エヴァンゲリオンについての質問です。 旧劇はあんな最後になってしまい、賛否両論が巻き起こりましたが、漫画版エヴァは旧エヴァを元に上手く終われたと思います。 作中の中で何を起点に、何が原因で旧劇と漫画版でオチが変わったのでしょうか？

なぜアニメエヴァンゲリオンがああなったかは、諸々の事情があります。大きく2つ ①予算とスケジュールの問題 ②TV終了後の炎上事件 元々エヴァンゲリオンは企画段階では、最終決戦の舞台が月面となり、クライマックスを経て大団円となる、人類の起源にまつわる壮大な王道SFストーリーでした。 初期設定は不思議の海のナディアと同じく人類のルーツをM78の異星人「第一始祖民族」としており、不思議の海のナディアのセルフオマージュであったと考えます。 つまり不思議の海のナディアを見るとエヴァンゲリオンが本来描きたかったものが予想できます。 こだわりが強くクオリティにこだわる庵野監督に対して、スポンサーからは、制作スケジュールや予算に対して厳しい制限が設けられました、それは庵野監督の要求を満たすものではなかったとの事です。 ここから庵野監督とスポンサーの水面化のせめぎ合いがあったと思われます。 エヴァンゲリオンでよく使われた長い静止画映像の演出は予算削減の為の工夫でした。 追加予算を無心する碇ゲンドウと、ひたすらスケジュール通りに計画を進行させ、勝手なことをしないよう警告するゼーレのやり取りは、 そのまま庵野監督とスポンサーにハマるのだと思います。 結果的に、ゼーレはモノリスにされ、スケジュールを守らず勝手なことをしたネルフはゼーレの制裁を受けます。 逃げちゃダメだ 逃げちゃダメだ 制作現場は地獄絵図だったのではないでしょうか? そして、TV終了後、その結末を取り上げて ネット掲示板を媒体に庵野監督を批判する炎上事件が起こります。 旧劇場版で庵野監督への誹謗中傷、脅迫状の内容が劇場公開されています。 つまり、旧劇場版はこの炎上事件事件の煽りを受けた事故物件になったということです。 これこそが新劇場版のエヴァの呪いの真相です。 旧劇場版は、人類補完計画によって人類が消えたあと、 シンジは元の世界へ帰り、碇ユイが、「生きていれば、強く信じれば、幸せになるチャンスはいつだってある。」と希望を示して締めくくられました。 その直後に、「お前たちこの結末を見て、それでも希望を信じられますか?」と言わんばかりにに見るもの全てを突き放ようなラストシーンで幕を閉じました。 これは、実はTVの結末のリフレインです。 私は旧劇場版のラストは視聴者に、これ何に見える?と答えを委ねた騙し絵だと感じています。 これまでの惨劇を見てから幸せの答えを見つけられますか? 実は旧劇場版をハッピーエンドにする解釈もあるのです。 庵野監督はTVでは自己完結して視聴者から批判された。 だから今度は希望は語るが、自らの答えは誰にも語らない。 どう見えたかがあなたの答えだ。 そんな結末を作ったと感じています。 漫画版について、 キャラクターデザイン担当の貞本氏脚色の作品です。 原作は庵野監督のアニメですが連載は先行して開始され完結は劇場公開後です。 個人的に、漫画版は貞本氏の解釈が入りつつ、庵野監督の初期の構想を汲んで結末まで書かれたと考えます。 つまり、漫画版の方が、当初庵野監督が描きたかったエヴァンゲリオンにより近かったのではないかと感じています。