サイコマンとは、漫画『キン肉マン』に登場するキャラクターである。遥か昔に全超人への神々による裁きから逃れた超人「完璧超人始祖」の一員であり、完璧・無量大数軍の一員・グリムリパーの真の姿。
当初は完璧・無量大数軍のグリムリパーとして登場した。この時点ではその正体は明かされていなかった。
一度バッファローマンに敗れて姿を消すが、悪魔将軍により超人墓場が解放され、銀のマスクにスペインのサグラダ・ファミリアにいるところを発見されるとその正体である”完璧・拾式”サイコマンとしての正体を明かす。所持する絶対の神器は「雷のダンベル」。
サイコマンとしての彼は、太古の昔に超人としての力を正しく使おうと唱え、神の座を捨てた男ザ・マン(現超人閻魔=ストロング・ザ・武道)に導かれ、カピラリア七光線での全超人抹殺から逃れた超人「完璧超人始祖」の一人。
本来「完璧超人始祖」は地上に出られない身だが、超人閻魔の信頼厚いサイコマンは特命で地上に出る事を許されている。しかし、体裁などもあり堂々と始祖を名乗って出る訳にはいかないため、表向きは無量大数軍所属の超人「完幻」グリムリパーとして行動している。この事実は超人閻魔と始祖にしか知られておらず、ネメシスを含めた無量大数軍の面々には教えられていない。作中では無量大数軍そのものがサイコマンの活動のための隠れ蓑とさえ囁かれている。
超人強度は、公式の発表はされていなかったが、後に「キン肉マン大解剖 新装版」で1000万パワーと公表された。
これは完璧超人始祖の中で最も低い数値である。
「完璧・無量大数軍」の第二陣の一人として現れ、鳥取砂丘の階段ピラミッドの戦いから参戦。
全身を黒の法衣のようなドレスに身を包み、丸い帽子をかぶっている。口調は丁寧であるが、完璧超人として他の超人を見下す態度を取る。笑い声はニャガニャガ。悪魔超人たちからは「おネエ野郎」と呼ばれていた。名前の由来は英語で「死神」を意味する「グリムリーパー(Grim Reaper)」からか。
当初は4階リングにおいてスプリングマンと戦っていたがジャック・チーの水流による掘削でピラミッドが崩壊、バッファローマンVSターボメンの試合が行われていたリングと合流し、両者合意の上でタッグマッチに変更される。ターボメンとのタッグチーム名はジョン・ドウズ(名無し)。
即興のタッグチームではあるがターボメンとの合体技でバッファローマン・スプリングマンのディアボロスを苦しめる。しかし、バッファローマンが本来なら止められるはずがないツープラトン技を受け止めたのを機にそのパワーに興味を持ち、そのパワーの正体を見極めようとする。タッグマッチはターボメンがディアボロスのロングホーン・トレインで敗れ、スプリングマンもターボメンのアースクラッシュに耐え切れず体が粉々に砕け、バッファローマンVSグリムリパーの一騎打ちに移行する。
バッファローマンとの戦いではグリムリパーは驚異の握力やサンダーサーベルなど次々と新技を繰り出しバッファローマンを追い詰める。一方のバッファローマンも悪魔超人時代のパワーを取り戻し、これに対抗。そのパワーでグリムリパーがターボメンの死体から取り出し右手に装着したアースユニットに超人パワーを逆流させるが、8000万パワーを超えるパワーを吸収してしまったことでアースユニットは破裂。その隙をついたバッファローマンはハリケーンミキサーからの超人十字架落としを決め、グリムリパーをKOする。
試合後、立ち上がったグリムリパーは完璧超人の掟に従い、バッファローマンに自分にとどめを刺すよう要求。ロングホーンに貫かれたグリムリパーの体は透けるように消え去ったが、バッファローマンにはその最期に違和感が残った。
超人墓場陥落後、特命のため、サグラダ・ファミリアでの活動中に銀のマスクから発せられた光に場所を明かされ正体を披露。バッファローマンが感じた違和感は正しく、やはり死んではいなかった。負けたら死、という完璧超人の掟は完璧超人始祖である自分には適応されないと言い切っている。
基本はグリムリパーと同じ法衣のような豪勢な衣装に帽子だが、カラーリングが真逆の白を基調としている。
