこれを多く含んでいる。リコピンは美容に良いとされ、と一緒に摂取すると吸収効率がより良くなるためオリーブオイルとの相性が良い。また旨味成分のグルタミンも多く含む。

他にも抵抗力を高めて風邪を引きにくくするビタミンC、余分な塩分を排出するカリウム、血中コレステロールを減らすペクチンなど魅力的な栄養素を多く含む。野菜の中では糖質が低くく血糖値を下げる効果もあるため糖尿病患者でも食べられる上、トマトジュース糖尿病でも飲める数少ないジュースである。もちろん2糖尿病予防にも有用。

一方でトマトには尿管結石の原料となるシュウがあるため食べ過ぎは禁物(コーヒーホウレンソウべれば少ないとはいえ)。1日に大玉2つを安にしよう。

食用

生食することも多いが、調理されてピザシチューサルサソースなどにも用いられる。加工食品としてはケチャップトマトジュース・トマトピューレなどがある。トマトジュースを使ったカクテルには、ウォッカベースブラッディ・マリービールベースレッドアイなどがある。

本に持ち込まれた時には色と臭いが受けつけられず、食用にはならなかった。「トマトの臭い」といってもあまり思い浮かばないかもしれないが、品種改良がよく進んだ現在のトマトとは臭みが較にならなかったのである。なお、現在でも茎や葉には独特のくさい臭いがある。

バイオテクノロジー

1978年には細融合の技術によってジャガイモとの雑種ポマトが作出されたが、果実(トマト部分)も塊茎(ジャガイモ部分)も大きさが中途半端だったので実用には向かなかった。しかし、新しい育種技術としてこの成果は注を浴びた。

トマトがはやく腐ってしまうのは、細胞同士を接着して果実の形を保っているペクチン(正確にはその成分であるポリガラクロンPG))が酵素ポリガラクロナーゼによって分解されてしまうのが理由である。アメリカのカルジーン社は、その酵素をつくるための遺伝子を逆向きにしたものを組み込むことで(注・難しい話なのでひどく大雑把な説明です)その働きを抑え、腐敗を抑えるという手法を開発した。これを利用して作出した品種が「フレーバーセーバー」の名で商品化されたのが1994年のことで、これは界で初めて認可された遺伝子組み換え作物である。

トマトは遺伝学的情報がよく知られていることや、世界的に重要な作物であることからナス科のモデル植物として注され、特にマイクロトムという品種が研究用として有名である。現際的な協力体制でゲノム全配列の解析が進められている。

栽培・品種

トマト生産量・栽培面積は、世界的には中国が圧倒的に多い。生産量ではアメリカトルコがそれに次ぐ。消費量は、トマトを使った地中海料理世界的に有名なギリシャイタリアで非常に多い。

日本では熊本県、特に八代地方が最大の産地で、千葉県茨城県北海道取町)・愛知県渥美)などでも栽培が盛ん。

 

その他・豆知識

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