グリムリパー時と同じく道化師然としており常に相手を煽る。飄々と相手を馬鹿にして楽しむ性格はそのままに、冷徹・残酷さ・狂気・サディストっぷりが付け足され恐怖度が上昇している。
危険性が目立つがその行動は始祖としての使命を果たすためであり、超人閻魔のただ一人の理解者として動き、そのためなら非道な事も辞さない。シルバーマンからは「真面目すぎた」と言われており、この変貌ぶりに心を痛めている。
グリムリパー時の衣装を自在に操る、サンダーサーベル、握力などの怪力のほか、かつて正義超人を苦しめたマグネットパワーを最大の武器として扱う。マグネットパワーの最初の発見者であり、ネプチューン・キングに伝授したのもサイコマンだった。ちなみに、ネプチューン・キングのことは「最低の小物」「調子に乗った小悪党」とこきおろしており、強さに溺れて増長してしまったため完璧無量大数軍の資格を剥奪している。
拾式奥義は相手を空中に打ち上げ、複雑な関節技に固めたうえで頭からリングに激突させる「輪廻転生落とし(グリムリーインカーネーション)」。現在のサイコマンはマグネットパワーを使って空中で技をかけている相手と地面との間で磁力を発生させ、本来の技よりさらに破壊力を増している。しかし、マグネットパワーに気を取られたせいで技術的な部分は以前より落ちてしまっている。
サグラダ・ファミリアに姿を現した後、追ってきたバッファローマンたちと交戦するかに見えたが、そこへ現れた悪魔六騎士の1人・プラネットマンと戦うことになる。序盤はプラネットマンのトリッキーな技で攻められるもそれを悉く切り返し、自慢の握力とマグネットパワーでプラネットマンを圧倒する。さらに「人面プラネット」で人質に取られた元同僚にも全く容赦を見せずに攻撃を加え攻略。最後は、<完幻>ファントム・キャノンでプラネットマンを粉々に砕き、終わってみればほぼ一方的な内容で勝利する。
その後はモニター越しにガンマンと幾度となく口論を繰り広げ、ジャスティスマンに対しては裏切りを見越して警告していた。その後、姿を消していたストロング・ザ・武道やネメシスが国立競技場に出現すると、生き残った始祖たちと共に移動。ここでも憎まれ口を続けるサイコマンに対し、憤慨したザ・ニンジャが攻撃を仕掛けてくるも、これを軽く一蹴してしまう。
「許されざる世界樹」においてはサイフォンリング4階でブロッケンJr.と対決。想像以上の力を見せるブロッケンに圧倒され、自身に匹敵する握力や「サンダーサーベル」を「ベルリンの赤い雨」で切り裂かれたりと苦戦した時もあり当初は見下していたブロッケンへの評価を改める。しかし、徐々に本来の力を見せるようになると地力の差で圧倒するようになり、ブロッケンの両手の全ての指をへし折ってしまう。そして、拾式奥義によって殺そうとした所でシルバーマンが止めに入ったため取り止め。すっかり興味はシルバーマンへと向いてしまったことからすでに戦闘不能のブロッケンをリフトアップスラムで投げ、さっさと試合を決めてしまう。
一時はシルバーマンとの再会を喜ぶも、お互いの信念の違いは如何ともし難く、説得して変心させようと試みるも失敗。完璧超人への帰還が叶わないと知ると涙を流し、そのまま信念を掛けてサイフォンリング4階で激突する。
対シルバーマン戦では、序盤はブランクのあるシルバーマンに対して攻勢に出るも、パーフェクトディフェンダーを駆使され攻め切れない。ならばと、執拗な顔面攻めによってシルバーマンの体を磁性体化し、マグネットパワーを使ってシルバーマンの動きを封じる。マグネットパワーの素晴らしさを認めてもらいたいことからマグネットパワーをアピールした戦いをするが、シルバーマンは意に介さない。ついにマグネットパワーを組み込んだ拾式奥義「輪廻転生落とし(グリムリーインカーネーション)」でシルバーマンをしとめたかと思われたが、ブロッケンJr.戦で掘り返していた地面に落としてしまい、技は不発。逆にサンダーサーベルを利用されシルバーマンはマグネットパワーを無効化されてしまう。マグネット・パワー無しの輪廻転生落としで逆襲に出るがマグネット・パワーに頼り過ぎていたために本来の技の研鑽を怠っていた弱点を見抜かれ、最後はシルバーマンの弐式奥義「アロガント・スパーク」にてKOされる。
グリムリパー時も含めて合計四回も戦っている。新シリーズにおいて現在最多連戦数キャラ。
ガンマン・シングマンとは険悪な関係で、彼らをからかうことが多く、ガンマンからは「殺してやりたい」とまで言われている。サイコマンの方は相手を茶化してその反応を楽しんでいる模様。あまり良い関係ではないらしい始祖メンバーの中で唯一シルバーマンとは親密な仲で、尊敬出来る自分の唯一の理解者だと言っている。シルバーマンからも親友として見られ接していた。また、超人閻魔の事を閻魔さんと呼んでいる。
地球に秘められたマグネットパワーを現在のサグラダ・ファミリアがある地で最初に発見したのはサイコマンだが、その利用をほかの完璧超人始祖たちに持ちかけるも全員がそれを拒否。信頼していたシルバーマンにさえ利用するのではなく他の超人がそれに触れないように自分たちが管理すべきと完全に危険物扱いされてしまう。唯一ザ・マンのみがその利用を認め、サイコマンに更なる研究をするよう促した。
完璧超人始祖と超人閻魔の11人こそが至高と信じて疑わず、彼らの指導の下でこそ理想郷が作れるという信念を持っていた。マグネットパワーの研究もそのためであり、自分たちのかつての理想を遂げるためには始祖としての誇りさえ捨て去る覚悟を秘めている。
自分のためでなく仲間のために戦うその姿勢は、のちの正義超人の姿にもダブる。
サイコマンが敗れ、超人閻魔と完璧超人始祖を消し去る10個のダンベルが発動した際にはその影響を自分のみに限定させ、他の始祖と閻魔が消滅するのを防ぐ仕掛けをしていたことを明かし、ただ一人消滅が始まる。
消滅のエネルギーは自分に向けなくとも、それこそ犬猿の仲だったガンマンやシングマンに向けることは可能だったが、「可哀想だから出来なかった。だから私自身に向けるしかない」と拒否。サイコマンにとっては超人閻魔と他の完璧超人始祖が消え去ることは、自分が消える事よりも許せなかったのである。
ゴールドマンとシルバーマン以外の他の始祖が現在の超人閻魔を「あやつ」と呼ぶ中、唯一「閻魔さん」と呼んでいたが、これは超人閻魔を認めていたわけではなく、その証拠に消滅する際には明確に「さすが閻魔さん…いえ、当時のザ・マンが~」と呼び分けている。
また自分は優秀であると言ってはばからなかったが、消滅の間際には「こんな私を始祖に選んでくれてありがとうございました」とザ・マンに対し礼を言っていること、何より彼自身はシルバーマンのように強情でも自分の信念を曲げない超人になりたいと吐露していたことから、本心では自分を卑下していたことが伺える。
最後はシルバーマンの腕に抱かれ、帽子のみを残してこの世から消滅。究極の自己犠牲ともいえるその最期は、親友であったシルバーマンから「君なら本物の正義超人になれたかもしれない」と称えられた。
死後、その本当の姿を目の当たりにしたキン肉マンたちも「誇り高い始祖の一員だった」と称え、実は過去にはゴールドマン(悪魔将軍)からも「本当は新たな進化(友情パワー)にもっとも近い始祖であり、自身でも気づいていたが、それを否定するためにマグネット・パワーに走ってしまった」と評されていたことが判明した。
その胡散臭い言動や衣装から読者からは「いつか閻魔すら裏切るんじゃないか」「全ての黒幕はサイコマンでは」という予想が多かった中、まさかまさかの仲間思いの高潔な超人であったことが最後の最後で判明し、その最期は多くの読者の心を打った。
シルバーマンとの戦いの後、確かにこの世から消滅したはずだが、新たな脅威として登場した時間超人の幹部である五大刻の一人として瓜二つの姿をしたファナティックという超人が登場。現在のところ、その関連性は不明となっている。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/23(月) 15:00
最終更新:2024/12/23(月) 15:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。